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ラストゲーム【君次第だよ2】

君次第だよ 2
ラストゲーム 柳×美琴
1話完結短編です。タイトル考えるの面倒で…。20人くらいには需要あるみたいです(笑)



「くっそ…電話来ねぇーーー」

携帯が音を立てても、それは愛しい人からのものではなく、柳は本日何十度目かのため息を吐いた。
やっと恋人同士と言える関係になったばかりで、父と共に勉強の為にアメリカへと渡った。
付き合いたての遠距離カップルが、別れる確率……そんなもの調べたくもない。
会いたいという気持ちを何とか抑え、日々勉学に励んでいたが、柳の気持ち的にはかなり限界である。

まだ、一週間…されど、一週間。
電話もなければメールもない。

いや、元々美琴がマメではないことは分かっていた。
だからこそ、自分はヤキモキさせられていたのだし遠回りもした。
しかし、あの頃とは状況が違う。
アメリカと日本だ、会いたくても会えない距離、声が聞きたくても美琴になにかがあっても車を飛ばせる距離ではない。
自分たちを繋ぐのは、たった一つの小さな機械しかないのだ。

10年の片想いのせいか、美琴に愛されている自信など全くない。
寧ろ、美琴からの告白も実は夢ではないかと思っていた。

「やっぱ、俺からかけるしかねぇか」

柳は手に持った携帯をタップする。
何度も何度も復唱したせいで覚えてしまった美琴の番号を直で打ち込んでいく。
電話帳から呼び出さなかったのは、少しでも気を落ち着ける時間が欲しかったのかもしれない。

プルルルル…プルルルル…プルルルル…。

『はい…』
「あ…俺…」
『柳?』

美琴とのたった一言の会話だけで、最近煮詰まっていた勉強の疲れもまるでなかったように体が軽くなる。

「うん、今平気か?」
『ん、今大学の帰り。今日はいい天気だった。しおりちゃんと橘さんとご飯食べて……蛍くんがね……それでね…』
「ちょ、ちょっと待て。九条?どうした?」

普段口数の多くない美琴が、柳が口を挟む隙がないほど喋り続ける。
もし日本にいたら、それだけで美琴に何かあったのではと車を走らせるのに。

「なぁ、どうかしたか?ちゃんと言えよ…。顔見られないから、お前が今何考えてるか分かんないんだよ…」
『あの、あのね…我慢してたの、声聞いたら会いたくなっちゃうって、1人でも大丈夫だった時みたいに、勉強して家のことして…でも』
「うん…」
『でも、柳のことばっか考えちゃう…私、どうかしたのかな…前みたいに出来ないの』

最後の方は涙声で話す美琴が、可愛くて愛おしくて、言葉一つで先ほどまでの不安が嘘のように消え失せる。
今側にいたら抱き締めてしまうほどに。

「それって、寂しかったってこと?」
『そう、なのかな…そっか、寂しかったんだ。私…』



「父さん!俺日本に…」

電話を切った柳は、直ぐさま父に直談判をするが、もちろん却下される。
渡米して一週間で恋人に会いたいがために帰国など、許されるはずもない。
自分もこれから何ヶ月も愛する妻に会えないのだから、息子にも我慢してもらわねばなるまい。

「一週間で何言ってる…そんなことじゃ九条さんに振られるかもなぁ…彼女ならもっといい男見つけられるだろうし…」

そう言うと自分に似た美しい顔を歪ませて、この世の終わりのような陰鬱な表情になるのだから、耐え切れずに笑みが口角に浮かぶ。
父としては可愛い息子であるが、いかんせん彼女を好き過ぎるところは、どうかとも思う。
しかし、美琴のおかげで大変扱いやすいことも事実で、飴と鞭を使い分け尚人が勉強を頑張れば一度日本に帰国するかと、1人口元が綻んだ。


***


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around30→34

around30→34



「あんた、次何飲むの?同じのでいい?」

つくしが総二郎に気を取られていると、自身のグラスが空になりメニューを見ていたトーリに話し掛けられた。

「え?あ、ごめん…何?」
「他の飲むかって聞いただけ。もうなくなるだろ?」

つくしの殆ど氷だけになったグラスを指差すと、トーリにメニューを手渡される。
受け取ったのはいいものの、つくしにはお酒の種類などどれが強くてどれが弱いのか全く分からなかった。
困り顔でいつまでもメニューを見ているわけにもいかずに、トーリの肩をツンツンと指で突いた。

「松坂くん、あんまり強くないカクテルとか分かる?」
「ああ、弱いんだっけ…。カクテルって全然飲まないから…分かんねえけど。これは?カルーアミルクって甘いやつだろ」

トーリがメニューの中で知っていたのがそれだけだったのだろうか、つくしも確かに牛乳が入った甘いカクテルというイメージであった為、人数分の追加のビールと一緒に注文した。
中田と藤森、それに水原は以前からの友人であったのか中田は口数が少ないものの3人で話している。
柳原と森田ははなから総二郎狙いであったから、誘いを躱され火花を散らせながらも総二郎を離すつもりはないらしい。

つくしは柳原たちの邪魔をするわけにもいかずに、水原や中田ともたまに会話をしながら殆どトーリと話をしていた。
そして、頼んだお酒を飲み終わる頃。

「おい、牧野…?」
「なぁに?」

隣に座る柳原がトイレに立ち、やっとの事で総二郎が解放されつくしに視線を向けると、トロンと潤みきった目でグラスに入った乳白色の酒をチビチビと飲んでいた。
総二郎が話しかければ、いつも類にだけ向ける艶を含んだ瞳で上目遣いに見上げる。

「お前、何飲んだ?」
「ん、カルーアミルク…だったかな?甘くて美味しいよ?」
「バカ、甘いし飲みやすいけど結構度数高い酒なんだよ。水貰うか…お前、もう飲むなよ」
「ええ〜?美味しかったのに…」

総二郎がつくしの酒を取り上げ店員から水を受け取ると、今にも後ろに倒れそうなつくしの肩を支えて水を飲ませる。
コクコクと水を飲むと、急に眠気が襲い頭が揺れるようで普通に座っていることも出来ない。
柳原と森田に鋭い目で睨まれているとは知らずに、つくしは総二郎にもたれかかり肩にコテっと頭を乗せた。

「悪いけど、こいつ送って行くから俺たち帰るわ。ほら、牧野立てるか?」
「えええっ!?西門さん帰っちゃうんですか〜!?」
「また戻って来ます〜!?」

案の定戻ってきた柳原と森田が酔いもあってか、名残惜しそうに立ち上がった総二郎の両腕に縋り付く。

「悪いね、また今度」
「牧野さん大丈夫?」

水原や中田も心配そうに顔を覗き込むが、つくしは頭がぼんやりとしていて答えることも出来ない。

「量はそんなに飲んでないから大丈夫だと思うよ。明日にでも牧野から連絡させる。悪いね」
「はい…良かったらまたご飯食べに行きましょって伝えてもらえますか?」
「ああ、伝えておくよ…じゃ」

