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恋をして後悔を知る〜AFTER〜

その後のお話です
もちRですよーちゃんと最後までいたしてます(笑)


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恋をして後悔を知る〜AFTER〜



「っていうかキミ、彼女いませんでしたっけ?」
 いい雰囲気になって、今度こそ最後までと黒子を押し倒しかけた瞬間、ハッと我に返ったような表情で問いかけられる。
 せっかく、モデルの仕事も大学も休みの日曜日、朝から黒子をマンションに呼び出し、あとは一日中イチャイチャするつもりだった、なのに。ちょっと待てとお預けされた犬のように、黄瀬はジリジリと黒子との距離を詰めながら考える。
 そして……彼女ヅラする面倒な女がいたことを思い出す。ああ、黒子の前で意地を張って〝彼女だ〟そう言ってしまったからだ。今までもウザいぐらいに纏わりついてきたのに、毎日のように入る女からの何してるのメッセージに、ついスマートフォンが壊れてと嘘をつきブロック。黒子のことで一杯一杯で正直すっかり頭から消え失せていた。
「彼女じゃないっスよ……ね、だから続き……」
 そんなのどうでもいいじゃないかと黒子を抱きしめ、再び唇を重ねようと赤く染まった頬を包む。あと数センチの距離で、彼の手が唇と唇の間に入り、黄瀬はフガッと間抜けな声を出す羽目になった。
「だってキミ、彼女ですかって聞いたらそうだって言ったじゃないですか。過去の己の恋愛遍歴を胸に手を当てて考えてみてください。ボクのことを好きだと言ってくれたことを疑っているわけじゃないですけど、基本キミのことを信用しているわけじゃないので」
 信用していない、そこまで言われたら黙ってなどいられなかった。坂本と付き合っていたことは、未だ黄瀬の中で燻り続けている。
「ヒドッ! っていうか、そっちこそ何もしてないってホントにホント? 一年も付き合っててキスもしてないなんて、あり得ないっスよ。いや、してるって言われたらキレる自信あるけど、してないっつーのも、なんかさ。それにまだあいつと友達付き合い続けてるし」
 納得できない。だって、もし自分だったらと考えれば、答えなど簡単に出る。黒子が自分以外の男と一緒にいるだけで、グツグツと黒い感情が胸の中に轟く。今考えれば、よく身を引けたものだと思う。黒子が他の誰かのモノになるなんて、そんなの絶対許せるはずがなかった。
「あいつって一応先輩ですよ? でも坂本さんも言ってたじゃないですか……無意識に距離を取ってたって。友達云々に関しては、ボクだってどうかと思いますけど、普通に今まで通り勉強したりするだけで……バイト先も同じですし」
「俺以外の男と二人きりで? 黒子っちのこと好きだってわかってる奴なのに?」
「バイトは二人きりじゃないです。ハッキリ言って男友達と二人になるななんて、無理ですよ。じゃあ女性ならいいんですか?」
「もっとダメ」
 唖然とした顔の黒子と目が合う。
 だって仕方ないじゃないか。
 身体の関係がないから、安心できるわけじゃない。二人には確かに心の繋がりのような目には見えない何かがあったし、黒子が坂本と一緒にいて安心しきっているのがわかった。だから……だから、悔しい──。



 男同士なんて、絶対幸せにはなれない。
 黄瀬のこの想いは、黒子を不幸にするだけだ。自分が忘れることさえできれば、ずっと親友の位置のまま、ずっとずっとそばにいられるのだと思っていた。
 しかし、まさかたった一つのこの恋が、こんなにも重く苦しいものだとは思いもしなかったのだ──。

