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髪を結って

ひるなかの流星【髪を結って】
すずめ19歳夏。
久しぶりの高校メンバー同窓会での出来事。と後日談のイチャイチャ(笑)

 


″久しぶりにみんなで会おうよ″
ツル&カメから、ゆゆかとすずめに誘いの連絡があったのは、2週間前のことだった。
全員、大学や専門学校、バイトで忙しくしているため、高校の時のように寄り道感覚で遊びに行けることなどまず無くなってしまった。
それでも、何とか全員の予定が合ったのが、今日だった。

すずめは夕方までに何とか仕事を終わらせようと、周りの同僚にも時間通りで帰ることを伝える。
集合場所がすずめの仕事場の近くになり、馬村がバイト先まで迎えに来てくれることになっていた。

(本当は、今日馬村と2人で会う約束をしてたけど…)

もちろん、集まりには馬村にも声がかかっている。
どうするかと馬村に聞かれ、すずめの悩んでいた声が行きたそうに聞こえたのか、馬村に2人で行くと返事をしておく、と言われてしまう。

(本当は…2人で会いたかったから、悩んでたんだけど、ツルちゃん、カメちゃんに会うのも久しぶりだし、今日はいいか…)


すずめは、バイト先を出ると、キョロキョロと辺りを見回した。
すると、後ろから引っ張られる。
「おい…こっち」
「うひゃあ!ビックリしたなあ、もう」
「ほれ、お疲れ」
振り返ると、冷たいお茶を渡される。
「ありがと」
もう9月とはいえ、夕方になってもまだまだ暑かった。
こういうさりげない優しさは、高校の時から変わらないなとすずめは思う。

馬村は、待ち合わせ場所に向かう途中、歩きながらかすめ取るようにキスをする。
「…っ、もう…。見られるよ」
最近遠慮のなくなった馬村は、外でもスキンシップが多い。
すずめはバイト先の人に見られてやしないかと、ドキドキしているがそんなことは気にも留めないらしい。


すずめたちが店の前に着くと、ほどなくして他のメンバーも集まった。
「うわぁ、みんな久しぶり〜」
ゆゆか、ツル、カメは引っ越してきて初めて出来た友達で、すずめにとってもこんなに相性のいい友達には、もう巡り会えないのではないかと思うぐらい、このメンバーのことが大好きだった。
最近はゆゆかにしか会えていなかったので、ツル&カメの相変わらずのところが見られて嬉しく思う。
「すずめちゃーん!元気にしてた!?仕事どう?」
「なんか、ちょっと綺麗になったんじゃない!?」
矢継ぎ早に質問してくる、このテンポの良さも変わっていない。
久しぶりに会ったこともあって、注文を済ませると、会話が止まることなく、料理が運ばれてくるまでしゃべり続けた。

「お待たせしました〜」
店員が全員のテーブルの前に、スープとサラダを運んでくる。
ちょうど、すずめの後ろ側から、サラダをテーブルに置こうとした店員の胸のボタンが、すずめの髪留めに引っかかり、髪留めはパチンと音を立てて外れてしまう。
「あっ、失礼致しました!大丈夫ですか?」
「あ…はい、大丈夫です」
店員は落ちそうになった髪留めを、何とかキャッチすると、すずめに返す。
「ほら、貸して…」
馬村は、すずめから髪留めを受け取ると、手ぐしで髪を整え、1束分を手で取りトップ部分をふわりとさせ、巻きながら1つにまとめて髪留めで留めた。
「えっ…?可愛いすずめちゃん!」
ツルがすずめの髪型を見て驚愕する。
「馬村…、何でそんなにうまいの…?」
犬飼が全員の気持ちを代弁してくれた。

「いや、こいつ不器用だから…。いつもこういうのやってるうちに…何となく」
「へぇ〜2人とも超ラブラブだね!」
馬村が言うと、カメがニヤリと笑って冷やかした。
「はっ?」
「だって…髪の毛だもん…。いやん、馬村のエッチ〜」
どういうことかも分からずに、すずめは馬村を見ると、何故か真っ赤になり顔を伏せている。
「カメちゃん…?どういうこと…?」
すずめが、素直にそう問うと、その場にいた全員が驚いた顔ですずめを見た。
馬村だけは何故かすずめと目を合わせなかった。
「あんた…マジで言ってんの?」
ゆゆかが、呆れ顔で言う。
「えっ?なに?なに?髪の毛がどうしたの?」
場がシーンとなり、ゆゆかのため息が聞こえる。
「あとで、馬村くんにでも聞きなさいよ…。私たちからは言えないわ〜。まぁあんたたちがラブラブなのは知ってるけどね〜」
ゆゆかには、土牛先輩と映画館でたまたま会った時に、イチャイチャしてる…ようなことを言われたことがあったのは覚えている。
きっとそのことを言っているのだろう、と思っていた。
ゆゆかの言葉を継いだカメの一言に、馬村もすずめも固まった。

「ね〜、今日見ちゃったもんね〜!路上キス!」
「馬村…ごめん、俺らたまたま後ろ歩いてて、気がついて声掛けようと思ったら…」
犬飼が、言いにくそうに赤くなりながら説明する。
すずめも馬村も、言い訳も出来ずに、真っ赤になり俯くしかなかった。

(だから、見られるよって言ったのに〜!)


