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I Love You Baby

I Love You Baby
1話完結。
月に叢雲花に風 27の番外編です。
桜子に自身のブランドのモデルになってと頼まれたつくしのお話です。



蓮が産まれて育児に追われ、仕事をしていた時よりも忙しなく毎日が過ぎていく。
そんな中、蓮が4ヶ月になる頃やっと日々のサイクルに余裕が出てきて友人たちを邸に招くと、約束してたモデルの件…と桜子から話があった。
つくしの中ではとうに忘れていた話で、冗談だとばかり思っていたのだ。
しかし、カメラマンやヘアメークアーティストを連れて邸に来た桜子の表情は真剣そのものだった。

スタジオ代わりにする邸の一室でカメラマンがバタバタと準備を進めていく中、別室では女性陣で蓮の取り合いが行われていた。

「蓮く〜ん、可愛いなぁ〜」
「滋さんっ、今寝たばかりなんですからっ!」
「桜子だって、そろそろベッドに置きなよ〜可愛いからってさ」
「でも、本当可愛い〜赤ちゃんの頃からこんなに美形って、大きくなったらどうなっちゃうんだろ…」

つくしに似た真っ黒の髪に、類に似た目鼻立ちのはっきりとした顔付き、何より長い睫毛が0歳児とは思えないほど、綺麗な顔付きを際立たせていた。

「ふふっ、類ソックリだよね〜。あたしもメロメロ」

桜子が蓮を起こさないようにソッとベビーベッドに寝かせる。
優紀が薄手の毛布をソッと掛けた。

「じゃあ、先輩。蓮くんが起きるまでにメークと着替えお願いしますね。うちのブランドの服持ってきたので、とりあえず全部着てみてください」
「ほんとに撮るの…?あたし寝不足でクマ出来てるよ〜?」
「メークで誤魔化せるんで大丈夫です」
「つくし、もう覚悟を決めなよ…」

山のような衣装を次から次へと着ていくが、全てベースは白のワンピースだった。

「あ、それいいですね!」

胸元が大きく開いた白のロングドレスを着たつくしは、元来の清楚さが際立ち、胸が見えそうな程に開いていても不思議といやらしさは感じない。

「ほんと〜つくし似合う!」
「花沢さんがいたら、怒られちゃうかもね」

メークはベースメークをしっかりとされたが、写真に撮るとしてるかしていないか分からない程度になるという。

「髪は少し巻いて、でも柔らかく動きがあるぐらいで固めないで」

桜子の指示で、メークアップアーティスト達が髪と顔を仕上げていく。

花沢邸の一室で行われる撮影のため、あとは蓮が起きるのを待つばかりだ。
そして空気を読むようにフギャアと蓮が泣くと、つくしは授乳の為に席を立つ。

「先輩、あとはこちらの部屋でいつものように過ごしてくださって構いません。勝手に写真撮っていきますから」
「うん…分かった」

最初こそシャッターを切る音が気になり蓮もグズっていたが、つくしがいつものように蓮を抱き上げると途端に笑顔になった。
キャッキャと笑う蓮につくしも自然に笑顔になる。
つくしがおでこにキスを送ると、小さな手で肩に必死にしがみつく様が愛おしい。
ボールをコロコロと転がすと、それを追うように視線が動く。
手を伸ばすが届かないことに怒り泣き出す。
蓮の一挙手一投足全てが可愛らしく愛おしい。
やがて、遊び疲れたのかつくしの服をギュッと掴んだまま、瞼が閉じていった。
蓮の隣に横になったつくしが、胸を心臓の音に合わせてポンポンと叩くと、すぐにすーすーと寝息が聞こえてくる。
蓮が寝入るとつくしも釣られるように眠りに落ちた。



「つくし〜終わったって…あちゃ、全然起きないよ」

隣で眠る蓮を起こさないように、つくしだけ揺さぶるが一向に起きる気配はない。

「つくし睡眠不足って言ってたもんね。今少し寝られればいいけど…」
「そうですね…私たちはそろそろお暇しましょう」

桜子は佐原に言って毛布を借りると、蓮とつくしに掛け、花沢邸を後にした。

来月には、オープンするベビー服ブランドの新装開店のために桜子は大忙しで、このあともベビー服のデザイン案をいくつも書かなければならない。
それをカタログに載せ、通信販売も行う予定で、時間はいくらあっても足りないぐらいだった。



「類、お帰りなさい!ほら、蓮…パパが帰ってきたよ〜」

類はただいまとつくしの頬に触れた。
ひんやりと冷たい手が、蓮を抱っこしていると暑くて仕方がないつくしにとっては、心地よいものだ。

「蓮…おいで」

類が蓮を抱き上げると、パパが大好きな蓮はご機嫌で顔をペタペタと触った。

「今日撮影だったんでしょ?どうだった?」

自室へと歩きながら、類が心配そうに話す。

「あ〜蓮と遊んでたところを撮られただけだから、正直あんなんでいいのか心配…しかも気付いたら寝てたし」
「オープン来月だっけ?俺も見たいし、三条にさっさとアルバム作らせよう」
「え〜変な顔撮られてたらやだなぁ。まあ、主役は蓮だしね。あたしはどんなのでもいいか」

