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恋乱〜続・恋花17最終話

恋乱〜続・恋花17 最終話



つくしが、邸に帰ると、類が乗っている車がすでに車庫に入れられていた。
今日はいつもより早かったらしい。

「おかえりなさいませ」
「ただいま戻りました!あの、類は?」
「ふふっ、お部屋にいらっしゃいますよ?」
「ありがとうございます!」

出迎えてくれた佐原に、お礼を言うと、部屋まで足早に歩いた。

「類?ただいま〜」
「おかえり。三条たちと一緒だったんだって?」

パソコンに向かっていた類が振り向いて、つくしにおいでと手を振った。

「うん!帰りにお茶してたよ。なんか…新鮮だね」
「何が?」
「あたしが類にただいまって言うのがね」

類は座ったままつくしの手を取り、引き寄せた。

「うん…おかえり、つくし」
「ただいま、類」

引き寄せたつくしの頬に軽くキスをすると、つくしもそれを返した。

「そうだ。手紙、預かってたんだ…」
「手紙?誰から?」
「はい、司から」
「え…」

用があるのなら、直接つくしにメールなり電話なりすればいいものを、何故手紙なのか。
しかもそれを何故、類を通して渡してきたのかが全く分からず、つくしは訝しげに受け取った。

「今日、西田さんがわざわざ届けに来たよ。あの人今、司の秘書なんだね」

道明寺楓に付いて、ニコリとも笑わずに淡々と用件のみを話す様子を思い出す。

「そうなんだ…あ、手紙、読んでいい?」
「もちろん。つくし宛だし」

ペーパーナイフで、封を開けると、封筒には折り畳んだ便せんが1枚入っていた。
そこには、たった一言。

〝終わりにしよう″

そう書いてあった。
本当は自分からきちんと話をしなければならなかったのに、司に言わせてしまった。

「あはは…ほんと、いい男だわ」
「そりゃそうだよ…あんなのでも一応俺の親友だし。司と別れて…寂しい?」
「なんで?」
「…泣いてるから」
「え…」

言われて初めて、自分が泣いていることに気が付いた。

「寂しい…わけじゃないよ。なんでかな…」
「俺も司も…思ってることは一緒だよ。つくしには笑ってて欲しい…」
「うん…へへ」

泣き笑いのような顔で、笑顔を作ると手紙を折り畳んで、封筒に戻した。

「ところで、なんで手紙の内容分かったの?」

隠していたわけではないが、類の正面に立って手紙を読んでいたのに、類は内容を知っているようだった。

いくら親友とは言え、類の目の前でキスをするような男からの手紙を、類もよく受け取ったよね…
つくしはため息を吐きながら考える。

「司もつくしも分かりやすいんだよ…それに…」
「…?」
「うちの奥さん、俺に好き好き光線出してるから、元彼からの手紙を届けられるくらい、例えば、キスしても許してあげるくらいの余裕はあるよ?」
「え…あたしまた、口に出してた?」
「うん、思いっきり」

余裕がある割には、あの夜はしつこかった、とは死んでも言えない。

「口に出てるから」
「うげっ!」
「ふーん、しつこかった?そんなつくしにはお仕置きが必要かな?」

「ごめんってば。類…大好き」

つくしは、座ったままの類の頭を抱きしめた。
本気で怒っているわけではないのが、つくしにはよく分かる。

結婚してから知ったこと、類は軽く触れるようなスキンシップが好きだ。

「愛してる、がいいな」

「類…愛してる…」

つくしは唇を触れ合わせるだけのキスをした。

「ね、司より俺のがいい男だよね?」
「……」

結婚してから知ったこと。
結構、根に持つタイプだ。


fin


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恋乱〜続・恋花16

恋乱〜続・恋花16



つくしたちが店を出ると、外はもう薄暗くなっていた。
通りには、大型のリムジンが2台店の前に停まっている。
各々のSPが、4人が会計をしている間に車を呼んでいたのだろう。
1台は大河原家の車で、もう1台は花沢家の車だった。
つくしにもSPが1人付けられているが、大々的に結婚を公表しているわけではないので、念のため離れたところから見守る程度だった。
人通りの多い道のため、通行人が何事かと振り返り立ち止まるが、滋も桜子も全く気にしていない。
つくしは、いつまで経ってもこの光景に慣れることが出来ない。
滋の車に桜子も乗り込み、近いうちにまたと言って、2人と別れた。

