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綺麗と言わないで ※

ひるなかの流星【綺麗と言わないで】R
すずめ、馬村19歳。夏。すずめがバイト先の新人に告白される。
1回だけデートしてくれればもうすっぱりと諦める、という新人くん。馬村に相談するすずめと、馬村の決断は?




すずめが水族館でのアルバイトを始めて、1年が経った。
その間、人の異動などはなく、すずめがずっと1番下の新人だったのだが、4月から新しいバイトが入ってきたのだ。
この春高校を卒業した18歳らしい。
すずめは、彼の名前を聞くとついドキドキしてしまう。
大好きな人と似た名前だったから。


「与謝野さん、他に何かありますか?」
「うーん、じゃあ、里村くんこれお願いしてもいいかな?」
すずめが、明日のイルカショーに使う備品を揃えていると、新人の里村大毅(さとむらだいき)が話しかけてきた。
すずめも、まだまだ覚えなくてはいけないことがたくさんあるため、新人指導など余裕がないのだが、ここでの仕事は代々チームリーダーと1番下の後輩が協力して、その次の新人を育てる方針を取っているらしい。
確かに、チームリーダーは何かと忙しいこともあるため、雑用などをいちいち新人に教えてはいられない。その為の措置だろう。
里村と共に雑用を終えると、仕事終了の時刻になった。
「与謝野さん、上がりですよね?俺もなんで途中まで一緒に帰りませんか?」
「そうだね〜。もう帰ろう」
里村とは、新人指導のことももちろんそうだが、家の方向が一緒で、駅1つしか離れていないこともあって、シフトが同じ場合一緒に帰ることも多かった。
「もうだいぶ日が長くなったね〜」
駅までの道を歩きながら、他愛のない話をする。
「そうですね。もうすぐ夏ですね。与謝野さんは夏休みいつ取るんですか?」
「うーん、どうしようかな…」

(馬村の空いてる日と合わせたいな…)

そんなことを考えている間に駅に着いた。
「あ、そうだ!私ちょっと買い物して帰るね!」
「あ、与謝野さんっ、待ってください」
すずめが、お疲れ様と手を振り駅ビルへと入ろうとすると、里村に呼び止められた。
「うん?なに?」
「あの、与謝野さんって彼氏…いますよね?」
「あ、うん。いるけど…」
「付き合ってる人いるの、知ってるんですけど…、俺…与謝野さんのこと、好きです」
里村がバイトに入ってから、まだ2ヶ月ほどしか経っていない。
特に仕事以外の会話もした覚えはないはずで、冗談だろうと思った。
すずめはなに言ってるのと、笑い飛ばそうとしたが、真っ直ぐに見つめられ、それが冗談ではないと悟った。

「ごめんなさい…」
「わかってます!別に付き合ってほしい…とかではなくて、いや、そりゃあそういう願望はありますけどね。ただ…知っておいて欲しかったんです」
「ありがとう」
すずめは、こういう時どういう顔をするのが正解なのかが分からない。
どうしたものかと悩んでいると、里村が更に話しかけてくる。
「…あの、1回だけでいいんですけど…。俺とデートしてくれませんか?俺も…早く諦めて次の恋にいきたいので。思い出作り、みたいな」
「えぇっ!?」



「ってことなんだけどね…」
里村からデートに誘われたこと、もちろん1度は断ったが、じゃあ2人っきりではなく、同僚2人と合わせて4人で遊びに行くのはどうかと言われ、1回だけだからと、しつこく食い下がられた。


そのことを馬村のお家デートの時に話すと、あからさまに不機嫌なオーラに変わる。

「どう、断っていいか分からなくなっちゃって…。同僚と一緒で、デートじゃなくてもいい、とか言うし…。」
馬村はあからさまにため息をつく。
「んなの、ほっとけばいいだろ」
「そうだよね…。うん、分かってるんだ」
「そいつと、2人っきりにならないようにしろよ?おまえ、ただでさえ警戒心ゼロなんだから」
「警戒心ゼロって…そんなことないよ…」
心外だな、と口をアヒルのようにして拗ねる。


