現在の閲覧者数:
FC2ブログ

around30→62

around30→62



つくしは司に向けて、というより貴子に向けて話していた。
類と結婚するまでも、結婚してからも周りの友人たちの助けがあり何とかやってこれた。
友人たちというのは、もちろん司を始めとした英徳の友人たちであり夫である。
彼らは社会に出てから困ることのない教養を幼い頃から身に付けているのだ。
それは公立の小学校、中学校では身に付かないほどのスキルだった。
貴子もつくしの言葉に大きく頷いた。

「うまく言葉には出来ないけど…大人になってから思うものね。あぁ、小さい頃からやっておけばよかったって」
「うん…ほんとにね。努力で何とかなるってこともあるけど、出来るのであればより良い環境で勉強させてあげたい、って思うのは悪いことじゃないと思う」

司はつくしの言葉に考えさせられるものがあったのか、貴子の言葉にも耳を傾けていた。

「確かにな…高校の頃のお前見てたから言うわけじゃねぇが、俺は恵まれた環境にいるんだろうな」
「ううん、あんたが恵まれてる…とは思わないわよ?お金がなくちゃ生きていけないけど、お金だけあればいいってもんじゃないでしょ?」
「まぁな、で…お前はどうしたいんだよ。類じゃなくて、わざわざ俺に相談ってんなら、根本的な問題解決がしたいんだろ?」

そう、英徳学園において権力を持つ司ならば、もしかして変えられるのではないかと思ったのだ。

「うん…英徳学園の理事長と繋がりがある道明寺なら、話くらいは聞いてくれるかなと思って。あのね…国の就学支援金や奨学給付金制度はあるけど、そんなの微々たるものじゃない?しかもその制度、入学金や授業料にしか充てられないのよ。そうじゃなくて、能力のある子どもには英徳学園独自の奨学金制度を導入出来ないかな…って。努力しそれを必要している人のために」
「その制度を導入したとしても、お前の友達が受けられるとは限らねぇぞ?」

司は貴子をチラリと見て言った。
つまりは、貴子を絶対に助けられるものではない、ということだ。

「分かってる…。でも、貴子さんだけじゃないかもしれない、もしかしたら昔のあたしみたいな生活してる人もいるかもしれないじゃない…誰かを贔屓にするんじゃなくて、公平な目で公平に授業が受けられるようにしてほしいだけ」
「つくしちゃん…」

つくしが司のところに来たのは、学園の運営について口を出すことになるからだった。
いくら類と結婚し花沢家も多額の寄付金を納めているとはいえ、直接的な英徳との繋がりは薄い。
英徳学園への影響は、寄付金の額からも道明寺財閥がトップで、学園の理事も道明寺の遠縁にあたるらしい。
お金がないという理由で、今までは高望みだと思われていた夢を諦めなくても済むように、本人の努力に合わせた制度を導入すればいいではないかと思ったのだ。
最高の場所で最高の教育を、それはセレブだろうが貧乏であろうが平等に与えられる権利であってほしい。
しかし、いくら司の友人であるとは言え、断られる可能性の方が高いことは分かっていた。
それでも、貴子が息子である航に今後も英徳で授業をと望むのであれば、根本的な問題解決が必要であるし、つくしの出来る手助けはこれぐらいしか思い付かなかった。

「分かったよ…手続きするように話通してやる。但し、お前の友達が奨学金対象者になるかは別の話だからな」
「うん。ありがと…道明寺」

つくしが嬉しそうにふわりと笑うと、珍しくも司は頬を染め目を反らした。


***

皆さまからの拍手、コメントとても励みになります!
ありがとうございます!


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


ブログランキングに参加しています!ポチッとお願いします(^-^)


スポンサーサイト

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

around30→61

around30→61



道明寺本社ビルのロビーにいる人々が、突然現れた司に足を止め頭を下げると、皆一様に驚愕の表情をしていた。
社長の息子であり財閥の後継者でもある司が、誰も見たこともないような笑みを浮かべて女性と話をしているのである。

ロビーにいた人々は、一体何者だとつくしたち3人が自動ドアを抜けるまでその様子をじっと見つめていた。

「貴子さん、ぶっきらぼうでちょっと凶暴だけど、悪い奴じゃないから!」
「んだと…?お前のがよっぽど凶暴だろうが…」
「はぁっ!?これでもちょっとはお淑やかになったし!」
「この間のパーティで、あたしにお淑やかさを求めるなって言ったのはどこのどいつだよ」

まるで夫婦漫才のような掛け合いが店に着くまで続き、そんな2人の様子にどこか緊張していた貴子も肩の力が抜けた。
歩いていたつくしもどこに行くのかと、司の後を着いて行くと、着いた先は道明寺本社ビルからも近いメープルだった。