水原たちに別れを告げ店を出ると、足元のおぼつかないつくしを支えながら、自販機で水を買い近くの公園のベンチに座った。
総二郎は自身のおかしな行動に笑いが溢れる。
何故すぐ車を呼ばなかったのか、花沢家のSPから自分の行動も筒抜けになることなど知れているのに。
車で吐くかもしれないから、酔いを醒ます為に風にあたろうと考えた…そんな言い訳じみたことばかり頭に浮かぶ。

「大丈夫か…?とりあえず水いっぱい飲めよ?」
「ん…ありがと…」

つくしは総二郎から受け取ったペットボトルの水を飲む。
薄暗い街灯が照らす夜の公園はカップルだらけで、そこらかしこで密接した恋人たちの甘い吐息が聞こえてきそうだ。
いつものつくしならば、周りを見て恥ずかしさのあまり逃げ出すだろう。

「はぁ〜」

500mlのペットボトルの水を殆ど飲み干すと、つくしは大きく息を吐く。
夜風に当たったこともあり、だいぶ落ち着いてきたようだ。

「気持ち悪くないか?」
「ん…」

それでもまだ酔いが回っているのか、総二郎の肩に倒れこむように身体を預けた。

類と勘違いしている、ということもあるかもしれないが、総二郎の心情的には人の気も知らない酷い女、だ。
それを表に出すほど、初心ではなかったが。

「西門さん…」

名前を呼ばれたことで、どうやら間違えているわけではないと知ると、そんなことぐらいで気分が浮上してしまう馬鹿な自分がいるのだ。
つくしの呼び掛けに総二郎が視線だけで応えると、誘っているかのように潤んだ瞳を上目遣いに向けてつくしが聞いた。

「なん、か…最近変じゃない…?」
「変…?何が」
「こないだ、も…今日も…」

自分のことには疎いくせに、どうしてこう人の機微には聡いのか。
だったら、とっくにつくしを想う総二郎の気持ちに気が付いていてもおかしくない筈なのに、この女は自分が魅力的であるとは微塵も思っていないのが可笑しいところだ。

「ったく、お前は…」
「……?」

総二郎は重苦しいため息を吐くと、何でもないことのように一息に言う。

「こないだ、見合いしたんだよ。今までは何やかんや理由を付けて断ってたんだが。今回はうちの親も相手も相当乗り気で、な…俺も覚悟する時がきたかと思って、ちょっと落ちてただけだ」
「お見合い…」

さすがに夜の風にあたり続けるのは寒いかと、総二郎は羽織っていたコートをつくしの肩に掛ける。

「ありがと…その、相手の人とうまくいかなそうなの?」
「いや、美人だし、元々家同士繋がりがあるからか、うちのこともよく分かってるしな…。お見合い相手には十分じゃねぇか?」
「それじゃ、あ…何で…」

まだ本調子ではないのか、途切れがちに話すつくしは、判然としない表情で総二郎を見た。

「何で、か…お前本当に俺の気持ち分かんねえの?」

何言ってるの、と惚けるには総二郎の瞳が真っ直ぐにつくしにだけ向いていて、目をそらすことも言葉を紡ぐことも出来ない。
こんな時に、類の言葉を思い出すなんて。
〝総二郎…つくしのこと好きじゃん〝

「結婚…お前とだったら楽しそうなのにな。自分が…幸せになれるような気がするよ」
「西門、さん…」

総二郎がつくしの手を取り絡ませる。
しかし振り解けないほどの力ではない。
ゆっくりと顔が近付いてきていると分かっているのに、金縛りにあったようにつくしは動くことが出来ないでいた。
しかし、総二郎はあと数センチの距離で、ピタリと動きを止めて言った。

「ばーか、同情で受け入れるなよ…そんなにお安くないんだよ、俺は」

つくしがどうしていいか分からずに泣きそうな顔で見上げると、不機嫌そうな顔でつくしの唇を手の平で覆った。
そして、自身の手の平の上から唇を重ねる。
暫く続いた手の平を挟みあってのキスは、不意に声をかけられたことで終わりを告げた。

「お前、もっと冷静な男だと思ってたよ…」

聞き間違うはずのない声につくしが肩を震わせる。

「類…」

顔を見なくても誰のものか分かっていても、どんな表情で自分たちを見ているのかつくしは確かめずにはいられなかった。

「SPから連絡来たから迎えに来たよ。あと、捕まえておいたけど写真撮られてたから、お前の方で処理しといてよ…」

総二郎にSDカードを手渡すと、類は何事もなかったようにつくしの手を取り総二郎から引き離した。

「類…」
「何?」

総二郎の呼び掛けに感情の込もらない瞳と言葉で返され、付き合いの長さもあり類に対して足が竦むなんてことにはならないが、何故か次の言葉が出てこない。

「お前が言わないなら俺が言うよ…」
「……」
「お前には出来ない。幼馴染みの俺を裏切ることも…つくしを傷付けることも、ね。ちょっと冷静になって考えなよ」

つくしは、類に手を引かれ通りに停めてある車へ乗り込むと、窓から心配そうに総二郎を見つめていた。
街灯はあるが、殆ど真っ暗とも言える公園のベンチで、車が走り去るまでただ一点をぼんやりと見つめ微動だにしなかった。
総二郎は車が走り去ったあとも、暫くはその場を動かずに立ち竦む。

「んなこと、分かってるよ…」

シンとした夜の公園に、呟いた声が響いた。


***


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そのままの君が好き おまけR

そのままの君が好き おまけR


荷物を置きに来た時には気が付かなかったが、最上階スイートからの夜景は素晴らしく、つくしははめ込み式の窓にへばり付くようにその絶景を眺めた。

「ね、あっちお台場!?すごーい!」

窓に反射してつくしの後ろから類がゆっくりと近付き、隣に立つとつくしの手を取った。

「俺もここからの景色好き…。でも、あんた手冷たくなってる。風呂お湯入れたからちゃんと温まって来な」

つくしの手が冷たいのは緊張からだと類も分かっているが、彼女を傷つけたくないのにどうしたって止めることは出来そうになかった。

「あ、うん…類は?」
「俺は寒くないし、あっちのシャワー入るから…それとも一緒に入る?」
「あた、あた、あたし入って来る!!」

一目散にバスルームへと走り去るつくしに、思わず笑いがこみ上げるが類とて余裕があるわけでもなかった。

部屋を取っておいたものの、つくしが部屋に入ってくれるかは五分五分、いや寧ろ躱される可能性の方が高かった。
しかし、類の予想とは裏腹に部屋に入ってくれた彼女の表情はやはり固く、今にも泣き出しそうだった。

