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ペットと呼ばないで 13

ペットと呼ばないで 13


次の日、外は生憎の雨だった。
ザァザァと強い雨が寝室の窓を叩き、その音でつくしは朝早くに目覚める。
すでに外は明るくなっていてもおかしくない時間なのに、雨の日は空の色も室内も薄暗く、気分を落ち込みやすくさせる。

「雨…」

雨の音や匂いはつくしにリアルにあの時のことを思い出させ、つくしは類が眠る隣で声を殺して泣いた。
帰る場所がない恐怖、自分は今後どうなるのか、両親や進はどうなってしまったのかという不安が押し寄せる。

類の体温を確かめるように、つくしは隣に眠る類の胸に縋り付いた。
つくしの動きで、ピクリと瞼が震え類が目を覚ます。

「つくし…?…どう、したの…?」
「っ…ごめんなさ…少しだけ…」
「いいよ、我慢すんな…」

つくしの頭を自身の腕の中に抱き込むと、落ち着かせるように背中を撫でる。

「大丈夫だよ…ここでは怖いことはないから」
「っつ…ふぇっ…っく」
「雨…か、思い出しちゃった…?」
「ん…っ」

つくしの涙を流す目尻に口付けると、再びつくしが泣き疲れて眠るまで大丈夫だと言い続けた。



相変わらず雨は降り続いているが、つくしが次に目覚めると先ほどのような不安はなくなっていた。
泣き過ぎて瞼はヒリヒリと痛むが頭はスッキリしている。
昨夜類は早く帰ってきたものの、仕事を家に持ち帰っていたようで、つくしが寝る頃にはまだキーボードのカタカタという音が聞こえていた。
多分毎日2時3時に寝るのが普通だと言っていたから、昨夜も類がベッドに入ったのはそのぐらいの時間なのかもしれない。
まだつくしを抱き締めたままスースーと穏やかな寝息を立てている類を起こさぬように、ベッドをそっと抜けだすと朝食作りに取り掛かった。

類は基本部屋に物を置かないタイプらしく寝室、リビング、書斎以外の部屋は全く生活感のないガランとした空間だ。
朝食の準備も終わり、空いている部屋に洗濯物を干していくと一気に生活感が滲み出る。
昨日佐原に言われて初めて知ったのだが、高層マンションでは洗濯物が飛ばされてしまうことも多く、危ないという理由から外に洗濯物を干すことが禁止されているところもあるらしい。
類のマンションも基本外には干せないようで、ベッドや掛け布団は布団用クリーナーと乾燥機を使うようにと言われたのだ。
 
「お日様に当てたいと思わないのかなぁ…」

長年ベランダに干すことが当たり前となっているつくしからすれば、いくら乾燥機が付いていようと毎日室内干しは何だか気持ち悪い。
布団もたまには陽の光に当てたいと思う。

「何の話…?」
「類っ…お、おはようございます。ご飯出来てますよ?」

足音を立てずにそっと忍び寄ってくる類の方が、余程動物的だとつくしは思う。
昨夜も散々驚かされたものだが、本人に自覚はないらしい。

「つくしって、よく独り言言ってるよね?」
「えっ…言ってないですよ?」
「お日様がどうのって言ってたよ」
「あれ、声に出てました…?」

ふうん、自覚ないんだと面白そうに笑いながら言う類に、つくしが拗ねたように唇を尖らせるのは恥ずかしさからなのだが、類はつくしの機嫌を損ねたと思ったのか、ポンポンと頭を叩く。

「何ですか?」
「イイコイイコで機嫌直してくれるかなと思って」
「別に…機嫌悪くないです」
「そ?なら良かった。ご飯食べよ?」
「ふふっ…類って面白いですね…」

そんなこと言われたのは初めてだよと本当に驚いた顔で言う類に、つくしは久しぶりに声をあげて笑った。




朝食を済ませると、簡単に部屋の掃除をしてから出かける準備を始めた。
朝が遅かった為にすでに昼近い時間ではあるが、今日は1日オフだという類の行きたいところに行こうと決めていた。
とは言っても、類もそこまでアクティブな方ではないらしく、必要な物を買いに行こうという程度である。