「メープル…久しぶりに来た」
「昼時はどこも混んでるからな。メープルならいつでも席は開けさせることが出来るし、ここでいいか?」
「うん、ありがとう」

司は日本料理の店を選ぶと、店主は深々と頭を下げ奥まった個室に案内する。

「ランチのコース適当に頼む」
「かしこまりました」

司がメニューも見ずに言うと、いつものことなのか店主も気にすることなく奥へと下がった。

「で、どうした?お前が俺に頼み事なんて珍しいな」
「うん、あのね。まずは…こちら柴咲貴子さん…で、こっちが友人の道明寺司」
「よろしく…お願いします…」

貴子は司の発する威圧感にあてられているのか、ビクビクしながら頭を下げた。
司はそんな態度に慣れたもので、別段気にする風でもなく、小さく頷いただけである。

「で、これ見て…英徳のバザーなんだけどさ」

つくしは学園でもらったプリントを司に見せる。

「ああ、ブランド品持ってこいとかいうやつな…お前んちにも出す物なんざ、いっぱいあるだろ?」
「え、あぁ、それはそうなんだけど…あれは類があたしにって買ってくれた物だもん、バザーになんか出せないよ。だから、いつも佐原さんにお願いしてたの。適当に買ってくれてたみたい」
「類の奴、しょっちゅう買ってくんだろ?処分しないと凄い量になるぞ…」

類のつくしへのプレゼント攻撃は司も知っていて、昔よりかは減ったものの一時はどうすれば止めてくれるのかと相談していたくらいだった。
結局、物を欲しがらないつくしの代わりに買っているのだという屁理屈の元、未だに続いているのだが。

「だって類が…って!そのことじゃなくて!あたしが言いたいのはさ…あたしの感覚で言うと、このバザー品提供の金額ってあり得ないわけ」
「まぁ、おまえの感覚ならそうだろうな。つーか…あんたも、貧乏なのか?」

急に司に話を振られて、驚いた貴子は何と答えていいのか言葉に詰まる。
今まで自身の家庭を貧乏だと思ったことはなかったし、英徳の授業料を払っても食べていけないほどじゃないが、英徳の中では極貧扱いを受けている…この状態をどうやって説明すればいいのだろう。

「あのね、貴子さんはいつかのあたしみたいに授業料払うためにバイトなんかしてないし、小学部から英徳に入れられるんだから貧乏なわけじゃないの。ただ、道明寺の金銭感覚と同じなわけじゃない。あたしと話が合うぐらいだから」
「ふん、そりゃ俺ほどの金持ちは英徳でも稀だろうよ。しかし、あんた…これからずっと子どもを英徳に通わせるってなると、これぐらいの金も用意出来ないんじゃ相当厳しいぞ?」

つくしはまだ何も言っていないが、司の中では貴子はバザーの提供にも困るほどの貧乏という位置付けがされてしまったようである。
しかし司の言葉はもっともで、つくしも貴子に話そうと思っていたところだ。
小学部から英特に入るということは、引越などの特別な事情でもない限りその後大学卒業まで英徳に在籍する場合が殆どだ。
小学部6年間だけでも、授業料以外の諸経費は相当な額だろう。

しかし、25万程度の金を用意出来ないのではなく、25万は柴咲家にとっては痛い出費であると聞いただけで、どの程度かはつくしも知るはずがない。
それに、他所の家の金銭事情にやたらと踏み込むのは、誰であっても気分のいいものではない、つくしはその辺りを貴子にどう話せばいいかを迷っていた。

司に極貧扱いされ気分を害してないかとつくしは貴子を見るが、その目は真っ直ぐに司を見ていた。
そして、表情を変えることなく黙って2人の話を聞いていた貴子がポツポツと話し出す。

「はい…私も今日の保護者会でそれがよく分かりました。うちの子は勉強が好きみたいで、将来はお医者さんになりたいんだって言ってたもので、家計が少しくらい厳しくても子どもの夢を叶えてあげたいと、夢を見過ぎてしまったようです。やはり…分不相応ってありますね」
「医学部に行きたければ大学からでもいいだろ?」

確かに小さい頃の夢はこれからいくらでも変わる可能性もあるし、事実公立の学校から医学部のある国立大に行く人も大勢いるのだ。
しかし、貴子が無理をしてまで英徳に入れたかった理由も、つくしは今なら少し分かる気がする。

「道明寺…あんたは小さい頃から英才教育を受けるのが当たり前の生活だったじゃない?あたしは…普通の小学校、中学校だったから貴子さんの気持ちも何となく分かるわよ」


***


皆さまからの拍手、コメントとても励みになります!
ありがとうございます!


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


ブログランキングに参加しています!ポチッとお願いします(^-^)


テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

around30→60

around30→60



貴子の言葉に教室内からは笑いが漏れる。

「バザー品も用意出来ないくらい、貧乏なのかしら…」
「親がそんなんじゃ子どもが可哀想よね…」

貴子の家は決して貧乏なわけではない。
英徳の入学金と毎月の授業料を支払えるくらいなのだから、公立の小学校ならば寧ろお金持ちという立ち位置になるのではないだろうか。

「花沢さんが何とかしてくれるんじゃない?お友達、みたいだし」

どうして人を傷付けることしか言えないのだろう。
人を馬鹿にして、上から目線で物を言うことでしかプライドを保てないのか、貴子への中傷は止まらない。
ずっと今の地位を築いていられると信じていて、それがなくなることもあるとは思いもしないらしい。

「もう保護者会は終わりですよね、私たちはランチ会欠席でお願いします。貴子さん、行こう?」
「あ、うん…」

つくしが立ち上がり、貴子の手を引き教室を出る。

「つくしちゃん、さっきはありがとう」

廊下を歩きながら貴子がつくしに微笑みかけた。
しかし、その顔はどこか寂しげでつくしを遣る瀬無い気持ちにさせた。
例えば、つくしがお金を出して貴子にバザー品を渡せば、貴子はつくしをもう友達だとは思ってくれないだろうし、そんなに簡単な問題ではないことも分かっていた。

