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Love me tender10

Love me tender10


司は、パーティが終わってからも、取引先の重役が入れ替わり立ち替わり訪れ、いつになったら解放されるのかと飽き飽きしていた。

会場にはすでに、類の姿もつくしの姿もない。
2人が、司のところに挨拶に来るとは思えなかったから期待はしていないが、仲睦まじく寄り添う姿は見ていて嬉しいものではない。

つうか、類の奴…今日のパートナーがあいつって…当て付けかよ。


さすがに気疲れし、やっと解放された頃には、会場にいるのは司とSPそれに秘書、あとは慌ただしく片付けをしていく従業員だけだった。

今日はこのままエレベーターで部屋に上がり寝るだけだ。
ウザったいSPと、明日の予定を事細かに伝えてくる秘書を早々に帰らせると、スイート専用のエレベーターへ向かうべく廊下を歩く。

もうパーティ関係者はだれも残っていないはずの、シンと静まり返るホテルの廊下から、呻き声のような音が聞こえてくる。

控え室…か?

いつもなら、そんなこと気にも留めないはずなのに、この日だけは予感があったのかもしれない。

控え室のドアを開け入ろうとすると、中からあられもない声が聞こえてきた。
どこかのカップルが紛れ込んだのかと、舌打ちをしドアを閉めようとしたが、女の舌ったらずに喘ぐ声の中に聞きたくもない言葉を聞くことになる。

「類っ…あっ…ん」





「おまえら…なにやってんの?なんか2人で楽しそうだな」

地を這うように不機嫌な低い声が、部屋に響いた。

「おまえのヤラシイ声…廊下にも聞こえてたぜ?」
「道…明寺…」

つくしは掠れた声で名を呼ぶと、ずり落ちたドレスを慌てて引き上げた。
類は司から隠すように、解いたリボンを首の後ろで結び直してくれる。

「司…邪魔しないでよ」
「するに決まってんだろっ!なぁ…類より俺が気持ちよくさせてやるよ…」

「おまえ素人じゃん…気持ちよくさせてやることなんて出来るの?」

類の言葉に、つくしの頬がピクリと動いた。

「あぁ?なんだと?」

ピリッとした空気をつくしの涙声がかき消した。

「類は…素人じゃないんだ…やっぱり他の人にもしてたんだ…」

涙で潤んだ瞳で、類を睨み付ける。

「牧野…?」
「もういいっ!」
「ちょっ…」

つくしは控え室のドアを乱暴に開けると、裸足のまま走り出した。
珍しく慌てたような顔で、類がつくしの後を追いかける。

乱れたドレス姿で、走るつくしを何事かとホテルのスタッフが見るが、あとから追いかけてくるのが道明寺財閥、花沢物産の御曹司と知ると、見なかったことにして視線をそらす。

階段を降り、ホテルのロビーを抜けて、タクシーやリムジンが多数停まるエントランスに出ると、類の手に捕まった。

「待て…って…はぁ、聞いて…」
「おまえっ、足、速すぎ…」

はぁはぁと喘ぐ御曹司2人をこんなにも慌てさせることが出来るのは、まだ少女のような面影を残したこの女だけであるとは、誰も知らないだろう。

「あんたたちが鈍ってんじゃないの?もう帰る」

類が上着を脱いで、肩が露わになっていて肌寒そうに震えるつくしに掛けようとするが、止めてと手で払われた。

「ねえ、なんで怒ってるの?」

類が首を傾げ綺麗な薄茶色の瞳をつくしに向けると、それだけでつくしは赤くなる顔を抑えられない。

つくしは、自分でも何故こんなにも腹が立つのか分からなかった。

「怒ってないっ…」
「俺が、他の女にも同じことしてたらイヤ?」

他の女…その言葉に、またつくしの目尻に涙が浮かぶ。

怒ってるわけじゃない…。
悲しかっただけなのだ。

「俺は牧野だけだぜ?類は他の女と遊んだらどうだ?」
「ちょっと司黙ってて」

こんなことで押し黙る司ではないが、泣きながら部屋を出て行ったつくしのことはやはり気にかかる。

「ねえ、イヤ?牧野だけだったらいいの?」

結局は類のジャケットを肩に掛けられて、ありがととボソリと呟く。
類はそのまま包み込むように、ジャケットごと抱き締めた。

「……っ」

類の香りが、あたしをおかしくする。

こんなの、あたしじゃない。

類の口から、他の女の子を匂わせる言葉を聞いてショックを受けたなんて。
それじゃあ、恋…してるみたい…。

「俺は…牧野と会ってから、他の女に興味ないよ」
「えっ…」
「言ったでしょ?好きだよって…信じてないの?」

本当に?

「静さん…は?」
「静?さぁ?弁護士の恋人がどうのって言ってた気がするけど…」

黒い瞳が、涙に濡れてゆらゆらと揺れる。

「おまえ、俺のこと好きでしょ?」
「……好き?」

それを確信したのは、つい先ほど。
つくしの肌に初めて触れた時。

それまでは自信なんてなかった。
司にキスされたんだろうと思うと、嫉妬でおかしくなりそうだった。

でも、触れるたびに、瞳に熱が帯びてくる。
俺と目が合うだけで頬を染める。

目は口ほどに物を言う、とはよく言ったものだ。

そもそも、好きでもない相手に身体を触らせたりしないでしょ?あんたは。

「俺のこと好きなんだよ」

決めつけるように言われて、つくしも今までに覚えのない感情を知り、これが恋なのかとやっと気が付いた。

「うん…好き…なんだと思う…」

類に抱き締められていて、顔を隠すように頷くが、類によって顔を持ち上げられる。
熱を含み潤んだ瞳が、類を見つめていた。





司はチッと舌打ちすると、エントランスで抱き合う2人を置き去りに、ロビーへと入って行った。

つくしの瞳には、すでに類の姿しか写っていない。
司がつくしを想うことは、つくしを苦しめるのかもしれない。
それでも…。

何故、親友が想いを遂げる時に、その場に居合わせなくてはならないのか。

つくしが、類を好きなことはすぐに分かった。
非常階段や、図書館で類と見つめ合っては、バカップル並みに頬を染めていたし、女は好きな奴の前ではこんな風になるのかと、俺の時には絶対にしない、類の名を呼ぶ甘い声と、あまりに可愛い態度に愕然としたものだ。