未だに自分がどれだけ魅力的な女かを理解していない。

店頭ポスターの件も、類は初めから反対だった。
つくしが蓮のアルバムに釣られてやると決めた時は、桜子を恨みたくなるほどに。
自分以外の誰かわからない男が、つくしを見ることを許せるはずはない。
写真が欲しいなら、プロのカメラマンを呼んで撮らせることだって出来る。
ベビー服が欲しいなら、いくらだって買ってやる。
しかしつくしにそれを言えば、一度約束をしたことを反故にすることなど出来ないと、無駄遣いをするなと怒るだろう。
なんだかんだと友人たちには甘く、お願いと頼まれると断れないのだと類も理解している。

しかし、類が桜子に裏で表立っての活動は一切しない、モデルが誰かも明かさない、写真はこれっきりと契約書まで交わしたことを、つくしは知る由もない。



桜子のブランドが入るビルは、高級ブティックが建ち並ぶ街の一角にあった。
1階にはベビー服やマタニティ服、スタイ、靴下などの小物、2階にはラフ過ぎないをテーマにしたカジュアルファッション、3階にはドレスやスーツ類のフォーマルな衣類が置いてあるようだ。
こじんまりとした店舗を想像していたつくしは、あまりのビルの大きさにあんぐりと口を開け驚愕する。

「こ、これ…?」

そして、つくしと蓮がモデルとなった店頭ポスターは、もはやポスターと呼ぶサイズなのか疑問になるほど大きく引き伸ばされ、入り口付近の柱やウィンドウに貼られていた。

「契約違反じゃないけど、ね」

類もここまでとは思わなかったのだろう。
桜子のつくしに対する意識の高さを甘く見ていたのかもしれない。
入り口付近にデカデカと貼られている一番目立つポスターは、つくしと蓮が額をくっ付けて笑っている横顔。
中に入ると、2人が身体を寄せ合い眠っているところや、高い高いでご機嫌そうに笑っているところのポスターが何枚も壁に貼られていた。

今すぐに全てのポスターを回収したい気分にさせられる。

「先輩っ!いらしてくれたんですね〜」
「桜子〜っ、とりあえず…オープンおめでとう…でも、こんなに目立つように貼るなんて聞いてないよ〜」

つくしが恥ずかしそうに、無駄と分かっていながら、ポスターが見えないように壁にへばり付く。

「何言ってるんですか?店頭ポスターって店の顔なんですから、目立たないように貼ってどうするんですか…」
「そ、そりゃそうだけど…」
「誰も先輩と蓮くんだとは気付きませんから大丈夫ですよ?」

「だといいけどね…」

桜子の言葉に言い返したのは類だった。
花沢本社ビルからも近いこの場所は、花沢で働く社員たちも利用するだろう。
その中の何人かは確実に気が付くはずだ。
しかも桜子のブランドは、今の若い女性の憧れでもある。
連日大勢の客が入るだろう。

いい写真であることは分かる。
普段と同じように柔らかい顔で蓮に笑いかけるつくしはとても美しく、身に付けるドレスの清楚さも相まって絢爛華麗であった。

桜子から独り占めなんて許さないとでも言われているかのようだ。

「こんな顔、他の男に見せないでよ…」





大学時代の友人に最近子どもが産まれ、今人気のブランドが会社からほど近い場所にオープンしたらしく、木嶋は仕事帰りに出産祝いを買いに店に来ていた。

「すみません…出産祝いを贈りたいんですけど。どういうのがいいのか分からなくて、見て頂けますか?」

店員に話し掛けると、すぐさま綺麗に箱に入れられた商品を手に木嶋のところへやってくる。

「いらっしゃいませ。男の子用ですとこちら、女の子ですとこちらが人気ですね。あとは、ご自身で選ばれた商品をこのように包むことも出来ますが、如何致しますか?」
「いや、よく分からないのでお任せします。女の子らしいんで、これ…ですか?お願いします」
「はい。こちらが女の子用ですね。では、お包みいたしますので、こちらにお掛けになってお待ちくださいませ」

木嶋は独身でもちろん子どももいないため、ベビー用品などを取り扱う店とは無縁だった。
しかし歳のせいか最近は結婚、出産ラッシュで祝い品を贈ることが多くなってきたのだ。
2、3人お腹の大きな妊婦が品物を見ている中、自分が浮いているような気さえして、落ち着きなくキョロキョロと店内を見渡した。