「さてと…じゃあそろそろ、俺の機嫌取ったほうがいいぞ」
ベッドに腰掛けた状態で、すずめの腰に手を回し引き寄せる。
「…するの?」
「したい?」
普段は優しくリードするタイプなのに、こういう時はすずめに言わせようとする。
「…うん」
最近分かってきたことがある。馬村の機嫌が悪い時、すずめから馬村に触れるような行動を取ると、機嫌が直ることが多い。
しかし、そんなことで機嫌が直るくらい、普段自分から触れることが少ないのだろうかと考えてしまうのだが。
すずめは、馬村の首に手を回してキスをした。

(触れ合いたいのは、私も一緒だよ…)


ベッドに押し倒され、深く唇を合わせる。
「んっ…はぁ…」
馬村に抱き締められると、馬村の身体の匂いに包まれるような気がする。
それだけで、頭がぼうっとしてしまい、自分の身体じゃないと思うぐらい、淫れてしまう。
「ふっ…あっ、はぁ…」
すずめは、馬村のシャツに縋り付き、足でシーツをかくと腰を揺らす、キスだけでこんな風になってしまう自分が、少し怖くなった。
馬村は、右手ですずめのシャツのボタンを上から外していく。
唇が、首を通って胸元にくると、馬村の髪の毛が胸元をくすぐる。
それすらも、今のすずめには敏感に反応してしまう。
「あっ、あぁ…んっ」
「ずいぶん…感じやすくなったよな…いや最初からか?」
「ちがっ…馬村のせいだよ…」

馬村が、気持ちいいことばっかりするからでしょ…と言うと、
「じゃあ、もっと気持ちいいこと、しような…」
と薄く笑った。

手を下着に滑りこませると、すでに濡れているそこを指で弄る。
「なぁ、キスだけでこんなに濡れちゃうすずめは、俺と会えない時どうしてんの?自分ですんの?」
「あっ…んっ、しな…いもんっ…」
「じゃあ、してみろよ…」
「や、だ…そんなの…っん」
すずめは真っ赤になりながら抵抗するが、実を言うと馬村に会えない時は、馬村の指を思い出して触ってしまうことがある。
でも、自分では同じだけの快感を得ることが出来なくて、いつもいつも抱いて欲しいと思ってしまう。
今まで1度もそんなことをしたことはなかったのに、自分の身体がおかしくなったような気がして、すずめの目から涙が溢れる。
「ふっ…ぇ…っ」
「そこで泣くとか反則」
「だって…馬村がっ、Hなこといっぱいするから、おかしくなったんだもん…ひくっ」
黒く大きな瞳は涙で潤み、元々白く日に焼けない頬も、興奮からか赤く染まっている。
上目遣いで見上げてくる様は、10代とは思えない色香を振り撒いていることに自分では気が付かない。
もともとの素顔も綺麗だったが、馬村に抱かれて、眠っていた女性の色気が花開いた。
「マジで…ヤバいからその顔。俺これでも、かなり我慢してんだからな。ほんとは、いつもおまえの顔見るだけでも、即行で犯したくなるぐらいだし…。煽るなっつーの」
「大輝…っ、お願い、して…早くっ」
焦らされすぎて限界なのか、馬村のシャツを掴む手も震えていた。
「悪い…いじめ過ぎたな。気持ちよくしてやるから、おまえもして」
馬村は、すずめの下着を脱がすと、自らが下になって寝転がり、すずめの足を頭上に引っ張った。
「ひゃぁ…や…だっ…恥ずかしいよ」
四つん這いで、馬村の頭を跨ぐような格好をさせられる。
「一緒に気持ちよくなれるだろ…だから、おまえも舐めて」
「一緒に…?馬村も気持ちよくなる?」
「ほら…もうちょっと腰落として」
「やぁ…っん…は…ん」
攻められるのを待ちわびていたそこは舌の刺激に、ヒクヒクと震えて蜜が溢れ出す。
すずめも、馬村の性器に手を触れると、口に含み舌で先の部分を舐める。
「…もうちょい、下まで口に入れて、指で擦りながら…そう、出来るか?」
「う…ん、はぁ…こう?」
手を上下に擦りながら、同じタイミングで口も動かすと、馬村からも荒い息づかいが聞こえる。
「…っ、そう」
すずめは、いつも馬村がそうするように敢えてヌチュヌチュと音を立てて、性器をしゃぶってみると、口の中で一際大きく硬くなる。
馬村も、すずめへの愛撫を再開すると、性急に舌と指で絶頂を促す。
「あぁ…ん、そん、な…激しくっ」
「悪い…俺が、限界っ…」
すずめの口から自身を引き抜くと、すずめが前戯でイク前に、大きく足を開かせ性器を挿入した。
「あぁっ!はぁ…ん、あっ…」
「はっ…悪ぃ…余裕なかった…痛く、ないか?」
「う…んっ、気持ちい…っ、あぁ…」
馬村が動くたびにグチュグチュと、蜜が溢れ出す音が聞こえ、シーツを濡らしていく。
「っ…だい…きっ…も、イク…」
「ああ…俺も…っ」
馬村とのセックスは、すずめの足りなかったものを埋めてくれる。
言葉だけじゃ伝わらない想いを、お互い感じられるように。



