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ラストゲーム【君次第だよ2】

君次第だよ 2
ラストゲーム 柳×美琴
1話完結短編です。タイトル考えるの面倒で…。20人くらいには需要あるみたいです(笑)



「くっそ…電話来ねぇーーー」

携帯が音を立てても、それは愛しい人からのものではなく、柳は本日何十度目かのため息を吐いた。
やっと恋人同士と言える関係になったばかりで、父と共に勉強の為にアメリカへと渡った。
付き合いたての遠距離カップルが、別れる確率……そんなもの調べたくもない。
会いたいという気持ちを何とか抑え、日々勉学に励んでいたが、柳の気持ち的にはかなり限界である。

まだ、一週間…されど、一週間。
電話もなければメールもない。

いや、元々美琴がマメではないことは分かっていた。
だからこそ、自分はヤキモキさせられていたのだし遠回りもした。
しかし、あの頃とは状況が違う。
アメリカと日本だ、会いたくても会えない距離、声が聞きたくても美琴になにかがあっても車を飛ばせる距離ではない。
自分たちを繋ぐのは、たった一つの小さな機械しかないのだ。

10年の片想いのせいか、美琴に愛されている自信など全くない。
寧ろ、美琴からの告白も実は夢ではないかと思っていた。

「やっぱ、俺からかけるしかねぇか」

柳は手に持った携帯をタップする。
何度も何度も復唱したせいで覚えてしまった美琴の番号を直で打ち込んでいく。
電話帳から呼び出さなかったのは、少しでも気を落ち着ける時間が欲しかったのかもしれない。

プルルルル…プルルルル…プルルルル…。

『はい…』
「あ…俺…」
『柳?』

美琴とのたった一言の会話だけで、最近煮詰まっていた勉強の疲れもまるでなかったように体が軽くなる。

「うん、今平気か?」
『ん、今大学の帰り。今日はいい天気だった。しおりちゃんと橘さんとご飯食べて……蛍くんがね……それでね…』
「ちょ、ちょっと待て。九条?どうした?」

普段口数の多くない美琴が、柳が口を挟む隙がないほど喋り続ける。
もし日本にいたら、それだけで美琴に何かあったのではと車を走らせるのに。

「なぁ、どうかしたか?ちゃんと言えよ…。顔見られないから、お前が今何考えてるか分かんないんだよ…」
『あの、あのね…我慢してたの、声聞いたら会いたくなっちゃうって、1人でも大丈夫だった時みたいに、勉強して家のことして…でも』
「うん…」
『でも、柳のことばっか考えちゃう…私、どうかしたのかな…前みたいに出来ないの』

最後の方は涙声で話す美琴が、可愛くて愛おしくて、言葉一つで先ほどまでの不安が嘘のように消え失せる。
今側にいたら抱き締めてしまうほどに。

「それって、寂しかったってこと?」
『そう、なのかな…そっか、寂しかったんだ。私…』



「父さん!俺日本に…」

電話を切った柳は、直ぐさま父に直談判をするが、もちろん却下される。
渡米して一週間で恋人に会いたいがために帰国など、許されるはずもない。
自分もこれから何ヶ月も愛する妻に会えないのだから、息子にも我慢してもらわねばなるまい。

「一週間で何言ってる…そんなことじゃ九条さんに振られるかもなぁ…彼女ならもっといい男見つけられるだろうし…」

そう言うと自分に似た美しい顔を歪ませて、この世の終わりのような陰鬱な表情になるのだから、耐え切れずに笑みが口角に浮かぶ。
父としては可愛い息子であるが、いかんせん彼女を好き過ぎるところは、どうかとも思う。
しかし、美琴のおかげで大変扱いやすいことも事実で、飴と鞭を使い分け尚人が勉強を頑張れば一度日本に帰国するかと、1人口元が綻んだ。


***


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ラストゲーム【君次第だよ】

ラストゲーム【君次第だよ】
付き合ってる設定です。柳×美琴
需要ないと思いますけど…書いてしまった(笑)





大学2年まで柳の下の名前すら知らなかった。
意地悪ばかりで怒りっぽくて、そう思っていた柳が本当は凄く優しいことにも気が付かなかった。

「九条?お前変だぞ…?」

美琴がサークルの部室でみんなを待つ間1人百面相をしていると、美琴より5分遅れてきた柳がドアを開けたままギョッとして固まる。

「あ、柳…おはよう」
「ああ、はよ…。で…何かあったのか?」

美琴の髪をサラリとかき上げ、クシャクシャと頭を撫でるのはいつものことだ。
なのに、それが自分にとって特別なことへと変わったのはいつからだったか。
自覚した恋心は、今まで何も知ろうとしなかった分吸収も早く、美琴の心を柳への想いでいっぱいにしていた。

「柳と一緒に居られると嬉しいな、と思って」
「おまえは…またそういうことを…はぁ〜」

美琴が柳への想いを素直に口に出してみれば、いつも驚愕の表情を見せ、それから少し照れくさそうに、最後には何故か疲れた様子で項垂れる。
美琴からしてみれば、いつも怒ったり叫んだり蹲ったりする柳の方が余程変だと思う。

