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「ただいま、ご紹介に預かりました牧野と申します。3ヶ月という短い期間でありますが、同じ花沢グループ一社員でありますので精一杯勉強させて頂きます。よろしくお願い致します」

つくしの挨拶が終わると、パチパチと拍手が起こった。
続いてトーリも挨拶を終える。

「じゃあ、水原マネージャー!松坂君と牧野さんよろしく」
「はい。分かりました…じゃあ、2人ともこっち来て」

水原と呼ばれた線の細い美女と称するに相応しい女性に手招きされ、つくしとトーリは近くの会議室へと入った。
つくしの印象としては、随分若いマネージャーなのだなと思ったぐらいで、外見がたとえバッサバサの睫毛に赤いリップでケバかろうと、胸元の大きく開いたシャツから谷間が見えていようと、10センチのピンヒールを履いていようと、仕事に支障が出ないのであれば構わなかった。
しかしトーリは水原をチラリと見ると、嫌そうに眉を潜め小さな声でケバッと言った。

「どうぞ、座って?」

聞こえていないようで良かったと、つくしが安堵のため息を吐くと、水原は会議室のドアを閉め、つくしとトーリの向かいの椅子に座った。

「え、と…私も聞いたばかりで、3ヶ月間何の仕事をお願いしたらいいのか分からないんだけど…2人は経理経験あるの?」

つまりは、経験がない人に来てもらっても任せられる仕事がないということだ。

「はい。私は2年経理にいたことがあります」
「俺も基本的なことは大丈夫です」

監察室に配属される時点で得意不得意はあろうとも、どのジャンルの仕事でも出来なければならない。
それは妻であるつくしに対しても、同じように類が求めていた条件だった。

「あっ、そうなんだ!良かった。経理って雑用も多いけど、何も知らない人に任せられるような内容じゃないから…」

水原はその後も簡単に仕事の流れを説明すると、決算の時期なこともあり多忙期で経験者ならありがたいと話を続けた。
それよりも、つくしが気になったのは水原の若さもあったが、マネージャーという役職を与えられているにも関わらず、どこか自信なさげというか、知識のなさが伺えるところだった。

「こんなんで仕事出来てんのか…?」

こんな時トーリの低い声は助かる。
水原には気付かれずにつくしに伝わり、つくしも同じことを思っていたので軽く頷いた。

「ところで、牧野さんって何歳?」
「私ですか…?今年28になります」
「28!?私の3つ上!?え〜新卒って言っても頷けるよ?見えないね〜」

多忙期じゃなかったのかと思わずツッコミたくなるが、水原は話を終わらせる気はないらしく、コーヒーメーカーからカップにコーヒーを注ぐとつくしとトーリの前に置いた。
つくしの歳を聞いて、何故かトーリまでもが驚いたようにつくしを見ているが、今まで生きてきて年相応に見られたことなど一度もないのだから、慣れたものだった。

「独身、よね?彼氏とかいるの?」
「いえ、縁遠いですね」
「真面目そうだもんね〜。他の本部の部署との合コンとかあるから、声掛けてあげるね」

つくしは曖昧に微笑むと、それを了承と取ったのか気が済んだようで、トーリへと視線を向ける。

「松坂くんは?いくつ?」
「俺も、28です」
「その眼鏡外した方がモテそうよ?」
「今はそういうの求めてないんで」

トーリが普通に話していることにつくしは驚きを隠せない。
監察室にいる時もこれぐらいの愛想は欲しいものだと思うが、手に持ったペンを何度もカチカチと出し入れしていることからストレスを感じていることは明らかだった。

仕事とは関係ない話を5分はしただろうか、水原は腕時計を見やりマニュアルをつくしたちに渡すと、慌てたように席を外した。

「今、時期的に決算書類の作成してるよね…」
「決算書類から不正が分かるようじゃ、俺らが調べるまでもないだろ。会計士が気付くだろうし。表面上はらしく繕ってるもんだしな、不正なんて」
「うん…多分あたしたちにはそこまでの仕事は回ってこないよね。だとすると、雑用の中からチェックするしかないか…あ、これ見て」

つくしはマニュアルを開くと、ある一点を指差した。
そこには、経費の精算、請求書の作成、売掛金、買掛金の管理とある。
経費の精算ということは、社員一人一人、特に多いのが営業からの精算だが、領収証の改ざんなどが行われていないかのチェックが出来る。
売掛金、買掛金というのはつまり取引先企業から支払われるお金と、逆に花沢物産が支払ったお金の管理だ。
未収入金、未払金も同じことで、そこでは架空の取引先がないかの確認が必要になるのだ。
例えば株式会社〇〇のようにそれっぽい名前の企業があったとしても、口座名義が個人になっていたりする場合は要注意だ。
それならば、まだ違和感を持ち調べることが出来るが、口座名義も会社名を使われている場合、架空口座かどうかは分からない。
大企業であれば新規の取引先登録には、細心の注意を払っているはずだが、類が着目しているのはそこではない気がする。
寧ろ、昔からの取引先、まだそこまで厳しくなかった時代に登録され、未だに花沢物産からの支払いが続いている企業を中心に見ていこうと、自身の意見を述べた。

「結構、あんた仕事出来る人なんだな…」
「はっ?失礼ね…そりゃあたしだってずっと会社勤めしてたんだから、これぐらいのことは分かるわよ」
「しかも、普段は〝あたし〝なのかよ」

小バカにしたような態度ではあるが、そこに嘲りは含まれていないようで、怒りは湧いてこない。
つくしに対してストレスなく会話が出来ているところを見ると、これが彼の素なのかもしれないと思う。

「でも、それ相当な数の取引先があるだろ…。こっちで調べるには限界があるし、仕事中堂々と調べてるわけにもいかないから、経理部員なら見られる取引先登録リストを室長に見てもらった方が早い」
「そっか…そうだね。でも、どうやって?」
「実はちょっとPCに細工してある。監査室のPCと共有出来るフォルダを作ってあるんだ。そこにデータをコピーすればいい」

トーリとマニュアルに目を通しながら話していると、水原がお待たせと会議室へ戻ってくる。
ピタリと話を止めて顔を上げると、水原がつくしをジッと見ていた。
つくしはまさかドアの外に声が漏れていたかと、冷や汗が背中を伝うが水原の次の言葉に唖然とさせられる。

「牧野さん、営業部とランチの約束取り付けて来たから、お昼一緒に行きましょ?」


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around30→6

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「ね、ね、室長〜。つくしちゃんの恋人ってどんな人か知ってるんですか?」

つくしが化粧室に立った隙に、夕子が声を潜めて東出に耳打ちし聞いた。
東出は夕子との近い距離を対して気にもしていないようで、ふっと鼻を鳴らすと口角を上げた。

「恋人ね…。まぁ、そのうち会うこともあるかもな。お前も驚くような人だよ」
「え〜何その言い方!?余計に気になる!今教えてくださいよ〜!!」
「ほら、うちは少数精鋭なんだからやることはいくらでもあるんだよ。仕事しろ」

東出は興味もなさそうに話題を変えると、シッシッと夕子を追い払った。
夕子は口を尖らせながら、渋々と自身のデスクに戻り潜入先のデータを読み込んでいく。




監察室から潜入するためのスーツや眼鏡を持ち帰ったつくしは、子どもたちが寝たあとサイズ確認のために自室で着替えをしていた。

「ふーん、経理部っぽいね」
「類!お帰りなさい!うーん、やっぱりインナーはブラウスがいいかな…真面目そうに見えた方がいいよね…」

真面目に見せるためと、丈の長めなスカートにブラウスの一番上までボタンを留めて出社しそうな勢いだ。

「あまりダサくするのもどうかと思うよ。新入社員として行くわけじゃないんだから、一番上のボタンは外しておいたら?」

つくしはそう?と首を傾げて二番目までボタンを外した。

「2つは外し過ぎ。っていうか、つくしは監査室から服持って帰ってこなくていいよ。俺が邸に用意するから」

類がつくしの外したボタンを留め直して、少し離れて全体を見る。
しかし納得がいかなかったのか、口元に手を当て暫く考える素振りをすると、クローゼットへと入って行った。
監査室に置いてある服はつくしに合わせて作ったものではない既製品だ。
それなりの値段はするが、いつもつくしが類に用意してもらっている服とは雲泥の差の粗末なもので、つくしにとっては違いなど全く分からないが、類にとっては違うらしい。

