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甘いベリーな恋の味

甘いベリーな恋の味

親愛なるずき様へ…先日はありがとうのお礼小話です♬



「さっぶいね……ごめん、散歩しようなんて言わなければ良かった」

つくしは冷たくなった手を擦りながら息を吐きかける。
はぁ〜と息を吐いたところで、前方から冷たい風が吹いてくれば、凍えるような寒さに身を縮こませるしかなかった。
隣を歩く一見寒さに弱そうな男は、身体の大きさからかはたまた着ているコートの質の違いかは分からないが、あまり寒そうにはしていない。

「車呼ぶから、それまでどこかに入ろうか」
「うん…。あ!ファミレス発見!ね…寒いから、もうどこでもいいよね?行こう行こう!」

十メートル先にピンクの壁に赤い文字、見慣れたファミレスの看板が目に留まる。
百円玉数枚で何杯でも温かい飲み物が飲めるし、つくしには高校の時から慣れ親しんだ店であったが、ドアを開けて中に入るとつくしの後を歩く類は人でごった返す入り口付近を物珍しそうに見つめていた。

「レストラン?なんで入り口におもちゃが売ってるの?」
「あ〜ファミレスだからね」
「ファミレス?」
「ファミリーレストランのこと。あ…空いてるみたい、行こう?」

入り口で2人が立ったまま待っていると、奥から出て来た女性の店員がお決まりに類を見て頬を染める。
店員が類にこれ以上ないほどの笑顔を向けているような気がするのは、穿った見方なのだろうか。
こちらへどうぞと案内が終わるまで、つくしを見もしなかったことから気のせいではないのだろう。
まぁいつものことかとテーブル席に着くと、写真付きのメニュー表を類が手に取り、安いと驚きの声を上げた。

「来たことないよね…ファミレスとか。あたしベリーのフレンチトーストにしようかな。類は?」
「コーヒーある?メニューに書いてないんだけど」
「うん。ドリンクバーを頼めばいいの。飲み放題だよ」

二人のやり取りを注文を取りに来た店員が訝しげに見つめている。
それはそうだろう、今時ドリンクバーを知らない若い男などいないだろうから。

「コーヒーは自分で取りに行かなきゃならないの。あたし取ってくるね…座ってて」
「俺が行くよ」

類が立ち上がり掛けて、つくしがそれを手で制した。

「大丈夫だよ、待ってて」

つくしが席を立つと、ワッと周りに座っていた女子高生たちが類の元に寄って来る。
席に着いた時から気が付いていたが案の定で、類がドリンクバーを利用するのも初めてだと思ったことも理由の一つにあったが、飲み物を取りに行けば彼女たちに囲まれると思ったこともありつくしが席を立ったのだ。
しかしどちらにしてもこうなるのなら、一緒にドリンクを取りに来れば良かったと思う。
素直じゃない自分に嘆息したい思いをグッと堪えて、ブレンドコーヒーのボタンを押す。
ドリンクバーの設置場所からはテーブル席がよく見える。
ぼんやりと類に群がる女子高生たちに視線を送ると、無視を決め込む類と相反するように笑顔の女子高生たちがいた。
つくしは女子高生たちを避けながら、ホットコーヒーを二つテーブルに運ぶ。

「サンキュ」
「うん」

類の周りに群がっていた女子高生たちが一斉につくしを見て、ため息をつき席に戻っていった。
高校の頃から変わらない周囲の反応につくしも諦め半分だ。
彼らと一緒にいると必ず感じる視線、そんなことをいちいち気にしていたら友人付き合いなどしていられない。

「類ってやっぱりモテるんだよね…」

類とはいい友人だ…でも、自分が特別だと自惚れているところがあるのかもしれない。
拗ねた思いから口を出てしまった一言は、類にどう思われたのだろう。
女の子が周りにいることは面白くない、それが嫉妬のような感情だと分かっていても、類がつくしを特別な意味で好きだと言ってくれたのは、何年も前のことだ。
今更どうしようもない。

「好きな子にモテないと、何の意味もないよ」

類が軽く息を吐きながら、諦めたように言った言葉につくしの心臓が音を立てた。
運ばれてきたフレンチトーストをフォークで口に運ぶと、ドクドクと煩いぐらいに音を立てる自分の心臓を落ち着かせるために、コーヒーを一口含む。