無理強いしたいわけじゃない、でも触れたいと思うのは自分だけなのだろうかと、少し寂しく思う。

朝まで一緒にいてという言葉が、類にとってどれほど嬉しかったかつくしには分からないだろう。
類はシャワーのコックを捻ると温めのお湯を頭から浴びた。
夜はまだ肌寒い時期のはずなのに、火照る身体を抑えなければ自分の欲望のままに抱いてしまいそうで、よもやお湯と言えるかも分からない温度のシャワーを浴び続ける。

シャワールームから出る頃には身体は冷え切っていて、思いの外早く出たつくしが、ベッドに座る類の青ざめた表情に驚いて目を丸くし、類の手に触れる。

「類?なんで…嘘、手冷た…」
「ちょっと、寒かった」

類はつくしを抱き締めるが、つくしに伝わる肌の熱など全くない程、類の身体は冷え切っていた。

「なんで!?」
「ん…ちょっと冷静になろうと思って。でも…無理かも、ごめん」
「え、ちょっ…待っ…んん」

ベッドにそのまま押し倒され唇を塞がれると、冷えた類の手につくしの身体が震える。

「俺のこと、温めて?」
「はぁ…っ、手っ冷たい、類、風邪ひいちゃうよ…っ」

つくしのバスローブの腰紐を解くと、類の手が身体中を弄る。
冷えた手に触れられている筈なのに、触れられた場所が熱を帯びて、つくしは暑い程だった。

「あっ、ん…」

自分のだとは思えない艶を帯びた声に、手の甲で口を押さえるが、類に手を取られ代わりに唇を塞がれる。
ネットリと絡まる舌が、つくしの官能を引き出し、喘ぐような吐息が止まることなく重なる唇の隙間から漏れ聞こえる。

「んっ…ん…っあ」

類の手が胸の頂に触れると、冷たさとは違う身体にピリッと電気が走るような感覚に、つくしの身体がビクンと跳ねる。

「あぁっ、ん…そ、れ、やぁっ」
「嫌?気持ちよくない?」

類の指と舌が胸の突起を捏ねるように動くと、ビリビリと身体中に快感が走りつくしは腰を揺らした。

「分かんな…っ、はぁ…あぁっ!」

舐められていない場所などどこにもない程身体中を這うように類の舌が蠢く。
足を大きく広げられ内股から、ある一点を捉えると、つくしが足を閉じようともがく。

「ダメっ…ダメ、そんなとこ…あ、あっやぁん」
「痛くしたくないから、ね」

ピチャ、ピチャと濡れた秘部に唾液を塗りつけるように舐めていくと、トロトロと愛液が溢れ出す。

「あぁっ、あ、あ、ん…も、なん、か…変になっちゃ…っん」

つくしは揺れる腰を止めることが出来ずに、類の舌の動きに合わせて押し付けるように腰を浮かせ、足はシーツをかくように動いた。

「もっと気持ちよくなるよ…」

花弁の奥に隠されたピンと存在を主張する突起をチロチロと舐めると、つくしの身体が大きく跳ねた。

「あぁぁっ!や、なに…はぁっ、んんんっ!」

頭に閃光が走り身体中が大きく震える。
その一瞬後には、どこにも力を入れることが出来ずにベッドに脱力する。
しかし、快感の余韻がずっと続き小さな震えが止まらない。

「ほら、いっぱい濡れた。でも、まだ…もうちょっとね…」

再び太ももを大きく広げられても、未だ宙を見つめてつくしはされるがままだった。
しかし、ツプッと中に沈められた指に現実に引き戻される。

「んんっ…あ、今、ダメっ…中、変なの…おねが…っ、あぁっ!」

ヒクヒクと震える秘部に指を奥まで挿し入れると、つくしの中は類の指を飲み込もうと絡みついて離さない。

「気持ちいいことしか、しないから…」

類が指を出し入れする度に、いやらしくグチュグチュと秘部から愛液が溢れ、シーツを濡らしていく。
自分の身体から出ているものと分かっていても、つくし自身に止めることは出来ない。

「止めてあげられなくて、ごめんね」
「いい、の…止めない…でっ…あぁっ」

溢れそうな程潤んだ瞳で類を見上げながらも、その瞳は強い光を放っていた。
そうだった、彼女は覚悟を決めたあとは強い。
彼女に嫌われたくないと怯える自分の方が、余程緊張しているのかもしれない。
しかし、指先まで冷え切っていたとは思えない程、類の身体は既に熱を帯びて汗ばんでいた。



「はぁ…ん、もぅ…あぁっ、類…いい、から、早く…」

指を増やされて、更に舌での愛撫を加えられると、身体の奥がジンジンと疼くように感じて、経験したこともないのに、早く類が欲しいと口に出していた。

「俺も限界…痛かったらごめん」

類は口で避妊具のパッケージを破り手早く装着する。
つくしは首をフルフルと振ると、類の背中に腕を回した。
屹立した類の性器を当てがわれ、ヌルリと大きなものが入ってくると言いようのない快感がつくしの身体を覆う。

「あぁぁっ!」
「……っ、はぁ…キツ」

キツく締まった秘部に互いの体液の助けを借りながら奥へ押し進めると、その度にヌチュヌチュと結合部が擦れる音が室内に漏れ聞こえる。

「もう少し、奥…平気?」
「はぁ…ん…平気、奥…して?」

類が荒く息を吐きながら、それでもゆっくりと奥を突き進む。

「動くよ…」
「んあぁっ!あっ、ん、はぁ…気持ちい…」
「ん…俺もっ、イイ…」

激しく奥を突くように、類が腰を打ち付ける。
濡れて蕩けた秘部はヌルリと類を飲み込み、ズプッと湿った音を立てる。
互いの荒い息がより感情を昂ぶらせ、何度も奥を抉るように擦り付けると、ポタリと類の汗がつくしの胸の上に落ちた。

「奥、へ、んになりそ…っ」
「イキそう?」

類が打ち付けるスピードを速めると、つくしの膝がガクガクと震え、絶頂へと後押しする。

「ん…んんっ…あ、もぅーーーっ!」
「…っ、はぁ…はぁ…」

つくしの絶頂に釣られる形で、類も中に精を吐き出した。

類が荒い息を整えていると、つくしはそのまま目を閉じ眠ってしまったらしい。
スースーと気持ちよさそうに寝息を立てるつくしの額にキスを落とし、愛おしそうにその寝顔を見つめた。



