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幸せの決断 番外編2R

幸せの決断 番外編2R
kanadekei様リクエスト
前の結婚生活にヤキモチ妬く類くん…じゃなくなってしまいましたけど、一応その後のお話を書きました♬



7年越しの恋、実らせるーーー

類とつくしが半年間の恋人期間を経て婚約すると、日本でも海外でも大きなニュースとして取り上げられた。
そして新聞や週刊誌の殆どが、好意的なものであることにつくしはホッと肩をなで下ろす。
中には、昔司と付き合っていたことや、つくしが一度離婚していることも書いているところもあったが、それはバッシングするような内容のものではなく概ね事実をなぞるような書き方であった。
それよりも、藤崎の不倫問題が公になることを一番懸念していたのだが、つくしの昔の結婚相手である藤崎については露ほども触れられていない。
何も言ってはいなかったが、きっと類がそうしてくれていたのだと思う。
つくしが類のマンションで同棲している間、つくしには見る権利があると言って類から藤崎についての調査報告書を手渡された。

実はそこには、相手の女性の妊娠は嘘だったこと、しかし藤崎はそれを知らず流産したことになっていると書かれているのだが、お人好しのつくしがこれを見て何を思うのかと類は考えていた。
しかし、もう終わったことだからとつくしは気にせず、結局は類の渡してくれた報告書を開くことなくシュレッダーにかけてしまった。
今となってはその方が良かったと思える。



婚約からひと月も経たない内に入籍を済ませ、つくしは人生において2度目で最後となる結婚式の主役となっていた。
無事に挙式披露宴も終わり、この後の内輪で行うパーティの為につくしもウェディングドレスから白のシンプルで動きやすいドレスへと着替えている。

「どういうことか説明してもらおうか」

披露宴の後に宿泊するために取っていたホテルのスイートルームで、7年ぶりに会ったF3にそう詰め寄られたのは致し方ないだろう。
しかしつくしが平謝りすると、みんな心配していたんだと言う3人につくしは涙を堪える。

「類…道明寺と少し話して来てもいい?」

つくしが類に耳打ちすると、類も頷く。
7年前のことを司に伝えたいのだということは類にも分かっていたが、少しばかり面白くないのは当たり前だろう。

「まぁ、仕方ないね…行っておいで」

つくしは司だけを手招きで呼ぶと司は嘆息しながらもつくしの後に続き別室に入る。
あろうことかそこは寝室で、相変わらずのつくしの鈍さに司は思わず類に同情したくなるほどだった。

「なんで、ドア開けっ放しなの?」
「おまえな…」

司が敢えて少しだけ開けておいたドアを閉めようとするつくしを睨み付けると、ズカズカと近寄り額をピンと指で弾いた。

「いた…っ!何よ!もう!久しぶりに会ったのに!」
「おまえがいつまで経っても変わらないからだろ!」

つくしとしては、7年前のことを司に謝りたかったという気持ちがあったはずなのに、話は全く違う方向に向かう。

「あんたも全然変わってない!その凶暴なとことか!」
「おま…っ、俺より怒らせちゃダメな奴分かってねぇな…。ま、おまえは昔から類の外見に騙されてたからな…王子様スマイルつって」
「騙されてないし、類は優しいもん」
「じゃあ、そこのドア閉めてみろよ?」
「何言ってんの?あんた」

つくしが理解不能と言った顔で、元々閉めるはずだったドアをパタンと閉めると、司がニヤリと笑みを浮かべる。

「3秒ってとこか…」

司の呟きと同時にバタンと大きな音を立てて開けられたドアから、王子様スマイルの消えた顔で類が佇む。

「つくし、結婚式当日に不倫したいの?」
「ほらな?」
「ほ、ほらなじゃないでしょっ!る、類ちがっ…」

ジリジリと近寄ってくる類の表情は、確かに司が怒鳴っている時よりも余程怖い。

「司…悪いけど、ちょっと出てってくれる?」

類の言葉に、司はフンと鼻を鳴らし部屋を出る前につくしに言った。

「俺はおまえと話すことは何もねぇし、そんな過去のことをグダグダ言ってたらイイ男が台無しだろ?ただ…幸せになってくれって思うだけだ。しかも、類と結婚しちまえば逃げることもねぇしな。あんまいじめるなよ、類?」