 帝光中学バスケ部はある意味特殊な環境だった。黄瀬が一軍入りを果たしてからは特に、自分たちは特別なのだと勘違いさせるには十分過ぎるほどの、依怙贔屓。その中で努力を怠らない者もいれば、あり過ぎる自分の才能に失望する者、そして当時の一軍の実力を知り、自らの才能のなさを自覚し退部する者、様々だった。
 黄瀬にとって黒子は、そんな特別な自分たちの中のさらに特別な相手で。好きにならないわけがなかったのだ。
 見た目が秀でていいわけではない、よく見ると可愛いし、綺麗な顔をしているとは思うが、同級生男子の顔をそうマジマジ見る機会もそう多くはなく、最初の印象は最悪だった。
 黄瀬は内側に入れる人間と、その他大勢のどうでもいい人間、自分の中で二つに分けていた。一つに自分よりも優れているところがあること。二つに黄瀬が尊敬できること。たったそれだけだが、器用になんでもソツなくこなす黄瀬にとっては、内側に入れられる人間は決して多くない。
 黒子テツヤも初めは、その他大勢の一人であり、特に興味を惹かれることもなかった。
 最初のキッカケはバスケだった、思っていたよりもずっと一軍に相応しい彼の動きは尊敬に値し、あっという間に黄瀬の内側に入った。
 手のひらを返したように懐く黄瀬に、始めこそ怪訝な様子で距離を置かれていたが、元々人付き合いは得意の自分にかかれば、数日中に落ちると思っていた。
 なのに、相手は黄瀬に興味を示さない。モデルもやってる黄瀬涼太だよ、え、なんで知らないの?ほら、ダンクだってできるし、なんて恥ずかしげもなく表情に出していた。
 こっちがこんなに尊敬しているのに、どうして同じだけのものが返ってこないのか不思議だった。しかし、誰に教えてもらうでもなく理由はすぐにわかった……バスケ部には黄瀬以上に尊敬できる同級生が何人もいたからだ。
 青峰っちばっかりじゃなくてこっちを見てよと、振り向かせたくて、意味のない〝好き〟を何度も言った。
 それが欲情を伴う〝恋愛〟であることに気が付いた時は流石の黄瀬も愕然としたものだ。
『あっち〜真夏ぐらいクーラーかけようよー蒸し風呂じゃん、こんなん』
『この炎天下の中、校庭で部活中のサッカー部に殴られますよ』
『そりゃ、そうだけどさー。っていうか、黒子っちって汗かいてても男臭くないっスよね……なんでだろ、細いからかな』
『そのうち筋肉ムキムキになってやります、今に見てろこの野郎』
『頬っぺ膨らましたって可愛いだけっスよ! それ!』
 タオルを取るのも億劫だったのか、黒子は自らのシャツを持ち上げ、額から落ちる汗を拭いた。別に何とは無しに視界に入っただけで、ジロジロ見るつもりなんかなかった──なのに。
 目に入った、黒子の腹部が、たくし上げたシャツの隙間から覗く白い肌に映えるピンク色の実が、まだ純情さの残る黄瀬の胸の内を酷く刺激した。
『ちょ……っ、く、黒子っち! ヤバイって! 隠して隠して』
『んっ……』
 白い肌を隠そうと黄瀬は黒子のシャツを下に引っ張り、視線を必死に逸らした。けれど、黄瀬の手が胸を掠めてしまったのか、意図したものではなかったが、思いの外甘く甲高い声が、黄瀬の耳に届いた。
『……』
『……』
 ズクンと下半身に覚えるある感覚が走る。それはジワジワと全身に広がり、身体を熱くさせた。
 あ、ヤバイとパッと前のめりに隠しながら、恐る恐る隣に座る黒子を覗き見る。
 隣に座る黒子の頬が、微かに赤く染まっている気がした。俯きがちに体育館の床を見つめ、顔の汗を拭っているタオルの隙間から見えるのは桜色の肌。
 勢いよく立ち上がり、黄瀬はお腹を抑えながらヨロヨロと体育館の出口へと向かった。後ろから心配げに名前を呼ぶ黒子の声が聞こえたが、ちょっと腹がと言い訳をして逃げるようにその場を後にした。
 学校のトイレで、同級生の男に欲情をし、処理をする羽目になりました。と、誰かに知られたら登校拒否になりそうな事実が、黄瀬の歴史にはある。