「ううん…あ、洋服のことごめん。この間会った時に伝えれば良かった…。あたし服とか全然分からなくて気が付かなかった…」
「服のことは私も確認すればよかったんだから、つくしちゃんは気にしないで。でも…やっぱり英徳って凄いんだね…外部から来た人は驚いてたけど、みんなバザーのこと当たり前って感じだもの」
「あたしも幼稚部で最初に言われた時は驚いたよ。うちは双子だから倍だしさ…。貴子さんはどうするの?」
「うーん、決まりなら貯金崩して何か買うしかないよね〜。でも、痛いなぁ…」

貴子にとってもつくしにとっても子ども1人につき25万円は決して小さい額ではない。
しかも、バザーは毎年開催され、その他にも遠足積立金やらPTA会費、音楽の授業で使うバイオリン代などが今後もかかってくる。
つくしも何か力になれないかと考えながら歩いているうちに、学園の門に着いてしまった。

「つくしちゃん…本当にありがとう。じゃあ、またね」
「あっ!!貴子さん待って!いいこと思いついた!」
「え…?」

貴子はずっと黙って歩いていたつくしの、突然上げた声に驚き足を止めた。

「今から時間ある!?」
「あ、うん。大丈夫だけど…」
「ちょっと車の中で話そう」

つくしはそう言うと運転手を呼び、貴子と共に乗り込んだ。
車の中でもちょっとごめんと、どこかに電話をしている。

「あ、もしもし、あたし。久しぶり……うん、今仕事中だよね…ごめん。あのね、ちょっとお願いがあって………うん、今友達と一緒なんだけど、いい?……分かった」

つくしは電話を切ると運転手に行き先を告げた。

「道明寺本社ビルに行ってもらえますか?」



相変わらず首が痛くなりそうなほど高いビルだ。
花沢も似たようなものだけどと、つくしはビルの受付へと急いだ。

「花沢と申しますが、道明寺専務をお願いします」
「お約束はございますか?」
「はい、さっき本人に電話で確認しましたので、大丈夫だと思います」

受付にいた女性はつくしの言葉に驚き2人を見るが、明らかに仕事で来た雰囲気ではない女性2人の関係性を疑っているだろうに、それを表情には決して出さないのはさすが大企業の社員である。

「貴子さん、座って待ってよ」
「あの、つくしちゃん…どういうこと?」
「ん…あぁ、あんまり最初に期待されちゃうとダメだった時に申し訳ないから、もう少し待ってね。取り敢えず道明寺来たら、ご飯食べに行こう?」

道明寺とはつくしから聞いていたF4の1人だろうと貴子は気がつくが、その人と自分が何の関係があるのか未だに分からずに困惑した表情を見せる。

「牧野!…お前突然過ぎだろ!スケジュール空けさせるの大変だったんだからな…」

貴子が口を開こうとすると、司がエレベーターから降りて文句を言いながらズカズカとロビーの椅子に座るつくしの元へやって来た。

「忙しいとこごめん。大丈夫だった?忙しかったら仕事終わってからでも良かったのに…」
「いや、いいけどよ。お前からの誘いなんて滅多にないし。西田もお前の名前出したら一発。たまにはゆっくり昼食をどうぞ、だってよ」
「ありがとう、あ、電話で言った柴咲さん、彼女も一緒にいい?」
「ああ、じゃ行くぞ」

司は貴子をチラリと見ると、さして興味もなさそうにエントランスへと歩き出す。


***


皆さまからの拍手、コメントとても励みになります!
ありがとうございます!


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


ブログランキングに参加しています!ポチッとお願いします(^-^)


テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

around30→59

around30→59



保護者会は授業が終わった後に行われるため、双子が邸に帰って来てから学園に赴くことになる。
つくしは仕事を午前中に終わらせて早退し、一度邸に戻って髪型やメイクを直し着替えてから再び出かけた。

朱に染まれば赤くなるではないが、たかが保護者会においても母親たちは全員ブランドワンピースやスーツに身を包んで来園していた。
つくし自身は何を着て行こうと自由なのではと思っていたが、佐原がわざわざスーツを用意してくれているのにいつものような普段着で行こうとは思わなかっただけである。

つくしが教室に入ると、教室内は妙に騒ついていた。
20人が座れる椅子と机が向かい合わせに並んでいて、半分くらいは人で埋まっているが、座った人々の視線はある一点を見つめていた。
つくしも何気なしに視線を移すと、居た堪れない様子の貴子が身を小さくして座っていた。
理由は一目瞭然で、貴子が普段着で教室に入ってきたことだと思われる。
普段着とは言っても、この後のランチのことを考えてのことなのか、パンツスタイルにコットンシャツで、それの何がいけないのかつくしには正直分からない。
つくしは重いため息を吐き、周りをジッと睨む。

ほんっとに、母親になっても成長しない…!