「ってことで、やっぱりデートは出来ない…ごめんなさい」
馬村の家へ遊びに行った翌日、里村の誘いは断った。
「そうですか…いえ、そうかなと思ってたんで、気にしないでくださいね」
残念そうな顔は隠そうともせずに、里村は言った。
「すずめちゃーん、ご飯行こうよ〜」
タイミング悪く同僚の空気読めないNo.1の匠(たくみ)がすずめを食事に誘ってくる。
「あ、里村君も一緒じゃん!行こう行こう!」

(たくみ〜!)


職場近くのファミレスへ3人で入ると、すずめは早く食べ終わることのできるサンドイッチを注文した。
意図的ではなかったにしろ、匠と里村が頼んだメニューは5分も経たず出てきたが、すずめの頼んだサンドイッチはなかなか出てこなかった。
そして、匠は早々に食べ終わると、仕事が残っていたのを忘れてたと言って、早々に立ち去ってしまった。

(ほんと…恨むよ〜)

すずめは、トイレと言って席を立つと、馬村にメールを送った。

『何故か今2人っきりになっちゃった!
職場の駅近くファミレスにいます。』


すずめが席に戻ると、里村からすみませんと謝られた。
「2人っきりは、彼氏さんよく思わないですよね…でも、少し話してもいいですか?」
すずめは、言いともダメだとも言わなかった為、無言を肯定と取ったらしい。
里村は、ひと息つくとホットコーヒーを2つ頼んだ。
お代わり自由のホットコーヒーが、すぐさま運ばれてくる。
2人はコーヒーに口を付けると、その間会話はなかった。


「実は…」
コーヒーを飲み終わった頃、里村が話し出した。
その内容は、すずめとしても驚きを隠せなかった。

じつは、里村はすずめたちの高校の後輩であり、もちろんすずめのことは知っておりその時から好きだったこと。

新入生として入った年、2年生のすずめは、部活動紹介の際道を教えたらしい。
ただ、それだけのことなのに…。
忘れられなかったと。

「何も飾ってないのに、綺麗だと思ったんです。
『頑張れ、新入生!』って笑った顔が忘れられなくて…
でも馬村先輩と付き合ってるって聞いて、諦めようとしたけど。
バイト先で偶然会って…まさか、また会えると思わなくて、つい。
匠さんに、途中から2人っきりにしてほしいって頼んだんです。
すみませんでした」