 でも、確かに恋を自覚したのは、あの時だと黄瀬は思う。
 男子よりも遥かに早く成熟した女子生徒からは、度々付き合ってくれと告白されることはあったし、男としてその手のことに興味もあった。だから、初めての相手は女の子。柔らかくて触れば気持ちよくて、触られるともっと気持ちがいい。でも、それが恋かと言われると何かが違うような気がしていた。
 黒子に対しての気持ちを自覚し、胸の中にストンと落ちる感覚。
 ああ、俺はきっと彼に恋をしている──そう気付いたが、どうすることもできなかった。
 まずは、男同士という分厚い壁があり、一番大きく重要な部分であった。気持ち悪いと思われたらどうしよう。それが誰かにバレて、学園中の生徒にホモだと言われたりしたらどうしようとそればかりが頭の中を占めていて、黒子に気持ちを伝える勇気など有りはしなかった。
 せっかく築き上げた信頼関係も失われ、友達同士ではいられなくなる。最悪な展開としては、その後黒子が誹謗中傷に晒され転校するというものだったが、勝手な妄想であるそのシーンを何度夢に見たかわからない。
 そして、告白されることは多かったが、黄瀬は自分から想いを伝える方法を知らなかった。冗談のように、好き好きと懐いていれば、黒子は嫌々ながらも仕方なしに身体を預けてくれる。段々とそれだけじゃ足りなっていくのを自覚しても、友達の一線は消して超えられなかった。
 黒子テツヤという存在にのめり込むように、友情にしては近過ぎる歪な関係は続いていった。触れたくて、触れられなくて……でも離れることもできなかった。男同士なんておかしいと、今まで通りに女へ目を向けてみたけれど、もう心は動かされなかった。
 ただ触れられない彼の代わりに、ひたすら女を抱いた。
「黄瀬くん? どうかしました? ぼうっとして」
 近くからかけられた声に、ハッと意識が浮上する。黄瀬が出したミルクティーをふぅふぅと冷ましながら口にする黒子は、やっとのことで手に入れた恋人であるはずだ。だからこの胸の痛みは、過去のもの。それでも、過ぎてしまった思い出の中に後悔は多い。あの時、黒子からの告白を受けて歓喜に沸いた自分の心のままに動いていたら、と考えない日はなかった。
 けれど同じ重さで、自分たちの将来を考えない日はない。この人に悲しい想いをさせないだろうか、泣かせないだろうかと。
 いつか、自分以外の誰かを好きになる日がくるんじゃないか。
 それでも、他の男の手を取ることなど許せるはずがなかった。男を選ぶなら、そんな奴より俺の方が絶対いい、俺の方が黒子を幸せにできるのだと、悪魔の囁きが聞こえた。
 坂本といながらも、ふとした瞬間、時折物欲しそうな目を向けられていたのは、勘違いなんかじゃなかった。
 良かった──この人まだ俺のこと好きなんじゃん。少しの優越感と罪悪感が渦巻いた。
「いや、ちょっといつから黒子っちのこと好きだったか思い出してただけ」
 マグカップがガラステーブルの上にコトンと置かれる。黒子のためにと茶葉から厳選し、ホットミルクで煎れたミルクティーは部屋中に甘い香りを充満させる。
「いつからですか?」
「もう中学の頃には、黒子っちの裸想像してたけど……今思えば可愛いもんスね」
「ちょっと怖いんですけど……中学で裸なら、今は何なんですか?」
 真顔で問われ、黄瀬は長い睫毛の奥にある瞳を細めて、口角を上げた。
 本当はこのまま黒子の身体をベッドに括り付け、誰にも見せずに誰にも触れさせずに、俺だけのモノにしたいのだと告げれば、どんな顔をするのだろう。
「ん〜そうっスね……まずは、誰にも触らせてないかチェックさせてもらおうかな」
「っていうかさっきの話、誤魔化してませんか? キミの大多数の一人でいるつもりはありませんから」
「どうでもいい女たちと黒子っちを同列にしないで。もう別れたようなもんだけど、取り敢えずセフレは全部切る。つーか、面倒だしスマホ買い換えるから」
「うわぁ、サイテー」
 引き気味の表情、抑揚のない声色で告げられる。しかし、本当に自分の気持ちが重過ぎて、愛しているという気持ちと同じぐらい、黒子に対してどす黒い感情が渦巻く。
 誰とも喋るな、俺以外に笑顔を見せるな、触るな。坂本とかいう奴にあげた分だけ返せ。そんなことを言えば、黒子は怒るだろう。でも考えてしまう。
「だって仕方ないっしょ? 俺が外で発散してなかったら、あんたとっくに犯されてたよ」
「そうじゃなくて……女性に対して、何か思うところはないんですか?」
 失礼な話だと黒子が憤る。黄瀬の隣は数週間からひと月で相手が変わる。大体は面倒で返信しなくなった黄瀬に痺れを切らし、相手から別れを告げられることが殆どだ。しかし、女性たちは自分のプライドが傷つかなければ何ということはないらしく、黄瀬から連絡が途絶えたという事実は隠され、黄瀬涼太と付き合っていたというステータスを満たせる話だけが残る。
「向こうだってメリットがあるから俺と関係持ってたんだから、おあいこっスよ」
「こんな嫉妬深い男と付き合うことになんのメリットが?」
「だから、それは黒子っちにだけ……ってあんたそれわかってて言ってんじゃん。言わせたいんだろ? 俺に」
 チュッと頬に口付ける。誘うように熱を持った瞳を向けて黒子を見つめると、同じように頬への口付けを返された。微かな吐息が頬にかかり、その程度のことなのに、黄瀬の胸はまるで中学生の如く高鳴った。
「そうですね……ボクだって、人並みに独占欲ぐらいありますから」
「他の女を抱いた手でボクに触るな、なーんて言ってくんないんスか?」
「そうしたら一生プラトニックですね、それもいいかもしれない」
 再びミルクティーに手を伸ばす黒子の手を上から掴む。何するんですか、と睥睨する瞳さえ黄瀬を狂わせるんだと唇を重ねれば、触れ合う唇も黄瀬と同じように熱を持ちしっとりと濡れていた。
「あんた相手にプラトニックなんてあり得ない……狂いそうっスよ。つーか、そろそろ俺に抱かれる覚悟決めろよ」
「とっくに決まってますけど」
「やっぱ、黒子っちサイコーっスわ」
 絡めた手から、トクントクンと伝わる心臓の音は一体どちらのものなのか。



