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お兄ちゃんのお手伝い(お兄ちゃんシリーズ3)

お兄ちゃんのお手伝い
お兄ちゃんシリーズ第3弾〜




類はまだ大学生のはずなのに、仕事と勉強を両立し、帰りも遅い。
そのため疲れているのか、休日は殆どを部屋の中で過ごしているようで、食事の時間もつくしとは合わないから、一体いつご飯を食べているのだろうと心配になってしまう。
花沢物産という大きな会社の経営者になるために、日々勉強の毎日だと言うが、そんな類のために何か出来ないかとつくしは考えていた。
仕事の手伝いは多分自分には出来ない、つくしは大学の勉強だけでいっぱいいっぱいだし、一朝一夕に出来るほど甘くはないだろう。
ならば、類の身の回りのことを手伝うのはどうかと考えた。
今類には専用の使用人が付いているが、その仕事内容はつくしにも出来そうなことばかりで、それぐらいは手伝えるのではないかと思っていたのだ。

「佐原さーん!あのね……」

つくしは、類の部屋に行こうとする使用人頭の佐原を呼び止めると、これからは自分が類の手伝いをと提案した。
佐原は類が子どもの頃からこの邸の管理を任されている女性で、つくしが邸に来たばかりの頃から孫のようだと可愛がってくれている。
そして目を見開き驚いた顔でつくしの話を聞いていたものの、嬉しそうに口元を綻ばせ言った。

「まぁまぁ!類様のお手伝いを?それは是非してあげてくださいな」
「本当!?そう思う?じゃあ、早速類にも言ってくるね!」

つくしは善は急げとばかりに、佐原に礼を言うと類の部屋へと急ぐ。

「あっ!つくし様!待ってください!いい考えが…」





つくしたち親子と一緒に住むようになってから、花沢邸には増えた音がある。
それは、楽しそうな笑い声と走り回る足音で、まるで子どものように落ち着きがなく、いつもバタバタと類の耳に届く。
類は雑音が嫌いだ、出来ればシンとした静かな部屋でクラシック音楽を聴きながら、休みの日は1日中本を読んでいたい。
そのため、つくしとドアの前で鉢合わせする以前は、よく自分の部屋の前を通る足音に敏感に反応し、イライラとしていたものだが、最近ではつくしが通ると、もしかしたら部屋に来てくれるのではないかと期待している自分がいる。
そんなことなら、自分からつくしの部屋に行けばいいと思うだろう。
しかし類には、義妹であるつくしの部屋を訪ねる理由は思い付かなかったし、つくしにちょっとしたイタズラをしてしまってからは、これ以上踏み込めば引き返せない行為に及んでしまいそうな自分がいて怖かった。
つくしが類を受け入れてくれるのであれば、義理の妹だろうが何だろうが構わないのだが、今の状態は何も知らない純真無垢な女の子をそういった行為で手懐けていると取られても仕方がないだろう。

だから、邸の中でもなるべく顔を合わせないようにしているというのにーーー

「ねぇ、ねぇ〜類!これ似合う!?」

全体が黒のフリルワンピースになっていて、胸元が大きく開いている。
ワンピースの上から白いレースのエプロンを着ければ、可愛らしいメイドさんの完成だ。
ベッドに横になっている類の前でクルクルと回って、ふわりと舞うスカートから白い太ももが覗く。
類はつい絶妙な加減の胸元や足の間に目がいってしまいそうになるのをグッと堪え、つくしの顔に視線を戻す。
しかし、頭にもワンピースと同じ生地で作られたレース生地のカチューシャが付いていて、ダメ?と上目遣いで見る黒い大きな瞳が類の心を揺るがす。
佐原が用意してくれたのだとつくしは息巻いて言うが、さすが小さい頃から類の面倒を見てきた使用人だけあって、類の好みはバッチリだ。

アキバとか絶対連れて行けない…可愛過ぎるし…

「うん…似合う。けど…本当にやるの?つくしは使用人じゃないでしょ?」
「やるの!だってあたしも類のお手伝いしたいもん!朝とか起こしてあげるし…ご飯だよって知らせに来る!そうしたら一緒にご飯食べられるでしょ?」

どうしてこんなに可愛いかな…この生き物は…

しかし年上であるプライドなのか、男としてのプライドなのか、どうも素直になれずにいる。
本当は告白するつもりで、ちょっとしたイタズラをしてしまったあの日、つくしが目覚めるのを待っていたというのに、類が起きた頃すでにつくしの姿は部屋になかった。
類自身も大学と仕事の両立で、同じ邸内に住んでいるとはいっても、なかなかつくしと偶然会うことなどはない。
3食きっちり食事をし生活リズムが安定しているつくしと違って、類はあまり空腹も感じないため、気が付けば休みの日などは今日1日何も口にしてなかったということが多々あり、本を読んだり何かに集中してしまうと部屋から出ることも滅多にない。
そのため、あれから1度も顔を合わすことはなく今に至る。
そうして時間を置けば置くほど、気まずさも増していくという道理だ。