「えっ!?」

何となく店内の柱に目を走らせると、驚きのあまり思わず大きな声を出してしまった。
店内の客も木嶋を訝しげに見るが、何事もないと知るとすぐに目をそらし買い物へと戻って行った。

育児休暇を取っているつくしは、出産後すぐに子どもの写真付きで島崎と木嶋にメールをくれた。
その頃に比べると、かなり大きくなった息子と共につくしがポスターに写っている。

「花沢、だよな…」

ポスターを凝視している木嶋に、ラッピングを終えた店員がお待たせしましたと話しかける。

「ああ、このポスターお客様から評判いいんですよ。オーナーの友人らしいんですけどね…綺麗な方ですよね」
「そうですか…いい写真ですね。あの、このカタログ貰っても構わないですか?」
「ええ、もちろん。どうぞお持ちください」

通信販売用のカタログを手に取ると、品物を受け取り代金を支払い、木嶋は店を後にした。

ガードレールに腰掛け、早速カタログを開いていく。
何枚にも渡って、つくしと蓮がカタログの中で笑っていた。
しかし、つくしをモデルにするなどよくあの常務が許したなと不思議に思うが、″オーナーの友人″店員がそう言っていたことを思い出すと、納得出来る気がした。
あれだけの容姿を持ちながらも、つくづく妻に甘い男だと、木嶋は思う。

いずれはバレるだろうが、気がつくまで島崎には秘密にしておこうと、木嶋はカタログを大事そうに鞄へとしまう。

「幸せそうだな…なーんか俺も結婚したくなってきたわ…」


fin


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月に叢雲花に風 30

月に叢雲花に風 30最終話


9月の半ばになり、つくしは仕事の引き継ぎも終えて産休を取ることになった。
島崎には涙ながらに見送られ、産まれたら必ず顔を見せに来ることを約束させられた。
もちろん、つくしとしてもそのつもりだったが。



「健診が週に一度になると、いよいよって感じがするよね…。なんか緊張しちゃう」

以前は月に一度のはるかとのティータイムだったが、2人とも健診が週に一度になると顔をあわせる機会もグンと増えた。

「うん…陣痛に気が付かなかったりしないかな…」
「陣痛来ても10分間隔になるまで家で待機とか言われてもさ…。陣痛の経験がないんだから、分からないよね…あたしもちょっと不安」

いつ陣痛が来るかという不安も2人で分かち合えたことが、つくしのストレスを軽減していたのか、仕事をしていた時よりもずっと落ち着いて毎日を過ごせている。

何度か話すうちに知ったことだが、はるかの家も花沢邸とそう離れてはいなかった。
もちろん運転手がいる為、たとえ遠かったとしても会いにいけないわけではないが、近所ということではるかとの仲もさらに近付いたような気がした。



元々体を動かしているのが好きな性分だが、さすがに今は体力が付いていかない。
毎日SP何人も連れて散歩に行くのも気がひける。
さて、どうしようかと考えていると、取っ替え引っ換え邸に客が来るようになった。
いずれも毎日忙しい日々を送っている友人たちだ。
つくしが疲れないように、数時間話をしては帰っていく。

そしてその日は、類よりも忙しいはずの司が花沢邸に来てくれていた。
後から、桜子と優紀もやってくるとソファに座ったままのつくしを心配そうに労った。

「体調どうですか?」
「う、ん…今日は朝からお腹が結構張っちゃって…」
「つくし、ハーブティー持ってきたから佐原さんに淹れてもらうね」
「ありがと…」
「もういつ産まれてもいいんだろ?不安だったら、うちの病院入院しとくか?」

司とて妊娠について詳しく知っているわけではないが、お腹の張りに苦しそうなつくしを放っておくことなど出来るわけがない。
今すぐ医者を呼べと叫び出したいのは、桜子、優紀も同じだが、つくしに何度も断られている。

「ええっ!?いいよ、そんなの!病気なわけじゃないんだから」
「つくし様…ハーブティーお持ちしました」

ドアをノックすると、佐原がハーブティーを乗せたワゴンを運んでくる。

「あ、ありがとうございます」

つくしが受け取りに行こうとすると、すかさず司がワゴンを受け取りに行った。

「道明寺さん優しい〜!」
「でもその優しさ先輩にだけですからね〜私たちも女なんですけどね」

桜子がいつものように毒を吐くが、つくしがF4全員にとって大事な女性であることはとうに分かっている。
桜子たちにとっても、同じぐらい、いやそれ以上に大事な友人なのだから。

「うるせぇな…こいつは特別。おまえもそれぐらい分かってんだろうが」
「ええ、分かってます。F4の女神みたいなものですからね」
「はぁ!?桜子なに言ってるの?」
「知らないのは本人だけ…」
「もう、優紀までっ!…イタタ」