「ん……」

つくしが目を覚ますと、室内はまだ真っ暗だった。
随分と深く眠っていたのか、頭はスッキリしていたが、身体を起こそうとしてツキンとした痛みに顔を顰める。

「牧野…?」

隣で眠っていると思っていた類だが、声のする方へ顔を向けると目をハッキリと開けた類と目があった。

「類、寝てなかったの?ってか、あたしいつの間に寝ちゃったんだろ…」
「気を失うように寝ちゃったんだよ…身体、平気?」
「あ、うん…」

そう聞かれるのも恥ずかしさがあり、中が変な感じがする…何てことはもちろん言えるはずもなかった。

「喉渇いた…水ある?」
「ちょっと待ってて」

類はバスローブを羽織ると、冷蔵庫からミネラルウォーターを持ってベッドに腰掛ける。

「飲ませてあげようか?」
「い、いいですっ…」

類はくっと笑いながら、つくしを甲斐甲斐しく起こすと、ペットボトルを手渡した。

「朝までって言ったよね?」

つくしの飲み終わったミネラルウォーターをサイドボードに置くと、類の手が太ももを撫でる。

「え…?」
「あんたも身体大丈夫そうだし、ね」
「ええええっ!?…ちょ…あぁん」

朝まで寝ておけばよかったーーー!


***


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そのままの君が好き 7最終話

そのままの君が好き 最終話
22時におまけRがあります(≧∇≦)


確かに部屋に入った時も、店に入った時も、これから先のことや自分のことばかり考えて、類の顔を見もしなかった。
パニックになりかけていた自分がどんな顔をしているかまで、気が回らなかったこともある。
実際、食事をする為に部屋を出た時ホッとしたのも事実だった。

「類…あたし、ごめ…」
「残念…3月31日になっちゃった。1日もらう約束過ぎちゃったね…そろそろ帰ろうか?」

類が自身の腕時計を見ると、ふぅとため息を吐く。
そして時計をしていないつくしにも分かるように、つくしの隣に座り時計を見せた。
確かに類の時計の針は0時を過ぎていた。
ここに入ったのはそう早い時間ではないが、もし0時を超えているとしたら4時間以上ここにいることになってしまう。
それに、体内時計のしっかりとしているつくしが、ハッキリと目が冴えているのだから、遅くとも10時より前のはずだ。
類とてつくしが気が付かないと思っているわけではないだろう。
つくしが類に申し訳なく思わないように、帰ることに罪悪感を抱かないようにという類の思いだ。

「類…」

つくしが言葉を紡ぐ前に、類に抱き締められると、触れるだけのキスを落とされた。
触れるだけのそれは、思っていたよりも長く唇を啄ばむように続いた。
終わらせたくないと思ったのは、どちらだったのかーーー。

「俺も相当我慢強いよね…でも、無理してほしくないから、いいよ。その代わり、来年も再来年もその先もずっと、俺の誕生日1日一緒にいてくれる?」

未来の約束ーーー。
それはなんて嬉しいものなんだろう。

類との未来が欲しいと、願ったことなどない。
それは望んではいけないような気がしていたから。
でも、出来れば長く、少しでも長く一緒にいられればいいと思っていた。

〝恋って不思議だよね…初めは小さい好きって気持ちが、触れれば触れるほど、もっとって思うんだよ〝

今更、優紀の言葉を思い出す。
いつだって親友はつくしのことを想って、つくしのために忘れられない言葉を残す。

「じゃあ、今日…明日の朝まで一緒にいてくれるなら……。あたし…言ってなかったね。類、誕生日おめでとう」



fin

***


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そのままの君が好き 6

そのままの君が好き 6


公園近くまで出ると、道路脇に停められた車の横で運転手が外に立って待っていた。
車に乗り込むと、類が目的地を告げる様子もなく元来た道を戻るように走って行く。

もしかしたら、もう帰るのかとつくしは窓の外に視線を移した。
それならば疲れたなどと言わなければよかったと、少し後悔する。
しかし、もう少し一緒にいたいと言える程、つくしは素直になれないでいた。

まだ外は明るかったが車を走らせるうちに徐々に空がオレンジ色の光に覆われていく。
そして首都高に乗ってから30分程度で車は目的地に到着したようだ。
そこは、つくしでも知っている銀座近くにある有名なホテルだった。

「ディナーの予約してるんだ…おいで」
「う、うん」

言われるがままに類のエスコートで着いて行くと、類はエレベーターの31階のボタンを押した。
それよりも上の階表示がないことから、最上階であることが分かる。
高速エレベーターは途中で止まることもなくあっという間に目的階へと到着すると、チンという軽い音と共にドアが開いた。

「あ、の…ここって…」

エレベーターを降りると、そこにはレストランなどは一切なくシンとしたフロアの廊下には宿泊者用の部屋ナンバーが案内として書かれていた。

「うん、部屋取った…来てくれる?」
「え、と………う、ん」

つくしはパニックになりそうな状態で、これから起こることを必死に考えていた。
浮かんでくるのは、今日下着どんなの着けてたっけとか、シャワー入った後は服に着替えるべきかなど、そんなことばかりだ。
嫌なわけではない、それは確かな気持ちだ。
しかし、心の準備が出来ているかと言われると、全く出来ていなかった。

カードキーで部屋が解錠されドアを開けた類が、つくしをどうぞと先に通した。

「お土産部屋に置いて、食事に行こう。それとも部屋で食べる?」

そういえば類はずっとつくしの買ったお土産を持ってくれていて、車を降りる際に何故類がお土産を持って降りたのか不思議に思っていたのだ。
食事をするだけならば、お台場で遊んでいた時のように車に置いておけばいいのだから。

「予約…してるんでしょ?」
「うん、じゃあ行こうか」

さっき降りたばかりのエレベーターに再び乗り込むと、つくしはホッと息を吐いた。
着いたのは地下のレストランフロアだった。
類に案内されたのは日本料理のお店で、そこはホテルの中にいることを忘れてしまうような高級料亭だった。
予約した席へと行く為の廊下を歩くと、室内であるはずなのに木々が生い茂る中庭があり、小さな川のようなものまで作られている。
そして、女将が障子を開けどうぞと案内された先は、中庭が一望出来る個室だった。

