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すれ違い

ひるなかの流星【すれ違い】
高校を卒業して2年。すずめ20歳。
3月に、水族館の社員雇用試験に合格。
大学生の馬村と、社会人になったすずめのすれ違う恋心を書いてみました。
仲直りするけどね(笑)




桜も散り上着を羽織らなくても暖かく感じる4月、すずめは珍しくスーツで職場に出勤する。
今まで、アルバイトをしていた水族館の社員雇用試験に見事合格し、この4月からは正社員として働くことになった。
今日は正社員として初めての出勤日で、入社式が行われたあと、役員の方々との顔合わせもあるらしい。

そして、アルバイトをしていた頃とは違って、シフトは自分の希望通りとはなかなかいかず、アルバイトが入りにくい時間帯や曜日などに集中して社員が入ることになる。
それでも、週2日のうち、1日は完全に休み、もう1日は時間短縮で働くことになるため、恋人との時間はそれなりに取れるかなと安心していた。
働き始めるまでは。


以前は、シフトの都合がつけやすいすずめが、平日は馬村の予定に合わせたり、土日はなるべく早番にしたりとしていたが、ここ2週間、土日は遅番になり、勤務時間は夜10時までなので、帰りは11時になってしまうこともあって、休みの日のデートはお預けとなっていた。
平日もまた、昼間は大学夜はアルバイトと馬村の都合がつかず、すずめとは電話やメールだけだ。


だが、やっと2週間ぶりに会えることになった日曜日。
すずめが昼間は仕事だったために、夜ご飯を2人で食べに行く約束をしていた。

「大輝!ごめん〜遅れた〜」
「はいはい…お疲れ。行くか」
バイトを先に上がらせなければならないため、どうしても定時ぴったりには上がれないこともある。
約束の時間よりも10分遅れて待ち合わせ場所に着いた。
2人は自然に手を繋ぐと、予約を入れている店へと歩いていく。
「久しぶりで、嬉しいね…」
「うん…。だな。ごめんな、平日なかなか予定合わせられなくて」
すずめは、馬村の腕に頭をくっ付けると、いいよと言った。

(本当は…少し、寂しいけどね)


2人が入ったのは、日本食のレストランで、刺身や寿司が美味しくてしかも安いとゆゆかから聞いていたので、すずめとしては是非来てみたいお店だった。
落ち着いた店内…というよりも、ファミリーレストランのような風貌ではあるが、個室や仕切り、カウンターもあり、家族連れやカップル、1人でも入りやすく作られている。
店内はかなり混み合っていて、個室が空いていなかったため、高いパーテーションでの仕切りのある掘りごたつ式の席に通された。



2人で、甘いカクテルとビールで乾杯をすませると、タイミングよく運ばれてきた料理を口に付ける。
「あ、ほんとに美味しい…」
ゆゆかオススメだけあってお酒も料理も美味しくて、ファミレスみたいだなと思ったことを申し訳なく思うほどだった。

「仕事どう?大変か?」
「ん?まあ、大変だけど楽しいよ。しかも、私はずっとバイトしてたところだからさ。普通の新入社員の方がよっぽど大変だと思うよ」
「そうか…。俺も、そろそろ就活しなきゃな…」

料理もほとんどなくなり、そろそろ出る時間だなと時計を見ていると、馬村のよく知った声が聞こえてきた。
「あれ?馬村!?偶然〜!お、もしかして…彼女さんですか?」
1人の男が、馬村とすずめに話しかける。
「あっ!ほんとだ!可愛い〜!やるね馬村」
すずめは軽く頭を下げ、作り笑いをした。
「なんか知ってる声がすると思ったら、おまえらか…」
あからさまに面倒くさそうな態度を見せるが、馬村の3人の友人たちは気にも留めないようだ。
「馬村の彼女可愛いねぇ」
そう言ったのは、前の2人の男に隠れていて気がつかなかったが、驚くことに女の子だった。
「うるせー」

(大輝…普通に女の子とも話すようになったんだ…態度は相変わらずだけど)

何故か、胸にチクリとトゲが刺さる。

「そーだ、明日か明後日みんなで飯行かね?」

「明日バイト。明後日ならいいけど」
「了解。んじゃ、明日詳細決めよーぜ。彼女さんお邪魔しました〜」
会計の前だったのか、それだけ言うと3人組は早々に帰って行った。