自分のことでなければ、匠にしては粋なことをするじゃないか…と思っていたかもしれない。

すずめは、里村という後輩がいたことも、部活動紹介の時に話したことも覚えていなかった。
覚えてなかったことを素直に謝ると、里村もいいえと首を振った。


「私、綺麗とか言われたことないからすっごく嬉しいよ。何年も思ってくれてたことも嬉しい。
里村君はいい人だとも思う。
でも、自分でもなんでか分からないんだけど、馬村じゃないとダメなんだ。
嬉しいことも悲しいことも、一緒に感じていたいの。
本当は毎日、話したいし、会いたいし…。
でも、会えるだけで嬉しいのに、会ったら触れたくなるの。
いつか、里村君にもそういう存在が出来ると思う。それは私じゃないけどね。
きっと私なんかより素敵な人と出会えるよ」

里村は悲しそうにふっと笑う。
自分にとってのすずめは、そういう存在なんだと…きっと気が付いてはくれないから。
「友達にはなってくれますか?」
「うん、もちろん。でも、2人では遊ばないよ。心配する人がいるからさ。あと、匠くんに頼んでのだまし討ちもなしね!」

「はい…。馬村先輩のこと話してる時の、与謝野さん…やっぱり綺麗だと思います。
本当に好きなんだなって見てるだけでわかっちゃうから。
最近、少しだけど化粧してること多いですよね。
与謝野さんかなり可愛いって噂になってました。俺もハラハラしてましたけど、普段離れてる馬村先輩はもっとですね。
出来れば、誰にも気がついて欲しくないでしょうね。与謝野さんの魅力」

そう言うと、すずめを通り越して後ろの席へチラリと視線を向ける。
「あ、すみません。俺のせいで、馬村先輩が限界っぽいので、もう帰りますね。
話せてよかったです。
じゃあ、またバイトで」


里村が帰った後、すずめが視線の先を見ると、すずめたちと背中合わせになるように馬村が座っていた。
絶対に不機嫌な顔をしていると思ったのに、そうでもないことに驚く。

「馬村…来てたなら教えてくれればよかったのに…」
「あの、状況で俺がノコノコ出て行ったら、余裕のない男みたいだろ…。つうか、あいつ俺らの後輩だったんだな…。見たことある気はしてたけど…」
「私は全然気がつかなかったよ…」
馬村は、里村が出てから、少し時間を空けて俺たちも出るかと、店を後にした。


「なぁ、あいつに綺麗って言われて、嬉しいって言ってたよな?」
駅までの道を歩きながら、馬村が、ポツリと言う。
「え…。うん、女の人なら大抵嬉しいと思うけど…」
「ふーん…」
(あ、ちょっと怒ってる)
「でも、私は、綺麗でいたいって思うようになったの。馬村の前でだけだよ」
すずめは本心でそう思っていた。ほんの何年かまでは、馬村の前で可愛くいたいなどと思ったことはなかったのに。
「おまえは…」
「え…?」
「おまえは、今でも充分綺麗だから…これ以上綺麗にはならなくていい。いつもそう思ってるよ。」

ぶっきらぼうに顔を背け、赤くなった頬を隠しながらそれだけ言うと、優しくすずめの手を取って歩き出そうとするが、着いてこないすずめを振り返ると、真っ赤になって俯いていた。
「馬村〜そういうこと言わないで…。嬉しすぎて…どうしていいか分かんない…」
すずめは、空いている右手を頬に当てると、真っ赤な顔をパタパタと顔を仰いだ。
「里村にも言われてたろ?」
「そんなの…バイト仲間に言われるのと、好きな人に言われるのじゃ全然違うよ…」
「そんなこと外で言うな。襲いたくなるだろ」
すずめを引き寄せて抱き締めると、頬にキスをした。
「襲っても、いいよ?」


fin



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