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恋夢22

恋夢22



最近…竹内くんがおかしい気がする。

視線を感じ振り返ると竹内と目が合う。
それはただつくしが自信過剰なだけかもしれないが、以前の竹内ならば事あるごとに話し掛けてきたのだ。

仕事でも、以前は事務処理など分からないところを教えあったりしていたものだが、ここ最近は仕事中の会話すら皆無だ。

なんか、悩みでもあるのかな…。

類とのことが知られて、つくしだけが嫌われた…というのであれば、つくしとしてもそこまで気にならなかったかもしれないが、仕事中もどこかボウっとしていてミスも多い。
元々頭の回転が早いのか、つくしが分からないところがあると、丁寧に教えてくれたのは竹内だった。
軽薄な部分はあったが、仕事は真面目にやっていたように思う。

そしてDMJは竹内とつくし2人で今後担当すると木嶋が言っていたが、つくしが司と元々懇意にしていることもあり、1人で担当することになった。
それを司に伝えると、DMJ側の担当者も司から部下へと変わった。
司とは友人だけにやりにくいと思っていたことも確かなので、ホッとしている部分もある。

つくしはデスクワークをしながら時計を見た。
定時を過ぎそろそろ帰ろうかと、木嶋に急ぎの仕事がないかを確認するため席を立つと、後ろから声を掛けられる。

「花沢さん」

つくしが驚いて振り返ると、竹内が立っていた。

「竹内くん…どうしたの?」
「もう帰る?このあと時間あったらちょっと相談に乗ってほしいことがあるんだけど…」

ここまで竹内を変えるほどの何があったのか、顔色も悪く元々の精悍な顔つきは見る影もない。

「あたしでよければ…」

あまりの様子につくしは、ついそう答えていた。



「木嶋さん、急ぎの仕事がなければ上がって大丈夫ですか?」

つくしが木嶋に話しかけると、木嶋は竹内と話をしているところを見ていたのか、周りに聞こえないように声を落としてつくしに言った。

「竹内…何か言ってたか?」
「えっ?あ、このあと相談したいことがあるって。最近様子が変だったからあたしも気になって…」
「そうか…場所は?」
「決まってないです」

木嶋は少しの間考えると、竹内に視線を向けないように注意しながら、つくしと話す。

「俺の連絡先分かるよな?社内ならいいんだけど、もし外で飯食いながらとか言われたら、トイレに立つふりして俺に場所知らせてくれないか?」
「何でですか?」
「ちょっとな…絶対だぞ?」
「分かりました。じゃあお先に失礼します」

つくしは木嶋に頭を下げると、まだ残業で残る同僚にお先にと挨拶をして部屋を出た。

キョロキョロと竹内を探すと、1階のロビーに置いてあるソファで待っている。

「竹内くん、お待たせ。ここでいい?何か飲み物買ってこようか?」
「いや、外に出よう…。会社の人がいるところじゃ話しづらいし」

それもそうかと、つくしはビルを出ると竹内のあとを着いて歩いた。

「ここでいい?」

会社から歩いて10分ほどであろうか、駅の反対側まで出ると、雑居ビルの中に入って行く。
エレベーターが動いていないのか、竹内は階段を登っていくと、奥まった場所にある、スナックの看板を掲げた店のドアを開けた。
駅の周りにはもっと綺麗そうな居酒屋がたくさんあるのに、何故こんな誰も来なそうな場所にある飲み屋へと入るのか、段々とつくしの頭で警報が鳴り始めるが、その時には店内に足を踏み入れていた。

しまった、そう思った時には遅かった。
木嶋に場所のメールをするにも、きっとトイレに立たせてはもらえないだろう。

周りを見渡すと、以前はスナックをやっていたのであろう残がいがあちこちに残る、潰れた店舗だった。

竹内は後ろ手に鍵を締めた。
そのガチャリという音が、やたらと響く。

「ここで…相談?悪趣味だね…」

つくしは何とか平常心を保つと、竹内に向かい合う。
とにかく、あまり相手を興奮させてはならないと、本当は叫んで逃げ出してしまいたかったが、何とか自身を奮い立たせた。