ハハッと楽しそうに笑い声を上げて、司がドアを閉めるとカチリと後ろ手に類が鍵を閉めた。
会えない7年という長い時間が司を大人にしたようで、笑った横顔には昔のような恋慕の情は見当たらなかった。
司の優しさに涙ぐみながらも、司が部屋を出た後もつくしは暫くドアを見つめ続けていた。

「あんまり鈍いのも、罪だから」
「何が…?」

類に視線を移すと何故か益々機嫌が低下中らしく、つくしとの距離を詰めてくる。

「つくしが司と2人っきりで、俺が何も思わないと思う?」

元々ベッド近くに立っていたつくしは、類に軽くトンと肩を押されたことでバランスを崩しベッドの上に倒れ込んだ。
まさか、こんなところでと冷や汗しか出ないつくしは、靴を脱ぎベッドに上がる類から逃れようと後ろへ下がる。

「しかも、式始まる前にここでしたよね…司に見せたかった?」

類の言葉につくしは乱れたシーツに視線を向け顔を赤らめた。
言われてみれば、2つあるうちの片方のベッドだけが乱れていて、全くそのことに気が回らなかった自分が恥ずかしい。

「そんなわけな……っん、ん…」

噛み付くように唇を塞がれながら、ドレス背面にあるジッパーが降ろされると肩からハラリとシルクの紐が落ちる。
類の手がドレスを捲りつくしの足を撫で、敏感な場所に触れる。

「やぁ…っ…あ、ん…」
「聞こえちゃうよ…いいの?」
「や、だ…」

つくしは涙目で首を振るが、類の指がショーツの上を爪で引っ掻くように行き来すると、自然と足を開き受け入れる態勢をする。

「浮気なんかする暇ないぐらい…毎日愛してあげるよ」
「そんなこと、しないっ…ん…」

唇を塞がれ舌を絡め合いながら、類の指は激しさを増す。
ショーツの隙間から入ってきた指が直にツンと尖った突起に触れると、身体が痙攣するように震え始め指を奥にチュプっと挿れられた瞬間つくしは達していた。

「んん…っ、んーーーーっ!」

達した筈なのに、類の指をキュウキュウと締め付けもっと奥へ飲み込もうと蠢めく。
早く欲しいと、声に出して言いたいのに言えずつくしは荒い息を吐き出しながらイヤイヤと首を振ることしか出来なかった。

「お、ねが…っ、類…」
「ダメだよ…つくしの可愛い声、聞こえちゃうでしょ?」
「我慢、する…からっ…」

類の指は未だに入ったままで、身体を揺らす少しの振動でも声が出てしまいそうになる。
だったら指を抜いてくれと思うが、類は楽しそうにたまに指を引き抜くと奥まで一気に入れる動作を繰り返す。
自身の足の間から響く湿った音が3人のいる部屋にまで聞こえてしまうのではと、つくしは必死に足を閉じようとするが、類の手で押さえられより指の動きが激しさを増していく。

「あぁっ!」
「ほら、我慢出来てない…どうする?」
「類…お願い…キス、して?」

つくしは類のドレスシャツにしがみ付きながら、潤んだ目で類を上目遣いに見つめる。
類はフロックコートのジャケットをベッドの下に落とし、タイを緩めてつくしの上に覆い被さった。
深く口付けながら、すでに熱り勃った性器をゆっくりと沈めていく。

「んんんっ!んーーー!」

つくしが強く類の肩口を掴むと、声を我慢していることで生理的な涙が頬を伝う。
すぐにでも動き出したい衝動に駆られるが、類はグッと堪えつくしの呼吸が落ち着くのを待った。

「ぁ、はぁ…声…出ちゃう…っ」
「聞かせるのも癪だな…でも、何してるのかはバレバレだと思うよ?」

類の胸に顔を埋めながら小さな声で言うつくしは、恥ずかしがりながらも類が動き出すのを待っている。

「だって…っ…」
「つくしが俺のこと煽るから、でしょ?」

類はつくしの口を塞ぎながら、ゆっくりと腰を奥深くに進める。
つくしは類の熱に翻弄され、声を我慢することも忘れいつの間にか類の背中にしがみ付き声を上げていた。



「良かったね、聞かれてなくて」
「……」

つくしの握り締めるメモ用紙にはF3からのメッセージが書いてあった。

〝お楽しみ中みたいだな。上のBARで飲んでくる〝

「〜〜〜〜〜っ!!」

次にどんな顔して会えばいいのよ…


***


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幸せの決断 番外編 R

幸せの決断 番外編R


つくしが類に連れて行かれたのは、都内にある類のマンションだった。
そこは偶然にも、藤崎と暮らしていたマンションからそう遠くない。
街を歩いていれば、偶然コンビニやスーパーなどで会いそうだが、類はそもそもその手の店を利用しないのだから、映画館で偶然会ったことが奇跡のように思えた。