「凄い…」
「料理も、さっき食べたたこ焼きと同じくらい美味しいよ」

類の言葉に驚きの表情を見せたのは、案内した女将だ。

「バカにしてるでしょ…」

つくしが類を一睨みすると、類は笑って座敷へとつくしを座らせる。

「してないよ。俺は牧野と一緒なら、どこで何をしようと楽しいんだよ」

惚れ惚れするような綺麗な顔でそんなことを言われ、一緒にいた女将まで頬を赤らめるが、類は全く気にしていないらしく、女将にさっさと注文を済ませている。



「美味しい〜!!お寿司って実はこんなに美味しいの?」

運ばれてきた刺身や天ぷらなどテーブルいっぱいに置かれた色とりどりの懐石料理に舌鼓を打つ。
女将からの料理の説明を、類が面倒くさいと省いてしまった為に、どこのブランドかは分からなかったが、目の前でジュウジュウと音を立てるステーキに、目が虜となっていた。
よもや美味しすぎて泣く、なんてことはないだろうと思っていたが、肉のとろけるような旨味に目頭が熱くなるほどだ。

「類…食べてなくない?」
「ん?俺のも欲しい?」
「欲しくないっ!もう〜」

それでも、箸で目の前に差し出された肉につい釣られて口を開ければ、類が声を立てて笑い出し、つくしも類に釣られて笑う。

「良かった…やっと笑ってくれて」
「え…?」
「あんたが食事中も泣きそうな顔してたら、どうしようかと思った」


***


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そのままの君が好き 5

そのままの君が好き 5



そして迎えた3月30日ーーー。
今年はたまたま土曜であった為、お昼から類と約束をしていた。
もちろん、バイトなどの予定は入れずに1日空けてある。
何を着ていけばと散々悩んでいたら、宅急便で洋服や靴、バッグなどの一式が届いたのは先週のことだった。
ウン百万円とテレビで見たことのあるバッグに、もちろん抗議の電話をすれば軽く躱されてしまう。
つくしの落としたらどうするのの問いに、また買ってあげるよと平然と答える男はどうかしていると思う。

一応デートと言われたからには、普段は殆どしない化粧を軽くする。
と言っても、高いファンデーションなど持っていないつくしは、ほぼすっぴんに色の付いたリップという体たらくであったのだが、今更それを気にする男ではないだろう。

準備も終わりソワソワと類の迎えを待つ。
きっとそれは履き慣れない靴でつくしを歩かせない為の類の優しさであることは知っているが、いつも大学前で類を待たせてしまっているつくしは、逆に到着を待つことがどうも落ち着かない。
そして、いつもは着ることのないような上品なピンクベージュのワンピースも、皺になるのを恐れつくしに座ることも出来なくさせていた。

ピンポーン

インターフォンの音に飛び上がるほど驚き、ワタワタと慌てているとテーブルに足の小指をぶつけてしまい、つくしが暫し固まっていると、もう一度インターフォンが鳴らされた。

「はい、はーい!」
「どうかした?」

ドアを開けたものの、何故か座り足の指を押さえているつくしに類は目を丸くすると、大丈夫と玄関にしゃがみ込む。

「う、うん、平気。ちょっとテーブルに足の小指ぶつけちゃって…あ、だんだん治ってきた」
「ああ、それは痛いよね…」
「類もぶつけたことあるの?」

類の口から、足の小指をぶつけたことがあるなどと聞くとは思いもよらず、つくしは驚いて目を丸くするが、想像するとそんな類をちょっと見てみたいかもとも思う。

「それは…誰でも一回ぐらいはあるんじゃない?」
「ふふっ、そりゃそうか」
「もう行ける?」
「うん、大丈夫。お待たせ」

類の話のおかげで肩の力が抜けたつくしは、いつも通りの笑顔を類へと向けた。
それに安心したように、類が靴を履いたつくしへと手を差し出し、つくしも類の手を取った。



フォーマルな格好ということで、相当に堅苦しい店に連れて行かれるであろうと予想していたつくしであったが、ランチで入った店もその後もつくしが緊張するような場所に行くことはなかった。
何と言っても若者デートスポットナンバーワンとも言えるお台場である。
レインボーブリッジを一望出来る公園を手を繋ぎながら歩き、屋内型のテーマパークや美術館、お化け屋敷などもある複合型施設へと足を運んだ。

「あ〜楽しいっ!」

たこ焼き店が並ぶエリアで、つくしは3時のオヤツには既に遅い時間であったが、夕飯前の腹ごしらえでたこ焼きを頬張ると、美味しいと満足そうに頬を押さえた。

「あんたこういうの好きそうだもんね」

正直、フードコートの安物のテーブルと椅子は類には似つかわしくなかったが、得体の知れない丸い物と言っていたたこ焼きがどうやら気に入ったらしく、意外といけると口に運んでいた。

「類は…?」
「ん?」
「類は楽しい?…せっかくの誕生日なのに、あたしばっかり楽しんでない?類の行きたいとこ行っても良かったのに…」

あまりに自分が楽し過ぎて忘れていたが、今日は類の誕生日なのだ。
お台場デートも類が選んだだけに、もちろん文句などないが寧ろつくしの方が余程楽しんでいると思う。

「俺も楽しいよ?牧野と一緒にいると、初めてのことばかりだしね。ほら、たこ焼きも初めてだし、そもそもお台場なんて来たことないよ」

それでも、つくしが行ってみたいと言う場所に迷いもせずに向かう類に、もしかして誰かと来たのかもと嫉妬に近い気持ちがあった。
類のような男性が、そもそもつくしを好きになること自体が奇跡のようなものなのだから、彼の何もかもを手に入れたいと思うのは傲慢だと分かっているが、そもそもそんなことを考えている自分が醜く嫌だった。

「そういえば、足平気?なるべく歩きやすいのにしたけど、歩きっぱなしで痛くない?」
「う、うん!ヒール高いのに全然疲れないよ。あ、このあとどうする?沢山ありすぎて、ここ1日じゃ回れないね」
「どうかした?」

つくしが急に類から視線をそらし話し始めたことに、勘のいい類が気が付かない筈もない。

「え、う、ううん…。やっぱりちょっと疲れたかも」
「そうだね、俺も。結構慣れないことしたからかな」
「そ、だよね…」
「俺、恋人の為にお台場のマップ覚えたり、デートスポットとかネットで検索したの初めて」
「へ…?」

どこまでが嘘でどこからが本当か、つくしには綺麗な顔で笑う類の表情からは窺い知ることは出来なかったが、つくしの不安も何もかも受け入れようとしてくれる類の気持ちが伝わってくる気がした。