竹内の普段は隠された獣のようにギラついた瞳が、つくしを射抜くように見つめる。

「前にさ…DMJ行った時、おまえと道明寺社長の会話聞いちゃったんだよ…。おまえら昔付き合ってたんだろ?」
「そ、それが…何?昔のことだし」

竹内の話し方すらいつもとは違っていて、つくしはさらに恐怖を覚えた。

その時、ドアをドンドンと激しく叩く音が外から聞こえた。
つくし様と叫ぶ声は、SPの堀田のものだ。

着いてきてくれてたんだ…。

安心して肩の力を抜くと、竹内がつくしを羽交い締めにする。
喉の近くにキラリと光るナイフが突き付けられ、つくしはゴクリと唾を飲んだ。

元々、ビル自体が築何十年経っているのか分からないほどに、どこもかしこもボロボロだった。
ドアも堀田が強く何度も足で蹴ると、勢いよく反対側へと開いた。

「堀田さん…っ、木嶋さんっ!?」
「やっぱり、引き留めておけばよかった…。竹内、おまえ自分が何をしてるか分かってんのか?」

竹内がつくしに向けているナイフを見ると、木嶋は悲しそうに言った。

「嘘ついたコイツが悪いんだよっ!道明寺とのことは昔の話だから、許してやろうとしたのに…。何で結婚してんだよ!?しかも、なんで相手があいつなんだよっ」

そう言う竹内の目はすでに正気を保っているとは言い難かった。
ダラダラと額から汗を垂らし、息は荒く、手が震えていた。
しかし、つくしの喉元にナイフを突き付けられ、堀田にも動くことができない。

「あたしが…結婚してたから?」

つくしが恐る恐る尋ねると、竹内は興奮したように目をギラつかせて言った。

「そうだよ、おまえが悪いんだ…。俺はな…金持ちが大っ嫌いなんだよっ!」
「そんなの…」

あたしだって嫌いだった!

「つくしっ!!」

その時…ドアがまた乱暴に開けられ、現れた人物に、つくしは目に涙を浮かべ身体の力を抜いた。

いつも、どんな時も必ず助けに来てくれる…。

「類…」

竹内の顔に憎しみとも取れる表情が浮かんだ。
それと同時に、竹内の呼吸は早くそして喘鳴へと変わっていった。

ヒューヒューという、息が吸えてないような呼吸の仕方につくしが驚き、ナイフを向けられていることも忘れ振り向こうとすると、類と堀田が動くなっと大きな声で叫んだ。

「た、竹内くん…?」
「おいっ?どうした!?」

木嶋も竹内の異変に気が付く。
竹内が苦しそうに胸を押さえた隙を類は見逃さなかった。
ナイフを足で蹴り上げ奪い取ると、まずはつくしを自身の背中に隠すように庇い、竹内の胸ぐらを掴んで持ち上げた。

いつもは穏やかな類が、ここまで冷酷な顔をするのをつくしは見たことがなかった。

「る、類っ!お願いっちょっと待って!なんかおかしいから…っ」

つくしは類の腕に縋り付くと、やっとのことでその腕を下ろさせた。

「はっ…はぁっ、く、るし…ヒュッ…」
「竹内くんっ!?大丈夫っ?」

背中に庇ったはずのつくしが、竹内の元に駆け寄った。


***
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Re: ず◯様

コメントありがとうございます(^-^)

そうなんです〜明日の話で竹内くんの話終わりますけど、ちょっと事情があって追い詰められてしまった…というオチですね!
あまりに悪い奴ってあんまり好きじゃなくて…みんな本当はいい奴みたいな終わりが好きなんですよね〜(^-^)

Re: まる◯様

コメントありがとうございます(^-^)

類はヒーローですから〜(≧∇≦)
プロット段階では、木嶋さんと堀田さんで助けるはずだったんですけど、ダメでしょ!?類が来ないと!と思って急遽木嶋さんが類に電話をしたことにしました!
しかし、秘書よ…よく類に電話繋がったな…(笑)
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