(あの人たちは、明日も、明後日も、会えるんだ…いいな…)

トゲが刺さったままの胸は、痛くて、苦しい。

「悪かったな…俺たちもそろそろ出るか?」
「うん…そうだね」

店を出て、また手を繋ぎ歩いていくと、もう何度目か分からないラブホテルに着いた。
夕飯を食べて、ホテルへ行って帰る、最近の2人は、それが当たり前になっていて。
すずめとしても嫌なわけではないけれど。
朝から1日中一緒にいられたのはいつだったか。
大輝は相変わらず優しいし、何か不満があるわけではないけれど。

なぜこんなに胸が傷むのだろう。




次の週の火曜日、すずめの仕事が休みで、ゆゆかと久しぶりに夜飲みに行くことになった。
ゆゆかもまた平日は色々と忙しくしているらしいが、土日を多忙に過ごしているすずめに合わせてくれたのだ。

予約したお店はまた、ゆゆかセレクトの、ガラス張りになっているお洒落なバーだった。
しかし、まだ20歳の自分たちには少し敷居が高い雰囲気がある。
ゆゆかも、入ったことがないが是非行ってみたいお店だと言っていたのを思い出した。
「スゴい…お洒落なお店だね…なんか緊張する」
「でしょ?だから1人じゃ来れなかったのよ…」

(それで、ちゃんとした格好してこいって言ったんだ…)

すずめは、働くようになってから、というよりも、馬村と付き合い始めてからは、かなり身だしなみに気を使うようになった。
元々スタイルはかなり良く、足も細く長いため、きちんとした格好をすればかなりモテる、というのがゆゆかの言い分だ。
別にモテたいと思っているわけではないので、他人からどう写るかなんてどうでもいいことだったが、やはり恋人には綺麗だと思ってほしかった。

席に座るまで緊張していた2人だったが、カウンターのバーテンダーがすずめたちとそんなに年が離れていなそうな雰囲気で、ホッと胸をなでおろす。
お勧めのカクテルを2つ注文すると、試食どうぞとチーズをサービスしてくれた。

「あ、美味しい〜。何これ!?」
すずめに出されたカクテルは、口の中に爽やかなレモンの香りとほのかな甘みが感じられる。
美しい紫色と透明の2層に分かれており、中に入っている氷が、照明でキラキラと光っていてとても綺麗だ。
「こちらは、バイオレットフィズになります。2月の誕生石のアメジストと同じ色をしているでしょう?2月の誕生石カクテルとも呼ばれているんですよ」

(2月の誕生石カクテルだって。今度、大輝に教えてあげよ…)

ふとしたことで思い出すのは、いつも大輝のことばかりで。


ゆゆかの前におかれたカクテルはスクリュードライバー、有名なカクテルだが、男性にこのカクテルを勧められたら注意するようにとバーテンダーが言った。
口当たりはいいが、かなり強いお酒なので、酔わせたい目的で飲ませることも出来るのだと。

(ゆゆかちゃん狙いだな…)

酒豪のゆゆかにとってはどうでもいい話のようだった。

「あんたたち、最近うまくいってんの?」
「え…う、うん。普通…かな?」
「ふーん、バカね。隠しきれてないわよ」
「え…」
ゆゆかは、いつも心臓に悪いことを言う。
それだけ、すずめが分かりやすいのだが。
「話したくないなら別にいいけど、社会人と学生って…難しいでしょ?」
「ゆゆかちゃんも、何かあったの?」
「今は落ち着いてるわよ?でも、先輩が働き始めた頃、私はまだ高校生だったし、子供なのももちろんあったんだけど…。急に遠い人みたいに思えたのよね…」
「遠い人…」
「そう。かなり私のこと大事にしてくれる人だけどね。それでも、暇な高校生とは比べものにならないぐらい忙しくて、会えるのなんて、良くて週に1回よ?未だに」
「寂しい…よね」
ゆゆかの話を聞きながら、すずめは自分のことに重ね合わせていた。
「寂しい時、どうするの?」
「そうね〜。基本を大事にする…かな」
″今は落ち着いている″そう言ったゆゆかは、それでも少し寂しそうだったが。


