wish you were here 39R
可愛いと言われたことがないわけじゃない。
でもそれは、大抵ベッドの上で熱に浮かされている時で、既に恥じらいも何もかもを脱ぎ捨てている状態でのこと。
好きな人に言われて嬉しくないわけがない。
つくしは赤くなった頬を両手で隠すように包み込むと、窓の方へと顔を向けた。
意識をそらすように、流れる外の景色に集中していると、ひんやりとした冷たい手がつくしの太ももに伸びてくる。
「ひゃっ…類っ?」
「ん…?」
つくしはスカートの中に入り込んでくる類の手を払い退けることも出来ずに、上からスカートを被せるようにして隠す。
「類…運転中っでしょ…危な…っよ」
「撫でてるだけだから、平気だよ」
撫でてるだけって…!
確かに類の手は太ももの内側を撫でているだけだ。
だが、触られているつくしにとっては堪ったものじゃない。
「…っ、ぁ…はぁ…」
時折、ショーツギリギリのところを指が掠めるように動き、その度に身体が震え切ない喘ぎ声が漏れてしまう。
「もしかして、もう濡れてる?」
「ふっ…ぅ、…やぁっ」
確かめるように類の指がショーツの隙間から入ってくると、類の手を上から押さえるしかないが、うまく腕に力が入らない。
車のエンジン音の響く中に、微かにクチュっと湿った音が聞こえてくる。
「行き先変更していいよね」
スカートの中を弄っていた手を引き抜き、すぐ近くのシティホテルの駐車場へと類がハンドルを切った。
ハンドルを握る指先が濡れ光っていて、つくしは恥ずかしさから目をそらした。
*
つくしはシャワールームの壁に手を付いて、今にも崩れ落ちそうになる腰を後ろから類に支えられる。
「ぁ…っ、ん…」
「俺が、洗ってあげる…」
確かにシャワーを浴びさせてと言ったのはつくしだが、愛撫と変わらないその手付きに、浴室につくしの短く吐く息と切ない声が響く。
ボディソープで滑りのよくなった類の手が、つくしの形のよい胸を下から上へと持ち上げるように撫でる。
「あぁ…ん、類…はぁ…」
類はつくしの耳の下辺りに噛み付くように強く吸い付くと、赤紫の痕を残した。
胸元にも襟首の大きい服を着れば見えてしまう位置に、いくつもの痕が散りばめられていた。
「…っ」
コックを捻ると上から流れ落ちるシャワーが、2人の身体を濡らしていく。
まだ泡が残る類の手が、つくしの太ももを這うように動く。
「ココ…もう我慢出来ない?」
「はぁ…ん、あっ、ダメ…」
無意識に足を開くつくしに、類はクスリと笑みをこぼし、割れ目に指を這わせればソープの滑りとは異なる液体が溢れてくる。
「ほら…ヌルヌル…自分で触って…」
類がつくしの手を取り重ね合わせると、足の間へと誘う。
「やっ…ヤダ…ひゃっ」
「ね…?自分の指入れてみる?」
普段自身では触れたことのない部分が、クチュリと音を立てつくしの指を濡らす。
「も…ヤダぁっ…」
本気で泣きそうに顔を歪ませるつくしに、類は手を止める。
最近は互いが忙し過ぎて肌の触れ合いが不足気味だった。
溜まりに溜まったものを持て余し、ついしつこくなってしまったことは否めない。
「ごめん…」
類はつくしの手を離すと、身体を反転させ抱き締めた。
「ちゃんと、して?」
つくしの本気で嫌がることなど類がするはずはないとつくしも分かっている。
強請るように類を上目遣いで見上げると、類は軽く頷いた。
「んんっ…ふっ、はぁ…ん」
類はつくしの顎を持ち上向かせ、貪るように口付ける。
口付けながらも類の手は性急につくしの秘部に突き立てられた。
「あぁぁっ!」
グチュグチュと激しく掻き回され、すぐに指を2本に増やされる。
「やっ…あっ、そんなに…したら、もぅ…」
「イッていいよ…気持ちいいでしょ?ココ…」
つくしの薄い茂みに隠された突起を指の腹で弄られながら、中に入った指が激しく動く。
「ダメ…ダメっ…も、イッちゃう…はっ、あ、あーーーっ!」
類はガクリと崩れ落ちたつくしを横抱きにすると、シャワールームから出る。
身体を拭く手間すら惜しくて、つくしにバスローブを羽織らせベッドルームへと連れて行く。
*
本当なら類とお昼ご飯を食べるはずだった。
優紀とご飯食べておけば良かったなんてことを考えていると、集中しろと言わんばかりに激しく中を掻き回される。
感覚がおかしくなるほど何度も繰り返される抽送に、ついには空腹を感じる余裕さえなくなる。
「も…無理っ、だよ…ぁっ」
「ココは俺のもっと欲しいって言ってるよ…ほら」
最奥を一気に貫かれると、つくしは膝をビクンと震わせ、類の背中にギュッと抱き付いた。
「あぁぁぁっ!!」
「……っ、く、はぁ…」
つくしに釣られて達してしまいそうになる欲望を何とか抑え、類は長い息を吐く。
「類…好き、大好き…」
達した直後、瞳をトロンとさせて類を見つめながら、腕を伸ばし類の首に抱き付いた。
「それ、反則…」
「類、キス…して?」
「もう、ほんと…っ、余裕なくなるから可愛いこと言わないで」
類はつくしに覆い被さると、唇を深く塞いでいく。
同時に腰の動きを早く、類自身の快感を求めるようにスライドさせた。
「んっ、ん…ふっ…ぁ」
室内には微かにベッドの軋む音と、接合部から聞こえる水音が響き、2人の快感を後押しした。
「あっ、も…ダメ…ぁ、イク、イッちゃ…っっっ!」
「いいよ、俺も出そ……く、っ!!…はぁ……」
類はつくしの上で項垂れるように深く息を吐くと、達しても収まらないままの、自身の欲望に驚きすら感じる。
初めから余裕などないに等しいが、一応つくしの体力を考えた上でいつもは抱いていた。
今日は既にそれが出来そうになかった。
つくしの中に挿入ったまま、ゆるゆると腰を動かしていく。
類はまだ大丈夫かとつくしを見ると、その瞳は潤んで今にも涙がこぼれ落ちそうなほどだった。
「る、い…ぁ、また…」
類の首にギュッと抱き付き、類の胸で顔を隠すように埋めた。
愛おしくて、可愛くて、際限なく求めてしまいそうだ。
何度身体を重ねても、その度に初めて身体を合わせるような快感に襲われる。
「あっ…ダメ、も…」
「俺を煽ったの…あんただよ…」
***
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