分かっていなかったのは、つくし本人と類ぐらいだろう。
類も当事者になると勘が鈍るらしい。

それでも、あの車の中の告白に賭けてみたかった。
結果は…このとおりだ。

ほとんど、なかったことにしやがった!!
あの、超絶ニブ女!

俺がどれだけいい男か、そのうち分からせてやるからな。

彼女の幸せを願うことは、自分だって同じ。
だから、今は類に預けてやるよ。


***


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Love me tender9

Love me tender9

やっと類くん頑張ります!
Rです(≧∇≦)


***



パーティが終わり、結局忙しそうな司とは話をすることはなかった。
司の背後には常にSP2人が控え、その周りを招待客が囲むという一見異様な光景だったが、それも仕方のないことなのだ。

それだけの立場の人だもんね。
やっぱり、何かの間違いだよ。

つくしが着替える為に控え室に入ると、そこにいるはずの花沢家のスタイリストの姿がなかった。
アップにされた髪や1人では着ることも出来なかったドレスを、何とか出来るか…。
そのまま帰るわけにもいかず、首の後ろのリボンを解いていくが、リボンだけではなく、万が一にも外れないようにホックが付いているようで、付け爪を施されたつくしでは外すことが出来ない。

こ、困った…。
セレブって毎日こんなんで、疲れないのかな…。
はあぁ〜、足痛いし。

その時、控え室のドアが軽くノックされた。
スタイリストが帰って来たのかと、ドアを開けにつくしが出向くと、ドアの外に着替え終わった類が立っている。

「類〜いいところに!これ、これっ、外してくんない?」

つくしは、首の後ろのホックを類に見せる。

「脱げないの?ごめん、スタイリストが次の仕事が入ったとかで、来られなくなったって伝えに来たんだ」

類は後ろ手にドアを閉めながら、室内に足を踏み入れた。

「そっか、たぶん大丈夫。これさえ外せれば、自分で何とかなりそう。類、お願い」

そう言って、類に背中を見せて立つつくしは、まるで警戒していない。

俺のこと、信用し過ぎだよ…?

「いいよ…ちょっと下向いて」

類の手が首筋に触れると、つくしの身体がピクリと震えた。
3つ付いていたホックを全て外すと、肩からハラリとドレスが落ちる。
つくしは慌ててドレスを胸の上で押さえる。

「類っ、あ、ありがとっ!もう、あとは1人で出来るから!」

つくしのうなじから背中が、綺麗な曲線を描いている。
思わず吸い付きたくなるほどの、透明な白い肌に、類はツーッと指を滑らせた。

「ひゃっ…」

類の手の冷たさと、背中に走ったゾクリとする感覚に思わず肩をすくめる。

「ねえ、なんて書いてるか分かる?」

背中に這わせた指を円を描くようにツツッと滑らせると、ピクピクと身体が震え身を捩る。

「くすぐったいよっ…ぁっ」

「ほら、これは?」
「わかんな…っ、…お?、ひゃっ…」
「ハズレ…ふっ…そんなにくすぐったい?」

身体中の神経が背中にあるのではないかと思うほど背中が熱く、油断すると漏れそうになる喘ぐような自信の声を抑えることに必死だった。

「はぁ…っん…」

思わず、ソファの背に手を付きもたれかかると、火照った身体を冷んやりとした革張りのソファが冷やしてくれる。

胸元でドレスを押さえておくことも忘れたつくしは、下着を着けていない胸の膨らみが露わになり、ドレスはかろうじて腰のあたりで落ちずにとまっている。

「そろそろ、分かったでしょ?」
「んっ…あっ…」

何度も背中を行き来する、類の指が描いていた言葉。

〝好きだよ″

「分かった?」

つくしは、熱い吐息を隠すこともできずに喘ぎながら、コクリと頷いた。

本当は、ここで止めるつもりだったけど。
あんたが、可愛い反応ばっかりするからいけないんだよ。

類はつくしの首筋から鎖骨を辿るように、舌を背中に這わせる。

「ああっ…はっ…」

背中を愛撫しながら、手はつくしの両胸へと回り、柔らかい乳首をコロコロと転がすように指を動かすと、そこは徐々に固くツンと立ち上がる。

「あっ、はぁ…あぁん」
「気持ちいい?」
「る…いっ…ダメっ、あぁっ」

類は、指で強く突起を摘み、右手でドレスを捲り上げると、太ももの内側からレースのショーツへと手を伸ばした。

「っ…やだっ…類っ!」

背中が固く強張り、快感に身を任せていたはずのつくしが、我に返り類を振り向く。

「俺のこと、嫌い?」

頼むから…嫌わないで。

「…っ、嫌いなわけ…ないじゃん」
「じゃあ、俺に触られるのイヤ?」
「わかんないよ…でも、怖いし…恥ずかしいし…」

つくしを落ち着かせるように、優しく抱き締めると、触れるだけのキスをした。

「好きだ…ずっと触りたくてたまらなかった。止まらないんだ…ごめんね」

類の縋るような熱のこもった瞳に、つくしは諦めたようにため息を吐いた。

ごめんね…なんて言われたら、やだって言えなくなるじゃない…。

「もう1回…」
「うん」
「キスして…」

つくしの、類を見る瞳もまた、熱を持って揺れている。
啄むように唇を重ねると、つくしの腕が類の背中に回る。
徐々に深くなるキスに、その先を予感してつくしの身体が強張ってくるが、類が抱き締めながら背中を撫でると、身体から力が抜けていく。