「はい、これがいいんじゃない?」

クローゼットから戻ってきた類が手にしていたのは、色こそ地味であったがつくしのために作られたサイズぴったりの上質な代物だった。

「一介の経理部員が、こんなに高いスーツ着てるのおかしくない?だから、監査室の服は既製品にしたんでしょ?」
「だって、さっきの似合ってなかったんだもん。スーツの質なんて一介の経理部員には分からないから大丈夫じゃない?」

責任者は類であるのだから、類がいいと言うならばつくしは何も言うことはないが、大企業の役員を務める男が未だにつくしの前では、だってとか、だもんという言葉遣いをすることに苦笑する。

「そう?じゃあこれにしよ……って、類?」

つくしがジャケットを脱ぎハンガーに掛けようと手を伸ばすと、反対側の手を類に掴まれる。

「脱がしてあげる」
「えっ…」

類がつくしのブラウスのボタンを外していくと、煌々と明かりのついた室内につくしの白くシミひとつない肌が露わになる。
頬を染めて恥ずかしそうに俯きながらも、抵抗せずにじっとするつくしの足元にブラウスがハラリと落とされる。

「類…?」

ピンクのベビードールが色の白いつくしにはよく似合っていて、恥ずかしそうに胸元を隠し赤く染まった頬で類を見上げる様子は艶があり官能的だ。
類はソファにつくしを座らせると、背後から抱き締め背中に口付けた。

「…はぁ…んっ…」

チューブトップブラのホックを外し手を前に回し膨らみを触ると、ピンクのレースごしに突起が立ち上がってくる。

「…っ、る、い…ご飯は…?」
「今から食べるよ」
「あっ…はぁ…ん」

背中をペロリと舐めるとビクッと反応を示し、類にくったりともたれかかった。

「していい?」

胸への愛撫は止めずに耳元で囁くように聞くと、つくしは潤んだ瞳を背後の類に向け小さく頷くと類に口付けた。





初日ということもあり、つくしはトーリと勝手知ったる花沢物産正面玄関からロビーを通り受付に行く。

「本日から経理部に出向することになりました。牧野と松坂です」
「伺っております。5階になりますので、どうぞお上がりください」

つくしは軽く会釈をすると、エレベーターホールへ向かう。
トーリとは近くの駅で待ち合わせをしたが、その間会話は一言もなかった。
すでに打ち合わせも終わっている為、つくしも敢えて何も話さなかった。

まだ早い時間の為か、エレベーターホールには誰もいない。
つくしは寒くもないのに手をゴシゴシと擦り合わせると、大きく息を吸って吐き出した。

「緊張してんの?」

後ろから掛けられた低い声に、一瞬誰が喋ったのかと驚きキョロキョロと辺りを見渡すが、そもそもホールにはつくしとトーリの2人しかいないのだ。

「喋れるんだ…」
「あんた、俺のことなんだと思ってんの…」
「え、いや…ごめん。大嶋さんが人間嫌いって言ってたから…」

トーリのそれを思わせる態度にも問題があるとは思うが、これから始まる仕事のことを考えると今は波風立てるべきではないと、つくしは口を噤んだ。
トーリもそれ以上は何も言わずエレベーターに乗り込んだ。
つくしも一緒に乗り込むが、気がつくと強張っていた肩から力が抜けていた。

もしかしたら、トーリは緊張を解す為に話しかけてくれたのかもしれない。
幸先のいいスタートが切れそうだと、つくしは笑みを浮かべた。

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そして最近になって気が付いたこと、1日あたり平均700カウント!結構な人数の方が見てくださってるんだなぁと感激致しました!♪( ´▽`)




情事の後、つくしを腕の中に抱きながら肩より下に伸びた長い髪を梳くように撫でていると、些か心配していた監察室メンバーとの顔合わせについてつくしが話しだした。

「室長の東出さんも変わった人、っていうか…なんか飄々としてて西門さんと話してるみたい。まぁ、あんな女たらしじゃないとは思うけど」

話をしながらも相当眠いらしく、目を擦りながら類に身体を預けてくる。

「つくしの見る目は確かだね…女たらしであってるよ」

上がってきた調査書によると、一夜限りの相手は数知れず、しかし女性とのトラブルが一度もないことから相当上手く遊んでいるようだ。

「ふうん…」

つくしは類の言葉に不可解そうに答えるが、そこまで気にすることでもなかったのか一つ欠伸をして、類の胸に顔を摺り寄せた。

「何か言いたそう…何?」
「え、ううん…珍しいなと…思った、だけ…」

迫り来る眠気に勝てなかったのか、類がつくしに聞いてもボソボソと答え首を振り目を瞑ってしまう。

珍しい…?
東出のような遊び人を室長としたのが?

あぁ、それともーーーー。

「つくしも俺の性格、よく知ってるね。俺がああいう男をつくしの側に置くのが不思議なの?」

類はフッと幸せそうな笑みを浮かべて、本当に寝入ってしまいそうなつくしの耳朶に噛み付くと、気持ち良く行為の余韻に浸っていたつくしがビクリと動く。

「な、なにっ…ビックリした」
「化粧したまま寝るのダメなんでしょ?絶対起こしてってこの間言ってたじゃん」
「あ、そうだ!メイク落としてくる!類もお風呂入る?」

つくしは慌ててベッドから降りると、シャワー室へ向かう足を止めて類に聞いた。

「何、一緒に入っていいの?」
「そんなわけないでしょっ?あたし隣のシャワー使うから、類はちゃんとお風呂浸かってね」
「はいはい」

類が東出のような男を室長にしたのは、もちろん能力的なこともあったが、つくしに手を出し類の怒りを買うような割に合わないことをする男ではないからだ。
損得で動く男だからこそ、それなりの地位と出世を約束すれば道理に反することはしないだろう。





内部監察室へと出社すると、昨日と同じく東出がすでに出社していた。
真面目…には到底見えないが、遊び人の割には時間はきっちり守るタイプであるのか、マメだから遊び人が出来るのかは不明だが、つくしの中で時間を守れる人間はそれだけで信用するに値した。

「東出室長、おはようございます。早いですね」
「おはよう。牧野は昨夜はお楽しみだったようで…」
「へっ!?」

東出が自身の首をチョンと指で突くと、思い当たることがあり過ぎるつくしは首元を手で隠した。

「ちょっと…化粧室行ってきます」

化粧ポーチを片手につくしが席を外すと、夕子とトーリが連れ立って出社したところどった。

「あれ、つくしちゃんどこ行くの?」
「ん〜キスマーク隠しに化粧室」

つくしは夕子の問いに曖昧に笑って通り過ぎようとするが、サラリと東出に暴露されてしまい、思わず上司を睨みつける。

「へぇぇぇ〜やる〜!!」

夕子は意外そうに目を丸くし、トーリはまるで興味なさそうに自分のデスクに座った。
夕子のように興味津々の視線を向けられるのも何だが、トーリとは暫くペアを組むことになるのだ。
あまり会話が成立しないのもどうかと思う。

