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お兄ちゃんなんて大嫌い(シリーズ第五弾)

お兄ちゃんなんて大嫌い
お兄ちゃんシリーズ第五弾♬でもって最終話?


「ねえ、つくし…?私は本当にもう気にしてないよ。そろそろお兄さんのこと許してあげたら?」

優紀の言葉にグッと喉を詰まらせ、つくしはむくれた顔で返した。
あれから類とは口を聞いていない。
自分のことだけならいざ知らず、優紀や他の従業員にまで迷惑をかけたのだから当然だ。

「だって悪びれもせずに、〝バイトなくなったんでしょ?じゃあうちで働きなよ〝ってさあ」
「詰めが甘いね…そりゃバレるよ。でも…それぐらい心配だったんじゃないの?つくしのことが」

優紀には類との関係…もちろんあれやこれやを話すわけはないが、一応恋人であるとは話をした。
驚いてはいたが、つくしが幸せならいいんじゃない、と背中を押してくれる親友だ。
だからこそ、優紀の口元がニヤリとつくしを揶揄うように上がったことで、これ以上怒るなと案に告げられているようで、つくしも肩に入っていた力を抜いた。

「分かってるんだけどね…」
「そうそう、素直が一番。嬉しいんでしょ?そこまでヤキモチ妬かれてさ。愛されて大事にされて…嫌な女いないよ」
「うん…でも、どうしよっかなぁ。類もバイトはしていいって言ってるんだし、他にどこかないかな…」

つくしがため息まじりにテーブルに置かれた飲み物を手に取る。
優紀に誘われて来たファミレスのドリンクバーも、もうすでに三杯目でいい加減お腹もいっぱいだった。
手に取ったものの飲む気にはなれずストローをカラカラとかき回していると、優紀も同じだったのか手に持ったグラスに口をつけるに留めた。

「花沢物産ではしないの?」
「花沢物産だけは嫌。アルバイトにしたって完全なコネ入社になるわけだし、自分の程度はよく分かってる。使い物にならないよ」
「ふーん、別にいいと思うけど…。ま、つくしがそう言うならここは?今回のことがあって、お兄さんもう反対は出来ないでしょ?しかも、酔っ払い客に絡まれたり、なんて心配もないわけだし」

優紀がスマートフォンの画面を操作し、つくしに向けてテーブルに置いた。
画面にはアルバイト募集の文字、時給もそこそこいい、時間帯も自分に合っている。

「うん、いいね。優紀はここに決めたの?」
「そう、だからつくしも一緒にどうかなって思って。受かるか分からないけどちょうど二名募集だしさ」

親友が一緒のアルバイトほど心強いものはない。
つくしは優紀に誘われるがまま、アルバイトの面接に行くことになった。

でも、まだ怒ってるから類には教えないもん──っ。



失敗した───
仕事だってこんな低レベルなミスは犯さない。
類にとってみれば初めてに近いこの感情、ただあんな格好したつくしを他の男に見せたくなかった、自分以外の男と話をして欲しくなかった…そんな考えだった。
子どもっぽい嫉妬心から、ようは働く場所さえあればいいのだろうと、秘書としてアルバイトさせることを思い付いてからの行動は早かった。
喜んでくれるんじゃないかと思っていた類の気持ちとは裏腹に、つくしに話を切り出せば、徐々にその表情に怒りを滲ませながら困惑した顔をしていた。

──今まで、ファミレスで働いてる人たちは?働く場所なくなっちゃうんだよ?
──優紀にせっかく紹介してもらったのに、優紀もまた新しいバイト先探さなきゃいけなくなっちゃう

つくしが自分のそばにいられれば、周りの人間なんかどうでもいい…そんな本音を見透かされた。
類は先ほどから全く進まない仕事の山を沈痛な面持ちで見つめながら、重苦しいため息をついた。
目の前の書類に何が書いてあるのか頭に入ってくるはずもなく、つくしのことばかりが思い浮かぶ。
このまま、執務室にいたところで意味はないだろう、だったら早く帰ってつくしの機嫌を取ろう、そう思うのに嫌われたらどうしようなんて、笑えるぐらい情けない感情が類の心を蝕む。

重厚感のある扉をノックする音が聞こえる。
類が不機嫌さを滲ませた声で返事をすれば、相変わらずそつのない身のこなしでスーツを着こなした男が、表情なく類をまっすぐに見つめる。
一つ頭を下げると、デスクに重ねられた仕事の山をチラリと目の端で捉え、何を言うこともなく新たな仕事をその脇へと置いていった。
冷静さを崩さない男の行動にどこか苛立ちが募り、類は手に持っていた書類をデスクの上にバサリと些か乱暴な動作で置き口を開いた。

「田村…兄妹とかいる?」

類の質問した意図が分からなかったのだろう。
驚きに見開かれた目で類を見つめ、多分今その真意を探っている。
八つ当たりに近い思いで、田村のそんな表情を見ることが出来ただけでも良しとするかと、類はこの話を終わらせるつもりだった。
しかし、意外にも返答があったことに今度は類が驚く番だ。

「兄が一人と、妹が一人いますが…?」

語尾が上がり、田村が疑問形で尋ねてくることは大変珍しい。
普段プライベートなことを語らない、聞かない類が、どうして突然兄妹の話などを始めたのか、田村の興味を引いたのだろう。

「ふうん、仲良い?」
「いえ…まあ、普通だと思います…あの、差し出がましいようですが、ご家族…つくし様になにかあったのでしょうか?」

社長である父が後妻を迎えたことを田村が知らないはずはなかった。
そして、類に新しく妹が出来たことも。
そこに思い至らなかった自分は、本当につくしのことしか頭になかったのだと自嘲的に口を歪めた。
田村の心配そうに語る口調が本心からのものであると知れば、いつもの能面ヅラも彼の持つ表情のほんの一つに過ぎないのだろう。

「ああ…いや、そういうわけじゃない。田村は、喧嘩とかする?兄妹と」

さらに質問を続ける類の気持ちが全く分からなかったのだろう。
困惑したように首を傾げ、田村は言葉を選びながら慎重に答えを探している。

「喧嘩、ですか?それは小さい頃はそういうこともよくありましたが…」
「どうやって…」
「はっ?」
「いや…やっぱりいい…悪い、もう下がっていいよ」

聞けるはずもなかった。
怒らせた妹とどうやって仲直りをするのかなど…。
類は田村の後ろ姿を確認すると、スマートフォンを操作し再びため息をついた。
最近では避けられているのか、全く顔を合わせない。
メイドの話も何処へやらで、つくしは自室に戻ってしまっているようで寝る時も類の部屋には来なかった。
癖になってしまっていたのか、つくしが隣にいないベッドの半分だけ場所を開け、誰も寝ていない冷たいシーツを撫でては寂しく思う。
朝つくしではなく、使用人の声に起こされることが酷く不快になった。
類にとってはつくしがいない頃と何ら変わらない生活を送っているに過ぎないのに。

心に穴が開く…ってこういうことなんだ──

「ただ…謝るだけです…。特に妹には」

とっくに執務室を出たとばかり思っていた田村が、類に背を向けドアノブを握り締めながら独り言のように呟く。

「妹は我儘で…末っ子だからか親からも可愛がられて、兄も私も我慢されられることが多かったんですが…男兄弟とは違う可愛さみたいなものがあって、憎らしくっても怒れないんです。所詮男は口では敵いませんから、今思えば、家族中が甘やかし放題でしたね。可愛いと思ったらもうこっちの負けです」
「そう…」
「…関係ない話をしてしまいました、失礼します」

自分のことを語るのが恥ずかしかったのか、田村はメガネの縁を手で直すような仕草を見せ、執務室を出て行った。

「だよね…謝るしかないか」

類はスマートフォンをスーツの胸ポケットにしまうと、どうせ頭に入らない仕事をそのままに執務室を出た。
席に着いて、再び仕事に戻っている田村に声をかけた。

「悪いけど…今日は帰るよ。明日大学ないから朝から出社する…それでいい?」
「かしこまりました。そのように調節致します」
「助かった。お疲れ様」

言うが早く類は車を呼び出し、帰路に着いた。
探してはいるようだが、新しいバイト先もまだ見つかっていない様子であるため、つくしはもう家に帰っているはずだ。
とはいえ、ここ一週間口を聞くこともなく全てはSPからの報告によるものであったが。