本格的にお腹の張りが強くなってくると、つくしはお腹を押さえてソファに横になった。

「つくし様、かなりお腹張りますか?」
「はい…たまに、結構痛いのが来ます」
「お腹の張りがより強くなるのが陣痛ですから…もしかしたら始まってるかもしれませんね。おしるしはありました?」
「あ、はい。今朝…」
「おしるしってなんだ?」
「出産が近くなると子宮口が少しずつ開いてきて、卵膜が剥がれて出てくることがあるんです。臨月に入って少量の出血があれば、それをおしるしと呼ぶんですよ」

つくしがお腹の張りの間隔を計ろうと時計を見た瞬間、身体の中でプツンという音と共に、下半身から大量の水が流れ出た。

「あっ…いっ、たぁ…はぁっ」

「つくし!?」



先日の健診では、すでに子宮口は開き始めていて、いつお産が始まってもおかしくはないと医師の説明があった。
それ以来、携帯が鳴るたびにハラハラと落ち着かない類に、山村も苦笑する毎日だ。

類の携帯が鳴り響き、慌てて携帯を見るがその相手が司だと知ると、ガッカリしながら通話を押した。

「類…?落ち着いて聞けよ?牧野が破水して陣痛も始まった。これから病院連れて行くからな」
「あ、うん…」
「うん、じゃねぇよ!おまえ分かってねぇだろ!」

電話があるとすればつくしからだろうと思っていた類は、心の準備もする間もなく司からの電話を受けた。
司の緊迫した声すら耳に届くまでに一定の時間を要した。

「つくしは!?」
「ちょっと待て…今変わる」

電話ごしにカタカタと音がして、車の走行音のような音も聞こえる。
今は病院に向かう車の中なのであろう。

「類…?」
「つくし…痛い?大丈夫?俺もすぐ病院向かうから…」
「ありがたいけど…こっちは大丈夫だから、仕事終えてから来て?類じゃないと出来ない仕事があるでしょ?それに…たまたま、優紀と桜子も来てくれてたの…あっ…つっ!」
「つくし!?」

「類、悪い…もう病院着くから1回切るぞ?俺もずっと付いてられるわけじゃねえけど、ギリギリまではいるから。また状況連絡する」

司も言葉ほど落ち着いているわけではないのだろう、類の返事を聞く前にプツッと通話は切れてしまった。

「山村…つくしの陣痛が始まった。キャンセル出来ない仕事ある?」

山村に問う類の目は、キャンセルしろと言っていたが、それに簡単に応じるわけにはいかない。

「どうしても1つだけ、出ていただきたい会議がございます」

花沢グループ後継者とはいえ、まだ年若い類に反感を持っている役員も中にはいる。
いくら妻の出産とはいえ、大事な会議を直前でキャンセルするとなると、類への反感が大きくなることは必然だ。

「分かった…」

あんなに苦しそうで、本当に大丈夫なのだろうか、男は決して経験することのない痛みを想像することしか出来ない。

これで、俺が仕事キャンセルしたら見限られそうだよね…。
格好悪いところは見せられないか。

つくしの陣痛が始まったと聞いて、よほど慌てていたのだろうか。
類は自身のネクタイが曲がっていることに気が付いた。
一度それを解くと、きっちりと朝つくしが締めてくれているようにタイを結び直す。

「山村、さっさと終わらせるよ」



待機していたリムジンに乗り込み、気持ちとしてはパトカーのサイレンが欲しいほどであったが、渋滞なく病院へ着くことが出来た。

バタバタと院内を走る類に、看護師が走らないでくださいと怒りを露わにするが、類の足は止まらない。

荒い息を整える間もないまま分娩室のある3階に着くと、桜子と優紀が落ち着きなく類の到着を待っていた。
どうやら司は時間が来てしまったらしく、仕事へと戻ったようだ。

「あっ、花沢さん!」
「つくしは!?」
「今、分娩室に入ったところです!まだまだ産まれないと思ってたら、かなり早くお産が進んだみたいで」

類が分娩室に入ろうとすると、反対側からドアが開き助産師と思われる女性が出てくるところだった。

「ああっ、花沢さんのご主人?もう赤ちゃん出ますよ。どうぞ」

類が準備をし分娩室へと入った瞬間、小さな産声が聞こえてきた。

「花沢さん、元気な男の子ですよ〜。パパも来てくれたのね、赤ちゃんのお顔見てあげてくださいね」

へその緒を切られ真新しいタオルに包まれた赤ちゃんを看護師が、つくしの隣に寝かせた。

「ふふっ、可愛いね…やっと会えた」

つくしは分娩台の上で、グッタリとしているが、類と目が合うとお疲れ様と笑う。

「そうだね…つくしお疲れ様」

類が、愛おしそうに赤ちゃんを見つめるつくしの髪を優しく撫でた。
今までつくしにだけ向けてきた愛情が、産まれてきた子どもに対しても芽生えていくのを感じる。
守るべき存在があることは、類にとって大きなことだ。