「んっ…はぁ…」
「大丈夫だから、力抜いて」

ソファへと押し倒すと、胸の膨らみに舌を這わせ、立ち上がった突起の周りを円を描くように舐めた。

「ああっん…はぁっ…」

つくしが快感に溺れている間にショーツを脱がせると、手はお尻を揉むように内側を撫でる。
焦らすように太ももばかりを執拗に撫でると、つくしが両足を擦り合わせるように身じろぐ。

「はぁっ…あ、あっ…ん」
「どうしてほしい?」
「わかんな…っ、ああっ!」

軽くつくしの秘部に触れるだけで、ヌルリとした愛液が類の手を濡らす。

「初めてだしね…」

何気なく言ったのであろう、類の言葉が気にかかる。

類は…違うの…?

そんなこと分かっていたはずなのに。
そっか…静さんがいるもんね…。
でも、好きだって言ったのに。
たくさんいる中の、1人なのかな。

どうしてこんな気持ちになるんだろう。

つくしの目にジワリと涙が浮かぶが、それを快感の生理的な涙だと、類は目尻をペロリと舐め軽くキスをした。

そして待ち侘びて濡れる割れ目を、擦るように指を動かした。

「ああぁっ!あ、あ、はぁっ…ん、類っ、ダメっ…ダメ…」
「気持ちいい?凄いヌルヌル…」
「あ…ん、やぁっ」

指の動きに合わせて、ヌチュヌチュと水音が耳に届き、つくしの羞恥心を煽る。
そして類の指がある一点を捉えたとき、つくしの身体がビクビクと跳ねた。

「やぁっ!ああっ!ダメ…ダメっそこ!」
「ああ、ココ?気持ちいいでしょ?」
「触っちゃダメっ…やん…変になるっ」

腰を揺らしながら触るなというソコは、触って欲しそうにピンと立ち上がっている。
つくしの薄い陰毛に隠された女性器に、溢れでてくる愛液を塗りたくると、ヌルヌルのソコを指で転がす。

「これ…もう、止める?」
「あぁんっ!んっ、あぁっ…止めちゃダメェ、んっ…気持ちイイッ」
「じゃあ、もっと気持ちよくなりな」
「ああぁぁっ!…ぁ、はっ、はぁ…」

つくしは、背中を大きく弓なりにしならせ、恍惚とした表情で宙を見た。
それは類が思わず喉を鳴らしてしまうほど、卑猥で…美しかった。

そして、何が起こったかも分からずに、つくしはグッタリと身体を投げ出す。

その間に類によって足を大きく広げられて、秘部を曝け出すような格好をさせられていた。

「あっ…やっ、恥ずかしいっ…」
「綺麗だよ…牧野のココ。ほら、どんどん蜜が溢れてくる…」
「やだぁ…」

足を閉じようと腰を捩るが、膝を類の手で押さえられていて、類の息がかかりそうな距離に、堪らなく目をそらす。

「ちゃんと…見てな…」

そう言うと、あろうことかつくしの女性器を舌でヌルリと舐め上げた。

「はぁっ…な、にっ、やだ…汚いよ…っ」

陰毛をかき分けるようにして、舌を動かされると、ザラリとした舌の動きがリアルに伝わる。

「あっ、ああっ、はぁっ…あっ、んっ、ソコッだめっ…もぅっ」

その快感は指の比ではなく、クチュクチュと淫猥な音を立て舐められると、つくしは声を抑えることも、腰を振ることも止めることが出来なかった。
そして、類の舌がいやらしく動く様から目が離せない。

「ココ…もっと気持ちよくしてあげるね」

つくしの秘部にグチュッと音を立て、指を突き刺すと、内部が絡みつくようにキュウキュウと締まり、絶頂が近いことを知らせる。

「はぁっ…ん、あっ、あっ、も…ダメ…」

立ち上がった女性器を焦らすように舐めながら、指をゆっくりと動かしていく。

「もうイキそう?」
「ああぁっ…ん、やぁっ、なんかゾクゾクするっ…あぁぁっ!」

ビクビクと中が震えると、秘部からは大量の愛液が溢れ出し、類の手を濡らす。
中が、達した直後蠢くように類の指を締め付け、それは類の下半身をさらに熱くした。

でも、こんなところで初めてなんてダメだよね。
俺も限界なんだけど…。


***


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Love me tender8

Love me tender8



道明寺グループの1つである、株式会社DMJの日本支社長就任の祝いのパーティがメープルホテル東京支店にて行われる今日、つくしは迎えのリムジンで会場に到着した。

車のドアが開くと見たことのある、無駄に階数の高いホテル。

ここって…メープルホテル…。
まさか、今日のパーティって。
嫌な予感しかしない。

それよりも…それよりもだ。

「も〜っ!なんで、あたしがこんなことで悩まなきゃなんないのよっ!」

普通に、平凡に生きていきたいだけなのに。

今回のパーティでつくしにパートナーを頼んだ類とは、先日非常階段で会った以来の顔合わせだ。

気まずい…非常に気まずい。
なんで、キスした後に何事もなかったような顔が出来るのよ!?