「優紀。良かったら一緒に帰らない?」

もう1台の花沢家の車を指差し誘うと、優紀は嬉しそうに頷いた。

「ありがとう。久しぶりにつくしともう少し話したかったんだ」
「うん!あたしも」

田中がドアを開け、つくしと優紀が後部座席に乗り込む。

「ありがとうございます。あの、優紀の家までいいですか?」
「もちろんです。松岡様のご自宅までお送り致します」
「ありがとうございます。お手数おかけします」

つくしと優紀がお礼を言うと、田中も笑みを浮かべて軽く会釈をする。
田中は気を利かせてくれたのか、運転席と後部座席の間にある、仕切りを下ろすと、運転席に乗り込んだ。

「つくしも別世界の住人になっちゃったね…」

優紀がリムジンの車内をキョロキョロと見回して寂しそうに言うと、つくしは否定するように首を振った。

「こんなの、あたしにとっても別世界だよ…慣れないよ」
「ふふっ、庶民の世界が懐かしくなったら、いつでも呼んで?」
「あたしの中身はずぅーっと庶民だもん!でも、ハンバーガー食べたくなったら付き合って?」
「あはは、りょーかい」

滋のことも桜子のことも大好きな友人ではあるが、やはりつくしにとっては、優紀は1番の親友であった。
バイトも辞めてしまった今、大学も違う優紀とは、なかなか会う時間が取れない。
同じ大学に進んだ桜子の方がまだ顔をあわせることが多いぐらいだ。

そう遠くない距離を田中は遠回りして、優紀の家に向かう。

久しぶりの親友2人だけの時間はあっという間に過ぎた。
優紀は車から降りると、つくしに向かって言った。

「ね、つくし…」
「え?」
「ずっと味方だからね」

「私は何があってもつくしの味方だから」
「優紀…」



***

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恋乱〜続・恋花15

恋乱〜続・恋花15


大学の帰り、いつもの場所でつくしを待つ田中に今日は寄り道をする旨を伝えると、田中はつくしから聞いた店へと車を走らせた。
つくしが店へ着くと、既に優紀たちは顔を揃えていた。
披露宴から1週間が経ち、これでも忙しいこのメンバーにしては、早く集まれた方だった。

「こないだは…ありがとう。帰るとき顔出せなくて…ごめんね」

つくしは開口一番に言うと、桜子がメニューを渡しながら口を開いた。

「先輩のあとを追いかけるように道明寺さんが出て行くんですもん…何があったかは大体想像つきますけどね…襲われでもしました?」
「お、お、お、襲われって…」
「先輩、分かりやす過ぎます…とりあえず座ってください。で、何があったんです?」

冷めたような表情とは裏腹に桜子は、本当につくしのことを心配している。
2年という長い期間、ただ司からの連絡を待ち続け、そして疲れていくつくしを間近で見ているのは、桜子たちにとっても辛いことだった。
やっと、幸せな笑顔を見ることが出来たのだ。
もう辛く苦しい作り笑いを見るのはたくさんだった。

だから会場で、つくしを追いかけていく司を見たときは、怒りとも言える感情が芽生えた。

「キス…された…」
「司、サイテー!」
「よく…」

言い掛けて口を噤む。
よくそれだけで済んだなというのが、桜子の正直な感想だった。
むしろ、類との結婚のことを知った後であれば、激情にかられその場でつくしのことを犯していても不思議ではない。
つくしと出会って驚くほどに優しく穏やかな男になったが、元来そういう男だったはずだ。
しかし、それをつくしに言うのは憚られた。