「はい。これオートロックの鍵ね」
「お世話になります…」

つくしが粛々とカードキーを受け取ると、類がため息を吐く。

「それじゃ、居候みたい。高等部の頃あんたと俺の関係が進まなかったのってこのせいかな…ちょっと来て」

類から渡されたキーをテーブルに一旦置くと、手を引かれ何部屋もあるドアの1つを類が開けた。
そこは紛れもなく寝室で、つくしには大きいとしか言えないがダブルだかキングサイズだかのベッドが中央に鎮座している。

「花沢類…あ、の…」
「類って言ってみ…」

寝室のドアを閉められて、逃げ道を両手で塞ぎつくしを抱き締める手は強い。
部屋に入った時は何ともなかった心臓が、今は類に聞こえそうなほどに高鳴っている。
もちろんつくしが望んでいることであったけれど、心の準備をする間もなく男の顔になった類に、緊張や愛しい気持ち、色々なものが混ざりつくしの手は震えていた。

「つくしが嫌なことなんて、しない…。でも、俺の想像の中であんた何百回も犯されてるから」

類の言葉に涙目で顔を赤くするが、それはただ恥ずかしさからというわけではなかった。
つくしだって同じだと、藤崎に抱かれながら類の手を想像していた自身のいやらしさを改めて感じたからでもある。

「類…のこと…好き過ぎて、どうしていいのか分からない」

つくしは震えながらも、類の背中に回した手を離そうとは思わなかった。
それが答えでもあったから。
ベッドに座った類を跨ぐような体勢を取らされると、さすがに羞恥心が勝るが、類はつくしを安心させるように背中を撫でた。

「つくしの初めてした相手ってあいつ?」
「そういうこと聞かないでよ…」

顔を隠すことも出来ずに、目をそらすしかない。

「そうなんだ…ムカつく。俺、自分がこんなに嫉妬深いと思わなかった。散々我慢したんだから、もう待たないよ」

つい今しがた嫌なことはしないと言った口と同じとは思えないが、つくしにとっても嫌なことではないのだから、反論しなかった。
しかし、つくしには1つだけ気になることがある。

「で、でも…あたし…」
「何?」
「あんまり……ないみたいで…」
「え?」
「だから…あんまり濡れない、みたいで…って言わせないでよ…そんなこと」

藤崎も知ることであるが、行為を苦手とするつくしは、どうしても最中に冷静になってしまい、あまり気持ちいいと思ったこともなかった。
藤崎は何も言わなかったが、類が良くなかったらと思うと、身体が強張ってしまうのだ。
それでも、類に触れられたい、抱かれたいと思う。

「ふうん、じゃあ試してみよ」

類が膝に乗せたつくしに顔を近付け上唇をペロリと舐めた。
つくしも目を閉じ、口の中の浅いところから深くまで入ってくる類の舌を受け入れた。

「ふっ…ん…」

類の優しく焦らすような舌の動きに、つくしもおずおずと舌を絡めていく。
無意識に類の髪を指で梳くように、柔らかい猫っ毛に触れていた。

「はぁっ…ん、ん…」

室内に荒い息遣いと唇を合わせる湿った音が響き、キスだけで溺れそうだと、初めて体感する背筋がゾクゾクするほどの快感に、つくしは冷静になどいられなかった。

好きな人とするキスは、こんなにも気持ちいいのだと初めて知った。

類の手がつくしのシャツのボタンを外し、ブラジャーの上から胸を揉まれると、類に支えてもらわなければ座っていることも出来ない。

「あっ、ん…類…あたし…変、だよ」

泣きそうに顔を歪ませるつくしにどうしたのかと手を止めると、熱のこもった瞳で見つめ返してくる。

「変じゃないよ…嫌?」
「気持ちくて…おかしく、なりそう…」
「なら、いいじゃない。俺もう止まらないよ…分かる?」

類に腰を強く押し付けられると、すでに大きく硬くなった類のものを身体に感じて、つくしは身動いだ。

「くくっ…顔真っ赤」
「もうっ、揶揄うの止めてよ…」
「ごめんって、緊張も取れたことだし…ね」

類はつくしのスカートを脱がすとベッドの下へと落とした。
下着とシャツ1枚という格好は裸よりも寧ろ恥ずかしいような気がして、つくしはベッドの上でシャツを必死に引っ張るが、それを横目に類が自身の衣類を脱いでいく。