つくしは、ジャケットの下を丸首の白いインナーにしたことが失敗だったかと鏡を見ると、耳の下あたりに赤い痣のようなキスマークが見える。
長い髪をアップにして出社したのは、類に言われたからだが、東出を牽制してのことなのではないかと思うぐらいには、類から愛されている自覚はあった。
そんな束縛を何年経っても全く嫌だと思わない自分も、おかしいのかもしれないが。

「髪はさすがに下ろしておこうかな…」

化粧ポーチからコンシーラーを取り出すと、首元をコンシーラーでトントンと念入りに叩く。
肌の色と同じぐらいに隠せたことを確認すると、ついでに唇にリップをひいて部屋へと戻った。

「つくしちゃん!来た来た!来週からの潜入場所決まったよ。室長と私はここでバックアップ、潜入はつくしちゃんとトーリだって!」

化粧室から戻ると夕子が手招きして、つくしを呼ぶ。
多分、自分の気持ちに素直なだけで、悪い子ではないのだろう。
類が夕子の東出に対する恋心を知るはずはなく偶然とは言え、このタイミングでキスマークを見られたのはかえって良かったのかもしれない。
仕事に影響が出なければいいと、少なからず夕子との関係に不安を抱いていたつくしだったが、すっかり疑惑が晴れたことは夕子の昨日とは打って変わったような本当の笑顔が物語っていた。

「初の潜入だからな。気を引き締めて。でも、無理はするなよ。周りに不審に思われるような目立つ行動もするな」
「期間はどれくらいですか?」
「3ヶ月、だそうだ」

潜入中の連絡方法などのマニュアルは紙で残すわけにはいかない為、覚えたら全てシュレッダーにかける。
監察室にあるセキュリティレベルのかなり高いコンピューターでデータは管理され、潜入チームが送った報告を元にバックアップチームが調査をする体制となっていた。

「分かりました」
「つくしちゃん、今回の変装はこんな感じでどう!?」

夕子が壁いっぱいに掛かっている服の中からグレーやベージュの地味なスーツを何着か手渡し、縁なしの度の入っていない眼鏡をつくしに合わせる。

「うん!いいね!知的な感じするし〜髪はそのままでいっか」

夕子がスタイリングに満足したように頷き東出の判断を仰ぐようにチラリと視線を向けた。

「おっ、いいじゃん!牧野、立派な経理部員っぽいな!トーリはそのままいけんだろ」
「ですかね?じゃあこれで行きます。何も出なければいいですね」

元々人の良いつくしは、はなから疑ってかかることなど出来そうもない。
疑惑があるのなら、疑惑を晴らす為に調査をするのだという気持ちで始めてみようと思っていた。

「そうだな。それが一番だ…じゃあ、牧野、トーリよろしく頼む」
「はい!」


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部屋に戻ると、つくしを横抱きにかかえて寝室のドアを開ける。
突然のことに何が起こったか分からないつくしは、足をバタつかせて類の肩を叩いた。

「ちょっ…なに!?」
「何って、つくしが誘ったんでしょ?」
「誘ってない!」
「あんな可愛い声で、部屋に行こって言われたら男はそう思うよ。まぁ、元々そのつもりだったしね」

フッと笑って悪びれなく言う類は、高等部の頃の少年っぽさが抜けて、元々の端正な顔立ちはそのままに大人の男へと変貌した。
しかし、長年の付き合いになるつくしにだけは、時折全く変わっていない子どもっぽさを見せるのだ。
つくしが納得いかないような顔で類を見上げると、大の男が首を傾げる動作をする。

「俺とHするの嫌?」
「嫌とかじゃ…ないけど…」
「ふーん、じゃあしたいって言わせてあげる」

つくしをベッドに寝かせると、羽織っていたショールを肩から落とし部屋着として来ている、シルクの丈の短いネグリジェから覗く足を撫でた。

「ひゃ…ぁ」
「つくし、女になったよね…昔の純情なつくしも好きだったけど、今はもっと好き」
「な…にが…っ、ぁ…ん」

足首を持ち上げられて甲からふくらはぎまでを舌で舐められると、感じやすい身体は容易く類を受け入れられるようになってしまう。

「はぁっ…ぁ…ん」

これから起こることを十分に分かっている身体は、前戯などなくとも潤い期待に震えていた。
肩紐をずらし類の手が胸元を探るとピンと立ち上がる突起がシルクのネグリジェを下から持ち上げていた。
ネグリジェごと突起を口に含むと、湿った布地が胸にピタリと張り付いた。

「も…やぁ…」
「もう…嫌?」
「んん…ぁ…類…っ」

摩擦で突起が益々固く尖り布ごしに主張し始めると、つくしはもどかしげにシーツを足でかくように動かす。
しかし類の問いには答えることは出来ずに、頬を染め潤んだ瞳で睨むように見上げた。
類は素知らぬ顔で愛撫を続けショーツの上から指で撫でるように動かすと、そこはヌルリとした愛液が溢れていた。

「俺が開発したんだって思うと堪んないね…ほら」

類は濡れた指先をつくしに見せつけるように翳すと、つくしはイヤイヤと首を振った。
深く快感を得られる場所には触れずに、ショーツを撫で続けると、トロトロと愛液が太ももを濡らしていく。

「もぅっ…る、い…あぁぁっ、おねがっ…」
「ちゃんと言わないとしてあげないよ?」

つくしの潤んだ瞳からポロポロと涙が溢れる。
しかしそれが快感のもたらす涙だということを熟知している男は、指を止めることなく焦らすように快楽を与え続けた。

「類…る、い…ぁん…もぅっ、ちゃんとして?」
「したい?」
「ん…もう…っ、挿れて…んっ。ダ、メ…イッちゃい、そ…っ」

つくしは一瞬宙を見ると、小さくビクビクと身体を痙攣させて恍惚とした表情した。

「これだけでイッちゃったの?」
「はぁ…はぁ…ん、だって…も、我慢、できな…い」
「俺とHするの、好き?」
「ん…好き。お願い…も、して?」

普段類にも滅多に見せることのない甘えた表情で、瞳をトロンとさせながらも服の上から類の下半身を撫でる手付きは、つくしがそれなりに行為に慣れていることを示している。

「こんなにHな身体にしたのは俺だけど…俺の出張中とか浮気しないでよ?」
「するわけ…ないでしょ…っ」

実際に浮気されるかも、などと思っているわけではなくとも、これだけ美しく女の顔をするようになった妻を、他の男が放っておくはずはないのだ。
出来れば、邸の中で子どもたちと過ごし類の帰りを待つような生活をして欲しかったが、働くことが好きなことをもちろん知っているし、生き生きとしたつくしを見ていたいとも思う。
しかも、今回の部署への配属を決めたのは他でもない、類なのだから。

「そうだね…」

類は自身の服を脱ぎ捨てると、つくしの足を大きく開き上から覆い被さった。
もう何度行為に及んだか数え切れないが、何年経ってもつくしのそこは類の性器にピタリと隙間なくはまり、飲み込まれるような感覚を覚える。