「熱っ…」
「そんな慌てて飲むから…火傷したんじゃない?見せて…ほら、口開けて」
「う〜ヒリヒリする」

向かいに座った類がつくしの顎を持ち上げる。
つくしは言われるがまま口を軽く開けて、ヒリヒリと痛む舌を出した。

「赤くなってるね…消毒…しよっか?」
「へっ?消毒?」

どうやって…と聞く前に、綺麗な顔がつくしの眼前に迫る。
気付いた時には腰を浮かせた類に、唇を塞がれていた。

「────っ!」

キスは数秒で、唇はチュッと軽い音を立ててすぐに離れていった。
突然のことにパニックになった頭は言葉を紡ぐことも出来ず、つくしはただ真っ赤に染まった頬を隠すように両手で口元を覆う。

「治った?」
「治った…って。る、る、る…あ…の、今のは…」
「ああ、キス?俺…もう待つの止めようと思って……近いうちに俺のものにするから。覚悟して」

突然の類からの宣戦布告……口元を手で覆ってなかったら、勘のいい男には気付かれてしまったかもしれない。
今──泣きそうなほど、嬉しいんだってこと。

「あんたの口…フレンチトーストの味がするね」


fin

仲良しのずき様とね…オフ会したんです。
もう、こりゃオフ会レポですね(笑)
趣味の合う人と話すのは本当に楽しいひと時です。
ありがとうございました♬


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asuhana様への捧げ物

おはようございます。

皆様超有名サイト様ですからご存知だとは思いますが、明日咲く花のasuhana様がSS100チャンレンジ中だと知っていますか?
他の有名つかつくサイト様も100書いてましたね〜もう表彰したいぐらいです…凄いです
え…私?私はやりませんよ?(笑)

ってことで、SS100に協力しちゃいました!

12月21日(水)6時公開
リアルシンデレラストーリー
http://asusakuhana.blog.fc2.com/blog-entry-1381.html

だいぶ先ですが、読んでいただけると嬉しいです♬
ちなみにRはありません…(^^;;


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お兄ちゃんなんて大嫌い(シリーズ第五弾)

お兄ちゃんなんて大嫌い
お兄ちゃんシリーズ第五弾♬でもって最終話?


「ねえ、つくし…?私は本当にもう気にしてないよ。そろそろお兄さんのこと許してあげたら?」

優紀の言葉にグッと喉を詰まらせ、つくしはむくれた顔で返した。
あれから類とは口を聞いていない。
自分のことだけならいざ知らず、優紀や他の従業員にまで迷惑をかけたのだから当然だ。

「だって悪びれもせずに、〝バイトなくなったんでしょ?じゃあうちで働きなよ〝ってさあ」
「詰めが甘いね…そりゃバレるよ。でも…それぐらい心配だったんじゃないの?つくしのことが」

優紀には類との関係…もちろんあれやこれやを話すわけはないが、一応恋人であるとは話をした。
驚いてはいたが、つくしが幸せならいいんじゃない、と背中を押してくれる親友だ。
だからこそ、優紀の口元がニヤリとつくしを揶揄うように上がったことで、これ以上怒るなと案に告げられているようで、つくしも肩に入っていた力を抜いた。

「分かってるんだけどね…」
「そうそう、素直が一番。嬉しいんでしょ?そこまでヤキモチ妬かれてさ。愛されて大事にされて…嫌な女いないよ」
「うん…でも、どうしよっかなぁ。類もバイトはしていいって言ってるんだし、他にどこかないかな…」

つくしがため息まじりにテーブルに置かれた飲み物を手に取る。
優紀に誘われて来たファミレスのドリンクバーも、もうすでに三杯目でいい加減お腹もいっぱいだった。
手に取ったものの飲む気にはなれずストローをカラカラとかき回していると、優紀も同じだったのか手に持ったグラスに口をつけるに留めた。

「花沢物産ではしないの?」
「花沢物産だけは嫌。アルバイトにしたって完全なコネ入社になるわけだし、自分の程度はよく分かってる。使い物にならないよ」
「ふーん、別にいいと思うけど…。ま、つくしがそう言うならここは?今回のことがあって、お兄さんもう反対は出来ないでしょ?しかも、酔っ払い客に絡まれたり、なんて心配もないわけだし」