先日から、思い出しては赤くなったり青くなったりと、つくしの気持ちは忙しない。





時間にしてほんの3秒程度、触れ合うだけの唇は、つくしが目を閉じる間もなく離れていった。

それを名残惜しく思ってしまう自分がいて。
類の離れていく唇を見つめてしまう。

「あ、そうだ…牧野に頼みがあるんだよね…」
「へっ!?」

今のは…今のは夢!?
あたし、ついに白昼夢まで見るようになったの!?
類は、何事もなかったような顔してるし。

「夢じゃないよ?…それでね、今度パーティがあるからパートナーになってくれない?」
「えっ!?あ、う…パーティ?」

夢じゃないって言った?
もしかしたら、この人たちのやることに意味なんてないのかもしれない…。
考えるだけ、無駄なの…?

「うん。あんたにはいい特権が付いてくるよ?」
「特権…?」

無料、タイムセール、特別ご奉仕…そんな言葉に弱いつくしのことなんて、類には手に取るように分かる。
しかし、先ほどから全て口に出ていることは、言わないでおいたほうがいいだろう。

「今回のパーティ、花沢の子会社がケータリング担当することになってるんだよね。いつもどうせ余るから、パーティ終わったら持って帰っていいよ」
「ほんとっ!?すっごい助かる!!」

予想通り、黒い瞳をキラキラさせて、見上げてくる。
ブツブツと呟く独り言の内容が、すぐさま冷凍庫の空き具合に変わるところが、単純極まりない。

ごめんね…司が主役のパーティなんだけど。



そんなやり取りで、上手く類に丸め込まれたような気がしないでもない。
食べ物に吊られたのは自分自身だが、1度した約束を反故にするわけにもいかず、つくしがホテルのロビーに到着すると、先に来ていた類が軽く手を上げる。

「スタイリスト連れてきたから、控え室行こうか」
「う…うん」

類が、室内に控えていた女性スタイリストにつくしを引き合わせると、隣の部屋で待っていると言い残し、退出した。

ドレスの着付けや、ヘアスタイリング、メイクなどを、女性スタイリストがテキパキとこなしていく。

「このドレス…可愛い…」
「ふふっ、花沢様のお見立てですよ?本当によくお似合いです」

淡いピンクのドレスは、胸の辺りから絞るように首の後ろで大きなリボンが結んであり、背中は大きく開いている。
膝上5センチ程度の品のいいドレスで、もちろんヘアメイクもあるが、頭の先から爪の先まで磨かれたつくしは、どこからどう見てもお嬢様にしか見えない。

但し、背の高い類のパートナーのためヒールは9センチ超えだ。

準備が整い、隣室をトントンとノックすると、部屋の中からどうぞと声が聞こえる。

「類…お待たせ…」
「いいんじゃない?似合ってる」
「あり、がと…」

そして、類がつくしを連れ立って会場に表れると会場が一瞬にして騒めいた。
類の美貌はもちろんのこと、つくしの普段は隠されているなんとも言えぬ可愛らしさ、それに会場中が釘付けになる。

「な、なんか見られてないっ?なんかおかしいかな…?やっぱり釣り合ってないよ」
「そんなわけないでしょ?あんたほど、可愛い女、そうそういないよ」

類がつくしの腰を抱きエスコートし、会場を歩く。

「ちょ…類、見られてるのにっ…」
「パートナーだし、ここ混んでるからはぐれたら大変だよ?」
「そうだけど…っ」

だから、なんでそう普通なのよっ!?




そして、主賓の司はたくさんの取引先に囲まれ、場を動けないでいた。

それから、2時間後。
パーティは何事もなく、司の挨拶で終わりを告げるが、つくしがホッとしたのも束の間、別の形でつくしの嫌な予感が当たることになった。


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Love me tender7

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〝好きだ″
確かにそう言った…気がする。

つくしは、非常階段の踊り場で空を見上げながら、昨夜の出来事を反芻していた。

昨日のことは、からかっただけだと、冗談だと言われた方がまだ納得出来る。

なんで、あたし?
手に余るほどの財力と、生まれ持った美貌で、寄ってくる女など星の数ほどいるではないか。
そんな男が…生活に追われてあくせくバイトばかりしていて、とてもじゃないが綺麗に着飾ったり、毎日化粧をしたりしている暇などない貧乏人のあたしのどこがいいのだろう。

司のことは嫌いではない。
でも…いつもとは違う熱のこもった瞳が怖くて、逃げ出してしまった。



胸元に滑り込んでくる手に恐怖を覚えて、司の肩を強く押し返す。

「やっ…だっ!!」

溢れそうなほど、つくしの目に浮かんだ涙と、恐怖しかないその表情
を見て、司はハッとして押さえていた腕を離す。

「悪い…」

司がボソリと言うと、道明寺家の運転手は、監視カメラでも付いているのかと疑ってしまうぐらいのタイミングで、ご自宅に着きましたと告げた。

司を1度も振り返ることなく、開けられたドアから飛び出すように、車から降りるとアパートの階段を駆け上がる。

家のドアを閉めると、荒く息を吐き胸元をギュッと押さえるつくしに、どうかしたのかと心配そうに千恵子が声を掛けた。
しかし、つくしは何も言わずに自室に入ると布団を被った。





そのことを思い出すと、あられもない自分の声が蘇ってきて、恥ずかしさに赤くなる。

初めて…なのに。

無意識に、舌で触れられた上唇を指でなぞるように動かしてしまう。

だが、つくしには恋や愛など未だによく分かっておらず、誰かと付き合うとか、その先のこととかを考えられる状況ではない。

桜子がこの手の話題が大好きで、しょっちゅう聞かされはするが、自分にとっては遠い未来の話のように、どこか現実味を帯びない。

んーもうっ!
犬に噛まれたと思って忘れよ!!