均整の取れた美しい体を、ついうっとりと見つめていたのだろう。
類は笑いを噛み殺すように口角を上げ、つくしを揶揄う余裕もなくなった本能のままにつくしの唇を貪った。

「はぁっ…ん、んん…ぁ」

つくしに覆い被さり口付けを深くしながら、太ももに手を這わせると足がピクリと震えた。
足を開かせ内側を撫で上げると、もっと別の部分を触って欲しくなり、足の指でシーツをかく。

「あっ…ん、もぅ…」
「もう、何?」

類の言葉に口を尖らせて睨むように見上げるが、その間も止まらない焦らすような手の動きに耐えられずに類の腕を掴む。

「もっ、と…触って…」

つくしのブラジャーのホックを取り、露わになった形の良い胸元を舌で愛撫しながら、ショーツの上を指でなぞるとそこは既に滑りを帯びていた。

「あぁっ…は、ん…」
「ちゃんと濡れてるよ」
「もっ…恥ずかし、よ」
「何も考えられないぐらい、気持ちよくしてあげるから」

胸の突起を舌で転がすように舐められ、ショーツの上を指が擦るように動き徐々に激しさを増す指の動きに、つくしの嬌声と共にクチュクチュと湿った音も漏れ聞こえる。

「んんっ、あぁっん…や、ダメ、それ」
「気持ちいい、でしょ?」

類の指がショーツの上から、一点を捉えるとグリグリと執拗に同じ場所を擦る。

「ん、イイ…はぁっ、な、んか…ソコ、変になる…ん、ああっ!」

つくしは身体を弓なりにしならせビクビクと震えると、あまりの快感から類の手を離そうとするが、身体に力が入らずに崩れ落ちる。

「や、だ…はぁ、何…これぇ」

達した直後に何が起こったのかも分からずに、つくしは涙目で類を見つめるが、類は驚き嬉しそうに笑った。

「つくし、イッたの初めてなんだ?」

まだ身体がピクピクと震えていて、ボンヤリと類を見上げるが徐々にハッキリしてくる意識に頬を真っ赤に染めた。

「本当、可愛い…」

濡れたショーツを脱がし足を大きく開かせると、太ももの際どい部分に口付け強く吸いつき赤い痕を残す。

「……っ」

トロトロと蜜が溢れる秘部を舌で触れると、必死に足を閉じようとつくしが抗う。

「や、だ…っ、そんなとこ…」
「されたことない?じゃ、これも初めてだ…」

つくしの初体験が藤崎であることが余程嫌だったのか、類は執拗につくしの身体の反応を探る。

「ひゃぁ…ぁん、ふぅ…あ、あぁっ」

ピチャピチャと溢れる蜜をすくい取ると、つくしの膝がガクガクと震えた。
指を挿れられ舌と同時にスライドされると、また背中が粟立つようにゾクゾクとした感覚がやってくる。

「やぁっ…類…も、ダメ…っ」
「ん…イキそう?いいよ、いっぱい気持ちよくなりな」
「あぁっ…はぁっ、それ気持ちいっ…ああぁぁっ……!」

2度目の絶頂時には思考力が低下しつくしの中には恥ずかしさも失くなった。
ただ、奥が疼くような感覚を何とかしたくてモジモジと腰を揺すっていた。

「もう欲しい?」
「ん…も、早く」

類は屹立した自身を濡れた秘部に押し当てると、一気に腰を進めズプズプと奥に突き立てるように動いていく。

「あぁぁぁっ!あっ、ん、ん…奥気持ちい…っ」
「はっ…く、俺も気持ちいい…っ」

ズンズンと奥を突かれる感覚に凄まじい快感がつくしを襲う。
声など我慢出来るはずもなく、次から次へとやって来る快感の波にただ飲まれた。

腰が自然に類の動作と合わせるように上下に動き、結合部からは体液が混ざり合う度にグチュグチュといやらしい音が聞こえる。

「あぁっ…っ、また…イッちゃうっ、類…奥、して…っ」
「ん…コレ?俺、も…ヤバ…くっ」
「あっ、あっ、あん…んんっ!」

開いた足のつま先がピンと張り痙攣するようにビクビクと震えると、つくしの中に温かい体液が注ぎ込まれた。

「はぁ…はぁ…」

荒い息を整え暫くは熱に浮かされたようにボンヤリと宙を見ていたが、つくしはハッと何かに気付き慌てたように類を見やる。

「どうしよ…類っ、あたし服全部家に置いたままだよ!」

先ほどまで履いていた下着は使い物にならないし、シャツもスカートもぐしゃぐしゃの状態でベッドの下にある。
今さら藤崎に会うのも微妙だが、せめて洋服だけは取りに戻りたい。