邸へ戻ると、分かってはいることだがやはりつくしの出迎えはなく、佐原が神妙な顔付きで類を見つめる。

「なに?」
「いーえ、ただ…まだ仲直りされていないのかと。随分と男らしくな…いえ、何でも…」

玄関先で表面上は笑顔を取り繕ってはいるが、長年の付き合いで類には分かる。
笑顔の裏に隠れたしかめっ面は、子どもの頃に怒られた記憶を彷彿とさせる。
さすがに子どもの頃から面倒を見てもらっていて、親に代わって躾やマナーなどを教えてくれた存在でもある佐原に類が敵わないのは、仕方のないことだ。しかも、それがつくしのこととなれば尚更だ。

「分かってる…ちゃんと謝るよ」
「ええ、そうしてくださいな。つくし様がここ最近塞ぎ込んでいるのは、やはりお寂しいからでしょう?」
「だといいけど…今日つくしは?部屋にいる?」
「先ほどお帰りになりましたよ…夕食はまだですから、時間をおいてつくし様のお部屋に運ばせます」

佐原の言葉を背中に聞きながら、類はつくしの部屋に急いだ。
軽くノックをし、部屋の中から短く応答がある。
久しぶりにつくしの声を聞いただけで、どれだけ自分にとって大きい存在かを認識させられた。

「俺…入っていい?」

窺うようにしか聞けないことを情けないな、と思いながらも一週間ぶりに顔が見られることを喜ぶ自分がいた。

「う、ん…」

ドアを開ければ、喧嘩している類にどういう顔をすればいいのか分からないといった、戸惑いの表情を見せたつくしが見慣れない服装で立っていた。
割烹着?いや…緑の甚平姿で、邸では見たことがない。
どこかの職人を思わせるような格好に、思わず謝るより先に口を継いで出てしまった。

「なに…その格好?」
「バイト先の制服。団子屋さん。明日からだから、着てみただけ…」

まだ怒っていますと面貌に表したつくしは、だからなんだと言うように口を尖らせる。
そんな話は聞いていないと、つい口から出そうになり類は言葉を飲み込む。
何か言う資格など類にありはしない。
それに団子屋ならば、おかしなナンパ客も来ないだろう…どちかといえば年齢層高めの客が多そうだとホッとした。

「そっか…あのさ、つくし、この間は…」
「もういいよ。ちゃんとあたしの部屋に来てくれたから…。ごめんね…大っ嫌いなんて嘘だから」
「本当に嫌われたって思った…。約束する、バイトの邪魔はしないよ…でも、喧嘩しても俺の隣で寝て?もうつくしがいないと眠れないんだ…」

つくしを両腕の中に閉じ込めるように抱き締めれば、腕の中にピタリと収まる感覚に満足感を得る。
髪にキスを落とし指で梳いた。清潔そうなシャンプーの香りと、サラサラで癖のない真っ直ぐの髪が心地良い。

「久しぶり過ぎて…抱き締めるのも緊張する」
「…あたしだって類に触りたかった…触っちゃダメ?」
「いいよ…おいで」

座る場所にベッドを選んだのは、もちろんその先を期待してのことだが、つくしは特に何を言うこともなく、類が腰掛けたベッドで、膝の上に跨り胸元に顔を埋めた。
しばらくクンクンと犬のように類の匂いを嗅いでいたつくしが顔を上げると、類の頬を包み触れるだけのキスをする。
頬から額へ、額から鼻梁へ唇を移動させながら啄ばむように口づけを繰り返す。
深く貪るようにつくしを味わいたいのに、焦らされているような感覚に、類はつくしの頭を引き寄せて唇を重ねた。

「んんっ…ぁ、る、い…」

つくしの苦しそうに喘ぐその声にも、身体の疼きは収まらず臨戦態勢となった自身の下半身をつくしに押し当てる。
逃げようと身体を捩るつくしの腰を両手で掴み、グッと布越しに昂りを突き立てれば、とっさに唇を離したつくしの身体がビクリと跳ね上がる。

「あぁぁっ…」
「…っ、挿れたくて…堪んない」

つくしの甚平の前紐を解くと、中にはブラジャーしか付けておらず、背中のホックを片手で外し甚平ごとベッドの下に落とす。
形のいい類の手にすっぽりと収まる白い膨らみは、何度触れても吸い付くようにしっとりとしていて、すでに立ち上がった乳頭が今か今かと類の愛撫を待ちわびている。
腰を何度も押し付けながら、つくしの膨らみを口に含み舌で尖った先を転がしていく。

「んぁ…はぁっ、や…そん、な舐めちゃ…」
「ダメ…つくし不足でどうにかなりそうだったんだから」

しかし、そんな余裕ぶってはいられなかった。
つくしの身体が、類の性器を擦り付けるように動き始め、小さな手で昂った性器の先端を撫でられれば必死に抑えていた情欲が類に襲いかかる。
今すぐにでも押し倒して奥深くに穿ち、中を擦りたいと、ゾクゾクと肌が粟立つような快感が背筋を突き抜け、つくしの胸を愛撫していた手が下半身に伸びた。

「誘ってんの?」

兄ではなく艶めいた男の顔を滲ませた低い声で囁けば、つくしの身体はその淫猥な行為とは裏腹に、純情そうに涙を溜めた瞳を類へ向けた。

「ん…もっと触って…お兄ちゃん」

しかし、ピンク色に染めた頬に涙が一筋伝い、快感に潤んだ目を向けられれば、自分など敵うはずもない。

だって、可愛いと思ったら負けなんでしょ──?
多分最初から、出会った瞬間から恋してたのは俺だから。

「…っ、なんか負けた気分…じゃなくて、もう負けてるのか」
「なに?」
「何でもない。つくしに溺れてるってだけ」

下半身を覆っていた邪魔な服を脱がし、一糸纏わぬ姿にさせてもつくしに抵抗は見られなかった。
うっとりとしたその瞳は類の次の愛撫を待っているかのように潤んでいる。
硬く勃ち上がる自身の性器を、つくしの秘部に直に擦り合わせれば、ぬっとりと濡れたつくしの秘部から絡みつくように愛液が溢れ出した。
慣らされていない硬く閉ざされた蕾はキツく中への挿入を拒んでいるのに、欲しい欲しいとヒクヒク動いている。

「あっ、あっ…擦ったら、濡れちゃう…あぁっ、や、中が変な、の」
「ここ…キツイからね。慣らしてから挿れるよ?俺のこと…受け入れて…」

つくしの腰を浮かせて秘部に指を突き立てる。
ヌルリと抵抗なく指を受け入れる内側はざらりとしていて、類は中を広げるように指をグルリと回した。

「やぁぁぁっ…」

すぐさま指を増やし、つくしの快感を引き出すようにスライドさせれば、足では身体を支えきれなくなったのか、つくしが類の肩にしがみ付く。
卑猥な音を立てた秘部は、より深くに指を飲み込もうと内側を蠢かせる。
ヌチュヌチュッと類の指が動くたびに、恥ずかしいのか類の肩口に顔を埋めるつくしの姿さえも、類の熱をさらに上げ堪らない気持ちにさせた。

「痛いかもしれないけど…もう挿れたい。掴まってて…」
「ん…」

ズルリと秘部の入り口が、類の性器を飲み込んでいく。
抵抗はない、と思っていたが何センチか入ったところで押し止まり、ギュッと硬く閉じられた蕾がなかなか開いてはくれなかった。

「身体から力抜ける…?」
「無理…っ、痛い…もん…ぁ」

痛みなど感じさせたくはないのに、つくしの身体を知っているのは自分だけなのだという喜びが勝る。
申し訳ない気持ちを持ちながら、胸の膨らみに再び口を寄せていくと、下半身に集中していた感覚が胸へと移ったのか、つくしの身体から力が抜けていった。
類は焦ることなくつくしの重力に任せて身体を沈めていく。

「あ、ん…それ、気持ち、い…」

真っ白の肌に赤く立ち上がった二つの実を指と舌で愛撫する。
少しでも快感が得られるようにと、感じる場所を重点的に攻めればつくしの足の力が抜けて、性器を奥へと飲み込んでいった。

「あぁぁっ!はぁっ…」
「入ったよ…全部。痛くない?」
「うん…なんか、変な感じ…類の、入ってるの?」

つくしのキョトンとした瞳は、まるで何も知らぬ子どものようで、悪いことをしている気分になるなと類はクスリと笑いをこぼす。
少しの癖もないさらりとしたつくしの髪に指を通し、急いてしまいそうな自身を落ち着かせる。