「……っ」
 ビクッと細い腰が震える。快感に弱く触れれば反応を見せる黒子の身体は、いともたやすく黄瀬の手腕に陥落を見せる。
 明るい日差しの中で見る黒子の肌は、淡いクリーム色のシーツと同化してしまうほどに白く、ほんのりと桜色をしている。まるで幼子のように柔らかく透明な肌に散った花びらが、黄瀬の焦燥感をさらに煽った。
 早く突っ込んで細い身体を揺さぶって、気持ち良すぎて泣きながら許しをこうほどに酷くしたいと思うのと同じくらい、優しく丁寧な愛撫で蕩けさせ甘やかしたいという気持ちがある。
「声、出して……ほら」
 蜜を溢す性器の先端を擦りながら、胸に色付く赤い実に舌を這わせる。長時間黄瀬に弄られ続けたせいで、真っ赤に腫れた乳首が男性とは思えないほどに立ち上がりテラテラと唾液に濡れている。
「ひっ……あぁっ、や、そこばっか……」
「ココ、触ったの俺だけ?」
 グッと強く敏感に立ち上がる乳首を抓る。痛みを感じるのか、涙に濡れた目を薄っすらと開いた黒子に、咎めるような視線を向けられる。
「っ、流石にキミがドSだとは……思いもしませんでした」
「ベッドの中だけっスよ……答えて」
 より強く両方の乳首を引っ張ると、堪え切れなくなった涙が頬を伝う。
「ふっ、あ……キ、ミだけに、決まってる……でしょうっ」
「こうやって、擦ったのも?」
 ピュッと蜜を噴く性器をいやらしく強弱をつけて擦り上げれば、手の中でさらに固さを増した性器がドクンと脈打ち新たな蜜を溢れさせる。
「やぁ……っちゃうから、も……」
「まだ、ダーメ。で、触らせてない?」
「当たり……前、でしょうっ? おねが……っ、は、やく」
 シーツの波の上で、卑猥に黒子の腰が揺れる。緩く輪を作るように性器の先端を握れば、快感を得ようと黄瀬の手に擦り付ける動作が、酷くいやらしい。
 徐々に腰を揺するスピードが早まり、チュプチュプと水音が下肢から響く。黄瀬の手の甲を溢れた体液が流れ落ち、ポタリポタリと黒子の腹を濡らした。
「ん、あっ、あぁっ……ダ、メ、も……っ、んんっ!」
 ビクンと身体をしならせて、温かな体液が手のひらに吐き出される。
 息を弾ませ呼吸を整える黒子の足を開かせ、腰の下に枕を敷いた。
「黒子っち、力抜いてて」
 黒子の体液で濡れた手のひらを後孔に擦り付ける。本来受け入れる器官ではないそこは、黄瀬の指を受け入れまいとザラリとした内部が収縮を繰り返し、キツく閉じている。
「ん、くっ、はぁっ……」
 ゆっくりと中を押し広げるように、進んでいく。体液の助けもあり、第一関節まで入れてしまえば、あとはスムーズに奥深くへと飲み込まれていった。
「平気?」
「は、い……」
 苦しげに寄せられた眉は、快楽を得られていない証拠だけれど、黄瀬を受け入れようと小さな声で大丈夫だと告げられる。
 痛みによる生理的な涙が黒子の目からこぼれ落ち、黄瀬が指を引き抜こうとすれば、離すまいとするように首に腕が回った。
「黄瀬くん……キス、してください。酷くしていいから……」
 もう、本当に──黄瀬を煽る天才なのか、天然なのか。
 貪るように重ねた唇から、くぐもった声が漏れる。苦しかろうが、煽った責任は取ってもらうしかない。
「んんっ……ふ、はぁ」