「もう、用意出来た?…うん、可愛い」

類の選んだ真新しい洋服に身を包み、つくしでも知っている超有名靴ブランドの靴を差し出され、恐れ多くどうしようかと迷っていたがそれ以外に履くものもなく足を入れる。
服も靴もバッグもだが、つくしが迷うような素振りをすれば類は気に入らなかったかと聞いてくる。
こんなにいい品物を用意してもらう立場ではないと答えると、福利厚生の一貫だと思えばと本気とも冗談とも付かない口調で言われてしまうのだ。

類がドアを開け、つくしも類に続いて外に出ようとするが、何故か足がその場に張り付いたように動かない。

「つくし…?」
「あ、ごめんなさい…あれ…な、んか」

外に出ようとすると膝が笑ったようにカクカクと震え呼吸が荒くなる、その状態のつくしを類は冗談ではないのだと知ると、再び玄関のドアをパタンと閉じた。


***


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シゲルジャック前編




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ペットと呼ばないで 12

ペットと呼ばないで 12



つくしが着替えてリビングへ行くと、類も部屋着に着替えていてキッチンの鍋を物珍しいものを見るように覗いていた。
予約していた炊飯器も、ピーピーと音を立て炊飯終了を知らせる。

「類…ごめんなさい…」
「何がごめん?」
「え?あ、えと…」

類はリビングにいるつくしの元へ近付きクスリと笑うと、長い髪をクシャリと撫でた。
煩わせてごめんなさい、迷惑かけてごめんなさい、そんなつくしの言いたいことが分かったのだろう、類は息を1つ吐くと髪を撫でていた手を頬に滑らせた。

「ペットに気を使われると、飼い主も気が休まらないんだけど」
「ご、ごめ…っ、あっ…」
「ふっ…それ癖?俺が帰ったらソファでゴロゴロしてるぐらいでいいんじゃない?」
「ゴロゴロ…?それは…ちょっと…」
「じゃあ、玄関で可愛く飛びついて来てよ」

そのどちらかしか選択肢はないの…?

「どっちかだよ?どうする?」

つくしの心を読んだように類が言葉を掛ける。
今までの苦しい生活故にゆっくりと家にいることがそもそもなかったつくしは、暇な時間を持て余すこともなく、ソファでゴロゴロなど夢のまた夢だった。
しかし、いざ時間があってもそうしないのだから、それはもう長年の癖というか習慣のようなものなのだろう。

「じゃあ、玄関で…」
「今日の分まだでしょ?ここでいいからやってみて?」

類が立ったまま手を広げると、つくしはおずおずと類の胸にコツンと額をくっ付ける。

「お、おかえりなさい…?」

これでいいかというようにつくしが上目遣いで見上げれば、類は首を横に振る。

「ちゃんと、手回さないとダメ。もっと顔くっ付けてね?」
「こ、こう…?」

類の背中に手を回し、頬を摺り寄せるように胸にピタリと付けると、類もつくしを抱き締め返しただいまと言った。

「なんか…いい匂いする…」

男性用の香水なのか爽やかな柑橘系の香りに、無意識につくしがクンクンと鼻を揺らした。

「そう?自分じゃ分からないけど。つくしもシャンプーのいい匂いするよ。同じシャンプーなんだから香りも一緒のはずなのにね。体臭かな?俺も好きこの匂い…」

互いに香りを嗅ぎあってウットリとした気分になっていたが、ふと我に帰れば自分たちは一体何をやっているのだろうと、つくしの中で途端に恥ずかしさが芽生える。

「る、類…そろそろ、離して…」
「ん〜?いいけど、明日から約束ね?」
「………」

つくしがコクリと頷けば嬉しそうに目を細めて笑う。
歳はつくしの1つ上だと言った類だが、嬉しそうに笑った顔からは少年ぽさが滲み出ていて、つくしは可愛いと思ってしまった。
男の人に形容する言葉ではないし、180近い身長の類はどちらかと言わなくとも誰が見てもカッコいいのだが、子どもっぽいところもあるのだなと新たな一面を知った気がした。