行儀の悪い行いだと分かっていても、舌打ちしたい気分になってしまう。
そして、全員がまだ揃っていない為、近くに座る人と各々会話をしているのだが、その殆どが貴子を誹謗中傷するものであった。

「恥ずかしい…よくあんな格好で来られるわよね〜」
「ほんと、花沢さんに取り入ってるんだから、お洋服の1着や2着いただけばいいのに」
「花沢さんは親切ですから、あの方がそれを勝手に勘違いされてるだけじゃなくて?」
「そうかもしれませんわね〜ふふっ」

つくしはこの時初めて、貴子の立ち位置を知ることとなる。
自分でも覚えのある感覚ーーー。
F4の近くにいたつくしに、いつも投げかけられていた視線、それと同じものが貴子へと向けられている。

堪らずにつくしは、机をバンっと叩き立ち上がった。
親たちが揃うまで待機していた教員も、座っていた母親たちも一斉に立ち上がったつくしを何事かと見上げる。

「は、花沢さん…?」
「どうかなさいました?」

つくしイコール類の妻であり、あのF4の友人、すっかりそう刷り込みされている母親たちはビクビクしながらつくしを伺うように見つめた。

「保護者会に何を着て来ようと自由だし、あんたたちが着ている服はご主人のお金で買ったものでしょう!人のことをとやかく言いたいのなら、自分で働いて買ってからにしなさいよ!」

教室内は先ほどとは打って変わった静けさが漂う。
誰も何も言葉を発することが出来ずに、誰かに助けを求めるような視線が飛び交った。

「失礼致しました。先生、時間になりましたので始めていただけませんか?」
「は、は、はいっ!!」

つくしが着席すると、教員は慌てたようにプリントを配る。
プリントの内容はバザーの品物提供のお知らせ、とありサッと内容に目を通すと、幼稚舎で配られたものと変わらない。
仕方のないことかもしれないが、この学園が一部のセレブしか入ることが出来ないのは、入学金授業料が高額なことももちろんだが、こういったイベントごとも理由の1つに上がるのではないだろうか。
やはり外部から小学部受験で入ってきた親たちはプリントに目を通して驚いている様子である。

新品のブランド品、子ども1人につき5点。
1つの品物5万円以上に限る、とある。
つまり、花沢家の場合は双子であるため50万円分のブランド品を学園に無償で提供しなければならないのだ。
一応はバザーであるため、使わなくなったブランド品(新品に限る)と記載されているが、要はない場合は購入しろと言うことだ。

貴子に視線を向けると、目を見開いてプリントを見ていた。
それはそうだろう、もし牧野家であったならば、何ヶ月分の給料かという金額なのだ。
そう簡単に払えるものではない。

「え〜プリントは行き渡りましたでしょうか…。ご存知の方が多いと思いますが、今年もバザー品の提供をお願い致します。詳細は記載の通りで……」

教員がバザー品を今月末までに、学園に郵送、もしくは直接届けるようにと話をするのだが、幼稚部からの母親たちは聞いている様子もなくお喋りに花を咲かせている。
それはつい先ほど、貴子を中傷していたメンバーだった。

「あの…」

その時、貴子がおずおずと手を上げた。

「柴咲さん?何でしょうか?」
「あの、これって強制ですか…?新品で使わないブランド品なんて、うちにはないんですけど…」
「え〜、ない場合はですね〜。え〜と、まぁ、購入して頂くことが多いと思いますが…。皆様の不平等にならない為に、一応5点出して頂く決まりです」

教員もあり得ないと分かってはいるのか、周りを伺い言いにくそうに貴子へ伝えた。

「そうですか…分かりました」

英徳学園で働く教員は、英徳出身でない場合が殆どだ。
何故なら、英徳を出ていて学校の先生になりたいと思うような生徒は1人もいないからである。
それは、先生という職業が魅力的ではないとかそういう理由ではなく、当たり前のように人の上に立つことが決まっている生徒が大多数だからだ。
英徳の教員になるためには、金銭目的の誘拐を防ぐため、ある程度の財力は必要でもちろん与えられる給料もかなり高い。
しかし教員の殆どは一般家庭の出身で、価値観の違いはそう簡単になくならない為に、研修は相当厳しいものだとつくしも聞いたことがある。


***


皆さまからの拍手、コメントとても励みになります!
ありがとうございます!


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


ブログランキングに参加しています!ポチッとお願いします(^-^)


テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

around30→58

around30→58



邸へとやって来た貴子は門の前であんぐりと口を開けていた。
都内一等地にある高級住宅街、真と心が英徳に通っていて、貴子は一度しか会ったことがないが有名なF4の1人を主人に持つ…という時点でセレブの1人なのだろうとは思っていた。
しかし、貴子はそれよりもつくしの人柄に惹かれたのだし、貴子も少しぐらいの差を気にするような性格でもない。

「でも、これは…凄い…」

高い塀から中を覗くことは叶わないが、何十メートルも続く塀が中の広さを物語り、遠目に見えるお屋敷という表現が一番しっくりくる大きな家、それがつくしの家なのだ。
恐る恐るインターフォンを押すと、年配のような女性が応答し、貴子が名前を告げるとカチッと自動でロックが外れ門が開いた。

「奥様はお庭にいらっしゃいますので、そのままお進みください」
「はい、ありがとうございます」

インターフォン越しに礼を言うと、貴子と航は庭を家に向かって進んで行く。

「凄いね〜マコと心のおうち公園みたいだね!」
「そうだね〜広いよね」

庭でバーベキュー出来たらいいな、なんて夢に見たものだが、都内…しかも土地の高い場所では庭付き一軒家など夢のまた夢だ。
しかしこの庭はバーベキューどころか公園が丸ごと入りそうな広さである。
実際ベンチが置かれ、子ども用のブランコやジャングルジムまで置いてあるのだから、マンションの隣にある公園という名の広場よりよほど公園らしい。