「類が来てくれたから」

鈍いつくしでも、桜子の言いたいことは分かったのだろう。
実際、類が来なかったらどうなっていたかは分からない。

「つくし、まだ道明寺さんのこと好きなの?」

優紀に言われて、つくしは少し考えてから首を振る。
メニューを見て、側にいた店員にアイスカフェラテを頼むと、視線を戻した。

「道明寺のこと、言い方悪いけど…昔みたいな気持ちは…ないよ」

あんなにも愛していた人なのに、自分は冷たい人間だろうか。

「じゃあ、何も問題ないじゃーん?」
「そうですよ。先輩はもう花沢つくしなんですから」

「でも…拒否できなかった…。力がかなわないとかじゃなくて…」

その時のことを思い出し、つくしは唇を噛み締める。

「花沢さんはなんて言ってるんです?」
「代わりでもいいって…。でも、代わりなんかじゃないっ!あたしは、類のこと…っ」

どんな女でも容易く手に入れられるであろう男たちが、何故こんなにも、牧野つくしに惚れ込むのだろうか。
街中で立っていても決して目を引く存在ではない。
だが、ほんの少しの時間話をしただけで、その魅力に男たちは取り憑かれてしまう。
それは、類や司だけではないだろう。

「知ってますよ…。でも、愛され過ぎる女も大変ですね。先輩は独り身の寂しさを思い知った方がいいですよ?」

しかし、自分も魅了された1人であることを自覚している桜子は、おちゃらけて言うと、つくしが顔を赤くして睨む。

「なんで、あたしなんかのこと好きでいてくれるのかわかんないよ…類も、道明寺も…」
「分からなくていいんじゃない?そのまんまのつくしのこと、花沢さん好きでいてくれるんだから」

優紀がフォローを入れるが、滋の言葉につくしは谷底に突き落とされたような気分になった。

「でもさ、また司に迫られたら、今度はハッキリ嫌だって言える?司のことだから、そう簡単には諦めたりしないんじゃない?」

「うん…ちゃんと、しなきゃね…」

「先輩は道明寺さんとちゃんと別れたって自覚がないから、拒否できないんですよ。別れる前に花沢さんと関係を持ったことへの罪悪感でしょ?」

桜子の言うとおりだった。
つくしの中では、婚約の記事を見た時に、今まで頑張ってきたものが音を立てて崩れ落ち、その瞬間、司への気持ちが終わってしまった。

しかし、まだ終わっていなかった、少なくとも司の中では…。

「ほら、つくし!そんな深刻そうな顔しない!」
「そうですよ。先輩が考えて考えて出した結果なんて、ロクでもないことなんですから、考えるだけ無駄です。っていうか、花沢さんも気付いてるんじゃないですか?顔に書いてありますよ?道明寺とのことどうしようって」
「えっ?」

つくしは思わず顔に触れた。
相変わらずの姿に3人は笑って、あとは何度目か分からない滋のお見合いの話、桜子の合コンの話を延々と聞かされた。



***


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恋乱〜続・恋花14

恋乱〜続・恋花14 Rです。


パスワード設定しておりませんので、苦手な方ご注意ください。
14を読まなくても、続きに差し障りありません。

***


挙式披露宴当日は、邸ではなく披露宴の行われたホテルに泊まる予定だったため、類とつくしが車に乗り込むと、田中はホテルへ戻るべく車を走らせた。

リムジンがホテルの前に着くと、夜の10時を過ぎているというのに、ぞろぞろと従業員が車の前に並ぶ。

「おかえりなさいませ」
「荷物、部屋に運んであるよね?」
「もちろんでございます。こちらがキーです」

総支配人が、類とつくしを出迎えると、類は部屋のキーを受け取り、つくしの手を引き足早に歩いていく。

「類…ちょっと、待って…」

高いヒールの靴をずっと履いていたことで、最近は靴擦れはしなくなり慣れたものの、朝からずっとではさすがに疲れて、類の歩く早さに追いつけない。

「あ、ごめん…気が付かなかった…」

類は立ち止まると、つくしをひょいと横抱きにかかえ、エレベーターホールへと歩いていく。

「えっ!?目立つ!目立つ!下ろして〜」

ホールに疎らに残っている客の注目の的となったつくしは、真っ赤になり、それを隠すように類の首筋に顔を埋めた。

そういうところが、可愛いってあんたはわかってないんだろうね。

類はひとつ息を吐き、抱えたつくしの額にキスをする。
エレベーターに乗り込み最上階のボタンを押すと、つくしを下ろし両手で頬を包んだ。

「司とキスさせたの、しょうがないって納得したことだったけど、実際見るとムカつくね」
「えっ、えっ!?なに、どういうこ…っん」

エレベーターの中で、深く唇を重ねると、類は背中のファスナーをドレスがずり落ちない程度に下げた。
ベアトップのドレスの中には、もちろん肩紐のない下着しか着けておらず、背中のホックをパチンと簡単に外されてしまう。