「ご飯…何が好きか分からなかったから、普通の家庭料理なんですけど…もう食べますか?」
「食べる。家庭料理ってどんなの?」
「うんと、炊き込み御飯と魚の煮付けと天ぷらと、肉じゃがにお味噌汁…なんだけど。今用意しますね」

キッチンに入りつくしがテキパキと準備していく。
天ぷらに至っては、少量だし揚げたてをと思い具材の下ごしらえを済ませ揚げるだけにしておいた為、10分掛からずにテーブルに所狭しと料理が並べられた。

「へぇ、料理上手いんだ」

驚いたように言う類に、つくしは自炊しなければ生きていけなかったからと口から出かけるが、それは敢えて口に出すことではなく、類に哀れんで欲しいわけでもないため心に留め置いた。
何もかも事情を知っている類に見栄を張るわけではないが、言わなくてもいい実情もあるのだ。

「ふふっ…食べてみないとわかりませんよ?いただきます」
「いただきます……うん、結構美味い…」
「良かった…嫌いな食べ物あったら言ってくださいね」
「ん…」

つくしは和食ばかりで洋食や凝ったものなどは作ったことがないのだが、綺麗な箸づかいで肉じゃがを口に運ぶ類を見ていると洋食も覚えていこうと思うのは、類の日本人離れした顔つきのせいかもしれない。
あまりにも煮魚とその美貌がミスマッチでついクスッと声を立てて笑うと、気付いた類がつくしに視線を向けた。

「どうかした?」
「あ、いえ…なんか類に和食って違和感が…」
「そう?結構好きだよ?つくしは何が好き?」

逆に類に問われると、今まで好きなものを好きなように食べたことがないことに気が付いた。
安い食材でどれだけカサ増しし家族4人分の食事を作るかが、今までの献立の基準だった。
いざ好きな食べ物と聞かれると、竹輪でカサ増ししたおかず以外としか思い浮かばない。

どれだけ竹輪使ってたんだろ…あたし。

「何が好きなんだろ…何でも食べますけど…」
「じゃあ、明日の休みに美味しいお店に連れて行ってあげる。ついでに、何か欲しいものあったら買いに行こう」
「欲しいものは、ないです。あっ!そういえば洋服ありがとうございました!あんなにたくさん…」
「気に入ったのあった?気に入らなかったら変えさせるよ?」

高層マンションに住んでいる時点で分かっていたことだが、実家には使用人が何人も居て、当たり前のように服を変えさせると言う類は、やはり相当なお金持ちなのだろうと思う。
価値観や考え方もつくしとはきっとまるで違う。
だから、遊び心でペットなどと思い付いたのかもしれないが、つくしにとっては生活がかかっている今、ペットであろうと家政婦であろうとおいてもらえるだけ有り難かった。

「変えなくて大丈夫っ…気に入りましたから…」

きっと、ここを出たら二度と会うことはない世界の住人ーーー。


***

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un secret ~秘密~ 第4話 written by miumiu




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ペットと呼ばないで 11

ペットと呼ばないで 11
まあや様リクエストネタ使ってみましたけど〜(笑)
もっと後半に持って来れば、そのまま押し倒せたのにとちょっと後悔…。



佐原が用意してくれたのは、冷蔵庫に入れる為の食材と調味料や鍋、フライパンなどのキッチングッズの他に、つくし服や下着類…それに類には頼みにくいような衛生用品も入っていた。

こんなに良くしてもらっていいのだろうか…

まだつくしがここに来て1日だが、まだ仕事という仕事をしていないのだ。
寝心地の良いベッドで寝坊する時間まで寝こけ、何週間も着回しなしで着られるのではないかと思うほどの服を用意してもらい、更には給料まで支払うという類の気持ちが分からない。
寧ろ、実家で働いでいるという大勢の使用人に頼む方が、つくしに一から教えるよりも余程早く完璧にこなせると思う。
それが帰るところもお金も持っていないつくしに対しての、類の優しさであることはもちろん分かるのだが迷惑ではないのだろうか。
本当に困り果て、誰かに助けて欲しいと願っていたはずなのに、自分の行動は図々しく常識に欠けるものではないかと今更思い始めてしまう。