「つくしの服ならここに揃えてあるから安心して。他の男に買ってもらった物なんか着させるわけないでしょ?」
「え…揃えてあるの?なんで?あたし、今日離婚したばっかりだよ?」

類がどうでもよさそうにクローゼットを指さし、空いた手でつくしの下半身を弄る。
まるでつくしがここに住むことが決まっていたような状態の住まいに、つくしが不思議そうに首を傾げると、下半身を撫でていた手が足の間の濡れた場所に入って来た。

「どうせまだ、服なんて着ないから」
「もうっ…」




翌朝日が昇るまで本当にパジャマどころか下着すら身に付けさせてもらえなかったつくしが、気怠い身体をやっとの事で起こすと、眠い目を擦った指に何か違和感を感じる。

「ほんと…いつのまに準備したの?」

隣で寝息を立てて眠る類を、愛おしそうに見つめる。
つくしの左手の薬指には、ダイヤモンドが光り輝いていた。


fin


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幸せの決断 最終話

幸せの決断 最終話



「返してもらう…か。初めから自分のみたいな言い方だな」

まだ離婚は成立していないのだからおまえのではない、という意味を込めて藤崎が言うが、つくしの視線は驚きのあまり類へと注がれていた。

確かに好みの相手ではあったが、そこまで深入りするつもりはなかった浮気相手を妊娠させてしまった藤崎とは違い、何年も想っていた相手からの告白だ、つくしの心ははなから藤崎にはなかったのだと思うと、今までの夫婦生活が中身のないもののような気さえしてくる。

「牧野…行こう。藤崎…さん?あとで必要な物は家の者に取りに行かせるから」
「ま、待って!」

類がつくしの手を引き店を出ようとするが、つくしは類の手を離し藤崎と向き合った。

「どうした?さっさとあいつと行けよ。もう俺のことなんかどうでもいいだろう?」

藤崎が自嘲気味に言うとつくしは悲しそうに表情を歪ませて、藤崎を抱き締めた。

「幸せだったよ。優しくしてもらったし、あなたのと生活…楽しかった。ありがとう…。相手の人、幸せにしてあげて」

そうだった…自分のことよりもいつも人のことを考えていて、藤崎が残業していると自分だって忙しいだろうに、進んで雑務を引き受けてくれたのはつくしだけだった。
そんなところに惹かれたのだ。

どうしてこんなことになる前に気付かなかった?

本当に大切なものは近くにあり過ぎると見えなくなってしまうように、つくしが藤崎に尽くしてくれることを当たり前のように感じていた。
それが、もう失くなるのだと思うと後悔と同時に喪失感が藤崎を襲う。
ありがとうと言われる程、自分はつくしのことを幸せにしてやれたのであろうか。
たとえ結果は同じであいつに奪われていたとしても、こんな形ではなく笑ってつくしを送り出してやりたかった。

「本当におまえのこと好きだったんだ…」
「分かってる」

何故最後の最後に、一番かっこ悪く泣きながらつくしを抱き締めているのだろう。
抱き締めた腕を離したくないなんて、許されないし、目の前の今にも人を殺しそうな目をした男が許さないだろう。

「もう…いいでしょ?返して」
「あぁ、悪い。つくし…元気でな」
「うん…」

類に引っ張られる形で、藤崎と引き剥がされると、類は藤崎を残してさっさと店を出る。




類は不機嫌な様子でつくしの手を引きながらも、自分の手に取り戻したという気持ちからか、つくしの歩調に合わせて歩くぐらいの余裕はあった。

「ね…聞いていい?」
「なに?」
「なんで、あの店分かったの?」

藤崎の別れ話で有耶無耶になってしまったが、そもそも何故類があの場にいたのかと冷静になって考えればおかしいことだらけだった。

「言ったらあんた怒るもん」
「怒るもん…って、花沢類さっきから何で拗ねてるの?」

つくしが言うと、類はピタッと立ち止まりつくしを振り返る。

「俺の前で他の男を抱き締めちゃダメでしょ?」
「まだ離婚届出してないよ?」

こんな時に素っ頓狂なことを言うつくしに類はため息を吐きたくなった。
しかし、何故あの場にいたのかということを誤魔化したかったのは事実だ。
藤崎の浮気相手から、常に進捗状況を連絡させていたとは言えない。
これで連絡を取ることもなくなるから、あとは勝手にやればいいと思っていることも。
女にしてみても、金を持ってる男と結婚出来るのだから棚からぼた餅の話だったはずだ。