その夜、すずめはゆゆかに電話をかけた。
どうしても気になることがあったからだ。
「ゆゆかちゃん…あの、髪の毛の話…、何だったの?」
帰り道、馬村と2人きりになった際に聞いてみたのだが、どうしても教えてもらえなかった。
猫田にでも聞け、と言われたのでこうして、電話をしている次第だ。

「まだあの話してんの?…まぁ、馬村くんは言わなそうだけどね…」
「うん、もうスッゴイ気になるんだけど!」
ゆゆかは、仕方ないな…と電話ごしにため息をつく。
「だからさ…、馬村くん、″いつもこういうのやってる″って言ったでしょ?」
「うん…いつもやってもらってるし」
「あんたは…ちょっとは考えなさいよ…。どういう時に髪留めを外すのか。普段デート中にご飯食べてる時じゃないでしょ?今日みたいに、たまたま店員さんのボタンに引っかかることなんて早々ないでしょ?」
すずめは、そこまで言われてやっと気がついた。
そうだ、髪の毛を治してもらうのはいつも、お泊まりの後や、お泊まりではなくても、ちょっと激しくイチャイチャしてしまった時など…。
「あ…」
「やっと気がついた?ったく、恥ずかしいったら…そんなこと私に説明させないでよ!」
「ご、ごめん…」
「でもね〜それだけじゃなくて、女が男に髪の毛を触らせるのって、Hした後って言うわよ」
ふふっと電話口でゆゆかが笑った。
「そうなの!?」
「信憑性ないけどね…。でも、何となくわかる気はするわ、なんかやらしいもんね」
すずめにはその感覚は全く分からなかったが、ゆゆかがそう言うのならばたぶんそうなのだろうと思うほどに、ゆゆかのことを信頼していた。

(ちょっと、気を付けよ…)

「あんた、今、気をつけないと…とか思ったでしょ?それ無駄だから」
ゴロゴロとベッドに横になりながら、話をしていたが、心を見透かされているような気がして、ガバッと起き上がる。
「えっ?なんで!?」
「今日、みんなの前であんたの髪の毛触ったのは、本人も失敗したと思ってるだろうけどさ、あんたのバイト先近くの路上でキスするとか、どう見ても牽制でしょ?」
「牽制?」
「あんた、バイト先の後輩に告られたって言ってたじゃない。シフトもほとんど同じ時間だって」
「そうだけど…」
「だから〜、見られてもいいぐらいの気持ちでしてるんでしょ。愛されてるわね〜」



次の休みの日、すずめは、自分の部屋で馬村に後ろから抱きしめられるように座っていた。
肩越しの耳元で喋りかけられると、その度にすずめは背中にゾクゾクするような感覚があり、全く落ち着かない。
後ろから回された腕も、すずめのお腹の辺りに置かれているが、油断していると胸元に手を滑り込ませてくる。
「…っ、ん、もぅ…おじさん居るんだから…」
「おじさんも慣れるだろ?」


前に馬村が遊びに来た時、まさしく今と同じ体勢をしていたら、たまたまおじさんがお茶とお菓子を持って部屋に入ってきたのだった。
胸は触っていなかったが、それでもおじさんの額に怒りマークが見えたことは間違いない。
その時も、馬村は慌てるわけでもなく、立ち上がりお茶とお菓子を受け取って、また同じ体勢ですずめを抱き締めるように座ったのだった。
すずめは見えないところで戦われている気分になって、ヒヤヒヤした。


「あの時も、おじさんに絶対なんか言われると思ったんだから〜」
「別に俺なにもしてねーし」
そう言いながらも、首すじにキスをしてくる。
「ひゃ…っ」
してるじゃないかとすずめは怒りたくなったが、いつまた部屋に入ってくるかと思うと、大きな声は出せなかった。
首を舌で舐められると、口を手で押さえなければ、聞かれると言い訳出来ないような声が出てしまいそうだった。
「んっ…あ…」
馬村に触れられていると、いつも頭がぼうっとしてしまい、何も考えられなくなってしまう。

(おじさんがいるのに、ダメだって分かってるのに…)

「…キスして」
馬村の首に顔を埋めながら、同じようにように首すじをペロッと舐めると、馬村の身体がピクリと震えた。
「ったく、そういう誘い方どこで覚えてんだよ…」
唇に深く口付けながら、ゆっくりとすずめを床に押し倒した。
「んっ…ん」
すずめも馬村の背中に手を回すと、その後に待っている快感を期待してしまう。
「今日は、キスだけな…」
案外あっさりと唇を離される。
すぐに離れてしまった唇が寂しくて、濡れた瞳で馬村を見つめる。
「そんな顔すんなっての…結構我慢すんの大変なんだよ…」

すずめに後ろを向かせて、床に寝転んだせいで乱れた髪の毛を直す。
始めはただのポニーテールだったはずだが、手直しの後は、左右が編み込まれていた。

「どんどん…うまくなってくね…」
鏡越しに、すずめの髪を結っている時の馬村が、何とも言えず楽しそうで、すずめの実家で雪だるまを作った時のことを思い出し、ほっこりとした気持ちになるのであった。

fin







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