「犬に噛まれたって何?」

非常階段の踊り場に寄りかかるように、空を見上げていたつくしは、突然の後ろから掛けられた声に飛び上がった。

「類…」

つくしは、高等部の頃から、ここで類と過ごす時間が大好きだった。
何も話すことがなくても、昼寝をしている類を眺めているだけでも、大変な環境の中でもまだ頑張れる、そう思ったものだ。

でも、今は類に会いたくなかった。

後ろめたい…?
どうして?

会いたくなかったのに、何故自分はここに来てしまったのか。

「あた、あた、あたし…また、口に出してた?」
「あたあたあたしって…くっ、慌てすぎ…ははっ、あんた本当おもしろっ…」
「類〜!」

人が真剣に悩んでいるのに、この男はっ!

つくしは、類がふざけてばかりだとムッとするが、そんないつも通りの態度に安心したのも事実だ。

「で、何に噛まれたの?誰に…って聞いた方がいい?」

やっぱりっ!?
そこ食いついてくるのっ!?




昨夜、バイト帰りにつくしが司の家のリムジンで家に帰ったということは、SPからの報告が上がっていた。
司相手に、自分が勝っているなんて思ったことはない。
つくしと類が2人でいられる時間が多いのは、司が激務のため。
道明寺司として手掛けている仕事が数多くある。
それに比べれば、自分はまだ花沢家の御曹司、ただそれだけだ。
もちろん、類名義の土地や会社もあるが、遊び程度に手掛けているもので、花沢本社での仕事には直接携わっていない。

その時間、2人で何を話していたの?
気になって、気になって。
いつもの図書館にいないつくしを探して、非常階段へと足を運んだ。

「犬に噛まれたと思って忘れよ!」

ドアを開けると、つくしの独り言とは思えない大きさの声が聞こえてくる。

何を忘れるの?
それを察することが出来ないほど、無知ではない。

「で、何に噛まれたの?誰に…って聞いた方がいい?」
「えっ、犬だよ!犬、犬!ちょっとガブっとね…ははは…」

やっぱりね。
あんたは、話さないよね。
じゃあ、それでもいいよ。

「ふうん。どこ噛まれたの?ここ?」

類は、つくしの頬をなぞる。

「違うね…じゃあ、ここだ」

つくしの唇を人差し指でなぞるように触ると、僅かだが頬が震えた。

「当たったね…」
「……」

何故か、つくしは傷付いたような表情で類を見る。

どうして、あんたがそんな顔するの。
本当は、悔しくてどうにかなりそうな俺のこと分かってくれてるの?

「くくっ…冗談だよ…」
「類…」
「悔しいからさ、気付いてないフリさせてよ」

ゆっくりと類の顔が近づいてきても、つくしは動くことが出来ないでいた。


***


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本日2話更新です♫


Love me tender6と7を更新します!
7は18時にアップされます。

花より男子のゲームやってる場合じゃないですね…(笑)
更新頑張れ、私(≧∇≦)

類


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Love me tender6

Love me tender6

司との絡みがあります。
類好きの皆様ごめんなさい。
類つくですから…もちろん、ハッピーエンドですから〜∑(゚Д゚)

***


つくしが夜バイトを終えて、帰路につこうとすると、店の前で覚えのある車が停まっていた。
覚えがなくとも、こんな車に乗っている人物はなかなかいるものではない。
つくし命名ダックスフンドこと、黒塗りのリムジンの前で、腕を組んで立っている人物がいる。

「おまえ、おっせーぞ!帰ろうかと思ったじゃねーか!」
「道明寺に待っててなんて、頼んだ覚えないけど…?」
「てめ…俺様が、女を待つなんて滅多にないことなんだぞっ!」
「え…?あんた結構、この店の前で待ってるよね…?」

司の言わんとすることは、いつも理解出来ないが、つくしはこうやってポンポンと言い合うのは嫌いではない。

司もまた同じようで、会えばいつもつくしと絡むのを楽しんでいる節がある。
だが、つくしのバイト先の前で、いつまでも話しているわけにもいかず、司は自ら後部座席のドアを開けた。

「家まで送る。乗れよ」
「え…あ、ありがと…」

司も乗り込みドアが閉まると、車内の冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して、つくしに手渡した。

「ほらよ」
「ありがとう…。今日、どうかした?」
「ああ、おまえに聞きたいことがあって」

司はそう言うと、つくしを真剣な瞳で見つめた。
この男の美貌を見慣れているとはいえ、いつもの表情とは違った顔で見つめられて、つくしは熱くなる顔を誤魔化すように、視線を逸らした。

「な、なによ?」
「おまえさ…」

つくしは何を言われるのかと、ゴクリと唾を飲み込んだ。

「なんで俺は道明寺なわけ?」

意味が分からない。
あんたは、産まれた時から道明寺でしょうよ…。

「……はあ!?」
「だからっ、類のことは名前で呼んでんだろ!?なんで、俺は名字なんだよ」
「それは…類のことは、花沢類って呼んでたから、それが短くなっただけだよ」

そんなことか…と、つくしはホッと肩を撫で下ろす。
思えば類と名前を呼び始めたのはいつだったか…。
あまりに自然に変わっていったために覚えてもいない。
大学に入ってからだとは思うが。