「んんーーーっ!」

指で中を慣らさずに焦らされた分、キュウキュウと類の性器を締め付け軽く達したばかりの秘部は痙攣するように蠢いていた。

「はっ…すご…中ヌルヌル」
「ダメっ…まだ、動いちゃ…あっん」
「良すぎて待てない…動くよ…っ」
「あぁぁっ!あ、あっ、やぁん!」

ズッ、ズッ、と激しく腰を揺さぶると、ビリビリと電気が走ったように震えている身体に更なる快感を与え高みに昇りつめていく。

「はぁ…っ、くっ…」
「類っ…あぁっ、ん、気持ちいっ…」

結合部からトロトロと絶え間なく2人の混ざり合った体液が流れ出ると、類が腰を打ち付ける度にヌチャヌチャといやらしい音が室内に響いた。

「はっ、あ、あ、ん…あっ、また…イッちゃう…も、ダメぇ…ん」
「ん…じゃあ、一緒に…ね」

つくしの足を肩に掛けると、より深く繋がっていく。
深く奥を突くように激しく腰を打ちつけると、類の腕を強く掴み快感を散らすように首を左右に振った。

「あっ、ん、はぁっ…も、イイ…っ、んーーーっ!」
「……っ」

つくしの身体が大きくビクビクと波打つように震え絶頂に達すると、類もつくしの中に熱い欲望を吐き出した。


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つくしが初日の挨拶と、来週からの潜入先の打ち合わせを終えて邸に帰ると、邸内を勢いよく走る音が玄関に近付いて来る。
つくしは、表情を崩すとふふっと声を立てて笑った。

「お母さーん!お帰りなさい!!今日ね〜まこね英語とピアノのレッスン頑張ったんだよ〜」
「お帰り〜お帰り〜!!しんもね、英語とピアノ、まこよりも上手に出来たよ!」
「まこもっ!しんより上手に出来たよ!」

同じ顔をした幼さの残る少年2人が、同時に話を始めるとつくしの手を取ってリビングへグイグイと引っ張っていく。
この4月から英徳学園の小学部に入学した、まさしくピカピカの一年生だ。
類とは高校を卒業すると同時に結婚し、20歳の時に2人が産まれた。
結婚するまでも、結婚してからも紆余曲折あったが、それらを乗り越えて今がある。
つくしが英徳大学を卒業出来たのも、類と結婚していたおかげである。
小さな乳幼児を抱えながら勉強をするのは並大抵のことではなかったが、類も邸で働くたくさんの人々も、つくしと子どもたちのために協力を惜しまなかった。
大学在学中に就職活動するほどの時間はなく、類はつくしが家にいることを望んだがそれでは何のために大学で必死に勉強したのか分からないと、あきらのツテを頼りお金のためではなく、自分の為に働きに出た。
しかし定時で帰っていたとはいえ、子どもたちに寂しい思いをさせてしまった自覚はあるが、そのことで幼い子どもたちがつくしを責めることはなかった。

そして前の職場を退職してから3ヶ月は、邸で仕事の準備をしていた為に、2人が幼稚舎から帰った後は遊ぶ時間をゆっくり取ることが出来た。
花沢での仕事を始める前にも残業はしないという話はしてあり、これからも毎日6時前には帰って来ることは出来る。

しかし、この3ヶ月つくしが子どもたちにお帰りと言えていた分、真も心も寂しさがあるのだろう、つくしの手をギュッと握って取り合うようにケンカが始まった。
双子故に、考えることも行動も全く同じなのだなと、愛しい我が子との大切な時間を過ごす。

「2人とも頑張ったんだね。順番にお話聞かせて?じゃあ今日は真からね」




花沢邸では、邸の殆どがパーティなどで人を招く時以外は使われていない。
類は起きている時も寝ている時もつくしが側にいることを望むし、つくしがそれを容認していることで、20畳ほどの類の自室と隣接する、夫婦の寝室と子どもたちの寝室、その3部屋で生活が出来ていた。
ある時類がそのことに気付き、″俺、貧乏生活出来るかも″などと漏らすぐらいに、ある意味親密な夫婦関係で親子関係だった。

それも、真と心が幼稚舎に通っている3月までで、さすがに小学生になってからは一人一人の自室を与え、寝かしつけなど特にしなくてもおやすみなさいの言葉で寝るようになった。

子どもたちが寝静まると、途端にシンと静かになる邸内、つくしが自室で時計を見るとすでに9時近くだ。
類が帰るまで仕事の資料でも読むかと鞄を取りにクローゼットへ向かうと、つくしの携帯がメールの着信を告げる。

「あ、類かな…」

メールを確認すると、やはり今から帰るという類の連絡で、お疲れ様とメールを返すとつくしは軽く化粧直しをし玄関に向かった。

邸から本社までは車でも10分かからない程度で、類はいつも車に乗り込んでからつくしにメールを送る。
類のお抱え運転手からも社を出発した旨の連絡が同時刻に来るのだが、結婚した当初、つくしは運転手からの定期連絡で類の帰りを知りお疲れ様でしたとメールしたのをキッカケに、毎日類から直接メールが入るようになった。
使用人頭の佐原は、お疲れ様メールが余程嬉しかったからなのではと言い、他の使用人たちにも、類が結婚9年にもなろうという妻を新婚の時と変わらずに大事にしていることは常識として伝わっているらしい。

つくしが1階のホールへ出ると、ちょうど窓から車のヘッドライトが確認出来た。
毎日の類の出迎えに使用人は出てこない。
エントランスに使用人が並んだのは、つくしが真と心を出産し入院中の間だけだったと聞く。

「お帰りなさい」

何年経とうが相も変わらず綺麗という表現の出来る夫に、未だに初恋のような感情を覚え胸が高鳴る。

「ただいま。2人は…?」

当たり前のように玄関先でつくしを抱き締め唇にキスを落とす類だが、結婚当初は使用人達の前で何度もされ慌てふためくつくしを揶揄うのが類の楽しみであったようで、つくしがあまりに見られることを嫌がる為に、使用人を控えさせたのだった。

「ついさっき寝たよ」

チュッ…チュと啄むような口付けを繰り返し、つくしが縋り付きたくなるところで玄関先のキスは終わりを告げる。
それはいつもの日常で、この場合続きは後でということを意味していた。

「ご飯…食べた?」
「今日接待だったから美味しくもない食事だったけどね」

そして類が玄関の鍵を自分で締めるわけがなく、いつも戸締りは類の帰宅後につくしと部屋に戻ってから、他の使用人たちの手によって行われる。
しかし、いつまでも玄関先でラブシーンを繰り広げられていたら、いつ出て行こうかとタイミングを伺っている使用人たちに申し訳なく、つくしは抱き付いたままの類に周りに聞こえない程の小さな声で部屋に行こうと誘った。

何をどう捉えたのかつくしには分からなかったが、類がつくしの手を取り嬉々として部屋へ帰ったのは言うまでもない。


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around30→2

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花沢物産地下1階ーーー。
内部監察室には部署名を表すプレートもなければ、社内の案内板にも載っていない。
もちろん、花沢物産の社員として雇うわけにはいかず、わざわざ別会社を立ち上げそこからの出向という程を取っていた。

つくしはビルの非常口から周りを確認しつつ、暗証番号を解除しドアを開けた。
中に入ると、階段の踊り場に出られるようになっていて、奥にはもう1つのドアがありそこを開けるとロビーへと出られるようになっているのだが、出社時に内部監察室の人間がそのドアを開けることはないだろう。
つくしは地下への階段を降りると、踊り場から廊下へ出るためのドアを開けた。
そこは想像とは裏腹に真っ白い壁と煌々と点いた灯りが通路を明るく見せてくれていた。
普段は使っていないと言っていたから、もっと物で溢れているかと思っていたが、客を通すことなどないはずなのに壁には絵画が何枚も飾ってあり、絨毯は会社とは思えないホテルの廊下に使用されているような厚みのあるものだった。

初めは冗談かと思ったが、類から聞いた話によると社長室っぽいドアのある場所が監察室が入る部屋だということだった。
今、まさしく目の前にあるドアを見た時、役員の部屋みたい…と思ったものだが、他の片開きドアと違いこのドアだけが両開きとなっているのだから、類の言う部屋はここだろうと、つくしはドアに付いている暗証キーを解除すると恐る恐るドアを開けた。