帰り際、会計を済ませて店を出て、ゆゆかとは駅前で分かれた。
1人で電車を待っているとホームで肩を叩かれる。
「すずめちゃん?あ、やっぱり」
「わ…ビックリした…。偶然ですね〜」
後ろにいたのは、職場の同僚だった。
バイト時代から2年以上お世話になっている先輩でもある。
「この電車だっけ?俺もなんだ、途中まで送るよ」
「いえ、そんな、悪いですし…」
「女の子1人で帰す方が悪いでしょ?」
サラッとそう言われると、ありがとうございますとお礼を言うしかなかった。
すずめとしては、素敵な大人の男性である先輩のことを凄く尊敬しているが、その分自分が子供に思えて恥ずかしくなってしまう。


馬村が大学の友人たちと居酒屋へ飲みに行って電車で帰る途中、駅で乗り込んでくるすずめを見かけた。
知らない男と一緒だった為、話しかけることは出来なかったが。

(あいつ、獅子尾そっくりじゃねーか)

髪型やふとした仕草がそっくりで、すずめが笑いかけているところを見ると、気が気じゃなかった。
すずめのことを、信じているけど。
馬村は、すずめにメールを送った。

すずめは、マナーモードになっていて震える携帯をそっと取り出すと、名前を確認してから、またすぐ鞄へとしまった。


駅に着いて、家まで送るという先輩を用事があるからと言って帰ってもらうと、すずめは携帯を取り出そうと鞄を開ける。
馬村からと分かって、本当はすぐに見たかったけど、先輩の前で堂々とメールチェックをすることができなかったから。

「おい…」
「大輝!なんで!?もしかして、同じ電車だった?偶然だね!」
まさか、今日会うことが出来るとは思っていなくて、すずめは嬉しくなるが、対照的に馬村は不機嫌だった。
「一緒にいたの誰?今日は猫田と会うって言ってなかった?」
「職場の人だよ。今日ゆゆかちゃんとご飯食べて帰る時たまたま会って…方向一緒だから送ってもらってたの」
何故か機嫌の悪い恋人にすずめは悲しくなる。

(会えて嬉しいのは私だけ?)

馬村は、自分がまだ20歳の子供であることを自覚している。
だから、すずめと一緒にいた男に、余裕がないほどにヤキモチを妬いてしまう。
相手が大人の男だったから。
獅子尾に似ていたから。
俺以外の男に、安心した顔を見せるなよ。
なんで、さっきまで笑ってたのに、俺と一緒になってから笑わないんだよ。


「メールくれたのに、ごめん。職場の先輩と一緒だったから…。話をしてるのに、目の前で携帯開いたら失礼かなと思って…見られなかった」
そんなことは馬村だって分かっている。
メールを見なかったことでこんなにイラついているわけじゃない。

すずめが1人で先に大人になっていくような気がして、馬村も寂しさを覚える。

(自分ばっかりが、好きみたいだ)

2人同じことを思う。

(ねえ、大輝、今でも私のこと好きですか?)

その日は、家の前まで送ってもらい、何となく気まずいまま別れた。




それから、2ヶ月後ーーー。
すずめは、生まれて初めてのボーナスをもらう。
もちろん、新入社員は額は少ないけれど。
その使い道はとっくに決めていて、おじさんも了承済みだ。
最初は反対されたが、すぐ近くであることと、すでに成人している姪のことにあまり細かく口を出すのは止めたらしく、ご飯食べに帰って来なさい、そう言って送り出してくれた。

すずめは、1人暮しを決意した。

もう部屋も決め、契約も済ませている。
馬村にも、1人暮しのことは話していて、引っ越しの手伝いをすると言ってくれた。

6月の終わり、引っ越し作業も順調に終わり、細かい荷物が入った段ボールは残ったままだが、何とか生活出来るようにはなった。
「手伝ってくれて、ありがとね」
「いや、まだ残ってるしな。また手伝うよ」
6月の肉体労働はかなりキツく、家主よりも早く新居の風呂でシャワーを浴びる羽目になってしまった。