優紀がスマートフォンの画面を操作し、つくしに向けてテーブルに置いた。
画面にはアルバイト募集の文字、時給もそこそこいい、時間帯も自分に合っている。

「うん、いいね。優紀はここに決めたの?」
「そう、だからつくしも一緒にどうかなって思って。受かるか分からないけどちょうど二名募集だしさ」

親友が一緒のアルバイトほど心強いものはない。
つくしは優紀に誘われるがまま、アルバイトの面接に行くことになった。

でも、まだ怒ってるから類には教えないもん──っ。



失敗した───
仕事だってこんな低レベルなミスは犯さない。
類にとってみれば初めてに近いこの感情、ただあんな格好したつくしを他の男に見せたくなかった、自分以外の男と話をして欲しくなかった…そんな考えだった。
子どもっぽい嫉妬心から、ようは働く場所さえあればいいのだろうと、秘書としてアルバイトさせることを思い付いてからの行動は早かった。
喜んでくれるんじゃないかと思っていた類の気持ちとは裏腹に、つくしに話を切り出せば、徐々にその表情に怒りを滲ませながら困惑した顔をしていた。

──今まで、ファミレスで働いてる人たちは?働く場所なくなっちゃうんだよ?
──優紀にせっかく紹介してもらったのに、優紀もまた新しいバイト先探さなきゃいけなくなっちゃう

つくしが自分のそばにいられれば、周りの人間なんかどうでもいい…そんな本音を見透かされた。
類は先ほどから全く進まない仕事の山を沈痛な面持ちで見つめながら、重苦しいため息をついた。
目の前の書類に何が書いてあるのか頭に入ってくるはずもなく、つくしのことばかりが思い浮かぶ。
このまま、執務室にいたところで意味はないだろう、だったら早く帰ってつくしの機嫌を取ろう、そう思うのに嫌われたらどうしようなんて、笑えるぐらい情けない感情が類の心を蝕む。

重厚感のある扉をノックする音が聞こえる。
類が不機嫌さを滲ませた声で返事をすれば、相変わらずそつのない身のこなしでスーツを着こなした男が、表情なく類をまっすぐに見つめる。
一つ頭を下げると、デスクに重ねられた仕事の山をチラリと目の端で捉え、何を言うこともなく新たな仕事をその脇へと置いていった。
冷静さを崩さない男の行動にどこか苛立ちが募り、類は手に持っていた書類をデスクの上にバサリと些か乱暴な動作で置き口を開いた。

「田村…兄妹とかいる?」

類の質問した意図が分からなかったのだろう。
驚きに見開かれた目で類を見つめ、多分今その真意を探っている。
八つ当たりに近い思いで、田村のそんな表情を見ることが出来ただけでも良しとするかと、類はこの話を終わらせるつもりだった。
しかし、意外にも返答があったことに今度は類が驚く番だ。

「兄が一人と、妹が一人いますが…?」

語尾が上がり、田村が疑問形で尋ねてくることは大変珍しい。
普段プライベートなことを語らない、聞かない類が、どうして突然兄妹の話などを始めたのか、田村の興味を引いたのだろう。

「ふうん、仲良い?」
「いえ…まあ、普通だと思います…あの、差し出がましいようですが、ご家族…つくし様になにかあったのでしょうか?」

社長である父が後妻を迎えたことを田村が知らないはずはなかった。
そして、類に新しく妹が出来たことも。
そこに思い至らなかった自分は、本当につくしのことしか頭になかったのだと自嘲的に口を歪めた。
田村の心配そうに語る口調が本心からのものであると知れば、いつもの能面ヅラも彼の持つ表情のほんの一つに過ぎないのだろう。