「少し休んだら…車で移動していい?」
「あ、うん…」


***


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そのままの君が好き 4

そのままの君が好き 4



優紀や美結たちと肌の触れ合い云々の話をしてから、類のことを妙に意識してしまい、いつもなら気にしないソファ10センチの距離が今日はやたらと近くに感じた。

「どうかした?あんた今日変じゃない?」

類に手が額に伸びてきて熱はないか、と触れられるだけで、つくしの心臓は飛び出そうなほど大きな音を立てた。

「へ、変じゃないよっ…」
「そう?」
「あっ、ねぇそういえば誕生日っていつなの?もうすぐって言ってたでしょ?」

これもまた最近の悩みで、欲しいものなど簡単に手に入れられるような男に一体何をプレゼントしたらいいのだろうと、ずっと考えていたのだ。

「3月30日だよ。あ、俺誕生日に欲しいものあるんだ。牧野…くれる?」
「な、な、な、な、なにかな!?」

いつもの10センチの距離はどこへ行ったのかと思うほど、類にピッタリと密着されて腰に手を回されると、つくしは真っ赤になって酸欠状態の鯉の如く口をパクパクさせた。

まさか、まさか…プレゼントってあ、た、し…なーんて。

「だから、牧野…くれる?」
「あた、あた、あた、あたしっ!?」
「そ、あんたの1日、俺にちょうだい」

1日……?
つくしがポカンと口を開けていると、変な顔と笑った類に指で口を摘まれる。

「む〜っ」 
「デートしよう。いつもとはちょっと違ったデートね」

類とデートしたことなどあっただろうかと思いを巡らせるが、例えば大学からの帰り道お茶をしたり、勉強をしたりといったことを思い出す。
一応あれはデートになるのか。

「返事は?」
「誕生日、そんなんでいいの?」
「俺にとっては、何より嬉しいプレゼントだよ」

腰を引き寄せられ優しく唇が重なると、また肌の触れ合いの話を思い出してしまい、つくしは目を瞑りながらも頬が熱く火照るのを自覚した。
薄っすらと目を開けて類を見上げると、類が驚いたようにジッとつくしを見る。

「そんな顔しないでよ…止まらなくなるでしょ?」
「そんな顔ってなに…んっ」

唇を舌でなぞられ、閉じている唇の隙間を舌でこじ開けられると、湿った音が重なった唇から漏れ聞こえる。
唇が赤くなるほど何度も舐められ吸われて、つくしは身体から力が抜けてしまう。

「んんっ…はぁ…」

これを快感と言わずして何と言おうか、ずっとしていて欲しい、そんないやらしいことを思ってしまうほど、類とのキスは気持ち良かった。

「ふっ…ぁん、る、い…」

気付けばつくしの手は類の背中に回っていて、キスの仕方も分からないのに類の舌の動きに応えるようにおずおずと舌を絡ませる。

もっと、と言ってしまいそうな自分を抑え、つくしは離れていく唇を名残惜しそうに見つめた。

「これ以上は…俺がヤバイ…何も知らないくせにエロ過ぎ」

つくしには類の言葉の意味がよく分からなかったが、どちらにせよ快感に酔いしれていた頭では何も考えられなかっただろう。
類はつくしの頭をクシャクシャと撫でると、ソファに倒れ込んでいるつくしの手を引いて起き上がらせた。

「急ぐつもりはないけど、俺も3年分溜まってるから…ごめんね」


***


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そのままの君が好き 3

そのままの君が好き 3


美結、皐月、菜々とは大学に入ってから友人になった。
初めこそつくしに話しかけてきたのは、いつも大学前で待つ類への好奇心が大きかったのだろう。
しかし、20歳にもなる大人だ、類の前でミーハー根性で騒ぎ立てたりはしない分、類とのことを何やかんや言われながらも付き合いやすかった。

それでも、気心知れた仲の優紀に比べると、どうしても表面上だけの付き合いになってしまうことは否めない。

「大学の友達?」

突然現れた3人組の女性に、優紀がつくしに聞いた。

「あ、うん」
「つくしの友達?私、橘美結でーす。ねぇねぇ、うちらも隣座ってもいい?」

3人の中で一番社交的な美結が優紀へと自己紹介をし、隣に座ってもいいかと聞きながらすでに荷物を椅子に置いている。
つくしはチラリと優紀に視線を移すと、別段嫌な顔もせずいいよと口の動きだけで優紀は言った。

「どうぞ。私、松岡優紀です。つくしとは中学の同級生なの」
「優紀ちゃん?こっちは、皐月でその隣が菜々ね。あたしは浪人してるから1つ上だけど、みんな同じ歳だよね?」

美結が皐月と菜々の自己紹介を済ませると、3人はメニューを見ながら話し始めた。
その間、何となく3人の前では類の話をするのが憚られ、優紀もそれを感じ取ったのか、目の前のランチプレートを食べることに集中した。

「優紀ちゃんはさ、つくしの彼氏知ってる?」

注文を済ませ、美結が3人分の水を取りに席を外す。
残された皐月と菜々が、共通の話題としてつくしのことを話しのネタにするのは致し方ないのかもしれない。
しかも一番先に思い付くのは、やはり類のことであったのだろう。
優紀は眉を下げ困った様子でつくしを見るが、つくしも仕方のないことだと分かっていて、大丈夫だと1つ頷いた。

「親しいってわけじゃないけど、知ってるよ」
「そうなんだ〜。あんな人がつくしの彼氏ってビックリだよね!羨まし過ぎる〜」

多分、類に思いを寄せていた菜々は皐月の話に微妙な表情であったが、羨ましいという言葉にはうんうんと頷いていた。

「確かに、素敵な人だよね?ね、つくし?」
「う、うん…。でも、もう、恥ずかしいから他の話にして〜」

つくしは類と自分のことを話しのネタにされていると思うと居た堪れなく、頬を染めて顔を手で覆う。

「なになに〜?何の話?」

3人分の水をトレーに置いて戻ってきた美結が、話に加わる。

「つくしの彼氏の話〜!お迎えの人〜」

女が5人揃えば、恋人の話になるのは自然なことだ。
皐月と菜々は今付き合っている人はいないらしいが、それでもいい大人が何もないわけはなく、合コンや飲み会での男性の話は尽きないぐらいなのだ。
つくしが殆ど3人に語らないお迎えの王子様の話は、是非ともじっくり聞きたかったに違いない。

「私も聞きたい〜!!彼氏だとは思ってたけどさ〜この子なかなか口割らないの!出会いは!?」

美結はやはりノリノリでガールズトークに加わり、お絞りをマイクに見立ててレポーターさながらの様子だ。
つくしがあまりに隠し立てして、優紀に狙いを変えられても困る。

「高校の先輩だよ」
「つくしって英徳だったよね!?やっぱりあの人セレブかぁ〜!乗ってる車超高級車だったもんね〜。あぁ〜ますます羨ましいんだけど〜!」
「いつから…付き合ってたの?前に聞いた時は彼氏じゃないって言ってたよね?」

菜々の聞き方が多少冷たくなってしまうのは仕方ないのかもしれない。
つくしも菜々が類に思いを寄せていたことを知っていて、自分の気持ちは棚に上げて友人だと言っていたのだ。