「ねえ、大輝…?」
「ん?」
お茶を飲んでいると、後ろからすずめに抱き締められる。

「大輝のことが、好きです。だから…ずっと側にいてくれますか?」

当たり前のようにお互い好きだと思っていた。
だから、いつからか、″好き″と言わなくなってしまった。
でも、言葉が必要な時もある。
離れていて会えない時は、言葉で伝えるしかないのだから。

好きだと伝えられればこんなにも嬉しいのだから。


すずめは、
時間が合わなくて寂しかったこと。
会えばホテルばかりなのが気になっていたこと。
大学の友達が羨ましいと思ってしまったこと。
本当に好きでいてくれているのか不安になってしまったことを打ち明けた。

自分のことばかりで、一番大事な人にこんなにも辛い思いをさせていたことを後悔する。

「ごめんな…。俺も、愛してる…。おまえのことだけ、ずっと」

「良かった…。なら、これあげる」

渡されたのはすずめの家の合鍵。
「平日は忙しいかもしれないけど、課題の邪魔しないから…一緒に居て?」

不安そうにそう言うすずめのことが、可愛くて愛おしくて、思わず抱きしめていた。
「ここ…壁薄いよな…。声、我慢出来る?」
「頑張る…」
すずめがそう言って笑うと、馬村も笑った。

深く唇を合わせながら、運び込まれたばかりのベッドにすずめを寝かせる。
「ん…っ」
何度身体を重ねても、初めての時と変わらずに、服を脱がせる時は恥じらう、そんなすずめが可愛くて、わざと時間をかけてブラウスのボタンを外した。
「分かっててやってるでしょ?意地悪…」
「おまえのそういうとこ、可愛すぎだから」
お互い衣服をすべて脱ぎ、裸でキスをすると、ダイレクトに馬村の熱く硬くなっていく下半身を感じる。
ただそれだけのことで、すずめもまた、身体が熱くなっていく。
「はぁ…っ、も、なんか、今日ダメ…かも…っ」
「ん…?なにが?」
キスだけで、触られてもいないのに、すずめの足の間からトロトロと体液が流れる。
馬村はわざと、自身を濡れたソコにクチュッと擦り付けると、すずめの秘部はヒクヒクと早く欲しくて堪らないような動きをする。
「ゃ…あ、大輝…っ、おねが…っ」
「まだ、ダメ…痛いだろ?」
「痛くていいから…っ」

仕方ない振りをしながら、すでに限界を感じていた馬村は、指で何度か慣らしすぐに熱くなった自身の性器を押し付けた。
声を抑えるために、唇を塞いだままゆっくりと突き進む。
「んーっ!…っん、ん」
濡れた音を何度も立てながら、グチュグチュとスライドさせると、すぐにすずめは絶頂に達した。
「…っ、早いよ?まだ、俺これからなんだから、そんなにキツく締めないで」
「はぁ…はぁ…、んっ」

馬村は体制を変えると、後ろからすずめを抱き締めるような形で太ももを持ち上げ、すずめの足を大きく広げた。
目の前にはベッドのそばに置かれた姿見があって、馬村のに貫かれて自身の秘部が濡れてヒクヒクと震えているところまでが見える。
「俺の、入ってるの…見える?すげ…エロいな、これ」
「や…っ、これ…恥ずかしいよ…」
「でも、感じてるだろ?ほら…」
「あぁっ…」
すずめは、姿見から目が離せない。
大きく腰を動かすと、その度にプチュッと新しい蜜が吹き出てくる。
「ココも、気持ちいいんだよな…?」
コリコリと勃っている小さな女性器を弄られると、我慢が出来ずに自ら腰を揺らしてしまう。
「はぁっ…ん…んっ、気持ちいっ…」
すずめの、放つ妖艶な色香に馬村の自制心が崩壊する。
「あっ、激しっ…い…あっ、ああっ!」
「…っ、はぁ」
グチュッ、グチュッと蜜が飛び散る程に貫き、すずめと共に絶頂を迎える。


「すずめ、愛してるよ」
中に入ったままの状態で、チュッと背中にキスマークを残す。
いつも付けられてばかりのすずめも悔しくて、馬村の首に吸い付いた。
「…っ」



ずっと側にいられますように。
10年先も隣にいるのがあなたでありますように。
そう願いながら、深くつながると眠りについた。


fin

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