とにかく、住み込みで働ける場所を早く見つけないと…

いくら家主に居てもいいと言われたとしても、そんなに長い期間居座るわけにもいかないだろう。
つくしは与えられた仕事ぐらいはきちんとこなそうと、頭の中で家事のスケジュールを立てた。
本人はそれがいつも声に出ていることは気付いていないのだが。

「とりあえず…洗濯機回しながら夕飯の下準備と、お昼適当に作ろうかな。で、掃除して…」

腕を捲り脱衣所に向かうと、しっかりと色物を分けながら洗濯機にタオルや服などを入れていく。
つくしの自宅にはなかったドラム式の洗濯機で、使い方はそんなに難しくはなさそうだ。
しかしスイッチを1つ押すだけで動き始めるはずだった洗濯機は、何故かうんともすんとも反応しない。

「あ…コンセント…」

洗濯機の横の壁、上部に取り付けられていたコンセントにプラグが差し込まれていなかった。
それもそのはずで類がマンションで洗濯をすることなどなく、脱衣所に置いてある洗濯機も形ばかりに置かれている物なのだ。
使われていないそれはもちろんプラグが抜かれていて、一度も使用された形跡がないため真新しくピカピカだ。

お金持ちそうなのに節約家で綺麗好きなのかな。
でも節約家の人が、あたしにあんなに服買わないか…。

コンセントが抜かれているイコール節約家と認識するあたり、牧野家でも同じようにしていることが窺い知れる。
つくしはコンセントにプラグを差し込むと、洗剤や柔軟剤の場所を探すのにも四苦八苦しながら、何とか家事をこなしていった。

「ご飯…何が好きなのかな…男の人だからガッツリ系?…うーん、冷蔵庫の中身と相談しよ…」

洗濯機が終わる前に何とか昼ごはんは済ませてしまいたいが、手軽にうどんでいいかと思いながら冷蔵庫を開けた。

「うわっ…何これ…」

冷蔵庫の中には、バーコードの付いたパックに入っているのとは明らかに異なる高級肉や魚がチルドにズラリ。
スーパーの鮮魚コーナーでアルバイトをしていたこともある為、魚を捌くこともつくしにとってはお手の物だが、新鮮なうちに2人で食べきれるかが心配だ。

つくしは冷蔵庫の中にあるもので簡単なランチを摂り、夕食の下ごしらえに洗濯、掃除、全てを終わらせるとすでに日が落ちる時間になっていた。

何となく手持ちぶたさになり、家族のことを考える。
ここの電話を借りて朝のうちに進の携帯に電話をしてみたが、電源を落としているのか出られない状況なのかは分からないが繋がらなかった。
つくしは一晩ゆっくりと冷静に考えてみた、隣人に引っ越しのことを言われてすぐはパニック状態になっていたこともあり、捨てられたのだという思いしかなかったが、やはり本当は違うと思う。
もし、引っ越していたとしても、本当につくしを売ったのだとしても、そうしなければならない状況に追い詰められていたのだと今は思うのだ。
だとすれば、逃げ出したつくしよりも家族に害が及ぶのではないかと、つくしは心配していた。

どこかで、無事に暮らしていればいいけど……

ボンヤリとしながら音のない室内で考えていると、再びあの恐怖に襲われそうになる。
ここには誰もいないはずなのに、もしかしたら後ろにいるのではないか、ドアの向こうでつくしを襲うタイミングを狙っているのではないかと、ありもしないことばかり頭に浮かんで、つくしはそんな思いを振り払うように耳を塞ぎ頭を振った。
早くなりそうな呼吸を、自分自身で落ち着いてと言い聞かせるようにゆっくりと吐き出す。