 キスの深さに合わせるように、黄瀬の指を飲み込んだ内壁が蠢く。キスで蕩け力が抜けた後孔に指を増やし、クチクチと水音を立てながら出し入れを繰り返す。
「あ、あっ、ん……く、るしっ……も」
 後孔からは潤滑油とした体液が指の隙間から流れ落ちる。再び流れた体液を押し込むように指を突き入れれば、膝が大きくビクリと震える。
「ふあっ……やぁ、んっ」
「ココ……? 気持ちいい?」
 黒子の反応を逃すまいと、探るように収縮する内壁を擦り上げる。浅い場所を何度か突くと、黒子が顕著に反応を示す場所があった。
「やっ、あっ……はぁ、も、っとゆっくり……っ、変になっちゃうからぁっ」
「ダメ、俺がもう我慢できない」
 萎えていたはずの黒子の性器が再び屹立を見せ、腹に付くほどに反り返る。先走りが溢れ、後孔へと伝う。客観的に犯している映像を見せられているような卑猥さに、黄瀬は喉を嚥下させた。
 ハクハクと口元から酸素を取り込む黒子の瞳は、愉悦の波に浸り快楽を享受していた。涙に潤んだ瞳の中に、欲情した自分の姿が映った。モデルとは思えないほどに、おかしいぐらい、黒子テツヤという一人の人間に陶酔しきっている。それが嬉しいとも感じる。
 痛いほどに昂ぶっている先走りを溢れさせる己の性器を、足を持ち上げ、黄瀬の指の形通りに開いた黒子の後孔へと押し当てる。黒子の身体が恐怖による強張りを見せた。
 体重をかけないように頭の両側に手をついた黄瀬が水色の髪を撫でると、気持ち良さげにゆっくりと目が閉じられ、強張っていた肩からホッと力が抜ける。その隙をついて、体液に塗れた性器を埋め込んだ。
「いっ、あぁっ……!」
「も、ちょい……力、抜ける?」
 ハッと短く息を吐き出して、黄瀬は苦痛に歪む黒子の眉間に口付けた。ギッチリと窄められた後孔は押すも引くもできないほどに、固く強張っている。黄瀬も痛いが、黒子ほどではないだろう。
 眉間から目尻を伝い、頬へ。そして半開きの唇から赤く覗く舌を絡め取る。
「ん……はっ、ぁ」
 クチュッと唾液を流し込み、隙間なく唇を重ねる。コクリと黒子の喉が動き、白い指先が黄瀬の髪に絡められた。キスに夢中になる間、黒子が気付かない程度に腰を進めていく。
 相変わらずキュウキュウと内壁の締め付けはキツかったが、黄瀬の性器を誘うようにヌルついた体液が滑りをよくし、余すところなく飲み込んでいく。
「ふ、ぁ……っ」
「わかる……? 全部入ったの」
 苦しいのか、黒子から吐き出される息は荒い。しかし、黄瀬の首に回した腕を緩め、表情を覗き込めば、充足感に満たされた微笑みを返され、首が縦に振られた。
 再び唇を重ね、ゆるゆると腰を引き、戻すを繰り返していく内に、黒子の口から甘い吐息が漏れ始める。
 チュプチュプと体液が混ざり合う音がする。黄瀬が奥を突く度に、後孔からはどちらのものとも知れぬトロリと白濁とした体液が流れシーツを濡らす。
「ん、あっ、あ……き、せく……」
「気持ち、い?」
「い、い……っ、ソコ、あっつ、い」
 繋がった結合部から、ジンジンと頭の芯を痺れさせるような快感が全身を巡る。肌がゾクリと粟立ち、固くそそり立つ性器を包む内壁が、ギュッと強く締まった。
「ん……俺も」
「あぁっ」
 悲鳴にも似た、黒子の甘く蕩けるような声を聞きながら、黄瀬は恍惚感に身体を震わせた。