「今すぐ届け出しに行くから。俺が今日までどれだけ我慢したか分かる?言ったでしょ?俺は、昔も…今も、あんたが好きだって」 
「言ってないよ…好きだとは」

類を見上げて泣き笑いのような顔で、類のシャツを掴むつくしをやっと堂々と抱き締められるのだ。
万が一、今写真を撮られたとしてもどこかの雑誌に載るのは早くて明日だ。
今日には離婚が成立しているのだから、何の問題もない。
しかし、一度抱き締めてしまえば離したくなくなるのは当たり前で、これから区役所どころかホテルに連れ込みたくなってしまう。

「あぁ、昔も今も変わってないって言ったのか。察してよ、そこは」

結局我慢することなどもう出来ずに、誰が見ているかも分からない街中で、つくしを胸の中に抱き締めた。

「察することなんて、出来るわけないじゃない」 
「あんた鈍いからね…忘れたら何度でも言ってあげる」

拗ねたように類を見上げるつくしが可愛くて、甘えたように瞳を潤ませる表情から目が離せずに顔を近付けると、つくしは恥ずかしそうに目を伏せた。

「好きだよ…」

類とのキスを受け入れておきながら、まだ考えてしまうことがあるのか、モゾモゾと身動ぎする。

「類…あたし…」
「グダグダ考えんな。俺のこと、好き?」
「………うん」
「それだけでいい。俺が幸せにするから」

つくしの返事は言葉にならずに消えていくが、類の胸の中で小さく頷き背中に回した手に力がこもる。


タクシーで区役所へ赴き届けが無事受理されると、その場で類は離婚届をしまっていたポケットと同じところから紙を取り出してつくしに手渡す。

「ほら、これ書いてね、今」
「な、にこれ…婚姻届!?」
「うん…今日から半年後に出しに行くよ。俺と結婚しよう」
「で、で、でもっ!ほら、普通、ちょっと付き合ってから…とかさ。しかも…家の人が許してくれるとは思えない…」

幸せの絶頂のような顔をしていた癖に、つくしはまたグルグルと余計なことばかり考えているのか一瞬にしてその表情は自信なさげなものへと変わってしまう。
そのせいで遠回りし過ぎて、7年もかかってしまったのだ。

今度は絶対に逃がさないーーー。

「あれから7年も経ってるんだ。俺だってもう子どもじゃないよ?自分の結婚相手ぐらい自分で決める。そもそも成人してる大人なんだ、親の許しなんか必要はない。けど…それじゃ嫌なんでしょ?」
「うん…ちゃんとしたい」
「だから、婚姻届出せるまでに半年あるし、2人でちゃんと挨拶すればいい」

幸か不幸か、女性が離婚届を出してから次に結婚できるまでは半年間空けなければならない。
つくしにとっても、突然変わるだろう生活に慣れるにはちょうどいいのかもしれない。
類に渡された婚姻届を受け取り、区役所のカウンターで記入していく。
離婚届と婚姻届を同日に書くことになるとは思いもしなかったが、類がつくしを安心させるために考えていてくれることは、痛いほどに分かった。

つくしが書いた婚姻届を大事そうにしまうと、類はつくしの手を取り歩き出した。
役所の職員は離婚届を出しに来た夫婦だと思っていた節があり、類の美貌に引き寄せられた女性たちから、ザマアミロという視線で見られていたことは知っていたが、2人で手を繋ぎ歩いて出て行く様子をポカンと口を開けて見つめていた。

「ねぇ、映画さ…あたし、結局最後までちゃんと見てないんだけど、どうやって終わったの?」
「さぁ?俺も見てないから」

類とつくしは顔を見合わせて笑い合うと、街中にあった大きな看板を思い出す。
2人にとっての決断が幸福をもたらしますようにと願い、固く手を繋いだ。


fin


お付き合い頂きありがとうございました(*^^*)
つくしちゃんの不倫もの〜と最初に公言しましたが、どちらかというと不倫したのは藤崎さんでしたね〜
まぁ、つくしちゃんはいくら大好きな人でも、結婚している限り相手を裏切るような行いはしないのでは?という私なりの解釈で書いた作品です。お気に召して頂ければ幸いです。
明日はオマケのRです!モヤモヤしてた方〜明日はラブラブです(≧∇≦)