「ああ…いや、そういうわけじゃない。田村は、喧嘩とかする?兄妹と」

さらに質問を続ける類の気持ちが全く分からなかったのだろう。
困惑したように首を傾げ、田村は言葉を選びながら慎重に答えを探している。

「喧嘩、ですか?それは小さい頃はそういうこともよくありましたが…」
「どうやって…」
「はっ?」
「いや…やっぱりいい…悪い、もう下がっていいよ」

聞けるはずもなかった。
怒らせた妹とどうやって仲直りをするのかなど…。
類は田村の後ろ姿を確認すると、スマートフォンを操作し再びため息をついた。
最近では避けられているのか、全く顔を合わせない。
メイドの話も何処へやらで、つくしは自室に戻ってしまっているようで寝る時も類の部屋には来なかった。
癖になってしまっていたのか、つくしが隣にいないベッドの半分だけ場所を開け、誰も寝ていない冷たいシーツを撫でては寂しく思う。
朝つくしではなく、使用人の声に起こされることが酷く不快になった。
類にとってはつくしがいない頃と何ら変わらない生活を送っているに過ぎないのに。

心に穴が開く…ってこういうことなんだ──

「ただ…謝るだけです…。特に妹には」

とっくに執務室を出たとばかり思っていた田村が、類に背を向けドアノブを握り締めながら独り言のように呟く。

「妹は我儘で…末っ子だからか親からも可愛がられて、兄も私も我慢されられることが多かったんですが…男兄弟とは違う可愛さみたいなものがあって、憎らしくっても怒れないんです。所詮男は口では敵いませんから、今思えば、家族中が甘やかし放題でしたね。可愛いと思ったらもうこっちの負けです」
「そう…」
「…関係ない話をしてしまいました、失礼します」

自分のことを語るのが恥ずかしかったのか、田村はメガネの縁を手で直すような仕草を見せ、執務室を出て行った。

「だよね…謝るしかないか」

類はスマートフォンをスーツの胸ポケットにしまうと、どうせ頭に入らない仕事をそのままに執務室を出た。
席に着いて、再び仕事に戻っている田村に声をかけた。

「悪いけど…今日は帰るよ。明日大学ないから朝から出社する…それでいい?」
「かしこまりました。そのように調節致します」
「助かった。お疲れ様」

言うが早く類は車を呼び出し、帰路に着いた。
探してはいるようだが、新しいバイト先もまだ見つかっていない様子であるため、つくしはもう家に帰っているはずだ。
とはいえ、ここ一週間口を聞くこともなく全てはSPからの報告によるものであったが。



邸へ戻ると、分かってはいることだがやはりつくしの出迎えはなく、佐原が神妙な顔付きで類を見つめる。

「なに?」
「いーえ、ただ…まだ仲直りされていないのかと。随分と男らしくな…いえ、何でも…」

玄関先で表面上は笑顔を取り繕ってはいるが、長年の付き合いで類には分かる。
笑顔の裏に隠れたしかめっ面は、子どもの頃に怒られた記憶を彷彿とさせる。
さすがに子どもの頃から面倒を見てもらっていて、親に代わって躾やマナーなどを教えてくれた存在でもある佐原に類が敵わないのは、仕方のないことだ。しかも、それがつくしのこととなれば尚更だ。

「分かってる…ちゃんと謝るよ」
「ええ、そうしてくださいな。つくし様がここ最近塞ぎ込んでいるのは、やはりお寂しいからでしょう?」
「だといいけど…今日つくしは?部屋にいる?」
「先ほどお帰りになりましたよ…夕食はまだですから、時間をおいてつくし様のお部屋に運ばせます」

佐原の言葉を背中に聞きながら、類はつくしの部屋に急いだ。
軽くノックをし、部屋の中から短く応答がある。
久しぶりにつくしの声を聞いただけで、どれだけ自分にとって大きい存在かを認識させられた。

「俺…入っていい?」

窺うようにしか聞けないことを情けないな、と思いながらも一週間ぶりに顔が見られることを喜ぶ自分がいた。

「う、ん…」

ドアを開ければ、喧嘩している類にどういう顔をすればいいのか分からないといった、戸惑いの表情を見せたつくしが見慣れない服装で立っていた。
割烹着?いや…緑の甚平姿で、邸では見たことがない。
どこかの職人を思わせるような格好に、思わず謝るより先に口を継いで出てしまった。

「なに…その格好?」
「バイト先の制服。団子屋さん。明日からだから、着てみただけ…」

まだ怒っていますと面貌に表したつくしは、だからなんだと言うように口を尖らせる。
そんな話は聞いていないと、つい口から出そうになり類は言葉を飲み込む。
何か言う資格など類にありはしない。
それに団子屋ならば、おかしなナンパ客も来ないだろう…どちかといえば年齢層高めの客が多そうだとホッとした。