「あっ!貴子さーん!こっちこっち!」

貴子が庭をキョロキョロと見渡していると、レジャーシートを広げテーブルでお茶を飲んでいるつくしが手を振っていた。
航は双子を見つけると、貴子を置いて走り出した。
貴子も追いかけるように、つくしの元へと急ぐ。

「つくしちゃん!今日はお招き頂きありがとう。航も遊びたかったみたいで、凄く喜んでた」
「ううん、こちらこそ急にごめんね。予定とかあったんじゃない?大丈夫だった?」
「大丈夫よ。うちは共働きだから、どちらかが出来る時に家のことをやることになってるの。今日は主人に買い物とかお願いしてきたから」

貴子はつくしの見せるセレブっぽくない気遣いも好きだった。
共働きであることを恥じたことはないが、やはり英徳に子どもを通わせる殆どの母親たちは侮蔑の視線を貴子へ送ってきた。
過ごしてきた環境、生まれ持った性格だと思うが、つくしにはそれが全くなかった。
寧ろ大変さを理解してくれる貴重な友人と思っていて、他の誰に理解されなくても理解を示してくれる人が1人でもいればいいかと思っているのだが…。

最近起こった問題に頭を抱えているのも事実だった。



それは幼稚部から帰って来た航の言葉がキッカケだった。
いつもは楽しそうに今日あったことを貴子に話して聞かせることが日課となっていたのだが、その日は珍しく口籠りがちに話し出した。

「お母さん…取り入るって何?」
「取り入る?え、どこでそんな言葉覚えたの?」

小学生が使う言葉ではないだろうと、貴子が訝しげに聞くと、航はポツポツと話し出した。

「マコたちのおうちが凄いから、お母さんは取り入ってるんだって…みんなが言うんだ」

どうやら、航は取り入るの意味が分からずに周りに聞いたらしいのだが、言った子どもたちも意味を理解して言ったわけではないようだ。
つまり、親たちがそう話しているということか、と貴子は理解した。

「お母さんは、真くんと心くんのお母さんと友達になったのよ。取り入るっていうのとは違うわ。航も2人のことが好きでしょう?お母さんもつくしちゃんのことが好きなだけ」
「うん。僕…マコのことも心のことも大好き!」
「何か嫌なことを言われたりされたりしたら、お母さんに言ってね?絶対よ?」

航は不思議そうに貴子を見ていたが、うんと大きく頷くといつも通り学校の様子を話し出した。
楽しそうに話すことから、多分一部の子の親が言っているだけだろうと思うが、周りから見ればそう見られるのかと残念でならない。
こんなことで友人になったつくしと距離を置きたくはないし、あまり騒ぎたくもない、結局傷付くのは子どもたちなのだから。



「貴子さん…?何かあった?」

突然物思いに耽る貴子にどうかしたのかと聞くと、貴子はハッと顔を上げ何でもないと首を振った。

「ごめん、ごめん。あまりにいい天気だからぼうっとしてた」
「分かる…気持ちいいよね。あたし、大体日曜日は主人と双子とこんな風に過ごしてるし…」

昼近くなると暑くてずっとはいられないけどねと、屈託なくつくしが笑う。

「みんな〜そろそろお弁当食べよ〜!お母さんお腹空いちゃったよ〜!」
「え、これつくしちゃんが作ってくれたの!?凄い!大変だったでしょう?」

つくしが広げた弁当は、弁当箱と言うより重箱で、中にはギッシリと名前も分からない料理や家庭料理が彩り良く混在していた。

「オシャレっぽいおかずはシェフに作ってもらっちゃった。玉子焼きに肉巻き…筑前煮はあたしが作ったよ〜。あと、お握りもね。お口に合うか分からないけど食べて」
「うわぁ〜美味しそう!これ食べてもいいの!?」

航が興奮気味に話すと、弁当へ手を伸ばす。

「みんな手を洗ってからね!そこの水道で洗っておいで、真、心!航くんを案内してね」
「「はあーい!」」

双子が航を手洗い場に連れて行くのを見送ると、貴子は手も洗わずに弁当に手を伸ばそうとしたことを謝る。

「つくしちゃんごめんね、お行儀悪くて…」
「えっ!航くんお行儀悪くなんかないですよ!?あたしの子ども時代に比べたら、良家の子息って感じ!」
「ええっ?」
「パーティでもガツガツご飯食べちゃうし、家でもそう。ふふっ、あたしより双子の方がよっぽどお行儀がいいかも」

貴子はまさかと驚きの眼差しでつくしを見るが、つくしからすれば小学部から英徳に入ることの出来る航の方が、自分よりよほど育ちのいい子どもなのである。

「「「手洗ったよ〜!」」」

航と双子が靴を脱ぎレジャーシートへ上がると、いただきますと手を合わせてお握りを食べ始める。
つくしは皿におかずを取り分けると、貴子と航、双子に手渡した。

「そういえば、今日はご主人は?私たちだけで頂いちゃって大丈夫?」
「うん。主人にはお弁当作ったから、家の中で食べてるよ。今日は仕事するって言ってた」
「そっか、ラブラブな夫婦の邪魔しちゃったかなと思った」

貴子が意味ありげな視線を送ると、つくしはポッと頬を染める。
邪魔などでは勿論ないが、貴子の言うことも一理ある。
ラブラブ云々だけで言えば平日の夜があるが、双子が父とゆっくり過ごせるのは日曜日しかなく、それを分かっていながらも航と遊びたいと言うのだから、親の手から離れるのも早いものだ。