***


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幸せの決断 12

幸せの日常 12
11も同日に更新してますので、そちらから読んでくださいね〜




つくしが類と出会って2ヶ月経った頃、藤崎の浮気が疑惑から確信へと変わっていた。
類とつくしの関係は未だに友人の域を出ないものであり、相変わらず平日の昼間、既に時期も過ぎ閑散とした幸せの決断を一番後ろの席で見ている。
そろそろ映画も終わる頃だ。
覚えてしまった始まりの台詞、口ずさめるようになった挿入歌、しかし互いに隣に座る相手が気になり過ぎて、映像だけは頭に入ってこなかった。

そんな2人の関係とは違い、藤崎のスーツのポケットの中から避妊具が出てきた時はさすがのつくしも衝撃を受けた。
つくしと使う為にポケットに入れておいたわけではないのは、中身が既に入っていないことと、パッケージに印刷されたホテル名が物語っていた。
まさか藤崎がホテルからそんな物を持って帰るとは考えにくいから、相手の女性がポケットに入れたのだろう。
何故浮気相手がそういう行動に出たのかは、後に知ることとなる。

しかし、それを知ってもつくしはどうすることも出来ないでいた。
そんなつくしの態度で察したのかどうかは分からないが、珍しく外で食事をしようと藤崎に誘われ、話を切り出されたのは疑惑が確信に変わった次の日だった。
個室に通された2人の元に食事が運ばれてくると、藤崎は人払いをしつくしが半分ほど食べ進めたタイミングでポツリと言った。

「ごめん…離婚…して欲しいんだ…」

離婚という言葉を聞いても、つくしには悲壮感は全くなく、寧ろ悲しんでいない自分が藤崎に対して申し訳なく思うほどだった。
だが、驚いたのは本当で優しい男であったから、浮気をしたとしても別れを切り出すようなことにはならないのではないか、と思っていたのだ。

「何となく…知ってるんだけど…どうしてって聞いてもいい?」

相手の女性のことを本当に好きになった…つくしにはそれしか考えられなかったが、実際にはつくしの想像の上をいっていた。

「好きな人が出来た。今、妊娠してる…」

妊娠…藤崎が離婚を決意するのも当然と言えた。
藤崎とつくしの間に子どもはいない。
つくしは結局、藤崎との間に子どもをもつ覚悟が出来なかったのだ。
しかし結婚しておきながら、それを藤崎に言うわけにもいかず、専業主婦になる前妊娠しやすい時期に深夜まで残業するなどし行為を回避していた。
それでも100パーセントの確率ではなかったが、行為を苦手としていたつくしを無理やり押し倒すような真似をする男ではなかったから、専業主婦になってからもつくしが妊娠することはなかった。
そのことに毎月のようにホッとしているのも事実で、藤崎に対して申し訳なく、藤崎の不貞を不貞と責めることが出来なかった。

「そう…分かった」

つくしが怒りもせず離婚に応じたことに、藤崎は驚きながらも肩を撫で下ろした。
そもそも、藤崎がつくしを外に連れ出したのは、人の目のある場所でなら落ち着いて話が出来るだろうと、自己保身の気持ちもあったのかもしれない。

「相当な慰謝料は払う。これに好きなだけの金額を書いて」

離婚公正証書というつくしには見たこともない書類の、慰謝料額の欄が空欄になっていた。
その他に財産分与や年金分割、他にも細かいことがたくさん記載されているようだが、6年一緒に暮らしてきた相手だ。
信用に足ることは分かっている。

「慰謝料は…もらえない。あたしも、あなたのこと裏切っていたから」
「どういう…ことだ?」
「あなたに告白された時…あたしには忘れられない人がいた。それはきっと気付いてたでしょ?」

突然のつくしの告白は、藤崎にとって寝耳に水の話で、何も言えずテーブルの上に置いた自身の手を強く握りしめていた。
確かに、つくしから告白の返事をもらうまで半年かかり、結婚してからも自分の中に別の男の面影を追っているのかもしれないと思ったことはあった。
しかし、それ以上に自分に対して尽くしてくれるいい女であったから、藤崎も次第に気にすることはなくなっていった。