「んっ…ん〜!」

唇を離してもらえず、つくしは腕で胸を隠すように押さえるが、類によって外されてしまう。

「ダメだよ…」

つくしは、どうか最上階までエレベーターが止まりませんようにと祈るしかなかった。

露わになった膨らみを手で揉むと、すぐに突起が固く大きくなる。

「あっ…んっ、類っ」

欲情に濡れたつくしの瞳もその声も、類の下半身を熱くさせる。
プツリと立った突起を、指でさするように動かすと、つくしは抵抗することも忘れ、類の首に腕を回し、自分から口付けた。

すると、エレベーターが止まりドアが開く、ギョッとしたつくしだったが、最上階だったようで、ほっと肩を下ろす。

類にまた横抱きにかかえられたが、今度は抵抗することなく任せている。
類のキスに酔い過ぎて、歩くことも出来なそうだったからだ。

部屋に入ってベッドに降ろされると、類は自身のネクタイを外し、つくしの両腕をベッドに括り付けるように縛った。

「類っ!?や…だっ!」
「気持ちよくしてあげるから…」

万歳の状態で、身を捩るが、縛られた両腕は全く解けることはなかった。

「暴れると腕痛くなるから、ジッとしてて」

そんな心配そうに見るくらいなら、腕を解いてくれと類を睨む。
ドレスを下に引っ張り全て脱がせると、ショーツ1枚の姿になった。
舌で、胸の突起を舐めると、つくしの細い身体はビクリと震えた。

「あぁっ…はっ…」

手と舌を使い両胸を激しく攻めると、つくしは足をシーツに擦り合わせるように動く。
腕が使えないことで、いつも以上に感じやすくなっているのか、指をお腹の辺りに滑らせるだけで、肌を震わせ声をあげた。

「る…いっ…はぁ、あっ…もぅやめ…」

ショーツの上から、指で割れ目を摩ると既に濡れていたそこからクチュッと水音が聞こえてくる。

「まだ、胸しか触ってないよ?なんでこんなに濡れてるの?」
「やぁっ…いじわる…しな…でっ」

何度も類の指がショーツの上を行き来すると、つくしも堪らずに腰を動かす。
ショーツの中に類が手を入れる頃には、つくしの秘部はビショビショに濡れていた。

「あぁっ、類…っ、お願いっ」
「なに?」
「も…イカせてっ…指…挿れてっ」
「しょうがないなぁ」
「ああぁっ!…はぁ、はぁっ」

類が秘部に長い指を突き刺すと、中が指をキュウっと締め付け痙攣するようにうごめく。
直後、つくしの背中が弓なりに仰け反りビクビクと震えた。

「やっぱり、楽しくないな…」

類が深くため息を吐いて言った言葉に、つくしが傷付いたように涙目になる。

「これ、止めた。俺、つくしにしがみつかれる方が好きみたい」

スルリとつくしの腕を縛っていたネクタイを解き、痕が残ってはいないかと心配そうに見る。
動いたことで少し赤くはなっているが、痕が残るようなことはなさそうだと、ほっと息を吐くとつくしの手首にキスをした。

つくしは安心したように、類の背中に手を回した。

「あたしも…こっちの方が好き」
「もう、挿れていい?」

つくしは、小さく頷くと自ら待ちわびているように濡れそぼっていた秘部に、類の硬く大きくなった性器をゆっくりと押し当てる。
グチュリと音を立てると、類の大きなものを簡単に飲み込んでいく。