 気怠げに身体をシーツに沈ませる。ギュッと黒子の身体を胸の中に抱き留めたまま、黄瀬は深く息を吐いた。
 まだ夕方にも早い、午後三時前。汗で張り付いた前髪をソッと手で拭い、黄瀬は額に口付けた。すると、微睡んでいた黒子がパチっと目を開け、拗ねたように唇を尖らせると黄瀬を睨んだ。
「なに?」
 十秒前までの甘い空気は鳴りを潜め、ツッと冷たい目が向けられたことに、思わず動揺を見せる。身体を十分に気遣ったつもりだったけれど、あまりよくなかっただろうかと黄瀬はたじろいだ。
「やっぱりキミって……」
 重苦しいため息。何を言われるのだろうと心音を高く響かせながら、黒子の言葉を待つ。
「なに?」
「手慣れてますよね……なんかムカつく」
 コテっと黄瀬の胸元に赤い頬が寄せられる。逸らされた視線に、恥ずかしげに細められた目元が愛おしさを増長させる。
 ピピピッと黄瀬のスマートフォンが音を立てて鳴った。ベッドの脇に置かれたスマートフォンに表示される名前に気鬱げな黒子の視線が移る。彼のそんな仕草一つで、黄瀬は有頂天になるのだ。
 仕事関係者や大切な連絡先はバックアップを欠かさない。
 黄瀬は手を伸ばし電源を落とすと、数メートル先のゴミ箱へとスマートフォンを投げ入れた。
「それでも、俺のこと好きでしょ?」
「だから悔しいんじゃないですか」

 先のことなどわからない。
 けれど、大切な人はいつだって一人だけ。


fin



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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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きょん!様

コメントありがとうございます♫

あちらのリレーも楽しんでいただいているようで嬉しいです!

どうしてもね、黄瀬くんに想いを遂げさせてあげたかった(笑)
最後まで致したかったんです!

私もスイパラ来月行きますよ〜
楽しみです!
が、映画も終わっちゃったし、イベントもどんどんなくなっていくんだろうなと思うと悲しいですね…
また映画やってくれないかなぁ
プロフィール

オダワラアキ

Author:オダワラアキ
オダワラアキの二次小説・二次創作置き場へようこそ。
ひるなかの流星・花より男子・日々蝶々・君に届け・会長はメイド様の二次小説・創作置き場です。黒バス黄黒、青黒BLも書いております。
現在はオリジナルばっかりになってしまったなぁ。

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