「あ、来週保護者会あるわよね?つくしちゃんは行く?」
「うん、仕事お休みにして行く予定。貴子さんは?」
「私も保護者会は行こうと思ってるよ…またその日にあるの?ランチ…」

貴子の最もな質問につくしもウンザリとしたため息を吐く。

「多分…ある意味、伝統みたいになってるんじゃないかなぁ〜。でもあたし、この間のランチでやらかしちゃったしなぁ…」
「ふふっ、でもあの時のつくしちゃん格好良かったし、スッキリした」
「うん。実はあたしも!」

以前のランチ会で思いっきり素を出したために、今度はもう自分に何かを期待して群がる母親たちはいないはずだから気を使わなくていいかもしれない。
そう思うと、いつもはウンザリとするランチ会も少し楽しみになっていた。


***

皆さまからの拍手、コメントとても励みになります!
ありがとうございます!


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


ブログランキングに参加しています!ポチッとお願いします(^-^)


テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

around30→57

around30→57



拗ねた類の相手は夜中の3時過ぎまで続き、つくしが朝目を覚ましたのはすでに8時を過ぎていた。
それでも寝た時間を考えれば寝足りないぐらいだが、子どもを持つ親の朝は休日であろうと早い。
いつもなら朝食の準備はつくしも手伝うのだが、今朝は子どもたちの朝食は佐原たちが済ませてくれたらしく、食事が済むと夫婦の寝室に双子が揃って飛び込んできた。

「お父さーん、お母さーん朝ですよ〜!」
「おはよう〜起きて〜!朝だよ〜!」

子どもらしい少し甲高い声は、どんな目覚まし時計よりも強力だ。
独身時代なかなか朝起きられないと漏らしていた類を、直ぐに目覚めさせられるぐらいには。

「も…朝…?」
「おはよ。類疲れてるなら、もうちょっと寝る?」
「いや、大丈夫。昨日…あ、今日か…いっぱい英気を養ったからね」
「もうっ、双子の前で言わないのっ!」

つくしはうーんと両手を上げて伸びをしながらベッドから降りると、双子がおもちゃ片手に話し始める。
言葉達者な子どもたちは、いつも忙しい両親と話がしたくて堪らないらしい。

「お父さん英気って何〜?」
「お母さん朝ご飯出来てるよ。部屋に持ってきてもらう?」

よく出来た子どもたちだと思う。
つくしは殆ど残業をせずに帰るが、やはりパーティが重なると子どもたちには寂しい思いをさせてしまう。
しかし、そのことをどうしてと聞いてこないのは子どもたちの気遣いの賜物だ。
仕事でと佐原たちが教えてくれていることもあるが、我儘1つ言わずに我慢している。
その分、一緒にいられる休日は類もつくしも双子たちと過ごす。

「ご飯食べたら何して遊ぼうか?」

類が聞くと、双子は顔を見合わせた後、類とつくしを伺うように仰ぎ見た。

「どうしたの?」

双子がこういう顔をする時は、もしかしたらダメと言われるかもしれないと思っている時だ。
つくしも余程の事でなければ許容するようにしているが、どうしてもつくしが過ごした子ども時代と同じというわけにはいかないこともある。

「あのね…航くんと遊びたい」
「前に航くんのおうちに遊びに行った時、お母さん今度はうちにって言ってたよね?」
「だから、おうちに呼んだらダメ?」

確かに、以前は柴咲家に遊びに行かせてもらい、今度は是非家にも…と社交辞令ではなく貴子に話したのだが、なかなかお互い働いていることもありその時間を取れずにいた。

「じゃあ…航くんのお父さんとお母さんに聞いてみようか?でも急だから、また今度って言われると思う。そうしたら今度約束してあげるから今日はお父さんとお母さんと遊ぼう」
「「うん!!」」

つくしはチラリと類を伺うと、類もいいよと軽く頷いていた。
朝早かったがメールなら大丈夫だろうと、直ぐさま〝もしも暇なら…〝と貴子へメールを送り朝食を部屋に運んでもらった。
つくしたちが食事中も航から連絡があるかもしれないと、双子はソワソワしながらつくしの携帯を見ていた。

「あっ!メール来たよ!お母さん!だれ!?航くん?」
「航くんだよ、きっと!ねぇねぇ早く見て!」
「もう…今食事中だよ?仕方ないなぁ…」

あまりの双子の興奮ぶりにつくしは苦笑しながらもメールを開くと、やはり貴子からの返信だった。
ダメ元での誘いであったが、ちょうど暇だったから嬉しいという内容で、つくしの言葉を今か今かと待っている双子に航が邸に来ることを教えた。

「「やったぁ〜!!」」
「良かったね。じゃあ、佐原さんにお客様が来るよって伝えてきてくれる?」
「「うんっ!」」

走らないでというつくしの言葉を聞く間もなく、双子はバタバタと足音を立てながら部屋を出て行った。

「天気いいし、お弁当作って庭で遊ぼうかな…類はどうする?一緒に庭行く?」
「俺は溜まってる仕事片付けようかな。あ、俺の分も弁当作って」
「もちろん。でも…いいの?」

つくしは、申し訳なさそうに類に聞いた。
土曜日も殆どの場合仕事で出勤する類と、家族でゆっくりできるのは今日、日曜日くらいなものだ。
貴子の夫も土曜日仕事だと言っていたから、つくしたちと似たようなものだろう。
頻繁ではないが、つくしも休日に優紀たちと出掛けることがあるが、なるべく土曜日にしてもらうなどで日曜日に予定を入れることをしなかった。

「ん…昨日堪能させてもらったからね。我慢する。双子の友達なんでしょ?」
「うん。ありがと…」


***


皆さまからの拍手、コメントとても励みになります!
ありがとうございます!