「はぁ…考えてても…いいことないか…」

時計を見れば、すでに7時を過ぎていた。
類はなるべく早く帰ると言っていたが、そろそろだろうか。
色々考えてしまえば頭に過るのは悪いことばかりで、そんなことを考えるぐらいなら動いていた方が気が紛れる。
帰ってくる前にお風呂に湯を張っておこうかと、つくしはバスルームに向かった。

脱衣所には洗濯しなかった昨日着ていたワンピースが丸めて置いてある。
触れるだけで悍ましい記憶が呼び起こされ、とてもじゃないが洗濯をしてまた着ようとは考えられない。
捨てようと思い、置いたままにしたのをすっかり忘れていた。
ギュッと堪えるように眉を寄せワンピースを掴むと、つくしはダストボックスに無造作に投げ入れた。

まだ新しいマンションは、設備も最新式のものばかりでつくしは戸惑うことが多い。
キッチンでは三角コーナーがなくどうしようかと思っていると、たまたま落ちたジャガイモの皮がジョリジョリと音を立ててディスポーザーなるものに吸い込まれていった。
そして、風呂にはつくしの見慣れた赤いお湯マークと青い水マークの蛇口がないのだ。
昨夜は類がお湯を溜めてくれたのだが、いっぱいいっぱいだったつくしはまさかこんなことになるとは思わずに、操作方法を聞かなかった。
本来ならば、電子パネルのお湯はりボタンを押すだけで勝手に設定された温度で湯が溜まる。
しかしだいぶ築年数の経つアパート住まいであったつくしがそれを知らなかったのは致し方ないことだ。
実家でやっていた時のように湯を張ろうとして、水栓のスイッチを押すが設定がシャワーになっていたようで、頭上に設置されたシャワーからお湯が降り注ぎつくしの身体を濡らした。

「きゃっ…ま、間違えちゃった…わ、わ、止めないと…」

慌ててシャワーを止めようとするが、すでに土砂降りの雨に降られた時のようにつくしの着ているシャツもスカートもびしょ濡れだった。

「つくし…?大丈夫?」

突然背後から声を掛けられて、つくしはビクリと身体が飛び上がりそうになる程驚いて振り返ると、いつ帰っていたのか類がバスルームの入り口で立っていた。

「あ、お、おかえりなさい…」
「ただいま…どうして服のままシャワー浴びてるの?」
「えっと…お風呂にお湯溜めようとして間違えちゃって…こんなことに…」

バスルームで座り込むつくしは、髪からはポタポタと雫が垂れTシャツは肌にピタリと張り付いていて、胸の形がハッキリと透けて見えている。
白いTシャツには素肌の色さえも移し出され、類は本能的に触れたい衝動に駆られてしまうのを無理やり抑え込むと、視線を合わせないようにバスルームへ足を踏み入れた。

「ほら…早く拭きな」

そして、バスタオルをつくしの頭から被せると、類はサッと朱を帯びる頬を隠すように、濡れた靴下を洗濯機に放り込み脱衣所を出て行った。


***


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潤の部屋 ⑧

潤です。


「チャットでのセリフ合戦の模様を知りたい」

というご要望いただいておりますが、ここに掲載するには危険すぎます(゚Д゚;)