「入ってるよ…見たい?」
「み、見たくないっ」

喉奥でクッと声に出さずに笑い、そろそろいいかとつくしの腰を支えれば、くったりと類の肩口に倒れこんだつくしが荒く息を吐き出した。

「ぁ…はぁっ…」

表情は見えないが、微かに色香を含んだ声が聞こえると秘部に埋まる性器が反応を示す。

「る、い…」
「どうしたの?」
「中が…なんか、変…っ。ジンジンして…」

自然と腰が揺れ、類の性器が擦り合わさる。
その刺激にグッと奥を抉るように性器を突き立てれば、つくしの内部がギュッと類を締め付けた。

「治してあげるよ…今」

ベッドにつくしを押し倒して、足を開き抱え直す。
内部をかき回し淫蕩なリズムで腰を揺らせば、足の間からはズプズプッと卑猥な音が漏れ聞こえる。
どちらのものか分からない体液が結合部を濡らし、類の動きをスムーズにしていく。

「あぁっ、ん…あっ、あっ…ダ、メ…ん」
「つくしの中…凄い、気持ちいいよ…っ」

緩急をつけながら、つくしの快感を引き出し腰を打ち付ける。
性器を締め付けていた秘部が痙攣するように蠢くのを感じて、類は余裕をかなぐり捨てた。

「あっ、あっ、あっ…もぅっ…イッちゃ、あぁっ…」
「く…っ、ん…俺も…」

結合部から溢れ出た愛液をつくしの花芯に撫で付ける。
瞬間、つくしの身体が強張り悲鳴に似た声を上げ、高みに昇りつめた。

「ぁ───っ!」
「……っ、く」

釣られるように吐精し、荒い息を吐きながらつくしの身体に体重をかけないよう覆い被さる。
欲望を解放したはずなのに、未だに中心が熱く疼く。
どうしてしまったのかと思うほど、自分の欲求は止まらない。
可愛くて愛おしいこの恋人を、やっと手に入れたのだから当然か───。



数日後──

「今日仕事帰りにバイト先に迎えに行くからね」
『えぇ〜本当に来るの?類が来たらお客さんびっくりしちゃうよ〜』
「遅番なんだから、客はもういないはずでしょ?そんなこと言ってると毎日行くよ?」

つくしのバイトの邪魔はしない…そう言ったのはどの口か。
結局どこでバイトしようとも、つくしの魅力は半減するものでもなく、見る者を惹きつけて止まない。
団子屋でバイトしてからというもの、類の心配する若い男の客に狙われることは避けられたが、どうやら年配の男性客が多いらしい。
孫のような可愛さなのか、何か狙ってのことなのかは知る由もないが、類の心配は尽きない。

『もぅ〜じゃあ来てもいいけど、お客さん威嚇しないでね』
「なるべく、ね」

類が電話を切って、執務室で帰る支度をしていると扉をノックする音が響いた。
この部屋に入ってくる顔ぶれは決まっていて、秘書は何名もいるが煩わしさを避けるため、この部屋への入室を許されているのは一名だけだ。

「失礼します…お帰りの前にこちらにだけサインをお願い致します」

やはりいつもと同様にニコリともしない一見冷たそうな表情で、類のデスクに書類を差し出す。
父親まではいかないかもしれないが、相当に年の離れた部下であることに違いはない。
しかし、先日の件では意外な一面を垣間見て、いつも能面ヅラしたこの部下に少なからず好意を抱くようになった。

「義妹と仲直りしたよ」

たまには人と話すのも悪くない──


fin









団子屋の前の通りに車を停め、運転手を待たせたまま車から降りる。
一歩一歩足を踏み出す度に、類の機嫌は下降の一途を辿っていった。

もう営業時間終わってるはずだよね…?
テレビで紹介でもされたわけ…?
男の客ばっかりなのは、絶対に気のせいじゃない。

自動ドア越しに接客中のつくしと目が合う。
何せ、〝しまった〝って顔をするんだからね。

「つくし…どういうこと?」

店内に入ると、並んでいた客が一斉に自分を訝しげに見ている。
客じゃないんだから並ぶ必要もないし、本当はとっくにバイト終わる時間だよね。
つくしの隣にいる女が自分を見てあからさまに頬を染めるのすら、イライラする。

「えっとぉ…なんか、最近超人気店になっちゃったみたいで…」

つくしはモゴモゴと口を動かしながら言い訳めいたことを言う。
隣にいた女が興奮したように、つくしの足りない言葉を補足し始めた。

「あ、あの初めまして!つくしがバイトに入ってから日に日にお客さんが増えて…凄いんですよ!」
「だろうね…」

さっきまで接客するつくしのことを見ていたのだから、知っている。
逆光でつくしからは外は見えなかったようだが、類からはつくしの表情一つ見逃してはいない。
結論から言うと…予想以上だった───ということだ。

小悪魔つくしは、超ど天然小悪魔つくしであった。

怒気をはらんだ類の前で、また一人男の客が現れる。

「あ!お帰りなさい♡お父さん。今日は何にしますか?ご飯にする?お風呂にする?それともお団子?♡」
「えぇぇぇ、どうしようかなぁ。お風呂もいいなぁ〜」
「やだなぁ、お団子屋さんですよ?」


おしまい

このお兄ちゃんシリーズ如何だったでしょうか。
一応、類くんの思いを遂げさせてあげた…ということで、最終話となりました。
つくしの小悪魔は天然か計算か──いや、こんな女が現実にいたら計算以外ないと思っております(笑)
「………もん」「ねぇねぇ……」これを上目遣いでする女は計算です(笑)
しかしつくしのキャラを変え過ぎたせいで、すでに類つくではないような気がしてなりません…でも誰にも突っ込まれなかったからいいか…。
では、またの機会に♬

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お兄ちゃんは心配性(お兄ちゃんシリーズ4)

お兄ちゃんは心配性
お兄ちゃんシリーズ第四弾♬

毎日、朝起きてご飯を食べて大学に行く。
それなりに充実している毎日だが、今まで母親と二人で暮らしていた頃にはなかった、自由な時間がつくしを戸惑わせた。
朝から夜遅くまで看護師の仕事をしている母に代わって、家事全般をこなしていたのはつくしだった。
花沢家の娘になったことでつくしの生活はガラリと変わり、今まで勉強をする時間すらなかなか取ることが出来なかったのに、今では朝早く起きて朝食の支度をする必要もなく、言ってしまえば目覚ましをかける必要すらないのだ。
それでも自然に朝早く目が覚めてしまうのは何年もそうしてきた習慣で、持て余した時間を勉強に使っても時間が余ってしまうほどだ。
一日中勉強をするほど勉強が好きなわけではないが努力することは嫌いではない、だが花沢の仕事を手伝うには至らな過ぎる自分は、一体何が出来るだろうと考えていた。
進路決めるにはまだ早いのかもしれないし、つくしに甘い父にも、好きなことをすればいいと言われている。
自分の好きなことってなんだろう…そう考え出すと、頭が真っ白になってしまう。

「じゃあ、アルバイトでもしてみるってのはどう?つくし、誰とでも分け隔てなく話せるし、接客とか向いてると思うんだよね。ちょうど私がバイトしてるファミレスでバイトが一人辞めちゃって今欠員が出てるの。面接受けてみたら?」

中学からの親友である優紀に電話で相談すると、アルバイトをしてみないかと持ちかけられて、つくしはその案に飛びついた。
母の収入がそこそこあったことと、自由な時間が殆どなかったことで、つくしは今までアルバイトをしたことがなかった。
時間のなさを言い訳に趣味という趣味も特になかったから、まずは向いてそうなところから始めてみればいいと言う優紀の話はもっともだと思った。

優紀からアルバイトをしてみたらどうかと持ちかけられた時点で、両親には承諾を取っていた。
父は心配そうではあったが、社会勉強にもなるし無理しない程度にという条件付きでアルバイトをしてもいいことになった。
面接に行きその場で採用が決まり、早速明日からアルバイトに行くことになっていた。

食事が終わり母はリビングのソファーに、つくしはダイニングチェアーに座り食後の紅茶を飲みながら、そういえばアルバイトを紹介してくれた優紀にその報告をしていなかったと思い立ち電話をかけた。