「この間…美結たちと大学の門のとこで会った時…から、かな?」
「えっ!じゃあ、それまでは本当に友達だったの…?」
「うん…」

つくしが頷くと、優紀が言葉を継いだ。

「花沢さんは3年前からつくしのこと好きだったと思うけどね…」
「ええ〜3年も!?つくしどういうこと!?あんな素敵な人を3年待たせるなんて!」
「あたしだって、3年もなんて知らなかったよ…もうとっくに友達でしかないと思ってたから」

つくしは、とっくになくなったグラスのストローをグルグルとかき混ぜた。
恋愛話が嫌いなわけではないが、こういった話の行き着くところはいつも同じなのだ。
経験のないつくしにとっては、だから苦手だと言える。

「じゃあさ、じゃあさ…もう、した?」

瞬間、つくしが飲んでいた水を吹き出した。

やっぱりーーーっ。


***

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そのままの君が好き 2

そのままの君が好き 2


もうすぐ大学3年生となるつくしは、春休み期間中も相変わらずバイトに勉強にと日々忙しく過ごしているが、最近変わったことと言えばただ、一つ。

類が彼氏になった。

果たしてあれが付き合ったと言えるかどうかもわからないままに、司とのジェットコースターに乗っているような恋愛期間が終わり3年近く。
司を除いては未だかつて恋人などいた経験もないつくしは、類と付き合うといっても、普通の恋人同士がどういう付き合いをしているかなど知らないし、また普通の付き合いが類と出来るのかという不安もあった。


「それで、やっと花沢さんと付き合うことになったんだ〜?私から見たら遅すぎたくらいだけど、ね」

大学も春休みに入りバイトが休みであった今日、つくしは優紀と大学近くの店でランチの約束をしていた。
優紀は大学生になってから一人暮らしを始めていて、つくしの住んでいる家との間を取ると、つくしの通う国立大学近くで待ち合わせすることが多くなる。
いつものランチ時は学生でかなり込み合っているが、大学が休みに入ると客もまばらになり長居できる為、近辺の店は女子会に重宝されていた。

「優紀はさ、彼氏といつも何してるの?」

つくしは、ここのところ1人で抱え込んでいた悩みを吐き出すことにする。
もっと早くに相談をしたかったが、メールでどう伝えればいいのか言葉が出てこなかったし、具体的に何か困ったことが起きたというわけでもないのだ。
寧ろ今までと何も変わらないことが、悩みなのだ。
つくしは運ばれてきた無国籍料理のランチプレートに舌鼓を打ちながら優紀に聞いた。

「うーん、別に普通だよ?ご飯食べに行ったりカラオケ行ったり…あ、こないだランド行ったよ」
「へ〜いいなぁ」

彼氏とのデートの様子を話す優紀は幸せそうで、きっと彼も優紀のことを大事にしてくれているのだと言葉尻から伺うことが出来た。

「友達期間が長過ぎて…いざ、付き合うってなっても…どうしていいか分からないんだよね」

類は以前と全く変わらずに、つくしの大学まで迎えに来るし、春休みに入ってからは連絡を取り合い会っているが、過ごし方も相変わらずだった。
だから、世間一般のカップルはどう過ごしているのかを知りたかったのだ。

「逆にさ…友達期間の間はどう過ごしてたの?」
「へ?うーん…お茶したり、勉強見てもらったり、類の家に行くことも多かったよ。部屋でテレビ見たり、でも、いつの間にかグーグー寝ちゃうんだよね…あの家のソファ気持ち良過ぎてさ〜」
「そのままでいいんじゃない?」

優紀にしてみれば、つくしから聞く類と2人きりの時間は恋人同士が過ごすそれとどう違うのか分からなかった。
もちろんつくしをバカにしているわけではないが、あまりに可愛らしい悩みを打ち明ける親友にふふっと笑いたくなってしまう。

「そうなの、かな?世の中のカップルの人たちは何してるんだろ〜」
「あとはもちろん、肌の触れ合い…だよね」
「はっ!?肌のって…っ!優紀〜何てこと言うの!?」

真っ赤になってシーっと人差し指を立てるつくしの方が余程声が大きい。
つくしから聞く花沢類という人はとにかく優しい、一緒にいて安心出来る、その言葉に尽きるが優紀のイメージとしてはそれだけではない気がするのだ。
あのF4の1人であり、目を瞑っていたって絶えず女の方から声が掛かるだろう容姿の男が、司と付き合いがある頃から3年という長い月日つくしのことを思い続け側にいたのだ。
それは並み大抵の執着心ではないように思える。

優紀も今付き合っている恋人のことはもちろん好きだ。
しかし、違う相手のことが好きかもしれない男のことを何年も思い続けることは出来ないと思う。

つくしの気持ちを知った今、彼がどういう行動に出るか、優紀は楽しみ半分不安半分といったところだ。
しかし、つくしを大事にしてくれる彼だ、悪いことは起こらないだろう。

「肌の触れ合いも大事だよ?好きだから触れたくなるし、相手だって同じだと思う。つくしは思わない?」
「よく分からない、けど…手繋いだりは嫌じゃない…かな」
「そうそう!まずはそこからでいいんじゃない?」

恋愛にそう積極的には見えない優紀だが、実はこうと決めたところは譲らずに頑固なところがあるため、好きな人には猪突猛進、結構アピールをするらしい。
つくしよりも一歩も二歩も先に進んでいる優紀は、どうやってその壁を乗り越えたのだろうとつくしとしては不思議に思うのだ。

「自然に…そういうことになるの?」
「つくしがそんなこと聞くなんてね〜ふふっ」
「だってさ…類と、とか考えるだけで爆発しそう〜」

頬を押さえて想像だけで真っ赤になるつくしに、それが訪れるのはそう遠い未来ではないように思えるが、今優紀が何か言えば、優紀の言葉を意識して類にどうしたのかと突っ込まれるのがオチだろう。

「恋って不思議だよね…。初めは小さい好きって気持ちが、会えば会うほど大きくなる。触れれば触れるほど、もっとって思うんだよ」
「うん…」
「花沢さんがつくしに無理強いするとは思えないけど、つくしもそういう機会があったら絶対拒否しちゃダメだよ」

優紀はきっと大丈夫だからと、つくしを安心させる顔で笑った。
優紀と会っていると、中学高校時代より頻繁に会えないせいか、積もる話が山ほどあり、お互いランチプレートが全く減っていかない。
ただ、飲み物だけがどんどんとなくなり、セルフサービスの水はすでに三杯目である。

「あれ?つくし〜?」

***


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ラストゲーム【君次第だよ】

ラストゲーム【君次第だよ】
付き合ってる設定です。柳×美琴
需要ないと思いますけど…書いてしまった(笑)