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


ブログランキングに参加しています!ポチッとお願いします(^-^)


テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

around30→56

around30→56



類がつくしの膝でスヤスヤと眠る中、司たちは次々にグラスを空にしていく。
しかし全く酔った様子もなく、顔色1つ変えない。

「総二郎…あの見合い断ったらしいな…どうすんだ?家元は納得しねぇだろ」

司が言うあの見合いとは、西門の両親も見合い相手の両親もかなり乗り気で、総二郎の想いとは裏腹にどんどん話だけが先行していった、あのお見合いのことだ。

「納得させたさ。俺は好きな女としか結婚はしない…ってな」

総二郎とつくしの視線が絡み、居た堪れなくなったつくしは、寝ている類の髪に触れる。
元々眠ってはいなかったのか、つくしに気が付かれないように類が薄く目を開けた。

「おまえがんなこと言うとはなぁ…でも、あの親父さんがそれで引き下がるとは思えねえけど…」
「好きでもない女と結婚して…結局お互い外で遊んで、週刊誌にリークされて。今の時代それだけで西門流は終わりだ…門下が西門流を名乗らなくなるだろうよ、俺はそれでも構わねえ。そう言った」
「マジか…」

道明寺財閥とは別の意味で、シビアで厳しい世界に身を置く総二郎の口から出たとは思えない言葉に、質問した司自身も驚きを隠せない。
どんなことがあっても、政略結婚すら家を守るためには仕方のないことだと、総二郎は誰よりも納得している男だったからだ。
だからこそ、独身を謳歌していたのだろうし、最近では遊びながらも結婚を含めた将来を考えようともしていた。

「それでも構わないって…結婚させられるぐらいなら、茶道を止めるってこと…?」

総二郎の言葉に驚いたのは司だけではなく、つくしもまた同じ思いだった。
確かに政略結婚など、このご時世にとはつくしも思うが、彼らの世界では家柄の合う人との結婚は当たり前のことなのだろう。

「いや、止めねえよ。例え門弟がいなかろうが、露出が減ろうが続けるさ…。ただ、もう諦めるのは止める」

何を…?とは聞けなかった。
総二郎が射抜くようにつくしを見つめていたから。
しかし、総二郎の話を聞いて直ぐにつくしとのことだと悟ったあきらとは違い、司にはその真意は伝わらなかったようだ。
結婚しようが今のスタイルを貫くという意味合いの言葉だと思ったらしく、おまえ結婚しても遊ぶ気かよ、と緊張感なく笑いトイレへと席を外した。

「んな顔すんなよ…別にお前をどうこうしようと思ってるわけじゃない」
「西門さん…でも…」
「ストップ!さっさと振りたい気持ちもわかるがな、お前とどうこうとは思ってないって言っただろ?俺は今まで通り独身を謳歌して、いつか本当に好きなやつと結婚するさ…それだったら応援してくれるよな?」
「う、うん…」
「それまでは…お前のこと好きでいさせろよ」
「え…?」

やれやれと肩を竦めたあきらは、いつの間にか類の寝息が聞こえてこないことに気付く。
つくしも類の髪の毛を無意識に撫でていた手をピタリと止め、総二郎と見つめ合っていた。

今夜は荒れそうだな…あきらはそっとため息を吐く。




邸に帰っても続く不機嫌の理由は分かり過ぎるぐらい簡単で、つくしを無視したりではないのだが、今のこの状態を子どもたちの前ではとても見せられない。
パーティが終わった時間が夜の8時を過ぎていたから、今は既に0時を回りそうな時刻だ、子どもたちが寝ている時間で良かったと思う。

「るーい…ね、そろそろお風呂入って寝よう」
「じゃあ一緒に入る…」
「分かったから…どいてくれないと動けないよ?」

つくしの膝枕で不貞腐れている大きな猫は、邸に帰ってからずっとこの調子で、使用人頭の佐原も呆れた表情を見せるほどだった。

「あ、起きた?じゃあ…え、ちょ…類?」

突然ムクリと起き上がった類は、つくしを横抱きにしてバスルームへとスタスタと歩く。
起きたなら、1人でお風呂に入ってと言おうとしていたつくしは呆気に取られてしまう。

「お風呂、一緒に入ってくれるんでしょ?ほら、脱がせてあげるからジッとして」

嬉々としてつくしのドレスを脱がしていく類に、嵌められた感がするのは気のせいだろうかーーーー。


***

皆さまからの拍手、コメントとても励みになります!
ありがとうございます!


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


ブログランキングに参加しています!ポチッとお願いします(^-^)


テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

睡眠不足で…

予定の半分くらいしか書けていないのに、もう眠すぎて今日は無理そうです…
楽しみに待っていてくださる方々すみません〜(^^;;
明日は更新ありません(。-_-。)

子どもと一緒に寝ちゃいます…

明日は子どもの習い事関係で1日外出するため、日曜も更新出来るか微妙なところです…なるべく頑張ります。

お休みなさい(( _ _ ))..zzzZZ

皆さまからの拍手、コメントとても励みになります!
ありがとうございます!