「朝も起こしてくれるの?」

こんな、降って湧いたチャンスを逃すわけはないーーー

「うん!もちろん!類寝坊助さんだって佐原さんに聞いたよ!あたしがちゃーんと起こしてあげる!」
「朝起きる時間、日によって違うけど、どうやって俺の予定知るの?」

類はある提案をするために、つくしに聞いた。
狡いことをしている自覚はある。
でも、可愛いんだ…朝起きてつくしの顔が目の前にあったら、多分色々な意味で朝っぱらから元気いっぱいになり、それからでは取り返しがつかないかもしれない。

「ええ〜どうやって…って。類教えてくれないの?あたし類専用のメイドさんなのに…」
「だったら、俺の部屋で一緒に寝る?そうすれば、スケジュールも分かるし俺の世話しやすいでしょ?」
「あっ!それいいかも!類のベッド大きいしね!暇なときはあたしも勉強出来るし!」
「うん、じゃあ早速勉強机とつくしのクローゼット増やしてもらうね?」

自分の思惑通りの展開につい口元が怪しい笑みを浮かべそうで、類はキュッと口元の緩みを引き締め、つくしの好きな王子様スマイルを顔に浮かべる。
機嫌良く類が了承したことが余程嬉しいのか、自分ではどこがいいのかサッパリ分からないこの顔にほとほと弱いのか、つくしは顔を真っ赤にしてコクリと頷く。
そして、自分の部屋に戻ろうと類に背を向けると、あっと何かを思い出したように、類がいるベッドに近付き声を潜め耳元で囁いた。
近付いたことでつくしの香水のものではない甘い香りが類の鼻を刺激し、同時に聴覚からも甘い誘惑のような刺激を与えられることになる。

「あんまり…エッチなことしちゃダメ…だよ?」

あんまりってことは、ちょっとならいいのかと考えない男はいないだろう。
類は去ろうとするつくしの手を掴むと、ベッドの中に引き込み逃げられないように自分の腕の中に抱え込む。
抱え込まなくとも逃げるつもりなどなかったのか、つくしは類の腕の中でおとなしくしていた。

「どういう意味…?そういうこと言うと、男っていい方にしか取らないんだけど?」
「ど、どういうって…この前の寝る時のこととか…あたし、類に触られると訳わかんなくなっちゃうし…恥ずかしいんだもん」

つくしが覚えているかいないかは、類にとっても半信半疑だった。
しかし今のつくしの言葉で、ハッキリとつくしは類のしたことを覚えていて、しかもそこまで拒絶されてはいないことを知る。

「恥ずかしいだけ?気持ち良くなかった?俺に触られるの…嫌?」

類はつくしの表情を見逃すまいと、顔を近付けて大きな瞳を見つめる。
何と返せばいいかを悩み一瞬黒い瞳が揺れたが、いつも通りの意思の強い表情に戻り、つくしは首を横に振った。

「嫌じゃない…もっと…触って欲しいって…思っちゃった…」
「ね、ちょっと待って…その前にちゃんと告白させてよ…」
「告白…?」
「うん…俺は好きでもない子にあんなことしないからね?分かった?」

女性に好きだなど言ったことがない類にとっては、これが人生で初めての愛情を伝えるための表現だった。
まさか、また妹だからとか言い出すんではないだろうなと、そう言われた時のために一応次の言葉を準備しておく。
すると、つくしはまさかと驚いた顔をして、口元を両手で押さえると、類の首をギュッと抱き締め胸に顔を埋めた。

「あたしも…好きじゃない人とは、あんなことしないよ?」

類の予想をいい意味で裏切る形で、つくしは類の告白を受け止め、類の唇にチュッと触れるだけのキスを落とした。
それだけで終わるはずもなく、類はつくしの手に自分の手を重ねると、深く唇を貪る。
類の舌に応えるように、おずおずと舌を出し慣れてきたつくしのキスも、類にとっては堪らない。

自分の部屋の鍵を閉めなければ…そう思うのに、今更止められる筈がないだろうーーー

「類…あのね」
「ん…?」
「ちゃーんと、部屋の鍵は閉めたからね」

熱を持った目を類に向けて、赤い唇をペロリと舐める。
ゾクっとするような快感が背筋を伝い、類はゴクリと唾を飲み込んだ。

俺は一生、この天然?小悪魔に振り回される気がするーーー


fin

もしかしたら…まだ続くかも(笑)
こういう類くんは書いていて楽しいです…
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Re: ずき様

コメントありがとうございます(o^^o)

元気だよ〜(o^^o)
凄いね!ジャストタイミングだ!一番だ!予約投稿じゃなくて、これさっき書いて投稿したばっかり(笑)
オリジナルで疲れた頭を休めるには打ってつけですよ(笑)
今まで大体月に70,000文字くらい書いていたみたいなの〜恋愛偏差値とか30話でもそれぐらい。
文字数カウントして初めて知ったんだけど、これ大体原稿用紙で180枚ぐらいらしく、次のオリジナルは30,000〜50,000でいいと言われているから、本当は締め切り余裕なはずなんだよね…と気が付き少し肩の力を抜くことにしたよ〜