若干マイルドなものをご紹介できればと思います。



5月某日 某チャットルームにて・・・


作家A 「自分の連載に苦戦してるのよね~特にR」

作家B 「ああ。Rってすっごく疲れるものね~」

作家C 「私は書けないです!」

作家D 「およ?チャレンジしてみればいいのに」

作家C 「ムリムリww」

作家A 「最初はみんなそんなものよ♥」

作家E 「違う意味でのRなら…」

作家B 「もしやバイオレンス系?」

作家E 「ハイ///」

潤    「お話書くのって大変なんですねぇ」

作家A 「潤、アンタも書きな」

潤    「無理です」

作家B 「書けそうじゃない?」

潤    「(ヤバイ、会話を変えねば…)作家Fさん(本日欠席)のR話は読破しました」

作家A 「あ、FさんのRスキ!」

作家B 「うん、萌えるよね」

作家D 「ああ、場所とかすごいよね。」

作家C 「いやん」

作家A 「FさんのRは、足を大きく開くのよね」

潤    「///」

作家D 「お初でイクとか夢だよね~」

全員  「「「「「「「 夢よねぇ 」」」」」」」


こうして深夜の密談はさらに盛り上がっていくのでした。


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ペットと呼ばないで 10

ペットと呼ばないで 10


部屋の中から聞こえる微かな物音につくしが目を開けると、寝室に備え付けのウォークインクローゼットから類がスーツ姿で出て来たところだった。

「お…はようございますっ…ごめんなさいっ!あたし」
「ん?別にいいよ?もうちょっと寝てな…昨日遅かったし」
「え…でも…」

つくしは家政婦として雇われたのだし、家人よりも長く寝ている家政婦など聞いたこともない。
よいしょと随分寝心地の良かったベッドから身体を起こすと、支度の整った類の後をついてリビングへ行く。

「俺もう行かなきゃならないんだけど…当面の生活費テーブルに置いておいたから、それで必要なものとか買いな。ああ、あと食材とか必要なものは実家から届けさせる…で、今日は早めに帰って来るから、ご飯があると嬉しいかな」

類は余程急いでいたのかつくしが口を挟む隙もなく言うと、ビジネスバッグを手に持って玄関へと向かう。

「ご飯…頑張ります…行ってらっしゃい」
「うん…行ってきます」

類はつくしの寝癖のついた髪を指ですくうと、クスっと小さく笑った。
閉められたドアを暫くの間見つめながら、徐々に頬が熱くなる。

「も…あの人、なに…」

熱くなる頬を押さえながらパタパタとリビングに戻ると、テーブルの上にメモと現金、家の鍵が置いてある。
牧野家が1ヶ月は生活出来るような額がテーブルに無造作に置かれ、そんな大金をどうしていいかも分からずにキッチンカウンターの隅に置いた。
メモを読むと、オートロックの暗証番号に携帯の番号が書かれていた。
何か困ったことがあれば、いつでも電話するようにと付け加えられている。
つくしはそのメモを大事そうに胸の前で握り締めると、昨夜受け取った紙袋に入った服に着替え早速仕事に取り掛かった。

「あ…掃除機とかどこにあるんだろ…」

これだけ広い家だと物の位置を覚えるのにも時間が掛かりそうだ。
つくしは掃除道具が入っていそうな扉を探していくと、割とすぐに目的の物は見つかった。
しかし、いざ掃除を始めようとするとつくしのお腹が大きな音を立てギュルギュルと鳴った。

「お腹空いたかも…そういえば類もご飯食べてないよね…」

もしかしたら朝は食べない派なのかもしれないが、明日からは早く起きて朝食を作ろうと思う。
掃除にもそれなりに時間が掛かりそうで、先に朝食に取り掛かることにする。
しかし、野菜ジュースくらいはあるかなと期待して冷蔵庫を開けると見事に空っぽで、つくしはガックリと肩を落とす。
コンセントにプラグが刺さっていることが勿体無いと思ってしまうぐらい、冷蔵庫には何も入っていない。
そういえば、調理器具などはあるのだろうかとキッチン棚を開ければ、そちらもガランとしていて別の棚には酒を飲むような形のグラスばかりが所狭しと並んでいた。

どうしようかと頭を悩ませていると、部屋のインターフォンが鳴り廊下に備え付けられたカメラに女性の姿が映る。
実家から誰かが来ると言っていたから出た方がいいのだろう。
つくしが緊張しながらインターフォンの通話ボタンを押すと、つくしの母のような声の女性が花沢の邸から参りましたと言った。

「は、はい…」

つくしはオートロックの解除ボタンを押すと玄関に向かう。
実家からということはもしかして類の母親かもしれない、突然得体の知れない女が息子の家に勝手に入り込んでいたらどう思うのだろう、決していい気持ちはしないはずだ。
しかしドアを開けないわけにもいかずに、部屋のチャイムが鳴るとつくしは恐る恐るドアを開けた。
しかしつくしの予想に反してニコニコと笑顔を見せる、類ととても似つかない人の良さそうな婦人が立っていた。