「そういえば…名前…どうしようか…?」
「蓮…は?つくしと俺の子にぴったり」
「れん?」
「力強く根を張り、泥にまみれても美しい花を咲かせる…ハスのこと」
「ふふっ、確かに。類は泥にまみれてないけどね〜。蓮…パパが名前決めてくれたよ。嬉しいね」

類は、蓮の手の平を指でチョンと突くと、類の指程もない手でギュッと握り返してくる。

「俺、三条たちに言ってくる。心配してたから…」
「うん。あ、ママたちには道明寺が連絡してくれたの。お義母さんたちにも」

分かったと言って類が外に出ると、心配そうにドアの前をウロウロしていた桜子と優紀が類に駆け寄った。

「花沢さん…?」

しかし、類が言葉を発することが出来ないのは、我慢していたものが溢れてきそうになったからだ。
桜子は優紀と驚いた様子で顔を見合わせると、そっと席を外した。
類のその表情で、母子ともに問題ないことは見て取れたからだ。

「あ〜カッコわる…この歳で本気で泣くとか。ヤバイよね…」

壁に寄りかかりながら独り言のように呟くと、顔を腕で覆った。

決して不幸ではなかった子ども時代。
しかし類は幸せでもなかった。
この広い屋敷の自室で、使用人や家庭教師と過ごした時間は、親と過ごした時間よりも遥かに長い。
今ならば、それでも両親に大事に育ててもらったのだと分かる。

しかし、この子には両親とは違う愛し方をしてみよう。

つくしが類に教えてくれたようにーー。


いつか…君と話せるかな。

蓮、君はたくさんの人に望まれて、見守られ産まれてきたんだよ。
そしてこれからも、たくさんの人が君のことを愛するだろう。

つくしと出会えたこと、これからもずっと一緒にいることが俺の一番の幸せ。

そして、君とこれから家族になっていくことが俺の二番目の幸せだ。



fin


終わりです(*^^*)長かった…。
途中、色々脱線し過ぎて話を戻すのが大変でした…。
皆様にお気に召して頂ければ幸いです。

オダワラアキ

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月に叢雲花に風 29

月に叢雲花に風 29



まだまだ残暑厳しい、9月始めの土曜日。
予定日までもう少しで1ヶ月となる。

類は早くから仕事へと出掛けてしまい、暇を持て余していたつくしは、運動不足解消のために邸から会社の近くまで歩いていた。
1人でブラブラしたいというつくしの望みをくみ取り、少し離れて堀田も付いて来ているが、大きなお腹で歩くのも辛そうなつくしのことが心配で堪らない。

お腹が張ることも多いためか、つくしは時折足を止めてゆっくりと息を吐き出す動作を繰り返していた。

花沢本社ビルから程近い、高級ブティックが建ち並ぶエリアに出ると、店に入るでもなくショーウィンドウに飾られた、服やアクセサリーなどを見ていた。

「入らなくてよろしいんですか?」

堀田が付いてきているのは、もちろんつくしも知っているはずなのに、よほどぼうっとしていたのか突然話しかけられたことに驚いたように目を丸くした。

「あ、堀田さん…」
「大丈夫ですか?お疲れなら車を呼びますが…」
「あ〜ごめんなさい。ちょっとぼうっとしてただけです。それに、特に欲しいものがあるわけじゃないんで。入ったら買わなきゃいけないかなと思うし…」

堀田がそうですかと相槌を打っていると、黒塗りの高級車がつくしの側に停まった。
堀田は警戒心を強めるが、窓が開き顔を現したのはつくしの友人の1人だったことにほっと肩をなで下ろす。

「おじょ〜さん、どこ行くの?」

軽い台詞でつくしに話しかけたのは、和服を嫌味なほど格好良く着こなした総二郎だ。
振り向かなくても分かるその声に、つくしはフッと笑いをこぼす。
しかし、突然現れた超絶美形の男に驚いたのは、偶然街を歩いていた女性たちだ。
一斉に総二郎を見るが、その視線は自分を見ていないことにガックリと肩を落とし去っていく。

「西門さん…ほんと女の敵。紛らわしい呼び止め方止めてよ」

つくしが車に近付いて行くと、何を勘違いしたのか、女性たちの間で既婚者…妊婦…という声すら聞こえてくる。
つくしは違うわっ!と大きな声で叫びたい気持ちをグッと抑えた。

「おまえ1人?類は?」
「仕事だよ。あたしも少しは歩かないとさ。ずっと車生活だから、無理のない範囲で少し体を動かしたほうがいいって先生に言われたし」
「ふーん、そんなもんなのか」
「そ、だから散歩してるの」
「じゃあ俺も散歩しながら帰るかな?うち寄ってけよ。最近来てないだろ?」
「西門さん仕事は?」
「今日はもう終わりで帰るところだったんだよ。SP付いてるとは言え1人でおまえが歩いてたら驚くだろうが」