類が仕事から帰って来ると、玄関にいてもつくしの高い声と楽しそうな笑い声が聞こえて来る。
それはいつもと同じ日常で、最近では仕事で遅くならない限り夕食を一緒に摂ることも珍しくはなかった。
今日は夜九時を過ぎているし、仕事先で食事を済ませるからと言ってあったが、つくしはリビングで類の帰りを待っていてくれているのだろうと、軽い足取りでリビングへ向かう。
お帰りなさいませと声をかけてくる使用人に、珍しくただいまと声をかけリビングのドアに手をかけると、中からつくしの声だけが聞こえて来た。
電話でもしているのかと、そっとドアを開けつくしの座るダイニングチェアーに近付いて行くと、やはり電話中であったつくしの口からとんでもないことが告げられた。

「あ、あたし!あのね優紀、アルバイトのことなんだけど、採用だって!明日から行くことになったから、よろしくね!」
「アルバイトって何?」

まさか類が後ろに立っているとは思いも寄らなかったのだろう。
つくしの肩がビクリと揺れ、電話を耳に当てながら振り返った。

「あ、類…お帰りなさい」

電話の相手が何かを話しているようだが、類の耳には届かない。
つくしの声にテレビを見ていた母、千恵子も類の帰宅に気が付きお帰りなさいと和かに声をかけた。

「ただいま。千恵子さん、つくしバイトするの?」
「ええ、やりたいことを見つけたいんですって。お父さんも心配はしてたけど、社会勉強になるだろうって…」
「ふうん…」

つくしが電話を切ったことを確認すると、類は自室へ戻る前につくしの耳元で囁く。

「あとでね」

息がかかるような耳の近くで千恵子には聞こえない程の小さな声で話すと、つくしがコクリと頷いた。


十分もしない内に、類の部屋をノックする音が聞こえる。
はいと返事をすれば、おどおどとした表情でひょっこりと顔を覗かせるつくしの姿がそこにあった。

「類…入ってもいい?」
「ん…いいよ。おいで」

一応、つくしとは付き合っている恋人同士…のはずである。
互いの気持ちは確認しあったし、まだつくしの初めてを奪ったわけではないけれど、それなりに愛情を確かめ合う行為はした。
だから、口を出す権利はあると類は思う。
どうして急にアルバイトをすることになったのか、どうしてアルバイトをする前に何も話してくれなかったのか、それを聞く権利はある。
つくしはキッチンで紅茶を淹れてから類の部屋に来たらしく、ワゴンを押していた。
カチャカチャと手際良く紅茶の用意をして、テーブルに置いていく。
先ほどまでつくしも食後のデザートと一緒に飲んでいたはずだが、自分の分もクッキーと紅茶のお代わりを用意しているちゃっかりさが可愛くて仕方がない。

「今日ね、クッキー焼いたの。食べてみて?結構美味しく出来たんだ」
「へえ、美味しそうだね…でも、その前に教えてくれる?」
「何を?」

ローテーブルの前にちょこんと座り、首を傾げるつくしの表情はわざとやっているのではないだろうかと、歯痒くなるほど可愛く類を戸惑わせる。

「アルバイト。俺、聞いてないよ?アルバイトなんてする必要もないでしょ?」
「だって…あたし、何にもないんだもん。類はお父さんの後を継ぐって立派な目標があるのに…あたしは勉強が凄く好きなわけでもないしやりたいことがあるわけでもない、なんか焦っちゃって…」
「俺のメイドさん、するんじゃなかった?そういえば、いつの間にかメイドさんいなくなっちゃったけどね…」
「朝は起こしてるでしょ?それに一緒に寝てるし…ご飯も一緒に食べてる。他に何かあればやるよ?」

そう言われても、つくしにして欲しいことなど本当は一つで、ただいつも一緒に部屋にいて欲しい、それだけなのだ。
元々部屋付きの使用人など必要としなかった類にとって、掃除洗濯以外で誰かの手を借りる必要は全くなかった。
類専用のメイドにと、佐原に指名されあれから続けているつくしであるが、掃除や洗濯などを類がつくしにさせるはずもなく、結局は朝類を起こし、朝食を一緒に食べて類の部屋で過ごすだけであるから、確かにつくしが言うことも類には理解出来る。

「メイドさんの格好しなくなったでしょ?」
「だって、必要ないもん」
「可愛いから見たい…」
「もう、可愛いわけないでしょ…」

プンとふっくらと形の良い唇を尖らせて類から目をそらすつくしは、どこか小動物を連想させて、落ち着きなくキョロキョロと動く瞳もまた、類にとっては可愛くて仕方がない。
そんな、類の心の内を知らずにこの天然小悪魔は爆弾を落とす。

「だって、類…あの格好してると、すぐ脱がすんだもん」

どんな格好してたって、脱がしたい───という類の考えには思い至らないのか、つくしは自分で淹れた紅茶を飲みながらブツブツ文句を言っている。
類はつくしの腰を引き寄せ自身の足の間に挟むと、逃れられないようにガッシリと捕まえる。

「じゃあ、正直に答えないと…イタズラするよ?」
「正直にって…なに?」
「アルバイトの件は…分かった。つくしがやりたいことを何か見つけたいって言うなら反対はしない。で、聞くけど何のバイト?」
「ファミレスだよ。ほら、あの制服可愛いとこ、知ってる?」

ファミレス…接客業の時点で、類にとってはアウトだったが、そうとも知らずにつくしは言葉を続ける。

「オレンジのストライプのミニワンピースに、エプロンが付いてるの。すっごい可愛い制服なんだよ!女の子の夢だよね?」

類に抱きかかえられたまま、つくしは嬉しそうにクッキーを摘み口に運ぶ。

ミニワンピースにエプロン…それってまんまメイド服みたいってこと?
それで男の客にナンパとかされたらどうするわけ?
あんた自分がどれだけ可愛いか自覚ないの?

そんな類の心情など、つくしには分からないのだろう、楽しみだなぁと呟き類に甘えるように身を寄せる。

「じゃあ、予行練習ね。俺、セクハラする客やるから、つくしは店員。スマートに躱せたら合格」
「セクハラする客って…その設定必要?」
「酔っ払って絡んでくる客はきっといるよ?」
「そっかぁ、よろしくお願いします。お兄ちゃん?」

だから、いちいち首を傾げて上目遣いにお兄ちゃん?はやめて欲しい。
本当にわざとやっているんじゃないだろうかと、たまに思う。

類は一度立ってつくしを解放すると、ローテーブルの前に座った。
つくしはメニュー見立てたノートを脇に抱え、少し離れたところから歩いてくる。

「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」
「うん…君がいいな。ねえ、仕事の後飲みに行かない?」

類は気怠げにテーブルに肘をついて、髪をかきあげながら斜め上のつくしに視線を向ける。
見る見るうちにつくしの顔は真っ赤に染まり、小さな声ではい、と呟いた。

「はい、不合格。ナンパされてついて行ってどうするの?」
「だって…類に見つめられたら…あたし、動けなくなっちゃうんだもん。そうなるの、類だけだよ?」
「俺だけって保証はどこにもないよ…俺のそっくりさんとかいたらどうすんの?」
「そ、んなのいるわけな…っ」

類がつくしの手を引いたことで、ノートを脇に抱えたままつくしは類の座るラグの上に倒れこむ。

「ビックリしたなぁ…もう、類?」
「俺のそっくりさんがいたら、好きになるの?」
「え…?」

類は上に乗ったつくしを抱き締めたまま、ラグの上に横になった。
つくしの体重の重みなどまるで感じない軽さで、こんなに華奢なつくしがもし男に力付くで何かをされれば抗えないだろう。
そんな苛立った気持ちのままつくしの頭を引き寄せ噛み付くようにキスをした。

「ん…っ、んんん…」

足の間に類の身体を挟むような体勢を取っていたつくしの太ももを、類の手が下から上へ撫でるように動く。
ワンピース型のタオル地の部屋着に身を包んでいるつくしは、ビクッと一度身体を震わせるものの、抗うつもりもないのか丸い柔らかな胸の膨らみを類の身体に押し付けるように身体を寄せた。
つくしが誰にでもこんなことをするわけじゃないと分かっていても、苛立ちが抑えられずに類は性急な手付きでつくしのショーツの中に手を入れた。

「あっ…ん…類…」
「なんでもう濡れてんの?ねえ、俺以外にこんなことされても、濡れちゃうのかな?」
「違…っ、類だけ、だもん…っ、あぁっ」
「どうかな?気持ちよければ誰でもいいんじゃない?ほら、ここ…凄いよ」