「あたしは…今でもその人のことを忘れられないでいるの。自分を誤魔化して…あなたと幸せな日々を送っていることで、忘れようとしてたけど…。7年も経つのに彼を見たら一瞬で気持ちが戻ってしまった」
「彼を見たらって…会ったのか?」

自身の行動を棚に上げて、つくしが男と会っていたことに非難するような視線を向けてしまう。

「うん…ごめんなさい。始めは偶然だったけど…」

始めは…という男と何度も会っていたと匂わせるようなつくしの言い方に、藤崎はつくしが自分と同じように浮気しているのだと思っていた。

「へぇ、俺は6年も裏切られてたんだ?」

つくしが押し黙ると、それを肯定と受け取ったのか更に怒りが増し、立ち上がるとテーブルを挟んで向かいに座るつくしの胸ぐらを掴んだ。
普段こんなことをする男ではないから、相当頭に血が上っていたのだろう。

「何とか言えよ!」

あんただって浮気してるじゃない…と思わないこともなかったが、身体と心の裏切り、どちらの罪が重いだろう。
藤崎がいくら身体と心両方で裏切っていたとしても、つくしには、6年分の罪が蓄積しているような気がしてならなかったのだ。

「手、離して」
「は…花沢類っ!?なんで!」

いつの間に部屋に入って来ていたのか、藤崎の腕を力づくで外させると、つくしを背に隠すように立ちはだかった。

「お前がつくしの浮気相手?へぇ…俺と結婚したこともそうだけど、おまえ面食いだな」
「牧野…らしくないでしょ?どうして言われっぱなしなの?言ってやればいいじゃん…浮気なんかしてないって」

浮気なんかしてない…本当にそうなのだろうか。
つくしは類と一瞬視線を交わすが、逡巡したあと言葉を発することなく目を伏せた。
藤崎は類の言葉に驚いたように、つくしと類を見比べる。

「離婚届…持ってるんでしょ?書くから…」
「ちょっと待て、本当に…浮気、してないのか?」
「花沢類とはそういう関係じゃない…ってことは事実よ」

いくらなんでも、類の前で7年も好きでいたなどと言うことは出来ずに、事実だけを告げると、藤崎は自身の名前は既に記入済みの離婚届をつくしに渡し、ボソリとごめんと呟いた。
つくしもその場で記入し藤崎に返そうとするが、類はつくしが記入した離婚届を折り畳んで胸のポケットに入れてしまう。

「何をっ…」
「こっちで出しておくから。万が一出し忘れたとか言われると、予定が狂うんだよね」
「予定…?」

類は何も言わずにつくしに微笑みかけると、つくしの薬指から指輪を抜き取った。
そして、少しだけ高い類の目線と藤崎の目線が交わり、類は藤崎のテーブルの前に指輪を置いた。

「あんたは、つくしと似たような女でいいんでしょ?身体も心も愛せたんだよね?俺は…ダメなんだよ。牧野つくしじゃないとダメなんだ。だから、返してもらう」
「る、い…」


***


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幸せの決断 11

幸せの決断 11
気が付かなかったんですけど、11話凄い短かった!
申し訳ないので、12も同日に更新します!
***


類が目を覚ますとまだ映画は途中で、つくしは類の眠気に釣られたのか、肩に寄りかかり眠っていた。
つくしの寝顔を見るのも7年ぶりだと、類が懐かしむように顔を覗き込む。

再開してからこんなにもジッと顔を見たことはなかったが、やはり綺麗になったと思う。
7年前と変わらない透き通るように白くきめ細かい肌と、女性らしいふっくらとした唇が誘うように僅かに開く。
今この場で押し倒して口付けすれば、つくしはどんな反応を示すだろう。
顔を赤くして怒るか、黙り込むか…いずれにせよ顔色を変えるだろうことは確信出来る。
しかし、欲望のままに行動するわけにはいかない。
自身の立場などはどうでもよいが、自分との不倫疑惑が万が一スクープされれば、痛手を被るのは結婚しているつくしなのだ。
それだけは絶対に避けなければならない。

類はつくしの髪に顔を近付けると、身体を傾けて寝たふりをするように目を瞑る。
唇が髪に触れると、つくしがピクリと反応を示し目を覚ますと僅かに身動ぎした。

類がまだ寝ていると思っているのか、つくしはそうっと類にもたれかかる。


今はまだ、この距離でいいーーー。

***


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