総二郎は車から降りると、つくしに腕を差し出した。
掴まれと言われているのは分かるが、誤解を招くような行動を取りたくない気持ちがあり、その腕を取ることを躊躇してしまう。

「あのな〜お前を転ばせでもしたら、類に殺されるわ。ただでさえ、警戒心のかけらもない女だし」
「心配性〜。類みたい…」

つくしが躊躇している間に、無理やり腕を掴まされてしまう。

「類ほどじゃねえけど…おまえは俺たちにとっては特別な女なんだよ。心配するのは当たり前」
「へえ〜。その辺にスッゴイ美人がいたらあたしなんて即行放って置かれそうだけど?」
「それは仕方ねぇな」

総二郎はニヤリと笑うと、つくしの歩調に合わせてゆっくりと歩き出した。





「西門さん…ごめ、ちょっとお腹張っちゃって…横になっていい?」

15分もあれば着くはずの西門邸に、倍の時間をかけてやっと到着すると、お腹の張りが強いのか通された和室でゴロンと横になった。

「大丈夫か?今布団持ってきてもらうから、待ってろよ?」

やはり、妊婦というものは普通の状態とは体が異なるらしい。
往復で1時間程しか歩いていないというのに、驚くほどの疲労を感じる。

「ありがと…西門さん付いててくれて良かった…少し横になれば落ち着くと思うから…」

和室に布団を敷かれ、横になるとつくしは目を閉じた。
夜中に元気に起き出し、お腹をドカドカ蹴ってくれる我が子にさすがに最近は睡眠不足だったこともあり、すぐに眠りは訪れた。



つくしが目を覚ました時、窓から見える景色はほんのりオレンジ色の光を伴い室内は薄暗くなっていた。

「あれ…あたし…」

見覚えのない天井に一瞬驚くが、すぐに西門邸に来たことを思い出す。

「つくし、起きた?」

音を立てないように襖を開けて、類が室内に入ってきた。

「あれ、類…」
「総二郎から電話もらったから迎えに来たよ」
「ん…ごめん。ありがと」
「最近、夜眠れなかったみたいだもんね…疲れてる時無理しちゃダメだよ?」
「うん…そうだよね。妊娠前とは体力も全然違うって思い知った…」
「そろそろ、産休取ろうか。夜眠れないなら、昼寝ればいいよ。散歩行く時はSP人数増やすからね」
「うん。そうする…。妊娠って幸せだけど、こんなにしんどいって知らなかったなぁ」

お腹の中で毎日元気よく暴れてくれる我が子を、早く産みたい…そう思うが、お腹の中でもう少し守ってあげなければならない。
来るべき日までーーー。


***


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月に叢雲花に風 28

月に叢雲花に風 28


8ヶ月後半になるとお腹が重く、長く歩くとすぐにお腹が張ってしまう。
ずっと座っているのも辛く、部長に断りを入れて18階の休憩スペースで休ませてもらうこともしばしばあった。
佐藤も毎日のように18階へ飲み物を買いに来ていることもあり、今となっては毎日のように顔を合わせる友人となっていた。

「お腹かなり大きくなったね」

いつものように自動販売機の横にある椅子に腰掛けると、佐藤が歩くのも大変そうなつくしを気遣い飲み物を買って手渡した。
今のつくしは、お腹が苦しくて販売機から飲み物を取ることが出来ないのだ。

「ありがとう…あ、お金…ってごめん、今持ってなかった。明日はあたしが出すね」
「いいよ、これぐらい。もう動く?」
「うん。お腹ポカポカ蹴るよ」
「つくしちゃんは全然太らないね?妊娠すると体重管理大変って言うけど。うちの姉さん達なんて、20キロ増えたって騒いでたよ」

つくしは食事の量としてはかなり多い方だが、妊娠してからも急激な体重の増加はしなかった。
体質的なものかもしれないが、おかげで血圧も急に上がることもなく、健康的な妊婦として生活出来ている。

「元々超スレンダーなんじゃないの〜?あたしが20キロ増えたら大問題だけど、剛くんのお姉さんなら大丈夫でしょ?」
「いや…どうかなぁ。産後ダイエット大変そうだったよ?」

佐藤は全員結婚し子どもがいる3人の姉を思い出し、苦笑する。

「あ、そうだ。この間安産のお守り買ってきたんだ。今持ってくるの忘れちゃったから、帰りに少し時間ある?」
「わざわざ?ありがとう!」
「定時で帰るよね?1階のエントランスにいるね。じゃあ俺そろそろ仕事に戻るけど、ちゃんとエレベーターで戻ってね」
「わかってるって〜ありがとう!」