類の指が激しく抽送を繰り返し、シルクのショーツを濡らしていく。
グチュグチュと卑猥な音を立て、類が指を出し入れするたびに、太ももに愛液が伝い流れ落ちる。

「あぁっん、も…っ…ダメ…はぁっ…や、ん」

つくしは類の指の動きに合わせて腰を揺らし、それは徐々に類の性器に擦る付けるような動きに変わっていった。
涙声で懇願するように、身体を震わせながらつくしが口を開いた。

「類のことが…好きなの…っ、類だけだから…」
「そんなこと言って…もうイキたいの?じゃあ、俺の触って…ほら」

類は片手で器用にベルトを外し、つくしの手を誘う。
ただ、好きだと、類だけだとつくしに言わせたいだけだ。
つくしの気持ちがどこにあるかなど、つくしの瞳を見れば一目瞭然で、類を見る瞳は熱を持ち常に愛情を伝えてくる。
大切にしたいのに、この可愛い義理妹に嫌われたくないのに、つくしが怒るギリギリまで泣かせていじめて、それでも好きだと言わせたい。
つくしが慣れない手付きで類の熱り勃った性器に触れる。

「手を動かして…俺もつくしのココ気持ちよくするから、つくしも…ね?」
「う、ん…」

つくしの身体は限界なのだろう、類が話している間も腰はゆらゆらと揺れ、類を誘っていたが、つくしの中に押し入りたいのをグッと堪え、類は指の動きを再開する。
先ほどよりも粘り気の増した愛液が、止めどなく流れポタポタと類の性器の上に落ちる。
つくしの手の中で膨れ上がった性器が勢いを増し、濡れた下半身に互いの息が上がる。

「あぁっ…ん、はぁっ…そ、こ…気持ちい…っ」
「ん…俺も…っ」
「も…イッちゃ…う…ぁ……っん」

つくしは類の胸に顔を埋め、腰だけを高く上げた状態のまま、下半身を震わせる。
トプっと達した瞬間に大量の愛液が類の手を伝い、性器を濡らす。
類は指を引き抜かずにヒクヒクと収縮を繰り返す秘部を味わうと、身体反転させ、グッタリとラグに横になったつくしの口に、自らの性器を押し込んだ。

「んんんん…っ、む…」
「はぁっ…すげ、いい…」

昂った性器は、つくしの小さな口の中に半分ほどしか入らなかったが、温かく絡みつくつくしの唾液と、つくしの口を犯しているという状況で、すぐにでも達してしまいそうだった。
類は、つくしの足から濡れて重みを増したショーツを脱がし、グッショリと濡れたままの秘部を舌で愛撫する。

「んぁ…っ、あぁぁっ!」
「つくし、俺のも気持ちよくして…舐めながら手、動かして…っ、そう」

赤く尖った花芯をチロチロと舌先で愛撫しながら、指を二本に増やすと、つくしの秘部はギュウギュウと類の指を締め付け、奥へ飲み込もうと蠢く。
類の指が激しさを増すほど、つくしの舌と手の動きも早く激しさを増していく。
つくしの唾液と類の先端から流れ出た体液でラグに染みを作った。

「んっ…あぁっ、も…類…ダメ、また…きちゃう…あぁぁっ!」
「…く、っ…」

つくしが絶頂に達したのと同時に、類は溜まったものをつくしの口の中に吐き出した。

「んんん…っ、ぁ、はぁっ…」
「全部飲んで…美味しい?」
「ん…美味し…くない…ん」

そう言いながらも喉を上下させてコクっと類の体液を飲み込み、濡れた口元を拭うつくしの姿に、落ち着いたはずの半身が再び形を変えていく。

「つくし…もう一回、ね?」



気怠い身体を引き摺りながら、次の日約束の時間通りにつくしがバイト先に向かうと、何とも神妙な顔つきの店長と、バイト数名がバックヤードでボソボソと話していた。
店内に客は一人もいなく、いつもなら明かりがついているフロアも暗いままだった。

「あ、あの…今日からお世話になる。花沢つくしと申しますが…」

どこかおかしいなと思いながらも、つくしはバッグヤードに入り声をかけた。
つくしが入ってきたことにも気が付かなかったのか、驚いた様子の店長が振り返り、申し訳なさそうに口を開いた。

「あぁ、花沢さん…申し訳ないんだけど、バイトの話はなかったことにしてくれるかな?俺も本部から電話をさっき受けたばかりで、よく分かってないんだけど…」
「えっ…何かあったんですか?」
「なんかここ、駐車場広くて立地もいいからって、マンション建てることになったんだって。なんかオーナーがもう土地を売っちゃったみたいで、今月末には引き払わないといけなくなったんだ。急で連絡も出来なくてごめんね」

まだ年若い店長が自分の責任でもないのに、他の数名のバイトにも申し訳なさそうに契約終了を告げている。
つくしとしては、まだバイトをする前であったから気持ちも切り替えやすいが、周りが怒る気力も失せるほど店長の意気消沈ぶりは凄まじく、可哀想になってしまう。

「はぁ…俺今度はどこに異動だろ…」

肩を落とし、自分の荷物を段ボールに入れている後ろ姿を見ながら、つくしは社会人って大変なんだなと同情し、軽く頭を下げて店を後にした。

結局自分のすべきことも分からないまま、バイト先もなくなりどうしようかと思案しているつくしに、花沢物産でのアルバイトの労働条件契約書を掲げて足取り軽く帰って来た類は、初めてつくしの地雷を踏むことになる。

「バイト先潰すなんてサイテー!!!優紀のバイト先だったんだからね!お兄ちゃんなんて大っ嫌い!」


***

大好きな義理の妹に嫌われた類くん(笑)さぁ、どうする?
ってことで続きはまた今度♬


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お兄ちゃんのお手伝い(お兄ちゃんシリーズ3)

お兄ちゃんのお手伝い
お兄ちゃんシリーズ第3弾〜




類はまだ大学生のはずなのに、仕事と勉強を両立し、帰りも遅い。
そのため疲れているのか、休日は殆どを部屋の中で過ごしているようで、食事の時間もつくしとは合わないから、一体いつご飯を食べているのだろうと心配になってしまう。
花沢物産という大きな会社の経営者になるために、日々勉強の毎日だと言うが、そんな類のために何か出来ないかとつくしは考えていた。
仕事の手伝いは多分自分には出来ない、つくしは大学の勉強だけでいっぱいいっぱいだし、一朝一夕に出来るほど甘くはないだろう。
ならば、類の身の回りのことを手伝うのはどうかと考えた。
今類には専用の使用人が付いているが、その仕事内容はつくしにも出来そうなことばかりで、それぐらいは手伝えるのではないかと思っていたのだ。

「佐原さーん!あのね……」

つくしは、類の部屋に行こうとする使用人頭の佐原を呼び止めると、これからは自分が類の手伝いをと提案した。
佐原は類が子どもの頃からこの邸の管理を任されている女性で、つくしが邸に来たばかりの頃から孫のようだと可愛がってくれている。
そして目を見開き驚いた顔でつくしの話を聞いていたものの、嬉しそうに口元を綻ばせ言った。

「まぁまぁ!類様のお手伝いを?それは是非してあげてくださいな」
「本当!?そう思う?じゃあ、早速類にも言ってくるね!」

つくしは善は急げとばかりに、佐原に礼を言うと類の部屋へと急ぐ。

「あっ!つくし様!待ってください!いい考えが…」





つくしたち親子と一緒に住むようになってから、花沢邸には増えた音がある。
それは、楽しそうな笑い声と走り回る足音で、まるで子どものように落ち着きがなく、いつもバタバタと類の耳に届く。
類は雑音が嫌いだ、出来ればシンとした静かな部屋でクラシック音楽を聴きながら、休みの日は1日中本を読んでいたい。
そのため、つくしとドアの前で鉢合わせする以前は、よく自分の部屋の前を通る足音に敏感に反応し、イライラとしていたものだが、最近ではつくしが通ると、もしかしたら部屋に来てくれるのではないかと期待している自分がいる。
そんなことなら、自分からつくしの部屋に行けばいいと思うだろう。
しかし類には、義妹であるつくしの部屋を訪ねる理由は思い付かなかったし、つくしにちょっとしたイタズラをしてしまってからは、これ以上踏み込めば引き返せない行為に及んでしまいそうな自分がいて怖かった。
つくしが類を受け入れてくれるのであれば、義理の妹だろうが何だろうが構わないのだが、今の状態は何も知らない純真無垢な女の子をそういった行為で手懐けていると取られても仕方がないだろう。