「おはようございまーす…」

中に足を踏み入れると、会社という表現が似つかわしくない、一応デスクはあるものの部屋は物凄い数の洋服やスーツにカツラ、その他の小物で壁一面が埋まっていた。

「な、なにこれ…凄い」
「変装用の服だよ。専務が用意した」
「うわぁっ…ビックリした…あ、おはようございます。牧野と申します」

突然背後から話しかけられて、つくしは驚きで肩を震わせた。
凄まじい数の衣類に目を奪われ、人がいたことに気が付かなかったのだ。

「俺、室長の東出っていいます。よろしくね、専務の奥さん」
「ちょっ…」

つくしは慌てて東出の口を手で塞ごうとするが、つくしの動きをするりと躱して一歩後ろに下がった。

「まだ誰も来てないから大丈夫だよ。牧野さん?」

室長である東出という男は、飄々としていて掴みどころがない。
30歳前後だろうか、よく見ると整った万人受けするような顔立ちをしていて、悪く言えばどこにでもいそうな目に付きにくい相貌をしていた。
この仕事においては、目立たず覚えにくい顔だちは非常に重要とも言える。

そういえば、監察室のメンバーにはどこまで類とつくしの関係を話しているのかと確認するのを忘れていたが、室長である東出がつくしのことを知ってくれているのであれば心強い。

「今日からよろしくお願い致します」
「こちらこそ。たった4人だけの部署だし仲良くやろう」

東出が手を差し出すと、つくしもそれに習って握手をした。

「あ〜室長!手握ってる!セクハラじゃな〜い?」

ロックの解除の音と共に開けられたドアと騒々しい声が室内に響く。
つくしは手を離すことも忘れてドアから入ってきた女性を凝視した。

長い髪が緩く巻かれ、目を引く美人というわけではないが、アイドルのような可愛らしさがあり笑くぼと八重歯が特徴的だ。
きっと普段はミニスカートとニーハイ、10センチを超えるヒールを難なく履きこなすのだろうなと想像に難くないが、今日は出勤服としては妥当な黒のスーツを着ていた。
女性の年はよく見たところで全く分からないが、つくしと同じくらいか少し若いぐらいだろうか。

「初めまして!大嶋夕子です!ゆうこりんって呼んでね!」

東出を追いやると夕子はギュッとつくしの手を握りブンブンと振り回した。

「牧野です…よ、よろしくお願いします」

ニコニコと絶え間なく笑顔を作る夕子だが、その体の細さとは裏腹につくしの手は痛いほどに力強く握られていた。

「…っ、あれ、あと1人いるんですよね…?」

つくしはパッと自分から手を離しキョロキョロと見渡すが、就業時間を過ぎているもののまだ来ていないらしい。
初日から遅刻かと、先行きに不安が広がるがこの少ない人数で部署を存続させていかなければならないのだ。

「さっきからここにいるじゃない?」

夕子とつくしが立って挨拶をしていたすぐ後ろのデスクにすでに座り、コーヒーを飲んでいる1人の男性。
黒縁眼鏡を掛けた男は表情なく時折目の前のパソコンを操作している。
夕子がここと指差すが、自分の話をされていることに気付いていないのか、気が付いていて無視しているのか、3人には目もくれずに黙々とコーヒーを飲んでいる。

「彼は、松坂統理。トーリって呼んでね!あんまり人間に興味ないみたいで、恋人はパソコンなんだって」
「誰がんなこと言った……」

夕子に視線を向けることなくボソリと低く呟く男に、夕子の言う人間に興味ないは本当かもしれないなとつくしは吹き出しそうになり、口元を押さえる。

「じゃ、これで全員揃ったな。一応ここの責任者は専務だが、立場上ここには来れないこともあり俺が代わりの責任者として一任されている。潜入中は地下には来ないこと、全ての報告はパス付きのメールを俺宛に送ること。あとは、ペアで必ず潜入してもらう、その時々で変えるが様子見で俺と大嶋、牧野とトーリでやってもらえるか」
「やったーっ!室長と一緒だ〜」

東出が言うと、夕子は諸手を挙げて喜びトーリは小さく頷くだけだった。
夕子の室長への態度や、つくしに向けた微かな嫉妬心からそういうことかと納得する。


***

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around30→1

around30→1
少しずつ設定小出しにしていくので、4話くらいまではネタバレしないように気をつけまーす(*^o^*)
そしてご心配お掛けしました〜色々と落ち着きました!m(_ _)m



小さな綻びが、後に大きな傷となる。
その為に必要なことーーー。


ここ何年か企業間で大きく話題になった個人情報流出、横領、残業代不正受給、架空請求、それらは大手企業である花沢物産本社でも余所事ではなかった。
上にいる人間には情報すら上がってこない小さなものから、上層部が関与している疑いのあるものまで様々だ。

1年ほど前に株主総会での選任決議を受けて、類は花沢物産の専務へと就任した。
そして、手始めに行ったことは新しい部署の新設だった。
おおっぴらに行えばあぶり出すことの出来ない膿があり、それらを秘匿裏に処理するためには事情を知らない人間が多い方が都合が良い。
その部署について知るのは、現社長である類の父と類本人、あとはメンバーだけである。

秘匿性の高い部署、それが内部監察室であったーーー。




花沢の邸でつくしは、類と小さなテーブルを囲み某有名店のフルーツロールに舌鼓を打っていた。

「本当にいいの?隠さないといけないんだよ…俺との関係も」

類は一口食べて生クリームの甘さに顔を顰めると、フォークを置いて紅茶を口に含んだ。
そしてお皿ごとつくしの方へ押しやると、つくしは嬉々として2つ目のフルーツロールを食べていく。

「だって、必要なことなんでしょ?良かった、前の会社でいろんな経験積んでおいて」

今年27歳になるつくしは、類と同じく英徳大学を卒業、その後訳あってあきらのツテで商社へと就職した。
そして、類たちF4のおかげで英語、フランス語、中国語は完璧であり、ビジネスにおいても新入社員時代から有能だと噂される程であったつくしが、商社を退職したのは3ヶ月前のことだ。

類が新設部署のメンバーを集めていることは本人から聞いて知っていたが、花沢の仕事につくしを巻き込みたくないと常々言っている類から、直接手伝って欲しいと言われた時には驚いたものだ。
しかし、頼ってくれるのを嬉しく感じたのもまた事実で、つくしはあっという間に前の職場に退職願を出したのだ。

「悪いとは思うけど…正直助かるよ。他のメンバーは俺が集めた。もちろん身辺調査は済んでるから信用していい。あとは部署の場所だけど…本社内の地下になるんだ。社員と顔を会わせるわけにいかないから、社員通用口とエレベーターは使用出来ないのを覚悟しておいて」
「部署への潜入中も?階段で行くの?」

事前に読んでいた資料によると、内部監察室と言ってもデスクワークをするわけではなく、実際にその部署に関連会社からの出向として配属され内密に調査を行うのだ。
人事部、総務部などは同じ階で隣り合っている為に、1人のメンバーが同時に調査するか、もしくは別のメンバーが入ることになっていた。
花沢物産のあらゆる部署が対象になるらしく、30階建てのビルの移動にエレベーターが使用出来ないというのはかなりキツイのではないかとつくしは心配になった。

「いや、それなりに変装してもらうし、監察室の地下に降りる時は階段になるけど、潜入先へはエレベーターで大丈夫だよ」
「うん。分かった。来週からか…まずはメンバーとの顔合わせよね。緊張する〜」