つくしは佐藤に手を振ると、佐藤も片手を上げて仕事へ戻っていった。





つくしが予定通り定時に仕事を終えて1階のエントランスへ行くと、来客用のソファに腰掛けた佐藤が立ち上がった。

「帰る間際にごめんね。これどうぞ…無事に赤ちゃんが産まれますように」
「わぁ〜ありがと!こういうの嬉しいね…鞄に付けさせていただきます」

佐藤が小さな紙袋に入ったお守りを手渡すと、つくしはそれを嬉しそうに受け取り早速鞄へと付けようと袋から出した。

「あ、とさ…ごめん、いきなりで驚くと思うし…完全に俺の自己満足だから、つくしちゃんには迷惑だってこと分かってるんだけど…」

言いにくそうに頭をポリポリとかきながら、照れた様子で話す姿に、つくしはやはり小型犬を思い浮かべて可愛いなぁなどと思ってしまう。

「俺…つくしちゃんのこと好きなんだ。友達としてじゃなくて、恋愛対象として」

佐藤の思いもよらぬ告白に驚き、つくしは手に持っていたお守りを床に落としてしまう。

「あっ、ごめんっ」

佐藤は床に落としたお守りを拾い、つくしの鞄へと器用そうな指先で結んでいく。

「ごめん…ちょっとビックリして…」
「いや…俺の方こそ、ごめんね。ただ…俺の気持ち知ってほしかった。こういうの断るのも結構辛いって知ってる。万が一なんて可能性がないのもね。だから、何も言わなくていいから…友達でいてくれる?」
「剛くんは…それでいいの?」

つくしとて、昔は類に片想いをしていた時期もあるだけに、思われぬ辛さを知っているつもりである。
相手から思われないのは、辛く悲しいことだが、それでも相手の幸せを願ったのはつくしも同じだった。

「ははっ、本当はそれでいいわけじゃないけど…俺にも人並みの欲求はあるし。可愛いなと思ったら抱き締めたくなるし。でも、つくしちゃんが幸せそうにしてるとこ見るのも結構好きなんだよね。俺、マゾなのかも」
「剛くん…」

つくしは、滅多にない異性からの告白に、どういう顔をすればいいのかも分からずに俯いた。

「そんな困った顔しないで。常務とのラブラブっぷり見せつけていいよ?もし不幸そうにして泣いてたら抱き締めちゃうから気をつけてね?」

そんなつくしの顔を下から覗き込むように、佐藤は悪戯っぽい笑みを浮かべると、つくしに笑顔が戻ったことに安心したような顔をした。

「あははっ、じゃあずっと幸せでいないとね」

しかし、自分の周りの友人たちは、どうしてこうもいい男ばかりなのだろう。
もちろん、顔が…という意味ではない。

司とつくしをずっと見守ってくれていた類。
類とつくしを見守ってくれている司。

そして、皆一様につくしに幸せでいてほしいと願っている。


***


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月に叢雲花に風 27

月に叢雲花に風 27
このお話も続きは番外編で書こうかな…と思います。
脱線しまくり…すみません(^^;;




つくしが邸へ戻ると、すでに桜子、滋、優紀の3人が待っていた。

「ごめんっ!もう着いてたんだ!?」
「今着いたばっかだから、そんな慌てないで?走らせたりしたら花沢さんに殺されちゃう」

今にも走り出しそうに見えたのか、優紀が小走りで扉の方へと近付いてくる。
さすがのつくしも、大きくなったお腹で走ろうとは思わないが、心配性の友人たちは相変わらずだ。

「つくし、お腹大きくなったねぇ!」

滋は抱き付こうとし桜子に首根っこを捕まえられながらも、全く気にすることなくしげしげとお腹を見た。

「あら、本当!この間はまだそんなに分かりませんでしたよね?」
「7ヶ月になって急に大きくなってきたよ。お腹ポコポコ蹴るから、夜あんまり眠れなくって…」
「へぇ〜つくし触らせて触らせてっ!」
「滋さん…優しくですよ?」

今にも飛び掛かりそうな勢いの滋を、桜子が諌める。

「さすがに分かってるよ〜!」
「で、性別ってもう分かってるんですか?」
「うん。男の子だって〜あたしがちょっとホッとしちゃった…」
「どうして?」
「え、だってさ…」 

不思議そうに聞く優紀に、つくしはしまったと赤くなるが、桜子がやれやれというように頭を振った。

「はいはい。女の子だと将来花沢さんの取り合いになりそうですもんね〜。先輩いつまでラブラブなんですか…結婚5年目とは思えませんよね」
「確かに…世間の結婚5年目の人たち全てとは言わないけど、旦那さんの愚痴とかよく聞くかも」