お兄ちゃんシリーズ続きそうな予感がしたから、カテゴリに追加しちゃったもんね♬

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Re: みかん様

コメントありがとうございます(o^^o)

また不調なのね〜あるよね…月の半分は私も不調だよ…
そういう時は気分転換にDVDでも借りてみるべし!ただし見過ぎるとこちらの世界に戻って来られなくなるのでご注意を(笑)

小悪魔つくしちゃんは書くのが楽しかったよ〜
ほんとどこでそんなスキルを身につけたのか…やはり最強の天然に違いない!(笑)
多分、この後の展開…

「どうして鍵を閉めたの?」
「だって類と2人でいたいもん」

ガバァッ…

最強の天然小悪魔❤️

Re: まあや様

コメントありがとうございます(o^^o)

気に入っていただけて嬉しいです♬
進捗状況は、ようやく終わりが見えてきたって感じですかね〜
でも色々と誤字脱字を手直しすべく手を加えたり…まあ毎日更新だとそんなに文字数も多くないんで手直しも日々やってしまえば楽なんですけどね…オリジナルはまとめ読みしながら直さねばならないんで…面倒(笑)
まあや様とのコラボ❤️いいですね〜森下suuさんは日々蝶々の途中でユニット化したんでしたっけ?

私の書いたものにももちろんイラストレーターさんが書いてくれるんです〜もうとっても楽しみ♬
なんてったって、表紙イメージ伝えるときに西門総二郎でって言いましたから(笑)
初っ端から類でって言うと、アキさん…って思われるかなとそこは総ちゃんで(笑)
自分がおバカだな〜と思った瞬間でした(^◇^;)次は類にしようと決めている私(゚o゚;;いいのか…こんなんで…

Re: ロンロン様

コメントありがとうございます(o^^o)

お兄ちゃんシリーズ気に入っていただけて嬉しいです♬
原作のつくしはどこいったってぐらいの、完全につくしという名を借りただけの天然小悪魔降臨ですね(笑)

類くんのイメージを変えると、皆さん多分えっ?って思われる方多いんでしょうけど、つくしちゃんをどう変えても何にも言われない…(笑)

Re: ノエノエ様

コメントありがとうございます(o^^o)

こちらこそ、土曜日はありがとうございました〜
やはりノエノエ様は神コメンテーター…と分かったチャット会でした(笑)
ああいうのも楽しいですよね〜キーボード打つ手が忙しいけど(笑)

天然小悪魔つくしちゃんはどこまでが計算で、どこまでが天然か…
食べられちゃうのは、類かつくしか…(笑)
次はつくしに何させようかなぁ〜るんるん♬
あ、お兄ちゃんは心配性とかにして、つくしにアルバイトでもさせようかなぁ(笑)(メイドはさっさと辞めた?(笑))
もうなんでもありですよね〜

Re: kanadekei様

コメントありがとうございます(o^^o)

そう!あの無邪気さは天然なのか計算なのか!(笑)
いや、きっと天然なんですよ…
あの話のあと…
「どうして鍵を閉めたの?」
「だって類と2人だけでお話したかったんだもん…」
こう続くんですよ!(笑)

ツンデレ上司と真面目なOL!お局OLとイケメン部下!
なんと美味しい(笑)
うんうん、私も男の人がすっごい主人公のことを大好きって描写好きです〜
そもそもひるなかもそうだけど、馬村がすずめちゃんに〝お前…俺のこと好きになればいいのに〝もうなに!?この堪らんセリフ!
すずめちゃんのことすっごい好きじゃん!この想い続けているのに報われない…いやぁいいよねぇ〜馬村は最後報われてほんと良かった❤️
類くんは報われてないから原作をあまり読み返さない(笑)もう二次の世界にどっぷり(笑)

馬村は、やっぱり坂口くんにやって欲しいですよね!なんてったって、馬村のモデルになった人だし!
ネットでは山崎賢人(漢字違うかも(゚o゚;;)くんとか、色々と出てましたけど…獅子男先生も気になる!
このセリフだけは外さないで…っていうのが、ひるなかは多過ぎて…映画の出来って脚本とか監督で決まるんだろうけど…お願いだから馬村贔屓で撮ってくださいと祈ってます(^◇^;)馬村のセリフをカットしないで〜最後の沖縄も原作通りによろしく〜ってこんなところで叫んでみる(笑)

はい、また熱く語ってすみません(笑)

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Re: まるこ様

コメントありがとうございます(o^^o)

あはは、渇いてるんですね!(笑)
いや〜私も類くんとつくしちゃんみたいな潤いは全くないなぁ…
リアルにあっても怖いか…(^◇^;)バカップルですし…

Re: 凪子様

コメントありがとうございます(o^^o)

こういうお兄ちゃんシリーズみたいな、設定とかほとんど考えずにテキトーに書けるのって大好きです♬
最近では類つくがストレス発散になっている気がして…(笑)

毎日更新は辛いけど、たまに更新なら全然いいですね!

チャット会楽しかったです〜またやりましょうね!って私が企画したわけじゃないけど(笑)
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