つくしに道明寺と呼ばれるのが嫌なわけではない。
ただ、いつの間にか類のことを名前で呼び出し、それがキッカケかは分からないが、2人の距離が近くになったように感じた。
つくしが類と名前を呼ぶたびに、2人の間にしかない甘い空気に包まれているようだった。

そのことが、司を苛立たせる。

まさか、自分が1人の女にこんなにどっぷりとハマることになるとは…。

司が、つくしへの気持ちを親友たちに話すことはなかった。
隠しているわけでもなかったので、バレてはいるかもしれないが。
総二郎やあきらはさておいて、類もまたそういうタイプではなかったはずだ。

それ以前に、類が静以外の女を好きになることがあるとは思わなかった。

だから、つくしの側に類がいても大丈夫と、油断していたのかもしれない。
それが最大の誤算。

今の類はつくしへの恋心を隠そうともしない。
司の気持ちにも気付いた上での、宣戦布告のようなものだ。


「じゃあ1回だけでいいから、司って呼べよ」
「はあっ!?無理無理無理っ!」
「1回でいいって言ってんだろ?」
「えええぇ〜」
「なあ…1回だけ」

本気で嫌がるつくしに、世界の道明寺司ともあろう人が、最後には懇願するようにつくしを見る。

「も〜!1回だけだからね!」
「おう」

「つ…つか、さ?」

「あぁ〜っ、もうっ!恥ずかしいっ!もう呼ばない!」

真っ赤な頬を押さえながら、足をバタつかせて恥ずかしいと、怒ったように司を睨んだ。
その顔が可愛くて、可愛すぎて、このまま帰すことなど出来るはずがなかった。
司は思わず手を伸ばし、つくしの腕を掴んだ。

「な、にっ?」

車のシートに身体を押し付けて、顎を押さえ上を向かせる。
司の突然の行動につくしは身動き取れずにいた。
その間に、深く唇を合わせる。
司の舌が、口腔内を蹂躙するように動くと、つくしの身体から力が抜けた。

「んんっ…はぁ…ん」
「なぁ、類のことが好きか…?」
「はぁっ…なに、すんのっ…」

唇が離れた隙に、司の腕から逃れようと身体を捩るが、気付いた司にさらに強く押さえられる。
ついには、シートの上に押し倒されてしまった。

「まぁいいや、聞きたくねぇし…。今は俺に溺れてろ…」

潤んだ瞳で荒い息を吐く唇を、上唇、下唇と舐めていく。

「はぁ…ど…みょ…じ」

一瞬の息を吐く隙をついて、歯の間から舌を滑り込ませると、つくしの舌と自身の舌を絡ませる。

「んん…あっ…はぁ」

司に送られる唾液をコクッと飲み込むが、飲みきれない唾液がつくしの顎を伝い流れ落ちた。

薄手のシャツの上から、胸の膨らみを揉みしだくと、身体がビクリと跳ねた。

「やぁっ…」
「好きだ…」



***


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Love me tender5

Love me tender5



両親は、類が来るなり何故かつくしの部屋に2人を押し込んだ。
4人で住むにはかなり狭い、1DKの唯一の個室を進とつくしの部屋にしていた。
進はバイトらしくまだ帰っていない。

「ちょ、ママ!?なに?お茶淹れようと思ったんだけど…」
「お茶ならママが淹れるから、花沢さんとの親睦を深めなさいっ!」
「はあっ!?」

つくしがどうしていいやらと、とりあえず隣に座り類を見ると、類は眠そうに大きな欠伸をした。

「眠いの?横になる?」

つくしは布団を引こうとしたが、限界だったのか畳の上に直接横になってしまう。

「うん…ふわぁ〜あ。ちょっと、膝貸して…」
「へっ!?ちょっ…類っ」

つくしの膝枕でゴロンと横になると、すぐにスースーと寝息を立てて眠ってしまった。

「もう…万年寝太郎っ」

眠りに落ちるまでのあまりの早さに、類だって、いつも車で寝てしまう自分のことを言えないではないかと思う。

「でも…寝顔可愛い〜っていうか綺麗すぎ…睫毛長いし、髪の毛サラサラだし…」

つくしが、類の綺麗な顔をマジマジと見ながら、柔らかい髪に指を通す。
一度触れると癖になりそうなサラサラの触り心地に、つくしは何度も類の髪を撫でた。

「ふふっ」

そして悪戯心から、頬や鼻をツンツンすると、つくしの口から笑いが漏れる。
男の人なのに、類は人懐っこい猫みたいで可愛いと思う。

しかし、それはつくしの前だけであって、本当は警戒心バリバリのプライドの高いシャム猫であろうとは思っていない。

類は、目を瞑ってつくしのされるがままになっているが、頬を触られくすぐったく感じても、動くことが出来ない。
きっと、自分が動けばすぐに離れてしまうから。

あんた、油断しすぎだよ。
眠れるわけないじゃん。
好きな女の子がこんなに近くにいるのに。


類が薄く目を開けると、襖の隙間からつくしの部屋を伺っていた、千恵子と目があった。
類はつくしに気付かれないように笑みを向けると、さりげなく手を口元にやり、人差し指を立てた。