桜子の話に優紀も滋も頷いた。

「うん。会社の人もよく言ってる。でもみんな愚痴とか言いながらも幸せそうだったりするよね。色々な夫婦の形があるんだなぁと思うよ」
「ま、先輩が花沢さんの愚痴を言うとは思えませんけどね」
「そうそう、つくしの愚痴はただの惚気だから」
「あ、この間、花沢さんが毎日マタニティグッズとベビーグッズ買ってくる〜って愚痴ってたね!ベビーカーだけでもう5台あるって」
「う…優紀、言わないでよ〜」
「惚気ですね…」

そんなつくしの惚気話すらも、幸せそうで良かったと聞いてくれる。
この友人たちの間では決して感じることのない身分や階級、たまに金銭感覚の違いに驚くことはあれど、桜子も滋も庶民感覚に合わせてくれることすらある。
つくしにとって、かけがえのない親友たちだ。

「そういえば先輩にお願いがあるんですよ!」

桜子のお願いと言えば、男関係を勘ぐってしまうつくしだが、さすがに結婚して妊婦のつくしにそれはないだろう。

「何?桜子のお願いって嫌な予感しかしないんだけど」
「あっ、ひどいですね!私だってたまにはマトモなお願いすることだってあるんです〜」

実は、と桜子が話した内容は驚くことに仕事の話だった。

「私、洋服好きの趣味が高じて自分のブランドを立ち上げてるんですけどね。今度ベビー服も新しく出すことにしたんですよ」
「ああ、桜子のブランド凄い人気あるみたいだね!さすがだよ」

滋がつくしの自室にあったファッション雑誌を手に取ると、これだよとページを開いた。
それは特集ページで10ページにも及んでいて、まさか桜子のブランドとは知らずにつくしも目を通していた。

「へぇ〜これ桜子のブランドなんだ!?知らなかった!素敵だよね〜」
「そうなんです。そこで、ですね。先輩モデルしません?」
「はあ!?」

つくしはあまりに突飛な話に唖然とするが、優紀と滋はへぇいいかも〜と口を揃えて言った。

「元々、ブランド立ち上げたキッカケは先輩なんですよ。先輩って、今は割と綺麗になりましたけど、セレブのくせに高い服が似合わないっていうか、顔が地味っていうか…」
「桜子…失礼ねあんた。どうせ未だにドレスに着られちゃう女ですよ〜だ」
「そんなこと分かってますよ。と、に、か、く!先輩に似合いそうな上質な服を作りたいなと思って始めたんです。それがこんなに大きくなるとは思いませんでしたけど」

確かに特集ページを見て、つくしがいいなと思ったのはそこだった。
ファッション雑誌というのは、170センチを超えるモデルしか着られないような服を紹介していることが多い中、桜子のブランドはそうではなかった。
一流ブランドにありがちな背中が大きく開いたドレスや、高いヒールを履かなければ着られないコートではなく、上質ながらも庶民が少し頑張れば手が届くような普段着を主に扱っていたのだ。
オフィスカジュアル…そんな言葉で雑誌には載っていた。

「でも、無理だよ。あたしにモデルなんてさ」
「断る前に話を聞いてください。そんな色々なところに顔を出すようなモデルとしてじゃありません。店舗の壁に貼る写真を撮らせてもらいたいんです。先輩の赤ちゃんが産まれたら、ご一緒に」
「えっ!?この子も?どうして?あんたならモデルの知り合いだってたくさんいるでしょ?」
「先輩をイメージして作ったブランドだって言ったじゃないですか。しかも、モデル使うと広告費もバカにならないんですよ。先輩の好きな節約です」

桜子にしては珍しく、お願いしますと手を合わせる。
桜子にとっては、ベビー服を立ち上げると決めた時から、いや、立ち上げるキッカケすらもつくしの妊娠なのだが、その時からつくしと産まれてくる子どもを店頭のポスターにしたいと思っていたのだ。

「でも、モデルなんてしたことないしさ。笑えとか言われても無理だよ?」
「それは心配ありません。先輩の普段の様子を撮らせて頂きたいだけなんです。お願いします!顔もメークで分からないようにしますから」
「つくし、いいじゃん!私も見たいよ、つくしとベビーちゃんが店頭のポスターになるの」
「先輩、うちで作ったベビー服無料でいくらでも差し上げますから」

無料と聞いて、つくしの食指が動いた。
3人は顔を見合わせて、もう一息とニヤリと笑った。

「プロに撮影してもらった写真でベビーちゃんのアルバム作ってもらえば!?いい記念になるよぉ〜」
「う…いいかも…」

最終的にはアルバムに釣られる形で、つくしは後々どデカイ店頭ポスターに後悔するのだが、それはまた別のお話しで。

「「やったぁ〜!」」

3人にとっては自慢の親友である、牧野つくし…もとい、花沢つくし。
こんなにも素敵な親友を、他のたくさんの人にも知ってもらいたいと思う故の行動である。


***


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