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恋夢21

恋夢21



今日のアポイントを取る際に、結婚式場に改装中のホールと同じ建物内にある、会議室を指定された。

ホールの中は9割方工事は終わっているようだが、まだ受付に人はまだ配置されておらず、つくしたちは直接指定された会議室へと向かった。

コンコンと木嶋がドアをノックすると、中からはいと声がした。

つくしは聞き覚えのあり過ぎるその声に、たまたま偶然にも程があるだろうと困惑するしかない。

「本日、14時に約束しております。flowerfoodの木嶋と申します」
「今回の式場プロデュース担当しております。大河原と申します」

マネージャーも木嶋も担当者だと言う年若い美女に、一瞬驚いたような顔をするが、すぐに姿勢を正し名刺を交換する。
そして、控えていたつくしへおまえもと視線を移すと、つくしは名刺を出すことも忘れて身構えていた。

「おい…花沢…」
「つっくし〜!!!」

やっぱり来た〜!!

「し、滋さんっ!ぐるじい〜」
「ごめん、ごめんっ!まさかこういう会い方すると思わなかったからさ!」

木嶋はまさかまたか?という顔でつくしと親しげに話す滋を見た。
マネージャーは何が起こっているのかも分からずに、鳩が豆鉄砲を食ったような顔で立ち竦んでいた。

「でも、滋さんなんで?会社継ぐことにしたの?」

大河原財閥は、娘を政略結婚をさせなければ存続できないような弱小企業ではない。
しかし、滋の両親としてもその地位や名誉欲しさに寄ってくるような蝿と、滋を結婚させるつもりはさらさらなかった。
そうなると、大河原と並ぶような、もしくは大河原にとっても今後利益に繋がるような相手をと考えてしまう。
それが、政略結婚とどう違うのか、つくしには分からない。

しかし、それさえクリアすれば別に自分は働かなくてもいいんだと滋は言っていた。
つまらない結婚が待ってるんなら、それまでは自由気ままに生きていたいのだと。

「つくし見てたらさ…。どうせ親のしいたレールの上を走らなければならないなら、自分のやりたいように走ってみようって思ったんだよ」
「そっか」

滋はつくしを抱き締めたまま答える。

「それにね、滋ちゃんが式場プロデュースをしたのはね〜」

つくしの両肩に手を置くとニヤリと笑う。

「つくしと類くんの結婚式が、めっちゃ素敵だったからに決まってんじゃん!!もちろん、つくしっていう親友の結婚式だから余計にそう思ったんだけどさ…あああやって誰かのために何かをするのって楽しいって思ったの!」

そういえば、つくしたちの二次会と言う名の本当の結婚式を取り仕切ってくれたのは、ここにいる滋だった。

「あたしも、結婚式楽しかった。あんなに幸せな気持ちになれたのは滋さんたちのおかげだよ…」
「でしょ〜!やったるぜぃ!」

マネージャーと木嶋は、話が止まらない女子2人にいつ話に入っていいものかを考えあぐねていた。

「ふふっ、滋さん…前より、生き生きしてるね。あ…」

ふと視線を感じて振り向くと、ポカンとした顔でつくしたちを見ている上司と目が合う。
そこで初めて仕事で来ていたことに気がついた。

「す、すみませんっ!あたし!」
「花沢…知り合い多いんだね」

嫌味ではなく、心底そう思っているのか木嶋は感心したようにつくしに言った。

「こちらこそ申し訳ありません。つくし…いえ、花沢さんとは高校からの親友なんです。つい嬉しくなってしまって…。じゃあ仕事の話しましょうか」

先ほどとは完全にキャラが変わったとしか思えない滋の変貌っぷりに、男性陣も驚きを隠せない。

そして契約自体もトントン拍子に上手くいくと、滋はまたプライベートの顔つきに戻った。
もし、マネージャーと木嶋だけだったならば、この契約はそれなりに時間がかかったであろう。
つくし自身庶民の出だと言ってはいたが、その人脈はとても庶民の持っているものではないと木嶋は思う。
道明寺財閥に続き、大河原財閥まで。

なるべくしてなったシンデレラか…。

「つくし〜今日の夜暇?つくしの家行ってもいい?」
「うん、類にあとで聞いてみるけど大丈夫のはずだよ」
「やったね!桜子には声掛けたんだけどさ、司たちにはまだなんだよね」
「あ、このあと仕事で道明寺のとこ行くから、ついでに誘っておこうか?優紀にも連絡しておくよ」
「あ、ほんと?じゃあ美作、西門ペアには私が連絡するね」
「滋さん、いいよ。忙しいでしょ?あたしあの2人にも言っておくよ。ほら、あたしは一介の新入社員だからさ」
「ほんとっ?サンキュー」

いくら常務の奥方とは言え、新入社員の口から出る、経済界を牛耳る企業でよく聞く名前が恐ろしい。

ガールズトークはどこまでも続き、マネージャーが話に入っていこうとするが、女たちの会話には隙がない。

「道明寺って…まさか道明寺社長のことか…?」

ボソリとマネージャーが、木嶋に訊ねると木嶋はコクリと頷いた。

「呼び捨てに出来るような関係なのか…?」

マネージャーは木嶋に話しかけたつもりだったのだが、滋は聞き逃さなかった。

「司は、つくしの元カレだもん。呼び捨てにぐらいするよねぇ〜」
「し、滋さん!!」

「「元カレ…」」

マネージャーと木嶋が声を揃えて言う。

「元カレが、道明寺財閥の御曹司で、旦那が花沢物産の御曹司ってなかなかだよね!さすがつくし!そして親友が大河原財閥のご令嬢〜」

これが嫌味でないのが、滋の恐ろしいところだ。
つくしは苦笑すると、あとでメールするねと話を終わらせた。

類と結婚していることを知られている今となっては、誰に隠すことでもないが、自分からわざわざ吹聴する話でもない。
そして、それを知られると大体みんな同じような反応をする。

金目当てのセレブ狙いーーー。

そう思われても仕方がない。
真実を知っている友人たちがいる…。
それだけでいい。

そして木嶋もまた、それを知ってもつくしに対しての印象を変えない数少ない人物であった。


***
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Re: 5◯様

コメントありがとうございます(^-^)

そうそう(*^^*)つくしの親友たち凄すぎですよね!
なんてったって元カレ司ですから〜(≧∇≦)
私も木嶋さんと他の面々絡ませたくって…と言ってもF4と仲良く…とはいかなそうなので、チョイ絡みぐらいの恋夢番外編を今書いています!

Re: yas◯様

コメントありがとうございます(^-^)

分かります!
私も花男の二次好きで、つくし可哀想〜と思う作品も結構読みました!
面白いけど、ちょっと辛いですよね…(;´Д`A
うちのつくしちゃん基本類に愛されまくりなので、安心してたまにホッコリしたい時にでも遊びに来てくださいね(≧∇≦)

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Re: ず◯様

コメントありがとうございます(*^^*)

滋私も好きです〜(≧∇≦)
優紀より動かしやすいし、なにか事件を起こしてくれそうだし(笑)
つくしの親友たちはみんないい子ですよね♬
いい子キャラを変えないようにこれからもチョイチョイ出したいです!

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Re: まる◯様

コメントありがとうございます(^-^)

木嶋さん私的にもかなり気に入っています!
私も書きながらニヤリとしてしまうことも(笑)
頑張って更新続けます(≧∇≦)
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