大学2年まで柳の下の名前すら知らなかった。
意地悪ばかりで怒りっぽくて、そう思っていた柳が本当は凄く優しいことにも気が付かなかった。

「九条?お前変だぞ…?」

美琴がサークルの部室でみんなを待つ間1人百面相をしていると、美琴より5分遅れてきた柳がドアを開けたままギョッとして固まる。

「あ、柳…おはよう」
「ああ、はよ…。で…何かあったのか?」

美琴の髪をサラリとかき上げ、クシャクシャと頭を撫でるのはいつものことだ。
なのに、それが自分にとって特別なことへと変わったのはいつからだったか。
自覚した恋心は、今まで何も知ろうとしなかった分吸収も早く、美琴の心を柳への想いでいっぱいにしていた。

「柳と一緒に居られると嬉しいな、と思って」
「おまえは…またそういうことを…はぁ〜」

美琴が柳への想いを素直に口に出してみれば、いつも驚愕の表情を見せ、それから少し照れくさそうに、最後には何故か疲れた様子で項垂れる。
美琴からしてみれば、いつも怒ったり叫んだり蹲ったりする柳の方が余程変だと思う。

「柳…?」

柳は、美琴の隣の椅子に腰掛けると、美琴の肩に額を乗せる。

「あんまり可愛いこと言うなよな…つうか、今俺がお前のこと抱き締めたら、絶対に藤本あたりがそこのドア開けるんだぞっ!もう、何度邪魔されたかっ!」
「何言ってるのか、全然分からない」

柳は行き場を失った両手を美琴の背中で彷徨わせると、意を決したように手を回した。

「や、なぎ…?」
「ここまでは、誰も来ないな…。なぁ、嫌だったら言えよ?」

背中に腕を回されたことで、自然に柳の胸の中に倒れこむ形となった美琴は、柳の胸からドクドクと早鐘を打つ心臓の音を聞いた。

「凄い、心臓の音…」
「ヤバイぐらい、緊張してる。九条…キスしていい?」
「なんて答えればいいのか、分からない。キスは…友達とはしない?」

柳の胸に顔を埋め頬を摺り寄せながら、美琴は上目遣いに聞いた。

「キスは好きな人とするもんだよ…」

柳が顔を上げた美琴の顎を持ち軽く唇を合わせると、プラネタリウムで触れ合った手のように、触れ合った場所から熱が身体に広がっていった。

「ふっ、誰にも邪魔されなかったの、初めてじゃねぇ?」
「そうなの?」
「もう一回…していい?今度は少し長く、な」

美琴が頷く前に合わされた唇は、すぐに根を上げてしまいそうなほど長く角度を変えながら、しかし触れ合うだけのキスをする。

「ん、んっ…はぁ…」
「そういう声、ヤバイ…」

みんながもうすぐ来てしまうとか、大学は勉強する場所だとか、頭では分かっているのに、柳を拒否することが出来ない。
合わせるだけだった柳の唇が、美琴の上唇を口に含み、啄むように何度も唇を舐められて、美琴の唇の端から絶え間なく喘ぐような声が漏れた。

「はぁ…ん、んっ…ふぁ…」
「お前…可愛すぎ…」

柳の舌が美琴の口の中にヌルリと入り込んでくると、美琴の瞳が驚きで見開かれる。

「大丈夫、これも好きな人とするキスだから」

美琴は柳のシャツを掴むと、漏れてしまいそうな声を必死に抑えた。
チュッチュッと歯列をなぞり、美琴の舌を捉えると唾液を送り込むように舌を絡ませた。

「はぁ…ん、ふぁ、はっ…」

互いの唇にしか意識がいかずに、気が付けば美琴の座る椅子に柳がのしかかるような態勢を取っていた。
名残惜しそうに離された唇からは糸が引き、それを舐めとるように柳がもう一度唇を重ねた。

「邪魔されないのは、もっとヤバイな…」

美琴は荒くなった息を必死に整え、自分の身体でないようなフワフワとした感覚を持て余していると、柳は美琴の椅子から離れ、隣の椅子に座る。
ただそれだけなのに、柳に触れられていた背中が、肩がなんとなく寂しく感じて、美琴は手を伸ばし柳のシャツを掴んでいた。

「九条…?」

柳に声を掛けられ、パッと手を離すと恥ずかしさから顔を赤らめた。
まだ、抱き締めていて欲しいなんて考える自分が、どうかしてしまったようで戸惑う。
柳のことを好きだと自覚してから、どんどん欲張りになってしまう。
こんな自分でも、柳は好きだと思ってくれるのか、今まで感じたことのない不安もあった。

「ん?どうした?」

美琴が押し黙っていると、決して急かさずに待っていてくれる。
殆どの場合、語らずとも感情の変化は知られているが言わなければ伝わらないこともあるのだ。

「柳に触られるとおかしくなる…いっぱい触ってほしくなる…どうして?」
「……っ」

ボボボッと擬音が聞こえてきそうなほど頬を染めた柳が、言葉にならない様子で椅子に項垂れた。
そして急に顔を上げたと思うと、いつものようにお説教タイムが始まった。

「おーまーえーは!そういうこと頼むから外で言うな!俺が押し倒せる場所にしてっ!頼むからっ!」
「え…」

言い終えると再び踞り頭を抱えた柳に声を掛けようとした時、扉の外からガタンと音が聞こえた。
2人同時に部屋の扉へ視線を移すと、天文サークルのメンバーが揃い踏み15センチほど開いた扉の外でほんのりと顔を赤らめて気まずそうに視線を外す。

「「「…………」」」

ただ1人藤本だけは、ドアをバンっと開け放つと美琴の元へ駆け寄る。

「みこっちゃ〜ん!!」
「しおりちゃん?」

美琴は柳のこと以外は冷静で、藤本が部屋に入ってきたことにも動じなかった。
藤本は嬉しそうにふふっと笑い、美琴に耳打ちする。

「柳くんに、ちゃんと好きって言えたんだね。良かった」
「え、しおりちゃん、凄い!なんで分かったの?」
「え……?」

そりゃあ、あれだけイチャついているところを見せられれば…藤本は美琴には言えずに、ラブシーンを人に見られたことでかなりのショックを受け蹲る柳の肩をポンと叩いた。

こりゃ、苦労するわ……。


fin

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オダワラアキ

Author:オダワラアキ
オダワラアキの二次小説・二次創作置き場へようこそ。
ひるなかの流星・花より男子・日々蝶々・君に届け・会長はメイド様の二次小説・創作置き場です。黒バス黄黒、青黒BLも書いております。
現在はオリジナルばっかりになってしまったなぁ。

こちらを読むにあたって下記注意点をお読みになってからお進みください。

このサイトは原作のある漫画の二次創作、小説です。

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