つくしは類が残したロールケーキの最後の一口を頬張ると、緊張すると言いながらもケーキの美味しさに目を細めて笑っている。
仕事の内容については緊張しないのかと、類は苦笑を漏らすが確かにつくしぐらい肩の力を抜ける方が潜入調査は向いているのかもしれないなどと思う。
仕事はそこそこに調査をして欲しいのだが、つくしは仕事も目一杯しそうだ。
類としては、自身の仕事につくしを巻き込みたくないというのが本音であったが、ただそこに立っているだけでも一際目を引く類が本来の仕事を放って動くわけにもいかない。
そして、実はどんな仕事をさせても器用で簡単に人の懐に入り込めるようなタイプの人間は、類の知る限りつくしだけだったのだ。


***

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いつか好きだと言って 17最終話

いつか好きだと言って 17最終話



朝学校に着くと、つくしは類がいつもF3たちといるカフェテリアへと向かった。
ホームルームの始まる時間までにと、そう余裕があるわけではない。

勉強をしに学園に来ているわけではない彼らは、一体朝早くから何をしに来ているんだろうとつくしは不思議に思っていたが、つい先日その謎がやっと解けたのである。

つくしがいつもの非常階段へ行くと、類が眠そうに船を漕いで壁にもたれていた。
学校に来ても昼寝ばかりしているなら邸で休んだらいいのにと寝ている類に声を掛けると、邸に帰ったら休ませてはもらえないから学校に来て休んでるんだよ俺たちは、とつくしに言ったのだ。

そう言えば、つくしに会うために寝る時間を削って仕事をしていたのだと聞いたばかりで、類の答えは重責を背負う運命の彼らの立場を思い出すには十分で、つくしとしては複雑な思いであった。


一流レストラン並みのメニューがショーケースに並ぶ英徳学園のカフェテリア。
2階席とは言っても、そこは一般の生徒が足を踏み入れていい場所ではない。
誰が言ったのか、誰が決めたのかは知らないが、2階席全てがF4ラウンジとして利用されF4の許可があるもののみ入ることが許されるらしい。

朝からカフェテリアにいるのは彼らぐらいで、誰にも見られずに済みそうだとつくしは螺旋階段を上った。

「牧野!」

階段を上がってくるつくしが見えていたのか、中央に位置するテーブルから類が片手を上げつくしを呼んだ。

「類、おはよ……あ、あの〜」

類に笑いかけると、恐る恐るつくしは司に話し掛けた。

「あ…?なんだよ」
「あのっ、このあいだはありがとっ!はい、これ!!」

そもそも、はなから司に用事があってカフェテリアを訪れたのだ。
しかし司を前にして半端ない威圧感にたじろぐあまり、年上に対して敬語で話すことすら忘れてしまった。

「牧野?何それ?」
「え、あ〜、お弁当。あたしの思い付くお礼ってこういうのしかないもん」

途端に機嫌が悪くなったのは類で、確かに司に対して迷惑をかけたことでお礼を言いたいからと言ってはいたが、弁当まで渡すとは聞いていない。

「ふっ…」

司が類とつくしを交互に見て鼻で笑うと、類の機嫌は益々下降する一方だ。

「司にそんなの渡さなくていいよ。いつもそういうの貰っても食べないし」

類の言葉は嘘で、司に対してお弁当を手渡し出来る強者などこの学園にはいないことが事実であった。
しかし、もし貰ったりしても食べないだろうことはF3共通の認識として間違ってはいない。

「あ、そうなんだ。……じゃあ類も食べないよね。お昼一緒にって思って類のもお弁当作って来たんだけど…」

つくしはあからさまにがっかりした様子で、類を上目遣いに見る。
そんな2人の様子を面白そうに見守る3人の男たち。

「俺が食べるから、司にはあげなくていい…。ほら、牧野行こ。授業始まるよ」
「いや、俺も貰っとく。お礼、なんだろ?」

司の言葉に類の目が鋭く光るが、つくしには見せたくない表情であったのか、一瞬でいつもの優しげな顔に戻った。

「う、うん。ご迷惑お掛けしました」

つくしは頭を下げると、類に引き摺られるようにカフェテリアを後にした。

「あいつ、初恋かっての。たかだか弁当で嫉妬って、な」
「司…おまえマジで食うの?それ」





「る、類っ?どこに行くの?」

授業が始まるから…と言ったはずの男は、つくしの手を引いたまま無言で校内を歩いて行く。
2人のデート場所とも言える非常階段のドアを開けると、後手にドアを閉めた。

「類…?どうしたの?」
「あいつらに愛想振りまかなくていいから」

つくしを腕の中に強く抱き締めると、不思議そうに類を見ていたつくしも類に身を任せた。

「愛想って…」
「俺以外に笑わないで、俺以外に話しかけないで…って言ったら引く?」

類と身体の関係になっても、じゃあ恋人になりましょうというわけではなかった。
多分、類はつくしからの言葉を待っているのだろうと思う。
答えはとっくに出ているのだが、そのタイミングが掴めないまま1週間が過ぎてしまったのだ。

「引くわけないでしょ…っん、ふっ」

唇を塞がれると、いとも簡単につくしを陥落させる。
あれから、何度もキスはした。
学園や帰りの車の中で、互いに気持ちが昂っているのが分かるのに、類はそれ以上の行為はしなかった。
一度快感を知ってしまった身体は容易くキスだけで反応を示し、類もそれに気付いているはずなのに。

これじゃ、あたし淫乱みたい……。

「ん、ん…っ、はぁっ…ん」

つくしは背筋を這い上がってくるゾクリとした感覚に身震いすると、堪らずに類の腕をギュッと掴むが唇は呆気なく離された。
名残惜しそうに潤んで熱を帯びた目を類に向けると、予想外に真剣な目を向けられる。

「好きだよ。もう何度も言ってる…いい加減、俺のこと好きだって認めなよ」
「う……」
「もう、ずっと俺しか見てないって…」

類に気持ちを伝えるなら今だと言葉を紡ごうとするが、何と言っていいかも分からずに類を見つめたまま口をパクパクとさせた。

「仕方ないな…まぁ、いいや。いつか、ね」

類は抱き締めたつくしの顎を上に向けゆっくりと顔を近付けると、つくしもキスの予感の期待からそっと目を閉じた。

類とのキスは好き。
いつも翻弄されてわけ分からなくなってしまうけれど、物欲しそうに自分の唇をなぞってしまうことがあるほどに。

しかし、いつまで経っても降りてこない唇につくしが不審げに目を開けると、類が薄く笑い、自身の唇に人差し指で触れる。
その仕草があまりに自信に満ち溢れていて、つくしの気持ちは言わずとも知れていることに気付いた。

「……っ」
「好きだって言って」

じゃないとキスしないよ?

類の瞳はそう言っているが、言葉にしてしまえば、溢れ出して止まらなくなりそうで怖い。
しかし、それよりも今目の前にいる愛しい人に触れたくて、堪らずにつくしは口を開いた。

「す…好き……かも…」

類は次の瞬間嬉しそうに笑い、つくしの唇を深く塞いだ。



司は邸に戻る車の中で、弁当の蓋を開けると見たこともない食材が小さな箱の中に所狭しと並んでいた。
物珍しそうにそれらを見ると、綺麗な所作でその1つを口に含む。

「なんだ、これ…クソまじぃ…ふん」

そう言いながらも何1つ残すことなく全て食べ終わり、元どおりに弁当の入っていた袋へと戻す。
司には到底似つかわしくないファンシーな弁当袋を大事そうに持つと、司はフッと唇の端を上げ類に笑いかけていた女の顔を思い出した。


fin

皆様応援ありがとうございました。
このお話を書いている時、本当に色々とありましたが書くことがストレス発散にもなりほぼ毎日更新頑張れました〜!
次のお話はaround30というタイトルです。
こちらはリクエスト作品ですが、設定考えてたら楽しくなっちゃって、またいらんこと盛り込みそうです∑(゚Д゚)