だから、邸の中でもなるべく顔を合わせないようにしているというのにーーー

「ねぇ、ねぇ〜類!これ似合う!?」

全体が黒のフリルワンピースになっていて、胸元が大きく開いている。
ワンピースの上から白いレースのエプロンを着ければ、可愛らしいメイドさんの完成だ。
ベッドに横になっている類の前でクルクルと回って、ふわりと舞うスカートから白い太ももが覗く。
類はつい絶妙な加減の胸元や足の間に目がいってしまいそうになるのをグッと堪え、つくしの顔に視線を戻す。
しかし、頭にもワンピースと同じ生地で作られたレース生地のカチューシャが付いていて、ダメ?と上目遣いで見る黒い大きな瞳が類の心を揺るがす。
佐原が用意してくれたのだとつくしは息巻いて言うが、さすが小さい頃から類の面倒を見てきた使用人だけあって、類の好みはバッチリだ。

アキバとか絶対連れて行けない…可愛過ぎるし…

「うん…似合う。けど…本当にやるの?つくしは使用人じゃないでしょ?」
「やるの!だってあたしも類のお手伝いしたいもん!朝とか起こしてあげるし…ご飯だよって知らせに来る!そうしたら一緒にご飯食べられるでしょ?」

どうしてこんなに可愛いかな…この生き物は…

しかし年上であるプライドなのか、男としてのプライドなのか、どうも素直になれずにいる。
本当は告白するつもりで、ちょっとしたイタズラをしてしまったあの日、つくしが目覚めるのを待っていたというのに、類が起きた頃すでにつくしの姿は部屋になかった。
類自身も大学と仕事の両立で、同じ邸内に住んでいるとはいっても、なかなかつくしと偶然会うことなどはない。
3食きっちり食事をし生活リズムが安定しているつくしと違って、類はあまり空腹も感じないため、気が付けば休みの日などは今日1日何も口にしてなかったということが多々あり、本を読んだり何かに集中してしまうと部屋から出ることも滅多にない。
そのため、あれから1度も顔を合わすことはなく今に至る。
そうして時間を置けば置くほど、気まずさも増していくという道理だ。

「朝も起こしてくれるの?」

こんな、降って湧いたチャンスを逃すわけはないーーー

「うん!もちろん!類寝坊助さんだって佐原さんに聞いたよ!あたしがちゃーんと起こしてあげる!」
「朝起きる時間、日によって違うけど、どうやって俺の予定知るの?」

類はある提案をするために、つくしに聞いた。
狡いことをしている自覚はある。
でも、可愛いんだ…朝起きてつくしの顔が目の前にあったら、多分色々な意味で朝っぱらから元気いっぱいになり、それからでは取り返しがつかないかもしれない。

「ええ〜どうやって…って。類教えてくれないの?あたし類専用のメイドさんなのに…」
「だったら、俺の部屋で一緒に寝る?そうすれば、スケジュールも分かるし俺の世話しやすいでしょ?」
「あっ!それいいかも!類のベッド大きいしね!暇なときはあたしも勉強出来るし!」
「うん、じゃあ早速勉強机とつくしのクローゼット増やしてもらうね?」

自分の思惑通りの展開につい口元が怪しい笑みを浮かべそうで、類はキュッと口元の緩みを引き締め、つくしの好きな王子様スマイルを顔に浮かべる。
機嫌良く類が了承したことが余程嬉しいのか、自分ではどこがいいのかサッパリ分からないこの顔にほとほと弱いのか、つくしは顔を真っ赤にしてコクリと頷く。
そして、自分の部屋に戻ろうと類に背を向けると、あっと何かを思い出したように、類がいるベッドに近付き声を潜め耳元で囁いた。
近付いたことでつくしの香水のものではない甘い香りが類の鼻を刺激し、同時に聴覚からも甘い誘惑のような刺激を与えられることになる。

「あんまり…エッチなことしちゃダメ…だよ?」

あんまりってことは、ちょっとならいいのかと考えない男はいないだろう。
類は去ろうとするつくしの手を掴むと、ベッドの中に引き込み逃げられないように自分の腕の中に抱え込む。
抱え込まなくとも逃げるつもりなどなかったのか、つくしは類の腕の中でおとなしくしていた。

「どういう意味…?そういうこと言うと、男っていい方にしか取らないんだけど?」
「ど、どういうって…この前の寝る時のこととか…あたし、類に触られると訳わかんなくなっちゃうし…恥ずかしいんだもん」

つくしが覚えているかいないかは、類にとっても半信半疑だった。
しかし今のつくしの言葉で、ハッキリとつくしは類のしたことを覚えていて、しかもそこまで拒絶されてはいないことを知る。

「恥ずかしいだけ?気持ち良くなかった?俺に触られるの…嫌?」

類はつくしの表情を見逃すまいと、顔を近付けて大きな瞳を見つめる。
何と返せばいいかを悩み一瞬黒い瞳が揺れたが、いつも通りの意思の強い表情に戻り、つくしは首を横に振った。

「嫌じゃない…もっと…触って欲しいって…思っちゃった…」
「ね、ちょっと待って…その前にちゃんと告白させてよ…」
「告白…?」
「うん…俺は好きでもない子にあんなことしないからね?分かった?」

女性に好きだなど言ったことがない類にとっては、これが人生で初めての愛情を伝えるための表現だった。
まさか、また妹だからとか言い出すんではないだろうなと、そう言われた時のために一応次の言葉を準備しておく。
すると、つくしはまさかと驚いた顔をして、口元を両手で押さえると、類の首をギュッと抱き締め胸に顔を埋めた。

「あたしも…好きじゃない人とは、あんなことしないよ?」

類の予想をいい意味で裏切る形で、つくしは類の告白を受け止め、類の唇にチュッと触れるだけのキスを落とした。
それだけで終わるはずもなく、類はつくしの手に自分の手を重ねると、深く唇を貪る。
類の舌に応えるように、おずおずと舌を出し慣れてきたつくしのキスも、類にとっては堪らない。

自分の部屋の鍵を閉めなければ…そう思うのに、今更止められる筈がないだろうーーー

「類…あのね」
「ん…?」
「ちゃーんと、部屋の鍵は閉めたからね」

熱を持った目を類に向けて、赤い唇をペロリと舐める。
ゾクっとするような快感が背筋を伝い、類はゴクリと唾を飲み込んだ。

俺は一生、この天然?小悪魔に振り回される気がするーーー


fin

もしかしたら…まだ続くかも(笑)
こういう類くんは書いていて楽しいです…

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お兄ちゃんとなら怖くない!(お兄ちゃんシリーズ2)

お兄ちゃんとなら怖くない!
お兄ちゃんシリーズ?第2弾w
第一弾で詳しい設定を知りたい方は、お兄ちゃんとは呼ばせない
http://odawaraaki.blog.fc2.com/blog-entry-698.html
を読んでくださいね



関東には巨大な台風が接近中、雨風ともに強まって大雨、洪水、暴風警報が出ていた。
高台にある花沢邸はよほどのことがなければ大丈夫だとは分かっているが、夜遅くなるにつれ雷まで激しく鳴り響きつくしは布団の中で耳を塞ぎ丸くなっていた。

こんな時に限って、お義父さんもお母さんも新婚旅行とか言って海外なんだもん…怖いよ~

つくしはとにかく音の大きなものが苦手だった。
映画館然り、突然バーンっとゾンビが出てくるようなホラーはDVDですらダメだ。
それでも家に誰かしらいてくれれば、喋りながら恐怖を紛らわせることが出来るのに、花沢邸では類が家に帰って来てるのかどうかも分からない。
義父と母の帰りは使用人が知らせてくれるが、類の帰りはつくしには分からない。
類が帰って来たら教えて欲しいなど図々しいことも言えなかった。

類…帰って来たのかな、部屋にいるかな…
あ、でも夕方から雨が酷かったから…帰って来られないとか…大丈夫かな…

つくしは自らの恐怖心もあったが、類がまだ仕事だったらこんな雨の中を帰って来たら危ないのではないかと思いやる。

連絡先も知らないし…いつもは夜遅くまで邸の管理をしている使用人たちも、自分の家の様子を見に行くため仕事を早めに終え、とっくに帰宅している。
類の部屋に行ってみようかと恐る恐るベッドから降りると、毛布を頭から被りズルズルと引き摺りながら部屋を出た。