「おはようございます…牧野様ですね?私、花沢の邸で使用人をしております佐原と申します。当面の生活に必要な物をお持ちしましたので、部屋に運んでよろしいでしょうか?」

佐原と名乗った女性の後ろには、何人もの女性がいて皆大きい紙袋片手につくしに頭を下げる。

「は、はい…牧野つくしと申します…あの、類さんとは…」

つくしが事情を説明しようと口を開くと、佐原はつくしの言葉を遮るようにニッコリと笑って言った。

「大丈夫ですよ…私は一使用人でございますから。お気になさらず。では、キッチン用品などお運びしますね」

佐原が1つ頷くと、後ろに控えた女性たちが部屋に上がり作業していく。
ほんの15分程度で作業が終わると、佐原がつくしに言った。

「牧野様のお洋服などもクローゼットに入れさせて頂きましたから、気に入ったものがあればお好きに使ってくださいね」
「ありがとうございます…」

つくしが何度も頭を下げると、佐原が差し出がましいようですが…と付け加えた。

「あの…誤解なさらないで頂きたいのですが…類様は誰にでもこういったことをされる方ではないんです」
「え…」
「では…失礼致します」


***


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潤の部屋 ⑦

は~い、こんばんは!滋ちゃんだよっ!みんな夜更かしさんだねぇ。

ははは、ビックリした?ごめんごめん。

実は潤ちゃん、極度の緊張に耐えられなかったみたいで、熱出してダウン。

さっきLINEで

「し……滋さん…あとは…頼みます」

って連絡がきた!

意外とデリケートみたい、潤ちゃん。



で第3話。

1話の空色さんとも2話のりおりおさんともまたガラッと変わったよね??

ていうかさー、第2話のりおりおさん!!

なんであたしじゃなくて桜子に電話させちゃったのぉ?

イジイジ。


でもま、いっか♪


ニッシーまでマジで告ってるし、こりゃ波乱の予感?

結局つくしって誰選ぶんだろ?

ほんと、普通の子なんだけど(あ、もちろんイイ子だよ?)モテるよね。

F4って言ったらさ、永林学園でもかなり有名で、みんなキャーキャー言ってる存在だったけど。

つくし、その全員から好かれちゃうんだもんね~。

あ、でもあたしがオトコでも惚れちゃうかも。


まだ始まったばっかりだけど、この先どうなっちゃうんだろ?

つくしが選んだ人次第では…

あたし司にもう一回アタックしてみようかな…??

ちょっとズルいかな?


というのは冗談だけど、次のお話・第4話は5月30日月曜日!

次は誰のお話だろ!

お楽しみにねっ!


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ペットと呼ばないで 9

ペットと呼ばないで 9



類に全てを語り終える頃には、時計の針は深夜2時を回っていた。

話の途中で部屋のチャイムが鳴りつくしは飛び上がるほど驚いたものだが、大丈夫だからとつくしの髪を撫でて対応した類は、玄関で一言二言話すだけですぐに戻って来た。
実家からの届け物だと言いつくしに紙袋を手渡し、つくしが不思議に思って中を覗くと洋服や下着類が入れられていて、恥ずかしさから礼を言うことも出来なかった。

しかし、明日も仕事だという類を、こんな時間まで付き合わせてしまって良かったのだろうか。
真剣な表情でつくしの話を聞いてくれていたが、多分類は今日も仕事帰りだったのだろうし疲れているのではと、一頻り話した後になって気が付いた。

「あ、あの…あの、花沢さん!ごめんなさい…こんな時間まで」
「大丈夫だよ、いつもとそう変わらないし。それと花沢さんは止めて、類でいい」
「は、はい…類…?」
「1つだけ…大事なこと聞いていい?」

ソファに座るつくしの背中を撫でながら伺うように聞いてくる類の顔は、つくしを心配しているのだと伝わってくるものだ。
この人に助けてもらわなかったら、つくしはまたあの場所へ戻っていたのかもしれない。