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いつか好きだと言って 16R

いつか好きだと言って 16R


類がベッドに横になったまま手を取ると、つくしはピクリと手を震わせ、類の手をキュッと握り返した。

「心配してくれたんだ?」
「そ、そりゃするよ!突然、来なくなるし…」

静のこともメールでただの友人だと知り、やはり類の口から直接聞きたかったこともあるのだが、それよりもつくしが類にただ会いたかっただけかもしれない。

「寂しかった?」
「………ん」

つくしは頬を染め小さく頷くと、握ったままの類の手を離そうとするが、逆に引き寄せられてしまう。

「ぶっ…あんた顔、真っ赤…ははっ」
「もうっ、熱あるんでしょ…喋らなくていいからちゃんと寝てて」
「寒い…一緒に寝て」

類が掛け布団を捲りベッドをトントンと叩くと、つくしが驚いたように類を見た。

「え…」
「嘘だよ」

そこまで上手くいくはずはないかと、捲った布団を元に戻そうとするが、つくしが類の隣にゴソゴソと入ってくる。

「牧野…襲うよ…?」
「熱でグッタリしてる人になら勝てるから大丈夫」

つくしが横を向く類の胸にコツンと額をくっ付けると、類がつくしの首の下に腕を入れ包み込むようにつくしを抱き締めた。

「これって拷問なんだけど…」

互いの香りが近くに感じられるほどの距離に、絡ませた足の間から類の熱が伝わる。
モゾモゾとつくしが足を動かすと、類の身体がピクリと動いた。

「牧野…頼むからあんまり刺激しないで?ほんとに襲われたくないでしょ?」

類にとっては会えなかった3日分、男としての色々な事情があるのだ。
しかも調子の戻った身体の欲するものは1つで、腕の中につくしがいるだけで心臓が大きい音を立て触れられた場所が熱を帯びる。

「お、襲って…いいよ…」

つくしが隠すように類の胸に顔を埋めるが、耳まで真っ赤に染まっていて胸に置かれた手も少し震えていた。

「ったく…俺があんたのことどんなに抱きたいか分かって言ってる?止められないよ」

類はちょっと待っててとつくしをベッドに残すと、シャワールームへ入って行った。
その間ポツンと残されたつくしはどうしていいかも分からずに、自身で言った言葉の恥ずかしさもあり帰ってしまおうかと悩んでいるうちに、まさに烏の行水で5分も経たずに類がシャワールームから出てきた。

「帰ってるかも…って五分五分だったんだけど…」

頭をタオルで拭きながら、バスローブを着た状態で類がベッドに近付くと、つくしが真っ赤な顔でベッドに座り込んでいた。

「な、なんで、あたしの考えてること分かるの?」
「さぁ、なんでだろ…脱がしていい?」
「シャ、シャワーとかっ…」
「あとでね」

つくしの返事を待たずに、制服のリボンを外しシャツのボタンを1つずつ外していく。
震えているのは空調の効いた部屋のせいではないだろう。

「多分…優しく出来る」
「なっ、なに多分って!もう…」

類が真面目な顔で言った言葉が、つくしのツボをついたのかぷっと吹き出すと、緊張が取れて肩から力が抜けた。

「俺だって、そんな余裕あるわけないでしょ…ほら」

類は胸の真ん中につくしの手を当てると、そこは同じくらいドクンドクンと音を立てていた。
つくしのシャツとブラジャーをベッドの下に落とすと、まだ窓からの入る日差しだけで十分に互いの素肌の色さえもハッキリと見えてしまう時間で、つくしは恥ずかしそうに手で胸元を隠した。
類もバスローブを脱ぎながら、つくしと唇を深く合わせていく。

「ふっ…ぅん…んっ」

つくしが羞恥心で我に返らないようにキスだけで快感を引き出し、その隙にスカートのホックを外し足から引き抜いた。
舌で歯列をなぞると、おずおずとつくしも舌を絡ませてくる。
覆い被さる類の唾液がつくしの口内に流れるとコクリと音を立てて自然に飲み込む。
それでも飲み込みきれなかったものが、口の端から流れ出ると顎を伝い首筋を濡らした。
類は流れ出た唾液をすくい取るように、首筋を舌で愛撫すると、類の背中に回るつくしの手が震えた。

「あっ…ん…はぁ…」
「首、気持ちいい?」

類が聞くと恥ずかしそうにフルフルと首を振るが、類が舌を這わせる度に抑えることが出来ない切ない喘ぎ声がとめどなくつくしの口から漏れ聞こえる。

「んっ、あぁ…ん…っ」

涙が溢れそうに潤んだつくしの瞳は、今まで見たことがない程女の色香を放っていた。
頬はピンク色に染まり、形の良い胸の先端はピンと尖って類を誘う。
類が顔を上げても胸元を隠す余裕すらないのか、くったりと身体から力が抜けていた。

「る…い」
「ん?」
「他の誰かと…比べたり、しないで…ね」

一瞬、つくしの言う意味が理解出来なかったが、すぐにその理由に思い当たる。
しかし、まさかそこまでつくしを不安にさせていたとは思いもしなかった。

「比べる人がいないよ…。言ったじゃん、多分って。したことあるなら、男ってもうちょっと余裕あるんじゃない?」

類はつくしの首に埋めていた顔を上げて言うと、つくしを見る。

「う…嘘…だって慣れてる」
「酔っ払って寝てるあんたに色々したからかな?」
「え、え、えええっ!?……んん〜っ」

つくしの瞳が驚きで見開かれるが、類に恨み言を言う前に唇を塞がれた。
再びつくしの手が類の背中に回ると、類の胸にあたるツンと尖った先端を指で撫でる。

「あっ、あぁっ…ん…」

唇を口から首へ、更に下の鎖骨へと舌で道筋を辿り胸の先端を口に含む。
舌で円を描くように舐めると、あまりの快感につくしは声を抑えることが出来ない。

「んんっ、あ、あっ…はぁっ…ん」
「そのうち、ココだけでイけそうだね」

類の言葉にも反応出来ない程に息を荒くしたつくしは、頬を真っ赤に染めてイヤイヤとかぶりを振った。
類も余裕がないことは、つくしの足に当たる熱から伺えるが初心者のつくしにそれが分かるはずもなく、ただされるがままになるしかなかった。

類の手がショーツの隙間から敏感な部分を探ると、つくしはピクリと身体を震わせた。
指がヌチュヌチュと音を立ててつくしの内部を蠢くが、指の速さと背筋を這い上がるようにやってくる快感につくしが根を上げた。

「あぁん、あっ、はぁっ、あ…もっ…類…っ、ダメ…っ」
「ごめん、優しく出来ないかも…っ」

つくしが息も荒く類を見ると、つくしに快感を与えているはずの類もまた荒く息を吐き出していた。
初めての行為に恐ろしさを感じていた筈なのに、つくしは類が自分を欲してくれていることに喜びを感じた。

類はつくしのショーツを脱がすと、指を二本に増やし大きくかき回す。

「あぁぁっ…はっ、ん…類…も我慢しな…で」
「痛かったらごめんね」

すでに限界だったのだろう、つくしの足を大きく開かせると十分に濡れた秘部に固くなった性器を押し当て、腰を奥に進めた。
 
「あぁぁっ!い…っ、はぁっ…はぁ…」

ズブッと音を立てて秘部に挿れると、つくしが痛みに顔を顰めた。
類は舌と指で胸の膨らみを愛撫し、痛みを徐々に快感へと変えていく。

「まだ痛い…?」
「はぁっ、ん…わかっ…ない」

先端を舌で吸うたびに繋がった秘部からトロリと愛液が溢れ出し、類を中へと誘うように蠢くと、もう大丈夫かと類はようやく腰をゆっくりと動かす。

ヌチュ…ヌチュ…

「あぁっ、ん、あっ、あっ、類っ…な、んか気持ちい…っ」
「ん…っ、俺も」

類が動く度にポタリと汗がつくしの胸に落ちる。

なんて綺麗なんだろうと思うーーー。

あまり日に焼けない肌は白くはあったが病的ではなく、筋肉のついた腕や胸の均整の取れた類の身体に思わず見惚れてしまう。
類のこんな顔を誰も見たことがない…そのことがつくしにより一層喜びを与えてくれた。