激しく雨が窓を叩き、時折稲光りがカーテンを閉めていても部屋の中に映る。
その直後地面を叩きつけるような激しい轟音が聞こえ、類はふと上を見上げた。
もしかしたら停電になるかもしれない…今日は使用人は誰もいないがつくしは大丈夫だろうか。
つくしも二十歳を超えた大人だ、雷ぐらいで怖がりはしないかと思っていたが、どうも心配になり類はPCを操作していた手を止めて立ち上がる。
部屋を出ようとしたその時、自分の部屋のドアがノックされる音がした。

「つくし…?どうかした?」

今、この邸には自分とつくしの2人しかいないはずで、類は返事をする前にドアを開けた。
ドアの前では毛布に包まったつくしが、不安そうに類を見上げて立ち竦んでいる。

「類…帰ってたんだ…良かったぁ」
「ん…?怖かった?」

類はそんなはずないよねと聞いたつもりだったのだが、つくしが恥ずかしそうにコクリと頷く姿に類の心臓が音を立てる。

「雷…苦手なの…一緒にいてくれる?」

毛布に包まって類を上目遣いに見るつくしの姿に、下心が芽生えないはずがない。

「いいよ…入りな」
「うん…類がいなかったらどうしようかと思った」
「そうだね…雷で停電になることもあるし、一緒にいた方がいいかもね」
「停電?やだなぁ…ね、類…もう寝よ?一緒に寝ちゃえば…電気消えても怖くないでしょ?」

狼のところにプレゼントの生肉持って飛び込んでくる美味しそうなウサギちゃん…類にはそう見えていたのかもしれない。
つくしが類のシャツの袖をギュッと掴み、ねぇ一緒に寝よう?と上目遣いに潤んだ瞳を向ける。
そんなことを言われて据え膳食わない男などいないだろう。

「つくし…意味分かって言ってる?」
「うん…ね?お願い…一緒に寝て?」
「本当に?」
「うん…いいよ、類なら」

類が部屋の電気をリモコンを操作し消したことで、急に室内は真っ暗になる。
暗くなったことに驚いたつくしが小さく声を上げると、類は怖がらせないよう手を引いて感覚だけでベッドに座らせる。
ベッドサイドに置いてあるランプを点ければ、漸くオレンジ色の柔らかい光に包まれてつくしがホッと息を吐くのが見て取れた。

「つ、くし…?何してるの?」

いや、自分でももちろんそのつもりであったのだから、例えつくしがやる気満々にパジャマのボタンを外していても嬉しいことはあれ困りはしないのだが、出来れば脱がせるのは自分が…いや、つくしという類が想像していた女の子とのギャップを感じざるを得ない。

「だって…寝る時はキツイからブラ外したいの…」

つくしはテキパキとパジャマを脱ぎ捨てブラジャーを慣れた手つきでスルリと外すと、ベッドの下に落とした。
これで誘っていないはずないだろうと思うような白いレースのベビードール姿で、パジャマのズボンも脱いでいく。
類が共にベッドに入れば、胸に擦り寄って足を絡ませた。
無防備にも程がある…きっと本人にそのつもりはないのだろうが。

「いいって言ったよね?襲うよ?」
「類は…お兄ちゃんだか、ら…そんなこと…しない、もん…」

ベッドに入ると、つくしはすぐに睡魔に襲われたのか小さく欠伸をしながら、潤んだ視線を類に向ける。
そう、こっちのつくしの方が余程〝らしい〝と言える。

「こんなことだろうと思ったよ…」

少しだけ恨めしい気持ちでつくしの眠たそうな頬を撫でると、気持ちがいいのか類の手に頬を摺り寄せる。

「つくし…キスしていい?」
「ん…い、いよ…おやす、みの…キス…?」
「うん…そうとも言うかな…黙って…」

つくしの腰を引き寄せて啄むような口付けを送る。
男とは全く違う女性らしい柔らかい肌が、類の官能を呼び寄せた。

「ん…っ、ん…」

何度か唇を触れ合わせ開いた隙間に舌をねじ込むと、夢見心地でウットリとしていたつくしの目が薄く開いた。
類の首に腕を回し、つくしは自らの足を絡ませているため類の快感に直結する場所に太ももがあたる。

これ…結構ヤバイよね…

この天然小悪魔を快楽で懐柔することは容易いが、それをしないのはつくしの心も欲しいと思っている自分がいるからか。
苦しいのか眉を寄せて類の唇から逃れようと、つくしがもがく。

「はぁっ…ん…」
「可愛い声出さないでよ…我慢出来なくなる…」

一度合わせていた唇を離してやれば、眠さのせいだけではない濡れた瞳と視線が交わった。

「やっぱり…ちょっと…気持ちよくさせてあげるね」
「…?」

類はつくしのベビードールのフロント部分にある紐を解くと、オレンジ色の明かりに照らされたふっくらとした胸元を弄る。
胸元で立ち上がる赤い実を指で擦りあげれば、つくしの口からは堪らないといった嬌声があがった。

「ん…あぁっ…」

気持ちいいのか腰をくねらせて類の下半身を刺激する。
ただ身動ぐだけのそれが類にとっても焦らされているような感覚で、ダメだと分かっていながらもつくしの形のいい尻に触れる手が止まらない。
シルク地の触り心地のいいショーツの上から内股に触れる。

「あっ、ん…ダメ…」

指で触れる部分はしっとりと湿り気を帯びていて、軽くスライドさせれば類の足の間にあるつくしの太ももが敏感に震える。
ショーツの隙間に指を入れれば滑った愛液が秘部から溢れ出していた。
つくしが感じてくれることが嬉しくて、類の指の動きが早まる。
人差し指で敏感に立ち上がった突起を撫でれば、身体を震わせながら甘い喘ぎ声がつくしの口から絶え間なく漏れる。

「あぁっ、ん…そ、こ…なんか…や、変なの…っ、あ、はぁっ…」

足の間にも愛液が流れ落ち、指を動かすたびにクチュ、クチュっと湿った音が類の部屋に響く。
類の指の動きに合わせてつくしの腰が揺れ、濡れた音が類の聴覚を刺激する。
パジャマをずらし屹立した性器を空いている手で扱くと、すぐに先走りの体液が流れ出た。
つくしの秘部に指を抜き差ししながら、類は両手を濡らしていく。

「あぁぁっ、ん、も…ダ、メ…んんんーーーっ!」
「……っ」

つくしが大きく身体をしならせて、トプっと秘部から愛液を溢れさせると、類も手の中に体液を吐き出し脱力すると大きく息を吐いた。
心が欲しいなんて言っておきながら、全く抑えの効かない自分を苦々しく思いため息混じりにつくしを見ると、口を半開きにしてあどけない表情で眠りにつく姿があった。
いつの間にか、窓を叩きつけていた音が止みリーリーと虫の音が聞こえる。

「あ、雨止んだね…ってもう寝てるか…」

類はスヤスヤと眠るつくしの額にキスを落とすと、つくしを腕の中に抱き締め自分も目を瞑った。

まだまだ、先は長そうだーーー
取り敢えず目を覚ましたらこの鈍いお姫様への告白から始めようか


fin


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お兄ちゃんとは呼ばせない(お兄ちゃんシリーズ1)

お兄ちゃんとは呼ばせない



母の再婚相手はとんでもないお金持ちだったーーー。
1つ年上の兄が出来ると聞いて、一人っ子だったつくしは密かに楽しみにしていたのだが、食事を一緒に摂らない花沢家の長男である類と会う機会は、なかなか巡っては来なかった。

写真でしか見たことのない義理の兄は、義父によく似た美形で写真の中では少し冷たい印象だった。

でも、きっと話せば…これから家族なんだし…仲良く出来るよね

つくしの夕食が済んで自分の部屋へ戻る途中、類の部屋の前を通りチラリとドアへ視線を向ける。
時間が合わないのか、一度もそのドアが開いたところを見たことがないが、あまり外を出歩くことを好まない人らしく、部屋には居るようだ。
部屋を訪れてみることも考えたのだが、急に妹だと言われても類も困るのではないかと、行動に移すことが出来ないでいた。
実際、つくしも義父とは何度も食事で顔を合わせ、やっと最近慣れてきたばかりなのだから、初めて会う類からしたら、つくしは名も知らぬ赤の他人だろう。