「ああっ!」
「ごめん…余裕、ないかも…っ」

奥まで一気に突き刺すように挿入すると、すぐに律動を開始した。
抜き差しを繰り返す度に、ズプズプとつくしの秘部から蜜が溢れ出す。

「あぁっ、あっ、あっ、はっ…」
「くっ…はぁ」
「類っ…中に…は、ダメッ…」
「分かってる…っ、もう…出そうっ」

類が腰をより深く早く打ち付けると、グチュッグチュッと愛液が飛び散り、つくしの秘部が痙攣し、類もあとを追いかけるように小さく呻き、達する直前に抜きつくしのお腹に欲情を吐き出した。


つくしが気を失い、軽くタオルで身体を拭くと類はつくしを抱き締めるように眠りについた。


***


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恋乱〜続・恋花13

恋乱〜続・恋花13


類に手を引かれ、パウダールームから出て行くと、店の従業員たちが慌ただしく片付けの準備に入っているところだった。

「あれ…みんなは…?」
「ん?疲れて気分が悪くなったって言って、お開きにしたよ」

つくしは、まともに類の目を見ることが出来ずに、俯いたままトボトボと歩く。
類に握られた手は、カタカタと震えていた。

司に会ったら何かしら起こるのではないかと披露宴の時から警戒していた。
でも、花沢の信用を無くすような行為は絶対にしないであろうとも思っていた。

だから、2人きりにさえならなければ大丈夫だと分かっていたはずなのに。

「類…ごめんね…あたし…」

なぜ自分が司を強く拒否できなかったのかも分からずに、類を裏切ったという気持ちでいっぱいだった。
始めは司を裏切ったように…。

「俺、言ったじゃない…司の代わりでもいいって。でも、ごめん。謝るなら俺かな?」
「えっ?」
「あんたが何されてるか分かってて…助けに行かなかった」

「どう…して?」

類はそれには答えず、つくしの耳元で囁いた。

「ホテル戻ったら、全身消毒してあげるね…」





司は、従業員に声を掛けられるまで、その場を動くことすら出来ずに立ち竦んでいた。

久しぶりに触れた華奢な身体。
誘うように少しだけ開けられた唇に、我慢が出来なかった。
つくしも、また会えば同じ気持ちになると信じていた。
自分たちは何度離れても、強い磁力をもって引きつけられている、運命なのだと。

しかし、肌を触れ合わせたからこそ、気が付いてしまった。
気が付きたくなかったつくしの想い。

つくしが、司に対して前ほどの愛情を持っていないことに。
自分を受け入れたように見えたのは、たぶん、罪悪感。
1度、司を裏切ったという思いから、罪悪感を待ち続け、自分を責めていたのだろう。
だから、強く拒否をすることが出来なかった。

「類の野郎…ワザとだな」

司がつくしを追ってレストルームへ行くのを分かっていたはずなのに、止めには来なかった。

本能的に動く男に、つくしのことを諦めさせるには、こうするしかないと判断したのだろう。
類もまた、つくしの幸せを思って、司のところへ行けと背中を押してくれたことがあったように。
今度は、自分の番なのか。

「笑っててくれよ。ずっと…」

司は目を閉じて、自分には眩しいくらいのつくしの笑顔を思い出す。

本当は誰の手にも渡したくない。
自分が幸せにしてやりたかった。

しかし、それを彼女は望まないのだろう。

叶わないのならば、他の誰かの手でもいい、あの笑顔が守られるのであれば。


***


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プロフィール

オダワラアキ

Author:オダワラアキ
オダワラアキの二次小説・二次創作置き場へようこそ。
ひるなかの流星・花より男子・日々蝶々・君に届け・会長はメイド様の二次小説・創作置き場です。黒バス黄黒、青黒BLも書いております。
現在はオリジナルばっかりになってしまったなぁ。

こちらを読むにあたって下記注意点をお読みになってからお進みください。

このサイトは原作のある漫画の二次創作、小説です。

同人誌や、二次小説(2次創作・夢小説)に抵抗のある方はウィンドウを閉じてください。
原作者様、出版社とは全く関係ありません。

小説の無断転記、複製、配布を禁じます。

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