「そっか…あのさ、つくし、この間は…」
「もういいよ。ちゃんとあたしの部屋に来てくれたから…。ごめんね…大っ嫌いなんて嘘だから」
「本当に嫌われたって思った…。約束する、バイトの邪魔はしないよ…でも、喧嘩しても俺の隣で寝て?もうつくしがいないと眠れないんだ…」

つくしを両腕の中に閉じ込めるように抱き締めれば、腕の中にピタリと収まる感覚に満足感を得る。
髪にキスを落とし指で梳いた。清潔そうなシャンプーの香りと、サラサラで癖のない真っ直ぐの髪が心地良い。

「久しぶり過ぎて…抱き締めるのも緊張する」
「…あたしだって類に触りたかった…触っちゃダメ?」
「いいよ…おいで」

座る場所にベッドを選んだのは、もちろんその先を期待してのことだが、つくしは特に何を言うこともなく、類が腰掛けたベッドで、膝の上に跨り胸元に顔を埋めた。
しばらくクンクンと犬のように類の匂いを嗅いでいたつくしが顔を上げると、類の頬を包み触れるだけのキスをする。
頬から額へ、額から鼻梁へ唇を移動させながら啄ばむように口づけを繰り返す。
深く貪るようにつくしを味わいたいのに、焦らされているような感覚に、類はつくしの頭を引き寄せて唇を重ねた。

「んんっ…ぁ、る、い…」

つくしの苦しそうに喘ぐその声にも、身体の疼きは収まらず臨戦態勢となった自身の下半身をつくしに押し当てる。
逃げようと身体を捩るつくしの腰を両手で掴み、グッと布越しに昂りを突き立てれば、とっさに唇を離したつくしの身体がビクリと跳ね上がる。

「あぁぁっ…」
「…っ、挿れたくて…堪んない」

つくしの甚平の前紐を解くと、中にはブラジャーしか付けておらず、背中のホックを片手で外し甚平ごとベッドの下に落とす。
形のいい類の手にすっぽりと収まる白い膨らみは、何度触れても吸い付くようにしっとりとしていて、すでに立ち上がった乳頭が今か今かと類の愛撫を待ちわびている。
腰を何度も押し付けながら、つくしの膨らみを口に含み舌で尖った先を転がしていく。

「んぁ…はぁっ、や…そん、な舐めちゃ…」
「ダメ…つくし不足でどうにかなりそうだったんだから」

しかし、そんな余裕ぶってはいられなかった。
つくしの身体が、類の性器を擦り付けるように動き始め、小さな手で昂った性器の先端を撫でられれば必死に抑えていた情欲が類に襲いかかる。
今すぐにでも押し倒して奥深くに穿ち、中を擦りたいと、ゾクゾクと肌が粟立つような快感が背筋を突き抜け、つくしの胸を愛撫していた手が下半身に伸びた。

「誘ってんの?」

兄ではなく艶めいた男の顔を滲ませた低い声で囁けば、つくしの身体はその淫猥な行為とは裏腹に、純情そうに涙を溜めた瞳を類へ向けた。

「ん…もっと触って…お兄ちゃん」

しかし、ピンク色に染めた頬に涙が一筋伝い、快感に潤んだ目を向けられれば、自分など敵うはずもない。

だって、可愛いと思ったら負けなんでしょ──?
多分最初から、出会った瞬間から恋してたのは俺だから。

「…っ、なんか負けた気分…じゃなくて、もう負けてるのか」
「なに?」
「何でもない。つくしに溺れてるってだけ」

下半身を覆っていた邪魔な服を脱がし、一糸纏わぬ姿にさせてもつくしに抵抗は見られなかった。
うっとりとしたその瞳は類の次の愛撫を待っているかのように潤んでいる。
硬く勃ち上がる自身の性器を、つくしの秘部に直に擦り合わせれば、ぬっとりと濡れたつくしの秘部から絡みつくように愛液が溢れ出した。
慣らされていない硬く閉ざされた蕾はキツく中への挿入を拒んでいるのに、欲しい欲しいとヒクヒク動いている。