部屋の前を通り過ぎようと、足を一歩進めた瞬間、類の部屋のドアが勢いよく開いた。

「い…ったっ!」

立ち止まっていたつくしは、外開きのドアに思い切り頭をぶつけることになり、あまりの痛みに蹲り頭を押さえた。
中から出て来た類も、まさか部屋の前に人がいるとは思っていなかったようで、目を見開いてつくしを見ている。

「あんた…誰…?」

耳に残る低い声が、つくしの脳天を直撃した。
ぶつかったんだから謝ってよとか、人に名前を聞く前に自分から名乗りなさいよとか、そもそも義理とはいえ妹の顔も知らないってどういうこととか、色々と言いたいことがあった筈なのに、類の顔を一目見た瞬間につくしの頭からは言葉というものが消え失せた。
パチンと頭の中で何かが弾け、周りの色が変わる。

「っていうか、頭…大丈夫?赤くなってるけど…」
「へっ…?あ、は、は、は、はいっ!あたしの頭、石頭で有名ですからっ!」
「ふっ、何それ…」

類が薄く笑い、つくしの髪をかき上げて赤くなった額に触れた。
類の笑った顔を見ただけで、幸せで嬉しい気持ちになる、触れられた場所から熱が広がりつくしの顔を真っ赤にさせていた。

嬉しいな…こういうのきっと家族愛って言うんだーーー

つくしはちょっと…いや、かなり鈍かった。



目の前に蹲る生き物…何この小っちゃいの…?

類はドアを急に開けてごめんと言うのも忘れて、蹲る生き物を見ていた。
真っ黒い長い髪に、抱き締めたら折れてしまいそうな細い腕、そして顔を上げて類を見つめる大きな瞳。
よほど額が痛かったのか、顔を真っ赤にさせて慌てたように目をキョロキョロと動かしていて、人間というより小動物を思わせる。
うさぎとか、モルモットとか…忙しなく身体を動かし落ち着きのない様子がなんか可愛かった。

あ、そう言えば父さん再婚したんだっけ…

とすれば、目の前にいるのは聞いていた類の義理の妹ということになるか。
年に数回しか会わない父親の再婚相手…と言われても、今更家族ごっこをする気もなかったし、相手だって成人した男を突然息子扱いしろと言われても難しいだろう。
仕事が忙しかったというのもあるが、そんな理由で類は顔合わせや食事には顔を出さなかった。

「こっち来て…一応冷やしたほうがいい」

類は目線を合わせる為に一緒にしゃがみ込んでいたが、義妹の手を取って立ち上がらせる。
女とまともに話すのなんて、どれぐらいぶりだろう。
数少ない友人からは人嫌いというあだ名を付けられていて、自他共に認める人間嫌いであったが、初めて会った筈の義妹には何故か気を許していた。
女…っていうより、ペットみたいだからか、その真っ黒い髪をクシャリと撫でれば、こぼれ落ちそうなほど目を見開いて、ポッと顔を染める。

目の前の義妹は当たり前だが類より年下であることは確かで、名前と年齢を何かの折に父に聞いた覚えがあるのに思い出せない。
こんな時ばかりは人の話をまともに聞いていない自分の行動が悔やまれる。
人の気持ちに決して聡い方ではない類でもすぐに気が付いてしまうぐらいの熱い視線で、義妹は類を見上げた。
真っ黒な瞳を潤ませて、化粧っ気はないのに薄く開いた赤いぷっくらとした唇が類を誘う。

いや、それは…さすがにまずいだろうーーー

そんな義妹を可愛いと思ってしまう自分の想いを必死に振り払い、類は座る場所もない部屋で仕方なくベッドに義妹を座らせると、冷凍庫からビニールに入れた氷を持って来てタオルに包む。
類が隣に腰掛け、先ほどよりも赤く腫れた額に氷を当てた。

「ごめんな…痣にならなきゃいいけど…」
「あ…だ、大丈夫です…あ、あの…っ」
「ん…?」
「類さん…ですよね…?あ、あたし…つくしです。牧野つくし…あ、もう牧野じゃないか…あ、えと…一応類さんの1つ下で…」

喋り始めると慌てる癖でもあるのか、落ち着かない様子で目の前のうさぎ…じゃない、つくしが話す。
1つ下ってことは大学生かと、ホッと胸を撫で下ろす。
どうしてホッとしたかなど、自分自身に問わなくても理由はもう分かっていた。

大学生ならいいってもんでもないけどさーーー

「つくし…って言うんだ…?」

つくしの真っ赤に染まった頬が可愛くて、類は無意識につくしの腰に腕を回し引き寄せると、真っ黒い艶やかな髪にキスを落としていた。

「…っ」

突然のことに茫然自失となったつくしが真っ赤になったり青ざめたりと忙しそうに表情を変える。
類の周りには今までいなかったタイプの人間で、つくしの声を聞いたり、オロオロと慌てる様子を見ているだけで不思議と楽しく、穏やかな気持ちになれた。

「嫌だった?」
「い、嫌なんてことっ…な、いです…」
「そ?良かった…じゃあ」

類はだいぶ赤みの引いた額から、氷を巻いたタオルを外し、冷たくなった額に口付ける。
チュッと軽い音を立ててすぐに離した唇を、目尻から頬に、頬から唇に降ろしていく。
熱に浮かされているのか涙がこぼれ落ちそうなほど目が潤み、トロンとした瞳で類を見つめていた。

「もうちょっと…していい?」
「は…い…」

今度は躊躇なく唇を重ねると、つくしが息苦しさから口を開けた瞬間、隙間を縫うように舌を滑り込ませる。
つくしの口の中は彼女の体温と同じように熱を持ち、類の舌に絡み付く。

「ん…ぁ…ふぅ…ん」

どうしていいのか分からないのか、類が舌を絡ませると逃げるように動いていたつくしの舌が、いつの間にか本能に身を任せるように類の唇を夢中で味わっていた。

「る、いさん…っ…ぁ…」
「類…でいい」
「る、い…?あ、たし…なん、か…身体が…っ」

火照った身体の熱をどうにかして欲しいのか、つくしが助けを求めるように類に視線を向ける。
きっと、火照りを抑えたいのに自分ではどうしていいのかも分からないのだろう。
類はクスッと声を立てて笑うと、あと1センチで唇が重なる距離まで顔を近付ける。
キスされると期待し思わずキュッと目を瞑ったつくしに低い声で囁いた。

「身体が…どうしたの?」
「……っ!」

ビクリと肩を揺らし、恥ずかしそうに目を反らし、消え入りそうな小さな声で分かりませんと呟いた。
身体が僅かに震えているのは、恐怖ではなく迫り来る快感のためだろう。
ギュッと類の肩にしがみ付き、身体を縮こませている。
つくしの言葉を待ち細い身体を抱き締めていたが、暫くすると腕の中でピクリとも動かなくなった。
意地悪し過ぎたかとつくしの顔を覗き込めば、あどけない顔でスースーと眠りにつくつくしの姿があった。

「マジ…?」



体温の高いつくしを胸の中に抱いていたことで、類もいつの間にか寝入ってしまったようだ。
ベッドで戯れあっていたからか随分しっかりと寝てしまったようで、気が付けば東の空は明るく色付いていた。
類が首を動かすと、キョトンとした顔で見つめ返す瞳が眼前にあった。

「おはようございます…?」

自分の家に可愛い義妹がやってきたという夢を見ていたのかと錯覚したが、目の前の恥ずかしそうに顔を赤らめるつくしの姿に、どうやら夢ではなかったようだと安心する。

「おはよ…ね、おはようのキスしてくれないの?」
「え、えええぇっ…?あ、たしから…ですか…?」
「うん…ほら」
「仕方ないなぁ…」

つくしが軽く触れるだけのキスをすると、嬉しそうに笑う。

あ、なんかこういうの幸せかもーーー

類も薄く笑って、愛の言葉を囁こうかと口を開きかける。

「お兄ちゃんってこんな感じなんですね…えへへ、嬉しいな」

つくしは本当に大学生かと疑いたくなるようなあどけない顔を類に向けて言った。
その瞳はキラキラと輝いているようにも見えて、類は信じられない思いでぐっと言葉を詰まらせる。

「……お兄ちゃん…って言った?つくし…俺がどうしてキスしたか分かってないの?」
「分かってますよ〜ふふっ、あたしのこと妹って認めてくれたってことですよね?えへへ…」
「………」

類くんの恋は前途多難のようです。


***

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