類の性器が奥深くを抉るように入ってくると、つくしの秘部が痙攣を始める。

「な、んか…っ、変…っ…あぁっ」
「イキそう?」
「んんっ、あっ、それ…気持ちい…んんんっーーー!」
「……っ」

大きく開いた足がビクビクと震え、つくしの背中が弓なりにしなると、痙攣していた結合部がキツく締まり、類はあまりの快感に性器を引き出すとお腹の上に欲望を吐き出した。

グッタリとベッドに深く身体を沈めるつくしに体重をかけないように、類は腕をついて身体を支える。
互いに荒い息を整えると、軽くキスをした。
ベトついた身体をタオルで拭い、類は後ろからつくしを抱き締める。





「分かった?静とはそもそも付き合ってないから」

類の腕枕で裸のまま身体を合わせた余韻に浸ると、優しく髪を撫でながら真剣な目を向けられる。

「うん…」

小池と帰ったその日、類は眩暈がして動くこともできず仕方なしに運転手を呼ぶと邸に戻ったらしい。
それはメールに書いてあり、そのあとに静のこともただの幼馴染みだからと添えてあった。

「じゃあ、そろそろ俺が牧野のこと好きだって言うのも信じてよ」
「うん…。え、ちょっと、類?」

つくしの身体を反転させると、背中側から足を開かせ太ももを撫でる。
つい先ほど男性の興奮状態のモノをしっかりと見てしまったつくしには、太ももに当たる類の感触で何を求めているかは明白だった。

「ん?2回目は、もっと気持ちいいよ…ほら、まだ濡れてるし」

類は指をチュプリと沈めると中をグルリとかき回しすぐに引き抜いた。
代わりに後ろから、熱く大きくなった類の性器を挿れられる。

「あぁっ…あ、ん…深す、ぎっ」

つくしは枕に必死にしがみつくと、類に腰をより高く持ち上げられた。

ズプッ…グチュ…グチュ…

1度目よりも響く濡れた音と腰を激しく打ち付けるパンパンという音が、つくしの羞恥心を煽る。

「入ってるとこ…丸見え」
「やぁ…っ、恥ずかし…よ」



つくしが目を覚ますとカーテンから入る自然光がなくなり、室内はオレンジ色の温かい光に包まれていた。
何時間こうしていたのだろうか、つくしは類の腕の中で気持ちのいい眠りを貪っていた。

初めてバイトサボっちゃったな……。


***


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いつか好きだと言って 15

いつか好きだと言って 15
類くんとつくしちゃんの出会いから入ります(*^^*)徐々にラブラブになりますよ〜お待たせしました




恋に落ちるのって、こんなに簡単なことなんだって知らなかったんだーーー。


類がいつもどおりに非常階段のドアを開けると、自分の特等席とも言える場所に知らない女が寝ていた。
しかも今日は暖かい天気も良い日で、気持ちよさそうにスースーと寝息を立てて眠っている。
それに若干イラっとしながらも、女が起きても面倒だと開けたばかりのドアから出て行こうと踵を返すが、女がうーんと唸り声を上げた。
起きたかとチラリと後ろを振り返るが、女の目は閉じられている。

「お腹空いた〜ご飯がお腹いっぱい食べたいよ…」
「ぶっ…!」

類は女のあまりに現実離れした寝言に堪らずに吹き出すと、笑い声をあげそうな自分を何とか抑え、肩を震わせながら来た道を戻る。

この時代に満足に食事が出来ない人間がいるのか?
しかもこの英徳学園に?

変な女…そう思ったのが始まりだった。
今考えれば運命とか言えないが、類が非常階段に行くタイミングで必ずと言っていい程その女はいるのだ。

しかもいつも寝ている。

何度もそういった偶然が重なると、徐々に類も遠慮がなくなり寝ている女の横で過ごすことが苦痛でなくなってしまった。
本を読んだり、時には自身もうつらうつらすることもあった。

しかし、女が起きれば類にとって幻滅する結果になると分かっていた。
大抵の女は、類の前では猫を被ったようにおとなしく女性らしくあることを演出し、本心がどこにあるのかなど全く分からない。
そうするのは、自身のバックグラウンドとこの顔にあることは一目瞭然で、もう見慣れたその光景にウンザリしていた。

その日は、珍しく非常階段に女は来ていなかった。
偶然もここまでかと、大してガッカリもせずいた類は、風の知らせとでも言おうか、ふと気になって5分もしないうちに校舎へと逆戻りする。

類が階段を降りていくと人集りが出来ていて、その先の廊下でガッシャンと大きい音が聞こえた。

「自分よりも弱い者虐めて楽しい!?バカなんじゃない!?あんたみたいなのが、将来人の上に立つと思うとゾッとする!!」

いつもなら、面倒事は避けて通っていた筈だった。
助ける謂れはなかったし、自身が目立つ相貌であることは誰に言われなくとも分かっていたから、自分から目立つようなことはしなかった。

ただ、人集りの先にチラリと見えた何度も類の昼寝を邪魔した女の姿と、初めて聞くその声に吸い寄せられるように足を進めていた。

しかし、この時の直感は正しかったと後になって知る。

「俺、あんたのこと好きなのかも」

そう告白してみれば、鳩が豆鉄砲食らったような顔をして、頭平気ですかと返す自分を繕わない言葉。
自分の顔に見惚れる女など星の数ほど見てきたが、頬を染められるのが嬉しいと感じたことなど一度もなかったのに。





類が室内の物音でゆっくりと目を開けると、ベッドの横に心配そうに見つめるつくしの顔があった。
自身の願望からくる幻影かと思い手を伸ばすと、つくしの頬に触れることが出来る。

「類?」
「夢の続きかと思った…」
「メール…さっき見たの、ごめん」

この時代、カップルであろうとも携帯片手に食事をするなど珍しいことではない。
食事のマナーとしてはどうかと思うが、そこら中の人が当たり前のようにテーブルに携帯を置いたまま、携帯が鳴る度に手に取る。
しかし、類と会っていた時つくしが携帯を気にする素振りをしたことなど一度もなく、話をする時は視線を交わすのが常だった。
つくしの人となりを知るうちに、携帯自体あまり使用していないことが判明したが、この3日間熱に浮かされてつい何度も多分見てはもらえないだろう彼女の携帯へメールを送り続けた。

放課後会いに行けなかった日は、言い訳じみた内容になってしまった。
本当は直接言いたいことだらけだったけれど、最近のあまりの睡眠不足はさすがに類の身体が限界だと訴えていたようだ。
司をメッセンジャーにしたことはやり過ぎたかもしれないが、類がつくしに会えないことが自身の体調の悪さよりも限界だったのだ。

「今日のメール…」
「うん…会いたかったから」

最後に送ったメールはただ一言、会いたいと。
頬に触れると何故かつくしが泣きそうに顔を歪ませる。

「無理してたんだって…?あたしに、会うため?」
「俺がそうしたかったんだよ」

寝てばかりいたおかげで、すっかり頭痛も治り眩暈やふらつきもなくなった。
類が起き上がろうとすると、つくしによってベッドに押し倒されてしまう。

「熱あるんでしょ。ちゃんと寝てて」

押し倒す方が好きなんだけど、と邪な考えが頭を過るがそれを口に出せば彼女は怒るだろうか。


***


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