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


ブログランキングに参加しています!ポチッとお願いします(^-^)


テーマ : 日記
ジャンル : 小説・文学

around30→55

around30→55
短いです〜ごめんなさい(;^_^A



薄暗いバーの店内に司が入ると、名乗るまでもなく奥まった個室に案内され、扉が閉められる。

「あ〜疲れたっ!」

つくしはソファに腰掛けると、10センチヒールのパンプスをポイポイっと脱ぎ捨て、ソファで右側に足を出した横座りになった。

「おまえなぁ〜パンツ見えんぞ…」
「あたしにお淑やかさを求めないで…これでも慣れた方です〜」

司が呆れたようにつくしを見るが、10センチヒールを履いた時の足への負担は男には分かるまいとつくしは思う。
しかも、働き出してから大分ヒールには慣れたものの、普段はせいぜい5センチがいいところで、パーティの時は180もある男の身長に合わせるために履いているのだ。
夫婦としてパーティに出席すると、つくしが類の腕を必死に掴むため、類が妙に嬉しそうにしていることがあるほどだ。

「適当に酒頼むぞ。牧野はジュースな」
「ありがと」

あきらが個室の部屋から内線で、酒やつまみを注文すると、5分も待たずに店員がテーブルの上に料理などを運ぶ。

「それ、着とけ。寒いだろ、その格好じゃ」

総二郎がジャケットを脱ぐと、つくしの肩にかけた。
確かに、パーティ会場は大勢の人のおかげで暑いくらいだったが、会場を出ると冷房の効いたホテル内は寒いほどだった。

「ありがとう…西門さんは寒くない?」 
「おまえのその格好見てる方が寒いよ。いいから着てろ」
「うん…」

各々酒を飲みながら、いつものように他愛ない会話をしていると、パーティのホスト役を務めた類が疲れた顔でつくしの隣に座る。

「類、お疲れ様…」
「ん…」

あきらが類の飲み物を頼んでいると、類は無言でつくしの肩に掛かるジャケットを脱がせると総二郎に返し、自身のジャケットをつくしの肩に掛けた。
総二郎も何を言うこともなく受け取り袖を通す。

「司のとこ…高尾産業と繋がりあったよね…」
「ああ、珍しく俺を色眼鏡で見ねぇ社長だぞ…その分隙を見せると向こうにとって都合のいい契約にされるからな。取引したいなら紹介するけど…注意しろよ…」
「うちの秘書がな……」

企業人として働く3人、時期家元として各界に顔を広げながらも、茶会を催したり若い人向けに茶道教室の師範などを熟す総二郎、立場は違えど、本当の意味で気苦労を分かり合えるのは4人共が互いしかいないと知っている。
だから、4人の結束は固い。
つくしが少し羨ましくなるほどに。

と、思っていたらーーー。

「俺、眠い…つくし、ちょっと膝貸して…」
「え?え?ちょ、類?寝るの…だったら帰って寝たら…って、類…?」

類がつくしの太ももの上にゴロンと横になり、腰を抱き締めるように腕を回すと、すぐにスースーと寝息が聞こえてくる。

「え…寝たの…?」

4人の結束は…固い?


***


皆さまからの拍手、コメントとても励みになります!
ありがとうございます!


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


ブログランキングに参加しています!ポチッとお願いします(^-^)


テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

皆さんのご指摘どおり〜💦

おはようございます!
あれ、なんか凄い数のコメントが入っておる…と思ったら、一話間違えて更新してました〜!直しました!
ごめんなさい!今日は53と54話2話更新しちゃいます(笑)
あ〜でも明日の分のストックがなくなっちゃった〜(;^_^A

気付いてくれた皆様!ご指摘ありがとうございます!
大事なところ飛ばしてごめんなさい!

皆さまからの拍手、コメントとても励みになります!
ありがとうございます!


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


ブログランキングに参加しています!ポチッとお願いします(^-^)


プロフィール

オダワラアキ

Author:オダワラアキ
オダワラアキの二次小説・二次創作置き場へようこそ。
ひるなかの流星・花より男子・日々蝶々・君に届け・会長はメイド様の二次小説・創作置き場です。黒バス黄黒、青黒BLも書いております。
現在はオリジナルばっかりになってしまったなぁ。

こちらを読むにあたって下記注意点をお読みになってからお進みください。

このサイトは原作のある漫画の二次創作、小説です。

同人誌や、二次小説(2次創作・夢小説)に抵抗のある方はウィンドウを閉じてください。
原作者様、出版社とは全く関係ありません。

小説の無断転記、複製、配布を禁じます。

最新記事
カテゴリ
フリーエリア
リンクフリーです
オダワラアキの二次小説置き場



検索フォーム
リンク
最新コメント
花男お友達ブログ

駄文置き場のブログ 星香様


clover crown aoi様


明日咲く花 asuhana様


上を向いて歩こう 青空心愛様


gypsophila room   Gipskräuter様


天使の羽根 蜜柑一房様


おとなのおとぎばなし miumiu様


類だ〜いすき りおりお様


Beautiful days やこ様


君を愛するために こ茶子様
月別アーカイブ
Twitter