「あっ、あっ…擦ったら、濡れちゃう…あぁっ、や、中が変な、の」
「ここ…キツイからね。慣らしてから挿れるよ?俺のこと…受け入れて…」

つくしの腰を浮かせて秘部に指を突き立てる。
ヌルリと抵抗なく指を受け入れる内側はざらりとしていて、類は中を広げるように指をグルリと回した。

「やぁぁぁっ…」

すぐさま指を増やし、つくしの快感を引き出すようにスライドさせれば、足では身体を支えきれなくなったのか、つくしが類の肩にしがみ付く。
卑猥な音を立てた秘部は、より深くに指を飲み込もうと内側を蠢かせる。
ヌチュヌチュッと類の指が動くたびに、恥ずかしいのか類の肩口に顔を埋めるつくしの姿さえも、類の熱をさらに上げ堪らない気持ちにさせた。

「痛いかもしれないけど…もう挿れたい。掴まってて…」
「ん…」

ズルリと秘部の入り口が、類の性器を飲み込んでいく。
抵抗はない、と思っていたが何センチか入ったところで押し止まり、ギュッと硬く閉じられた蕾がなかなか開いてはくれなかった。

「身体から力抜ける…?」
「無理…っ、痛い…もん…ぁ」

痛みなど感じさせたくはないのに、つくしの身体を知っているのは自分だけなのだという喜びが勝る。
申し訳ない気持ちを持ちながら、胸の膨らみに再び口を寄せていくと、下半身に集中していた感覚が胸へと移ったのか、つくしの身体から力が抜けていった。
類は焦ることなくつくしの重力に任せて身体を沈めていく。

「あ、ん…それ、気持ち、い…」

真っ白の肌に赤く立ち上がった二つの実を指と舌で愛撫する。
少しでも快感が得られるようにと、感じる場所を重点的に攻めればつくしの足の力が抜けて、性器を奥へと飲み込んでいった。

「あぁぁっ!はぁっ…」
「入ったよ…全部。痛くない?」
「うん…なんか、変な感じ…類の、入ってるの?」

つくしのキョトンとした瞳は、まるで何も知らぬ子どものようで、悪いことをしている気分になるなと類はクスリと笑いをこぼす。
少しの癖もないさらりとしたつくしの髪に指を通し、急いてしまいそうな自身を落ち着かせる。

「入ってるよ…見たい?」
「み、見たくないっ」

喉奥でクッと声に出さずに笑い、そろそろいいかとつくしの腰を支えれば、くったりと類の肩口に倒れこんだつくしが荒く息を吐き出した。

「ぁ…はぁっ…」

表情は見えないが、微かに色香を含んだ声が聞こえると秘部に埋まる性器が反応を示す。

「る、い…」
「どうしたの?」
「中が…なんか、変…っ。ジンジンして…」

自然と腰が揺れ、類の性器が擦り合わさる。
その刺激にグッと奥を抉るように性器を突き立てれば、つくしの内部がギュッと類を締め付けた。

「治してあげるよ…今」

ベッドにつくしを押し倒して、足を開き抱え直す。
内部をかき回し淫蕩なリズムで腰を揺らせば、足の間からはズプズプッと卑猥な音が漏れ聞こえる。
どちらのものか分からない体液が結合部を濡らし、類の動きをスムーズにしていく。

「あぁっ、ん…あっ、あっ…ダ、メ…ん」
「つくしの中…凄い、気持ちいいよ…っ」

緩急をつけながら、つくしの快感を引き出し腰を打ち付ける。
性器を締め付けていた秘部が痙攣するように蠢くのを感じて、類は余裕をかなぐり捨てた。

「あっ、あっ、あっ…もぅっ…イッちゃ、あぁっ…」
「く…っ、ん…俺も…」

結合部から溢れ出た愛液をつくしの花芯に撫で付ける。
瞬間、つくしの身体が強張り悲鳴に似た声を上げ、高みに昇りつめた。

「ぁ───っ!」
「……っ、く」

釣られるように吐精し、荒い息を吐きながらつくしの身体に体重をかけないよう覆い被さる。
欲望を解放したはずなのに、未だに中心が熱く疼く。
どうしてしまったのかと思うほど、自分の欲求は止まらない。
可愛くて愛おしいこの恋人を、やっと手に入れたのだから当然か───。