「は、はい…」
「最後まで…はされてないんだよね?…ってごめんな、変な意味で聞いてるんじゃなくて…病気とかなったりしたら大変だから、それに女の子は妊娠だってするだろ?」

類に言われてつくしはサッと青ざめた。
そうだ、もう少しでそういうことをされていたのかもしれないのだ。
今更ながら、よくあそこで逃げ出せたものだと思う。
店にいた女性が言っていた〝本番なし〝…というのは、その世界において挿入なしという意味だがそれがつくしに伝わるはずもなく、逃げ出していなければ最後までされていたかもしれないという恐怖に襲われた。

「最後までは…ないと思います…」

見るからに青ざめて震え始めるつくしを類は優しく抱き締め、自らの膝の上につくしの頭を乗せた。
髪を梳くように撫でる類の手つきに、つくしはウットリと目を閉じる。

「ほんと…真っ黒なワンコみたいだね。眠い…?そろそろ寝ようか、つくしおいで?」
「は…い…」

疲れと眠さからかボンヤリとした頭で類に手を引かれるまま歩いていくと、つくしは類の寝室と思われる部屋に連れて行かれる。

「つくしの親のことは調べておいてあげる…ふぁ〜俺もさすがに眠い、ほらおいで?」
「えっ、えっ?ここに?」

類はベッドに腰掛けるとつくしの手を優しく引き隣へ座らせた。
男3人は寝られそうなキングサイズのベッドが視界に入ってくると、さすがのつくしも目が覚めてベッドから立ち上がった。
助けてもらってなんだが、大人の男の人と2人で寝るとなると意味合いは全く違ってくるのではないかと思う。
つくしを助けてくれた類のことを信じたいとは思うが、今は正直男の人が怖いとも思う。
どう足掻いても女の力では敵わないのだと知ってしまったから。
でも、この人には嫌われたくない、この人ならきっと大丈夫…そう思う気持ちも同時に存在していて、つくしはベッドのそばで立ち上がったまま動けずにいた。

「つくしの気持ちは分かってるつもり。約束するよ…つくしが怖いと思うようなことは絶対にしない…それに、申し訳ないとは思うんだけど、俺一人暮らしだからベッド1つしかないし、客用の布団もない。ほら…おいで?」

ポンポンと類の隣、空いているスペースを叩かれ、つくしがおずおずと類との距離を少しだけ空けて横になると羽布団を肩までしっかりと掛けられる。

「電気は…?消してもいい?怖かったら間接照明だけ着けておこうか?」
「真っ暗なのは…少し怖いです…」
「ん…分かった。じゃあ、これでいい?」
「はい…おやすみなさい…」

手元のリモコンで照明を眩しくない程度に落とされ、優しく髪を撫でられるとすぐに瞼が重くなり、つくしは久しぶりの安らぎを得ることが出来た。
すぐにスースーという寝息が聞こえると、類も安心したように目を閉じる。

「おやすみ…つくし」


***


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潤の部屋 ⑥

こんばんは、潤です。


第3話はイラストブログのやこさんでした~。

ご本人、小説書くのはイヤだ~っておっしゃってたんですけどね。

「ヘタクソ!」

「ひっこめ!」

というコメントが届く夢に毎晩うなされたと聞きました。

司君8年ぶりの帰国かと思いきやなんだか雲行きが怪しいですね。

しかも数か月前に総ちゃんマジで告ってますよ…。

泥沼化…???

う~ん、30日まで待てないですねぇ。



さて、お話はかわりますが、前回の「潤の部屋」は司くんとの対談でした。

ひゃー、つかれましたよ、本当に。

キレポイントがイマイチわからない(◎_◎;)

しかもつくしちゃんがホテルに着いた途端に「ジョン」ですからね。

ほかのお3方はまだ日程が未定なんですが、必ずや実現させてみせます!


で、5月24日の潤の部屋でお知らせしていた作者への質問ですが、この記事の公開を持ちまして締め切らせていただきます。

「ああん、聞きたいことがあったのにぃ」

という方は、また機会がありましたら、ということでお許しください。




ではまたお会いしましょう(o^―^o)


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