襖は音を立てずにそっと閉じられる。

もう少しだけ、この状態を楽しもうか。
それなりに忍耐が必要だけど。




そして、幸せな時間は突然の大きな音で終わりを告げる。

「類っ!寝たふり止めろっ!このキツネ!」
「うひゃ!!な、なに!?」

驚いてキョロキョロと周りを見渡したのはつくしだけで、類は平然とつくしの膝に頭を乗せたまま立っている司を見上げた。

あーあ、バレちゃった…。残念。

「もしかして、タヌキって言いたい?」
「類っ、そこから早く退け…」

司が現れても、つくしの膝から退こうという意思はないらしい。
つくしは慌てて類の下から膝を退かした。

「いてっ…牧野、乱暴…」
「へっ、ざまーみろ」

膝から乱暴に頭を落とされて、ゴツっと部屋に鈍い音が響いた。

「ほら、類帰るぞっ!」

それでも寝転がったままの類を引きずるように、玄関へと向かった。
半畳ほどしかない牧野家の玄関に大男が2人も立つと、家の狭さが余計に際立つ。

「パパとママ、またね。あれ、進帰ってたんだ?」
「はい。類さんも、道明寺さんもまた」

とてもじゃないけれど、出歯亀する気にもなれず、かと言って部屋へ入ることもできずに実は困っていた進は、叶うことはないが1人部屋が欲しいと初めて思った。

「あの2人…暇なのかな?」

嵐が去った後の玄関を見て、ボソリと呟いた姉の言葉に、そりゃないよ…とさすがに同情した進であった。


***


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Love me tender4

Love me tender4



「先輩!また、いいバイトしません?」
「いいバイトっ?」
「私たちに付き合って、男性とお茶飲んでご飯食べるだけです」

その私たちというのは、一緒にいる桜子、滋、そして優紀の3人で、カフェでお茶をして過ごしているところだった。

「っていうか、それ合コンでしょ?」
「ふふっ、バレました?」

いいバイトという言葉に一瞬食い付きかけたつくしだったが、家のことで必死なこともあって彼氏など欲しいとも思わないし、以前桜子にどうしてもと言われ参加した時も、男の人にしつこくされて辟易した思い出しかない。

「先輩みたいな、見た目簡単に落ちそうなのに、男に靡く気配すらない人って、どういうわけかモテるんですよね…」
「失礼な…。見た目簡単に落ちそうって…」
「だって、セレブ相手なら100発100中ですよ!?偶然だって言うんですか」
「確かに…こないだのボンボン、つくしの連絡先を教えろってしつこかったもんね〜」
「あとは、道明寺さん、花沢さん…」

滋が言うボンボンに、合コンの間ずっと絡まれて大変だったのだ。
早々につくしは帰ったが、その後も桜子たちにつくしの連絡先を教えろと迫ったらしい。

「そこで、なんで類と道明寺の名前が出てくるのよ…」

「「「……2人とも可哀想に…はぁぁぁ」」」

つくしがよく分からないと言うように、3人の顔を見ると、優紀までもが額に手を当ててガックリと肩を落としていた。

「……?」

「あ、そろそろ時間だから来るはずですよ?先輩、バイトよろしくお願いしますね!」
「えっ!?なに?まさか、今から合コン?」

急いで帰ろうとするつくしの両腕を滋と桜子に固められ、動くことすら敵わない。

それから、10分もしないうちに男性4人が店に到着し、つくしたちの前に座った。
いつもF4を見慣れているつくしとしては、彼らがカッコいいのかそうでないのかはよく分からないが、桜子が滋にまぁまぁですね、と言っているところを見ると相当なのだろうと思う。
優紀に至っては、少し頬を染めている。

「みんな、すげー可愛いね」
「うわっ、ほんとだ!レベル高い!」

「「「こんにちは〜」」」

明らかな外面の笑顔で挨拶をする3人に、つくしはガックリと肩を落とした。




つくしに内緒で付かせているSPからの報告を受けて、類がカフェの前に着くと、ガラス張りの店内奥に、眉を寄せてしかめっ面をしているつくしがいた。
それもそのはずで、いかにも成金といった風情の男が、つくしにしつこく話し掛けているからだと、類はすぐに察した。

類が店内に足を踏み入れると、店員を含めた女性客が一斉にドアに視線を向け、黄色い悲鳴と共に、頬を染めた顔で類を見つめる。
桜子や滋でさえ、店内の雰囲気から類が来たことにすぐ気が付いたというのに、目当ての彼女は隣に座る男から逃れようと必死で、類がいることに全く気付いていない。

「つくしちゃん、連絡先教えてよ?」
「あ、いや…あたし、携帯持ってないんで」
「いやいや、今時そんな子いないでしょ〜」

どんどん距離を詰めてくる男に、つくしは迷惑そうな顔を隠そうともしないが、男は全く気にしていないようだ。

「牧野…俺と約束してなかった?」

ここにいるはずのない人物の声が上から聞こえて、つくしは驚き顔を上げた。

「類っ!?なんで…?」
「今日家に行く約束してたよね?」

突然現れた、超絶イケメンの登場に合コン相手の男たちも騒然となり、つくしにしつこくしていた男も、類とつくしを交互に見て口を噤んだ。

「えっ?そうだったっけ!?ごめんっ!」
「いいよ…。今から行ってもいい?」
「うんっ!もちろん!…みんな、ごめんっまたね」

「つくしちゃ……」

諦めきれない男が、つくしを呼び止めようとするが、冷酷な瞳で類に睨まれて、言葉を飲み込んだ。

一刻も早くその場から逃げ出したかったつくしは、類の嘘に乗っかる形になったが、それを嘘だとは思っていない。
車に乗り込むと、約束忘れててごめんねとつくしは謝った。

「嘘だよ?今日、約束なんてしてないよ」
「えっ!?えー!そうなの?」
「だって、あんた合コンとか嫌いでしょ?それとも、あんな男に言い寄られて嬉しかった?」

思いの外真剣な目で見つめられて、つくしは戸惑う。

桜子に頼まれたか、騙されたか、いいバイトがあるとでも言われたかだとは思うが、何度も同じ手に騙されるつくしに、少し腹が立った。

「言い寄られてないけど…。ちょっと困ってたから、助かった。ありがと」

無意識に男を惹きつけるんだから、タチが悪い。
でも、その上目遣いで恥ずかしそうに見上げてくるつくしにやられてるのは自分も同じか、と思うのだから、惚れた弱みというのは本当に怖い。