「柳…?」

柳は、美琴の隣の椅子に腰掛けると、美琴の肩に額を乗せる。

「あんまり可愛いこと言うなよな…つうか、今俺がお前のこと抱き締めたら、絶対に藤本あたりがそこのドア開けるんだぞっ!もう、何度邪魔されたかっ!」
「何言ってるのか、全然分からない」

柳は行き場を失った両手を美琴の背中で彷徨わせると、意を決したように手を回した。

「や、なぎ…?」
「ここまでは、誰も来ないな…。なぁ、嫌だったら言えよ?」

背中に腕を回されたことで、自然に柳の胸の中に倒れこむ形となった美琴は、柳の胸からドクドクと早鐘を打つ心臓の音を聞いた。

「凄い、心臓の音…」
「ヤバイぐらい、緊張してる。九条…キスしていい?」
「なんて答えればいいのか、分からない。キスは…友達とはしない?」

柳の胸に顔を埋め頬を摺り寄せながら、美琴は上目遣いに聞いた。

「キスは好きな人とするもんだよ…」

柳が顔を上げた美琴の顎を持ち軽く唇を合わせると、プラネタリウムで触れ合った手のように、触れ合った場所から熱が身体に広がっていった。

「ふっ、誰にも邪魔されなかったの、初めてじゃねぇ?」
「そうなの?」
「もう一回…していい?今度は少し長く、な」

美琴が頷く前に合わされた唇は、すぐに根を上げてしまいそうなほど長く角度を変えながら、しかし触れ合うだけのキスをする。

「ん、んっ…はぁ…」
「そういう声、ヤバイ…」

みんながもうすぐ来てしまうとか、大学は勉強する場所だとか、頭では分かっているのに、柳を拒否することが出来ない。
合わせるだけだった柳の唇が、美琴の上唇を口に含み、啄むように何度も唇を舐められて、美琴の唇の端から絶え間なく喘ぐような声が漏れた。

「はぁ…ん、んっ…ふぁ…」
「お前…可愛すぎ…」

柳の舌が美琴の口の中にヌルリと入り込んでくると、美琴の瞳が驚きで見開かれる。

「大丈夫、これも好きな人とするキスだから」

美琴は柳のシャツを掴むと、漏れてしまいそうな声を必死に抑えた。
チュッチュッと歯列をなぞり、美琴の舌を捉えると唾液を送り込むように舌を絡ませた。

「はぁ…ん、ふぁ、はっ…」

互いの唇にしか意識がいかずに、気が付けば美琴の座る椅子に柳がのしかかるような態勢を取っていた。
名残惜しそうに離された唇からは糸が引き、それを舐めとるように柳がもう一度唇を重ねた。

「邪魔されないのは、もっとヤバイな…」

美琴は荒くなった息を必死に整え、自分の身体でないようなフワフワとした感覚を持て余していると、柳は美琴の椅子から離れ、隣の椅子に座る。
ただそれだけなのに、柳に触れられていた背中が、肩がなんとなく寂しく感じて、美琴は手を伸ばし柳のシャツを掴んでいた。

「九条…?」

柳に声を掛けられ、パッと手を離すと恥ずかしさから顔を赤らめた。
まだ、抱き締めていて欲しいなんて考える自分が、どうかしてしまったようで戸惑う。
柳のことを好きだと自覚してから、どんどん欲張りになってしまう。
こんな自分でも、柳は好きだと思ってくれるのか、今まで感じたことのない不安もあった。

「ん?どうした?」

美琴が押し黙っていると、決して急かさずに待っていてくれる。
殆どの場合、語らずとも感情の変化は知られているが言わなければ伝わらないこともあるのだ。

「柳に触られるとおかしくなる…いっぱい触ってほしくなる…どうして?」
「……っ」

ボボボッと擬音が聞こえてきそうなほど頬を染めた柳が、言葉にならない様子で椅子に項垂れた。
そして急に顔を上げたと思うと、いつものようにお説教タイムが始まった。

「おーまーえーは!そういうこと頼むから外で言うな!俺が押し倒せる場所にしてっ!頼むからっ!」
「え…」

言い終えると再び踞り頭を抱えた柳に声を掛けようとした時、扉の外からガタンと音が聞こえた。
2人同時に部屋の扉へ視線を移すと、天文サークルのメンバーが揃い踏み15センチほど開いた扉の外でほんのりと顔を赤らめて気まずそうに視線を外す。

「「「…………」」」

ただ1人藤本だけは、ドアをバンっと開け放つと美琴の元へ駆け寄る。

「みこっちゃ〜ん!!」
「しおりちゃん?」

美琴は柳のこと以外は冷静で、藤本が部屋に入ってきたことにも動じなかった。
藤本は嬉しそうにふふっと笑い、美琴に耳打ちする。

「柳くんに、ちゃんと好きって言えたんだね。良かった」
「え、しおりちゃん、凄い!なんで分かったの?」
「え……?」

そりゃあ、あれだけイチャついているところを見せられれば…藤本は美琴には言えずに、ラブシーンを人に見られたことでかなりのショックを受け蹲る柳の肩をポンと叩いた。

こりゃ、苦労するわ……。


fin

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