数日後──

「今日仕事帰りにバイト先に迎えに行くからね」
『えぇ〜本当に来るの?類が来たらお客さんびっくりしちゃうよ〜』
「遅番なんだから、客はもういないはずでしょ?そんなこと言ってると毎日行くよ?」

つくしのバイトの邪魔はしない…そう言ったのはどの口か。
結局どこでバイトしようとも、つくしの魅力は半減するものでもなく、見る者を惹きつけて止まない。
団子屋でバイトしてからというもの、類の心配する若い男の客に狙われることは避けられたが、どうやら年配の男性客が多いらしい。
孫のような可愛さなのか、何か狙ってのことなのかは知る由もないが、類の心配は尽きない。

『もぅ〜じゃあ来てもいいけど、お客さん威嚇しないでね』
「なるべく、ね」

類が電話を切って、執務室で帰る支度をしていると扉をノックする音が響いた。
この部屋に入ってくる顔ぶれは決まっていて、秘書は何名もいるが煩わしさを避けるため、この部屋への入室を許されているのは一名だけだ。

「失礼します…お帰りの前にこちらにだけサインをお願い致します」

やはりいつもと同様にニコリともしない一見冷たそうな表情で、類のデスクに書類を差し出す。
父親まではいかないかもしれないが、相当に年の離れた部下であることに違いはない。
しかし、先日の件では意外な一面を垣間見て、いつも能面ヅラしたこの部下に少なからず好意を抱くようになった。

「義妹と仲直りしたよ」

たまには人と話すのも悪くない──


fin









団子屋の前の通りに車を停め、運転手を待たせたまま車から降りる。
一歩一歩足を踏み出す度に、類の機嫌は下降の一途を辿っていった。

もう営業時間終わってるはずだよね…?
テレビで紹介でもされたわけ…?
男の客ばっかりなのは、絶対に気のせいじゃない。

自動ドア越しに接客中のつくしと目が合う。
何せ、〝しまった〝って顔をするんだからね。

「つくし…どういうこと?」

店内に入ると、並んでいた客が一斉に自分を訝しげに見ている。
客じゃないんだから並ぶ必要もないし、本当はとっくにバイト終わる時間だよね。
つくしの隣にいる女が自分を見てあからさまに頬を染めるのすら、イライラする。

「えっとぉ…なんか、最近超人気店になっちゃったみたいで…」

つくしはモゴモゴと口を動かしながら言い訳めいたことを言う。
隣にいた女が興奮したように、つくしの足りない言葉を補足し始めた。

「あ、あの初めまして!つくしがバイトに入ってから日に日にお客さんが増えて…凄いんですよ!」
「だろうね…」

さっきまで接客するつくしのことを見ていたのだから、知っている。
逆光でつくしからは外は見えなかったようだが、類からはつくしの表情一つ見逃してはいない。
結論から言うと…予想以上だった───ということだ。

小悪魔つくしは、超ど天然小悪魔つくしであった。

怒気をはらんだ類の前で、また一人男の客が現れる。

「あ!お帰りなさい♡お父さん。今日は何にしますか?ご飯にする?お風呂にする?それともお団子?♡」
「えぇぇぇ、どうしようかなぁ。お風呂もいいなぁ〜」
「やだなぁ、お団子屋さんですよ?」


おしまい

このお兄ちゃんシリーズ如何だったでしょうか。
一応、類くんの思いを遂げさせてあげた…ということで、最終話となりました。
つくしの小悪魔は天然か計算か──いや、こんな女が現実にいたら計算以外ないと思っております(笑)
「………もん」「ねぇねぇ……」これを上目遣いでする女は計算です(笑)
しかしつくしのキャラを変え過ぎたせいで、すでに類つくではないような気がしてなりません…でも誰にも突っ込まれなかったからいいか…。
では、またの機会に♬

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オダワラアキ

Author:オダワラアキ
オダワラアキの二次小説・二次創作置き場へようこそ。
ひるなかの流星・花より男子・日々蝶々・君に届け・会長はメイド様の二次小説・創作置き場です。黒バス黄黒、青黒BLも書いております。
現在はオリジナルばっかりになってしまったなぁ。

こちらを読むにあたって下記注意点をお読みになってからお進みください。

このサイトは原作のある漫画の二次創作、小説です。

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原作者様、出版社とは全く関係ありません。

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