「牧野…三条に頼まれても、ああいうのもう行かないでね」
「ああいうの?合コンのこと?」
「うん。俺が心配だから、ダメ。他のバイト紹介してあげるからさ」
「う、ん…分かった。心配かけてごめんね?」

つくしとしても、言われなくてももう行きたくはない。
しかし、類の頼みを許容したように取れる、つくしの素直な態度が可愛くて。

類は、いつもこうだったら心配の種が少しは減るかもしれない、いや、こんなに可愛げがあったら、益々ライバルが増えるか、などと車中ずっと思案していた。

「類?どうかした?」

そうとは知らず、つくしと言えば、心配の意味はまるで分かっていなそうな顔で、類を見上げる。

「いや、何でもないよ」
「ね、お茶飲んでってね。パパたちもいるし。類が来ると喜ぶから」
「ああ」

牧野家のアパートに着くと、車を一度邸に帰らせた。

「「は、は、は、花沢さん!!!」」

予想通り、諸手を挙げて喜ぶ両親に、これで玉の輿という打算がなければいいのにと、つくしはため息を吐いた。


***


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ひるなか番外編読みました〜?

本日、ひるなかの流星番外編が発売されました!ネタバレ注意!
椿町ロンリープラネットもちゃんと買いました(^-^)

6年後の諭吉結婚式後、馬村とすずめのプロポーズ的な書き下ろしがありましたね〜(*^^*)
馬村君一人暮らししてましたね〜!部屋は3階!
これで、二次が盛り上がることでしょう!期待(笑)

ひるなか二次書き手さんが少ないので、映画化とかすればもっと盛り上がるのになぁ。

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Love me tender3

Love me tender3


車も停められないような、路地裏の一角にあるこじんまりとした喫茶店。
途中までは類の車で送ってもらい、そこからは2人で歩いて向かう。

「あ、ここだよ!」
「ふうん、何だっけ?パフェが美味しいんだっけ?」
「そ、類も協力してね」
「?」

バイトが休みになった今日、大学の帰りに約束どおり類と出掛けることになった。
T3と今度来ようと約束していた店だったが、つくしが先に来たところで怒るような友人たちではない。
それどころか、友人たちはしゃべることが出来れば、場所はどこだっていいのだ。

類が店のドアを開けると、甘い香りが漂ってきた。
その甘ったるい匂いに、一瞬顔をしかめるが、あまりに嬉しそうにしているつくしを見て、思わず笑ってしまう。
そしていつものごとく、つくし限定王子様スマイルを見た女性客が、持っているスプーンやフォークをポロリとテーブルに落とし、類の美貌に酔いしれた。


「びっくりどっきりパフェください…類は?」

席に案内され、つくしが摩訶不思議なパフェを注文すると、店員が大丈夫ですか、と声を掛ける。
店員に笑って頷くと、類に向き直った。

「ん〜フルーツグラタンある?」
「ないよ!」
「じゃあコーヒーでいいや」

しばらくすると、類が思わずコーヒーを落としそうになるほど大きなパフェがテーブルに運ばれてきた。
それは、つくしの顔を隠せるぐらいの高さで、クリームやバナナ、アイスが積み上がっていた。

「何…その大きさ…?」

まさか、協力ってこれのことじゃないよね…。

嫌な予感がして、目をキラキラさせてパフェを見るつくしに聞くと、男と一緒にいるとは思えない口の大きさでパフェを頬張っている。

「ムグ、ゴクッ…びっくりどっきりパフェだよ〜。類も食べてね。1人じゃ食べきれないから」
「嫌だ…」
「え〜」

こんな時に、普段はあまりしないような顔をする。
唇を尖らせて、拗ねたように上目遣いに睨む顔は、類にとっては可愛さ1000%でしかない。

「分かったよ。じゃあ、ちょうだい」
「はいっ!美味しいよ〜」

つくしがスプーンにコーンフレークとバナナ、クリームをたっぷり乗せて、あーんしてと言うように、類の口元へスプーンを運んだ。
類は一瞬驚いたような顔をするが、フッと笑うと口を開けた。

「甘い…」

口に入れるとあまりの甘さに、眉を寄せる。

「あはははっ!だよね〜!もっと食べる?」
「だって、協力してほしいんでしょ?」
「うん。類、頑張って?」

それは想像以上に甘かったけど…。

おまえ、何も考えてないでしょ?
俺が、こんなことぐらいで嬉しくなるって。


***


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プロフィール

オダワラアキ

Author:オダワラアキ
オダワラアキの二次小説・二次創作置き場へようこそ。
ひるなかの流星・花より男子・日々蝶々・君に届け・会長はメイド様の二次小説・創作置き場です。黒バス黄黒、青黒BLも書いております。
現在はオリジナルばっかりになってしまったなぁ。

こちらを読むにあたって下記注意点をお読みになってからお進みください。

このサイトは原作のある漫画の二次創作、小説です。

同人誌や、二次小説(2次創作・夢小説)に抵抗のある方はウィンドウを閉じてください。
原作者様、出版社とは全く関係ありません。

小説の無断転記、複製、配布を禁じます。

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